代理店を活用する営業戦略とは?利益に伸び悩む企業が参考にした営業戦略を紹介

代理店を活用する営業戦略とは?利益に伸び悩む企業が参考にした営業戦略を紹介
share
Facebook Twitter はてなブックマーク Pinterest

売上が伸び悩んでいる企業や、自社だけの展開に限界を感じている企業は代理店営業を検討してみませんか。ここでは、代理店営業に関する基礎知識と、代理店を活用する営業戦略について解説しています。

売上を伸ばし続ける持続成長が可能な企業を目指すための戦術を紹介します。ぜひ、企業の戦略を策定する際にお役立てください。

代理店営業に関する基礎知識

紙の資料を見ながらタブレット端末を操作している人

ここからは、代理店営業に関する基礎知識を紹介します。代理店営業とは何か、種類による違いを具体的に解説しています。自社だけで売上を伸ばすのに限界を感じている企業は、下記をふまえて代理店営業も検討してはいかがでしょうか。

代理店営業とは

「代理店営業」は自社の製品・サービスの販売を、外部の企業に依頼してもらう営業スタイルを指します。

代理店営業では、代わりに販売してもらう店を増やすためのアプローチをかけます。新規開拓から運営までのサポートはもちろんのこと、営業開始後も運営に関するアドバイスや営業同行をして支援。

パートナー企業に自社の営業ノウハウを伝授し、細やかなサポートを行うことで継続的に利益を生み出す代理店へと成長させるのです。

代理店営業の種類

代理店の種類は大きく分けて3つに分類されます。1つ目は取次代理店で、2つ目が再販代理店、3つ目がOEMです。

取次代理店は製品・サービス紹介のみ代理店が行い、契約締結や販売後のサポートは製品メーカーやサービスの提供元企業が対応します。顧客を探す過程を短縮できるため、成約率の高い顧客のみ営業をかけることが可能です。

再販代理店はリセラーとも呼ばれており、製品・サービスの販促から契約、アフターフォローまでを一貫して代理店が請け負います。販促だけでなくアフターフォローまで一貫して任せられるので、メーカーの業務負担が軽減されます。
メーカーは再販代理店のフォローに回り、消費者に対して営業をかける手間が省ける分、製品開発に注力できることが可能です。ただし、修理やクレーム対応など一部の専門的な業務は、メーカーが対応するケースもあります。

最後にOEMは、メーカーの製品やサービスを代理店のブランドとして販促・販売する営業スタイルを指します。再販代理店と異なるのは、販売後に販売店が消費者対応する点です。製品やサービスの提供のみに留められる分、再販代理店から得られる手数料も安いというデメリットはあります。

代理店を活用するメリット

代理店を活用するメリットを3つ、以下で解説します。自社のみの販路開拓に限界を感じている企業は、代理店での販路開拓も視野に入れてみませんか。代理店営業を検討している企業は、メリットを踏まえたうえで活用をご検討ください。

コストを抑えた営業活動ができる

企業(メーカー)が代理店を活用するメリットは、営業にかける時間とコストを抑えて営業できる点にあります。

自社で営業部隊を設けて販路開拓する場合、営業部隊の採用・教育・営業にかかるコストを捻出しなければなりません。人材募集の広告費から教育費、社員に支払う給与、販促費用を全て賄うのはかなり負担が大きいと言えます。

代理店を活用すれば、大人数の営業部隊を抱える必要がなく、人材募集にかける広告費・教育費・給与・販促活動費を大きく削減できます。

販路を一気に拡大できる

企業が販路を開拓する際は、本社・支社・営業店舗のあるエリアに営業活動の範囲が限られます。対して、代理店を活用する場合、代理店が出店しているエリアで営業をかけられるため、全国展開を視野に入れられます。

直営店舗を増やすよりも、遥かに速いスピードで店舗を拡大していけるでしょう。販路を一気に拡大し売上を伸ばすなら、代理店を活用するメリットは大きいと言えます。

販売戦略の見直しが容易

企業が代理店を活用するメリットとしては、社会変化に応じて販売戦略の見直しが容易になることも挙げられます。

例えば、大手携帯電話会社が政府から料金の引き下げを求められたケースでは、代理店を活用したため料金の引き下げや格安モバイルの販売に柔軟に対応できていました。コロナ禍で飲食業界全体の売上が落ち込んだ際にも、代理店を活用している企業は弁当や総菜を充実化させたり、タッチパネルを導入したりと販売戦略を切り替える動きがみられました。

代理店を活用すると、消費者に営業をかけるコストが浮くため、社会変化に対応するコストに回せるメリットが得られます。また、企業が人材を直接雇用するわけではないので、繁忙期や閑散期に向けて従業員の数を調整する手間がなくなります。

代理店営業で起こりえる問題

リスクを象徴する黄色と黒の道路標識

ここからは、代理店営業で起こりえる問題点を3つ取り上げていきます。代理店の活用はメリットばかりではなく、当然ながらデメリットも存在します。悪い面も踏まえたうえで、代理店営業を行うかどうかを検討したいところです。

営業を100%コントロールできない

代理店を活用する場合、直営店舗とは異なり、完全に経営をコントロールすることはできません。大手寿司屋の代理店で景品表示法違反が起こったように、代理店では伝達ミス・認識の相違などが起こるリスクがあります。

また、代理店が発信した情報が原因となってSNS投稿などが炎上し、企業やブランドイメージを損ねるケースも決してゼロではありません。

常にミスが起こりえると想定して、ミスが発覚した際の対策を決めておくことが重要です。ミスが起こった際の代替案や、炎上した際の責任の取り方を決めておけば、想定外のトラブルにも対応できるようになります。

自社に販売ノウハウが蓄積されない

代理店を活用した際は、自社に販売ノウハウは蓄積されにくくなります。代理店から報告を受ける際と、直営店舗でノウハウを培う場合では、取得できる販売スキルに大きな差が生じます。

販売ノウハウが蓄積されないことを考慮し、全てを代理店にするのではなく、一部直営店舗を構える企業もあります。代理店を活用しながらも、引き続き自社で営業ノウハウを蓄積するの施策を考えることも重要です。

代理店の動きによって左右されがち

代理店に頼れば頼るほど、代理店の動きにより経営が左右されるリスクがあります。

代理店の営業開始後もサポートが必要な理由は、代理店が競合他社と契約を交わすリスクがあるためです。営業開始後に売上が伸び悩んだり、フォローが適切でなかったりすると、代理店がメーカー側に不信感を抱いてしまうと乗り換えられる可能性が高まります。

代理店が契約を乗り換える際は、今の販売ノウハウを活用できる同業他社に流れてしまうケースが少なくありません。売上がある店舗、売上がなくとも立地が良く見込みがある店舗の契約が切られると、収益に響く恐れがあります。

代理店の獲得まで力を入れるのではなく、契約後のフォローまで重視して代理店営業をかける必要があります。

代理店営業を成功に導く方法

「SUCCESS」(成功)という言葉を指す羅針盤

下記では、代理店営業を成功へと導く方法を解説していきます。代理店営業を成功に導く方法を5つのフェーズに分けて紹介していくので、ぜひ代理店営業を取り入れる際にお役立てください。

(1)戦略立案

代理店営業を行う前に、戦略を立案し目指す方向性を固めておくことが大切です。KPI・KGIを設定しておくと、目標到達度合いを定量的に観察できるようになり、経営状況を把握しやすくなります。

KPIは重要業績評価指標のことで、事業のゴールに対してどのくらい達成しているかを確認できる指標です。一方でKGIとは重要目標達成指標のことであり、経営上で目指す最終的な目標です。ゴールの指標としてKGI、中間目標としてKPIと考えると設定しやすくなります。

たとえば、最終目標KGIが代理店数の増加ならば、目標到達には代理店へのアプローチ数や代理店からの問い合わせ数をKPIに設定し増やすことができます。代理店売上がKGIなら、売上に繋げるための講習会の実施数や営業同行数などがKPIとなりえます。

何のゴールを目指し、何を中間目標に掲げるかは予め考えておく必要があります。

(2)代理店ビジネスの体制構築

代理店営業を成功させるには、代理店ビジネスの体制構築を行い、自社製品・サービスを効果的に販売してもらうための仕組み作りが必要です。

まずはPEST分析・3C分析・競合調査・STP分析などを行い、自社の強みや市場におけるポジションを明確化します。次にはその結果を言語化し、代理店が理解しやすい形で資料などにまとめておきます。

代理店は100%はコントロールできないと踏まえたうえで、代理店にも消費者にも伝わりやすい販促方法や販売方法を考えておくと大切です。代理店が競合他社に流れるのを防ぐために、契約形態やインセンティブも明確にし、自社ならではの強みを持っておきたいところです。

体制構築に必要な事項
・代理店契約の形態:取次代理店・再販代理店・OEM
・代理店のランク付け:A~F等
・インセンティブの計算
・ノルマ:代理店の目標
・ペナルティ:ノルマ未達成の対応等

(3)代理店の開拓

代理店営業を成功させるには、パートナーとなってくれる代理店の開拓が必要です。幅広いエリアを対象とした代理店営業を行うのであれば、Web上でパートナー募集をかけることをおすすめします。

代理店募集用の一般的なWeb施策は公式ホームページへの掲載や、代理店募集サイトへの掲出です。また、代理店向けに自社商材を紹介するオンラインセミナーも選択肢の1つ。

顧客管理ツールを利用するkとおで、募集する代理店の問い合わせにスムーズに対応できるようになります。問い合わせからアプローチまでの期間を短縮し、ビジネスプランや年間契約を早く立てることで、競合他社に流れるリスク防止が可能です。

もちろん、自社の製品やサービスの強みを伝えて、競合他社と差別化が図れる点をPRするのも大切ですが、経営者にとって重要事項である売上・資金繰り・人事・労務といった観点からもアプローチをかけることが重要です。

(4)代理店の育成

代理店営業の成功のためには、契約締結前だけでなく、契約締結後のフォローも大切です。

代理店を育成して売上を伸ばせる店舗に成長させることで、良好な関係を築き、契約更新してもらいやすくなります。自社のために働いてくれる代理店スタッフの自信やモチベーションを向上させ、売上を伸ばして安定した手数料を得られる体制を構築しましょう。

また、代理店が売れる店舗になるためには、自社製品やサービスに対する理解が必要不可欠です。代理店向けの資料を用意したり、講習会や勉強会を実施したりして基礎知識を養っていく必要があります。

また、代理店が消費者に営業をかけやすい販促ツールを用意し、売れる環境を整えることも重要です。定期的なフォローを行い、代理店の声を拾い上げて不満を解消しましょう。モチベーションをコントロールでき、稼働率を向上できれば、代理店に販売ノウハウを蓄積できるようになります。

(5)代理店の営業支援

代理店を育成するには知識のインプットだけではなく、アウトプットするための営業支援も重要。代理店の営業に同行し、営業手法や商品説明に対するアドバイスを実施したり、後方支援したりすることで営業力を磨いていきます。

また、上記のサポートに加えてクロージング支援も行うと、成約に繋げるための営業手法を掴めるため、代理店のスタッフで営業力を強化していけるようになります。

販売や営業活動を代理店に任せる場合においても、最初は企業(メーカー)側の社員が代理店スタッフに営業手法を伝授する必要があるため、ある程度自社で営業ノウハウを蓄積しておかなければなりません。直営店舗を持っていると、自社の営業ノウハウを蓄積できるうえに、代理店へ指導する人材も同時に確保できます。

代理店営業をより効果的に運用するには

ノートパソコンを使って仕事をしている人の写真

これより先は、代理店を効果的に運用するための方法を紹介します。代理店のモチベーションを保つ施策を講じ、消費者の興味を集める販促コンテンツを用意しておくと、代理店の営業活動を支援できます。ぜひ、代理店営業を行う際に取り入れてみてください。

代理店にインセンティブを支給する

代理店を効果的に運用するなら、モチベーションの維持に繋がるインセンティブを支給するのが一つの方法です。

代理店営業では、代理店が競合他社に流れず率先して売上を伸ばせるような環境づくりが必要です。インセンティブを支給すると成約率に応じて利益率が上がるため、代理店が成約獲得に積極的になり、代理店・企業の売上の増加を期待できます。

インセンティブで代理店の収益を高めた方が良い理由としては、契約手数料を変動させると、代理店の規模によって利益に繋がらない恐れがあるためです。たとえば、代理店の紹介顧客の購入額の数パーセントを手数料として支払う契約の場合、手数料を変動させてしまうと、売上が少ない企業も報酬が増加します。

企業の負担が大きくなるため、インセンティブを採用することをおすすめします。

エリアを考慮して代理店を配置する

エリアを考慮して代理店を配置しなければ、代理店による格差が生じてしまいます。当然ながらエリアが被る代理店は売上が下がり、エリアを独占している代理店は売上の増加に期待が持てます。代理店の売上を守るためにも、既に契約している代理店パートナーの商圏に出店させないなど、ルールを設けることが大切です。

また、一定の売上が見込めるエリアへの出店に制限を設けるなど、売上を守れるエリアに販路開拓する必要があります。

出店するエリアを本部側で選び、売れるエリアへ出店させられれば、企業と代理店の安定した利益に繋がります。代理店の売上を守ることで契約に対する不満が生じにくくなり、継続契約に繋がる可能性が高まるのです。競合他社に流れないようなアフターフォローが重要と言えます。

代理店をランク付けする

代理店をランク付けする制度を設けると、ランクにより受けられる報酬や支援内容が変わるため、積極的に営業活動をしてもらえるようになります。

毎月ランクを変動させれば、月ごとに報酬が変わるのでモチベーションを継続しやすくなります。代理店の従業員のボーナスや給与にも関わるため、オーナーだけでなく従業員の意識も変えられるでしょう。

ただし、都市部や田舎などエリアにより売上や販売数に差が生じるので、地域特性を加味したランク付けを行うことが大切です。地域差を理解してランク制度を設定すると、代理店から不満の声が上がりにくくなります。

キャンペーン期間を設ける

代理店営業を効率的に行うには、企業やブランドとしてのキャンペーン期間を設けるなど、営業活動を支援する取り組みを実施する必要があります。キャンペーン目的で利用する新規顧客も増えるため、代理店の新規顧客の開拓に繋げられます。

企業(メーカー)側が定期的に販売促進の施策を実施することで、代理店に好意的に受け止められやすくなるでしょう。OEMでも販売促進活動は大切で、自社製品やサービスが売りやすければ代理店は積極的に販売してくれるようになります。

まとめ

「まとめ」と書いてある吹き出しの画像

売上に伸び悩む企業や、販路開拓に限界を感じている企業は、代理店を活用して販売網を広げていくことをおすすめします。ただし、代理店営業をスムーズに行うには、パートナー企業との信頼関係作りや商材に関する教育といったサポートも大切です。

契約締結から営業開始後まで細やかにサポートすると、継続契約に繋げられます。定期的な施策を実施し、販売活動を支援することで代理店・企業の売上アップに積極的に貢献しましょう。

代理店の広範囲な募集を考えている場合は、Web集客がおすすめです。Web上のオウンドメディアで代理店募集を呼び掛けたり、キャンペーン情報を発信したりすることで結果として売上に繋げられます。

キャククルの運営元であるZenkenでは、これまでに120以上の業界で8,000を超えるWeb制作・マーケティング実績を上げてまいりました。得意としているのは、クライアントの強みや特徴に合致する親和性の良い見込み顧客の集客やリード獲得です。

自社の商材を販売する代理店をWeb上で効率的に募集したい方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

Web集客に関する
お問い合わせ・ご相談はこちら

ページトップへ