BtoBのSaaS企業がリードを獲得するために知っておくべきこと
2020年07月27日

SaaS企業のリードには大きく3タイプある。
「Software as a Service」の略であり、インターネット経由で提供されるサービスとしてのソフトウェアを指すSaaS。このSaaSビジネスを拡大していくためにリード獲得を目指す際に、知っておくべきリードの特徴についてまとめました。また最後にリード獲得のための当社のマーケティング手法についても紹介しています。
リードとは何か?
リードとは見込み顧客を指します。企業間取引(BtoB)において、自社がこれからアプローチをしていきたいと考える顧客です。
リード獲得からそのリードが顧客になるまでには大きく2つのプロセスがあります。
ひとつは見込み顧客獲得のフェーズを指すリードジェネレーション。そしてそのリードを育成するフェーズを指すリードナーチャリングです。
リードのリードジェネレーション~リードナーチャリングのプロセスには無数の方法があるように思えますが、大きく分けると以下の3タイプに分類できます。このどれがよいというわけはなく、それぞれのタイプの特徴を理解したうえで、SaaSに応じて使い分け、併用をしていくことがSaaSビジネスにおけるリード獲得を成功させるカギとなります。
<3つのタイプのリード>
- Seeds(種 多数→多数)
- Nets(網 1→多数)
- Spears(槍 1→1)
(参考:Predictable revenue guide to tripling your sales https://www.slideshare.net/aaronross383/predictable-revenue-guide-to-tripling-your-sales-part-1-intro-customer-success-41471559)
(参考:selfree公式サイト https://www.selfree.co.jp/2019/11/24/saas-急成長に必要な予測可能なリード獲得)
では一つ一つについて、以下に詳しく見ていきましょう。
種(Seeds)タイプのSaaSビジネスのリード獲得(多数→多数)
クチコミや紹介などで多数から多数にむけて拡散させ、リード獲得していく方法です。
SaaSビジネスではサービスをいきなり使ってもらうことが難しく、無料のお試し期間などをもうけて、興味を持った人にとにかく使ってもらう手法を取り入れる会社が多いです。
このように無料でサービスを配布し、いずれ使ってもらえるように種をまいておくというリード獲得方法です。そしてサービスに満足したユーザーが、他のユーザーに紹介してもらい拡散していくことを目指します。
このSeeds「種」タイプリード獲得方法におけるポイントは、利用ユーザーに成功体験をもたせることです。そしてその成功の確率をよりあげるために、利用ユーザーをしっかりとサポートすることの2点です。
このタイプのリード獲得は比較的安価にスタートできる点から、現在SaaSビジネスにおいてよく取り入れられる手法です。しかしながら、大きな問題もあります。
それはコントロールが難しいということです。まず拡散されるタイミングを自社でコントロールできません。またユーザーから他のユーザーへというクチコミに頼る以上、基本的に良い面も、悪い面も両方とも伝わります。利用ユーザーがSaaSを利用し、満足すればよいのですが、満足しなかった場合、その不満や悪い点の方が拡散してしまう可能性があります。この点からも種(Seeds)タイプのリードは成功体験させるためのサポートの重要性がとても高くなります。
網(Nets)タイプのSaaSビジネスのリード獲得(1→多数)
Googleなどのリスティング広告をはじめ、ポータルサイトへの広告出稿、オウンドメディアやポジショニングメディアによるコンテンツマーケティングによるリード獲得です。
リスティング広告
ピンポイントで狙いた顧客に対して、自社サービスに気が付いてもらう広告手法として有効なのがリスティング広告です。特に利用ユーザーが明確に限定されるSaaS企業に適した施策と言えるでしょう。
問題はBtoBの場合、たとえリスティングでアプローチしても、すぐにコンバージョンするわけではないということです。BtoBの場合の購入意思決定は複雑です。一人の判断でなく複数人による比較検討がなされることが多いためです。リスティングだけでなく、サービスの良さをしっかり伝えるためのブランディングサイトや、Boxilなどの比較サイトへ出稿などを併用することがおそらく必要でしょう。
またすでに購入ニーズが明確な場合にのみ有効な手段であるため、潜在ニーズを獲得していく必要があるのであれば、次に紹介するオウンドメディアの運営が必要かもしれません。
オウンドメディア
「オウンド」という言葉が意味するように、自社で自社をブランディングするためのメディアを指します。コンテンツマーケティングといって、一番最初に想起されるのがこのオウンドメディアではないでしょうか。
このオウンドメディアの強みは、自社の強みをしっかりと伝えることができることです。またユーザーの抱える課題に先回りして、その悩みを解決するコンテンツを用意することで、潜在顧客にアプローチしていくことが可能です。
ただし、オウンドメディアにも大きな課題があります。それは即効性がないということです。オウンドメディアで、ユーザーにリーチするためには、ユーザーが検索するであろうキーワードの検索結果で上位表示させる必要があります。しかしこの上位表示させるためには、キーワードの構成やライティングなどのさまざまなスキルが必要です。またコンテンツをアップしたら、すぐに上位表示できるわけではなく、初めてのサイト立ち上げの場合、半年から1年ほどの時間を要すことが多いです。
ただここでリスティングなどを併用することで、このラグタイムをうまく利用することも可能です。また、上位表示されるようになったサイトはドメイン力が付くため、そこから派生した類似コンテンツは最初にあげたコンテンツよりもずっと早く上げやすくなります。サイトによってはコンテンツを投稿した次の日には上位表示されるようにもなります。
なおこの特性は、他社が簡単に真似できない大きな差別化になります。つまり、時間をかけて丁寧に運用されるコンテンツマーケティング・オウンドメディアは、効果が出るのに時間がかかる反面、他社が真似できない強力なプロモーションツールに育てていくことができます。
槍タイプ(Spears)のSaaSビジネスのリード獲得(1→1)
テレアポなど、担当者への直接的なアポイント獲得施策を指します。
これだけIT技術が発展し、様々なアプローチ手法がある中で、地道に1社1社に声をかけていくようなリード獲得手法は非効率と考えられがちでしょう。
実際、非効率的です。しかしながらこの手法がおそらくもっとも有効なケースがあります。それは相手が大企業の場合です。(もちろん友人・知人づてで大企業を紹介してもらえるのは一番良いのですが、運によるのでここでは省きます。)
現状、もし自社のSaaSを大企業に導入してもらいたいのであれば、待っているのではなく、積極的にテレアポをはじめ、直接的な手法でコンタクトをとる必要があるでしょう。一番効率が悪いようでいて、一番強力にコンタクトをとっていくことができるのがこの手法です。
この槍(Spears)タイプの欠点は効率が悪いことです。ここで一番重要なことは、「大企業」もしくは導入したことが「今後の展開の鍵になりそうな企業」をみつけてアプローチするということです。
BtoBなので、他の類似サービス、商品との比較検討にたえうる準備を行ったうえで、質による勝負を行うことで大きな飛躍をしていくことができるかもしれません。もう少し言うと、この準備こそがカギになるでしょう。大企業ですので、ライバル企業も当然同じことを考えてアプローチします。そこで、自社のSaasにどのような強みがあり、それが利用者にどのようなメリットを提供し、他社のSaaSと何が違うのかをしっかり伝えられることが重要になります。
この意味では、網タイプのリード獲得手法であるオウンドメディアなどを用意したり、ポジショニングメディアなどで自社の立ち位置を明確にしておくことは、この槍タイプのリード獲得においても有利に働きます。
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SaaS企業のリード獲得には網タイプのコンテンツマーケティングをまず用意しては?
以上、3タイプのリード獲得手法についてみてきましたが、どれも一長一短であることが分かったと思います。ただその中でもどれに優先的に着手していくべきでしょうか?
まずは時間のかかるオウンドメディアで網を準備したうえで、その網の効果が出てくるまで、槍タイプで研鑽を積み、種タイプで市場の反響を知るという方法もあるでしょう。
いずれにしてもコンテンツマーケティングをしかけることは、単に顧客獲得の手段ではなく、今後ライバルと戦っていくための武器を作っていくこと、市場から信頼を勝ち得ていくためのものだと考えています。
時間がかかる施策だからこそ、今が具体的な検討に着手すべきタイミングかもしれません。ご興味持たれましたら当社までご連絡ください。
当社では7000社以上のコンテンツマーケティング支援を行っており、オウンドメディア(ブランディングメディア)、ポジショニングメディアのノウハウを日々蓄積、研鑽しています。貴社のSaaSビジネスの成長を当社なら加速させることができます。