新卒採用で重要な採用マーケティングの考え方とは

新卒採用で重要な採用マーケティングの考え方とは
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この記事では、新卒採用に必要なマーケティング戦略について深堀していきます。採用にマーケティングが必要になった背景やメリット、始め方など解説しますのでぜひ参考にしてみてください。

新卒採用環境の変化

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国内の人口減少によって人材確保が難しくなっている今、少子高齢化も加速して、新卒採用も企業の大きな課題となってきています。さらに近年、これまで経団連主導のもとに進められてきた採用ルールが廃止され、企業は2021年から政府主導のルールに則って採用活動を行わなくてはならなくなりました。

現行ルールであった広報解禁、選考解禁、内定解禁の日程遵守は2022年卒まで維持されますが、今後政府により指針の改正があれば、それに従って採用活動を行うのが通例となるでしょう。しかし、この就活ルールはあくまで指針なために効力が薄いという側面もあります。

水面下では企業側で学生の早期争奪戦が行われており、それに伴って多くの企業ではインターンを含めた就職活動の早期化が進んでいるのが実情です。企業側は早くから優秀な学生に接触しながら、2~3年をかけて良好な関係を築き内定に持ち込むという、長期的な採用活動の必要にせまられているのです。

このような採用環境の変化に伴い、採用にマーケティングの考え方を導入する企業が増えてきています。就職サイトやイベント、SNSの活用など採用手法が多様化するなかで、自社の求める学生を採用するにはどのように採用マーケティングをすすめていけば良いのでしょうか。

ここでは、採用マーケティングの基礎知識を解説しながら、効果的な採用マーケティングの進め方について紹介しています。

採用マーケティングとは

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企業の採用活動に、消費者向けのマーケティングの考え方や手法を活用する取り組みのことを採用マーケティングといいます。
そもそもマーケティングとは、

  • 自社の市場における立ち位置を把握し
  • 顧客ニーズを探り
  • 最適な形で商品・サービスを提供する

ことで市場をつくっていく活動です。これを採用に置き換えると、

  • 自社の理想の人材ニーズを把握し
  • 就活生・学生のニーズを探り
  • 最適な手法でアプローチして人材を確保する

ということになります。

つまり、自社のほしいターゲットを見極め、そのターゲットに対して他社にはない自社独自の「強みや魅力」を、適した形(媒体・メディア)で明確にアプローチして入社を促す戦略と言えるのです。

通常のマーケティング活動と同様、採用マーケティングでも、まずは自社の市場における立ち位置、学生(ターゲット)のニーズ、自社の強みや魅力を「把握する」ことから始めるのが重要と分かります。

採用マーケティングの必要性

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これまでの企業の新卒採用活動といえば、就職サイトや求人媒体への広告掲載、転職エージェントを通して集めた応募者の中から人材を選ぶ、というような学生が求人情報を見て応募してくるのを待つスタイルが一般的でした。

しかし、国内の労働人口そのものが減り、新卒採用市場は売り手市場状態で、今は新卒の学生側が会社を選ぶ時代です。また、働き方や価値観が多様化している現在では、これまで人気が集中していた「大手志向」から、自分の価値観に合ったユニークな企業を探す傾向に変化してきています。

認知度の高い大手だから、老舗だからといって学生が確保できる時代ではなくなりました。どの企業であっても、Webサイトや求人媒体の情報で知ってもらうだけでは効果が限定的になってきているのです。

採用マーケティングのメリット

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採用マーケティングを導入すると、以下のようなメリットが得られます。

求める人材・優秀な人材からの応募が増える

自社の求める人材や優秀な人材へのアピール力が大きくなるため、求人情報を掲載するだけの「待ちの採用」に比べて母集団形成の点で有利です。応募者に占める優秀な人材の比率が高まるため、結果的に自社が求めていた人物像を確保することにつながります。

はじめにミスマッチを防止できる

学生が応募してくるまでの間にマッチ度を高める活動をすることによって、あらかじめ学生と企業とのミスマッチを防ぐことができます。

ターゲットを絞り、ニーズに即したコンテンツや採用手法で活動することが、結果的に自校と親和性の高い学生やターゲットに近しい学生のみを集めることにつながるのです。掲載する媒体の数や求人情報の量で幅広くリーチしようとせず「届けるべき層」に的確にアプローチすることができます。

採用コストの削減につながる

戦略的な採用マーケティングは、選考の手間やリソースを省けるため、採用の費用対効果向上にもつながります。いくつもの媒体に情報を露出する必要がなくなるため、採用コストの削減にもつながるでしょう。SNSなどを活用すれば就職支援の中間業者を通さない分、コスト面で大きなメリットがあります。

長期的で安定な人材確保につながる

毎年繰り返す採用活動にマーケティングの考え方を取り入れることによって、手法や改善が自社の採用データとして有効になります。

潜在層の段階で計画的に必要な人材を絞り込みできるようになれば、「自社の求める人物像」に早い段階からアプローチできるようになるでしょう。徐々に安定して人材を調達できるようになり、中長期的な視点で見ても効率的です。

自社のブランディングにつながる

採用マーケティングによって、多面的に自社の魅力や強みについて見つめ直すことになります。商品・サービスの販売や営業活動では見出だせなかった新たな魅力の発見につながるかもしれません。また、自社のビジョンや企業理念、方向性を一貫して掲げることによって自社のブランディング構築ができます。

採用時の取り組みが学生から評判になると、学校やOB・OGを通してさらに広く知れ渡る可能性も。会社の規模や創業年数にとらわれず、自社の強みや魅力を理解した学生を呼び込むことにつながります。

採用マーケティングの進め方

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自社の求める人物像と確実に出会い、効率よく獲得するためには、マーケティングと同じように「誰に」「何を」「どこで」アプローチするかが大切です。ここでは、採用マーケティングの進め方をステップごとに解説します。

ターゲットを決める

展開する事業の特性はもちろん、将来的な展望を考慮した上でどんな人に入社してほしいか、必要な人物像「ターゲット」を明確にしましょう。求める人物像は具体的であればあるほど採用活動がスムーズに進むため、丁寧に設定することが大切です。

また、各部門にどのような人材が必要か、どの部署で新卒を育成したいか、育成環境は整っているかなど、社内の各部署も理解しながらターゲットを決めてください。詳細なターゲット設定にはマーケティングの「ペルソナ」の考え方が有効です。

ペルソナ設定

学生の性格や趣味嗜好、仕事に何を求めるか、将来はどうなりたいと考えているか、生活では何を重視するか、など、現実にその人が存在するかのように「求める人物」の具体像を設定しておきましょう。

ペルソナ設定は、自社を知り、興味を持ってくれた学生の中からどのように比較検討して選考していくか、価値観を図る上で大切な指針となります。

自社のビジョンや理念に共感してくれそうか、主体性を持って行動してくれそうか、成長が期待できるかなど、ペルソナがあることで選考の基軸を決めやすくなるほか、求める人物像に適したアプローチ方法を策定しやすくなります。

訴求する情報を決める

ターゲットが決まったら、ターゲットのニーズを把握して訴求する情報を決めていきましょう。このとき、求める条件を一方的に発信するだけではなかなか応募者は集まりません。ターゲットのほしい情報を盛り込みつつ、自社の強みを確実に提供するようにしましょう。

自社の魅力を効果的にアピールするためには、まず自社の経営理念や戦略、事業内容・商品・サービスなどを分析して、強みと弱みを整理していきます。「SWOT分析」や「3C分析」というマーケティングのフレームワークを応用すると、多面的な視点で分析できておすすめです。

SWOT分析

SWOT分析とは、内部環境のプラス面「強み(Strength)」、内部環境のマイナス面「弱み(Weakness)」、外部環境のプラス面「機会(Opportunity)」、外部環境のマイナス面「脅威(Threat)」の頭文字からきています。この4つの要素を整理して、強みや懸念点を見つけ出していくフレームワークです。

例えば、内部環境のプラス面では「○年連続で黒字経営」「業界トップシェア率」、内部環境の弱みでは「認知度が低い」など、自社の特徴を強みと弱みの両方に振り分けて考えることで、打ち出すべきポイントや自社の立ち位置が見つかり、訴求内容が明確になります。

3C分析

自社を取り巻くビジネス環境を理解する際に用いるのが3C分析です。「市場(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの視点から自社の立ち位置を把握します。
採用に応用するなら、Customerを求める人材(学生)、Competitorが自社と比較される他企業、Companyが自社の強み・魅力にあたります。

採用チャネルを決める

ターゲットと訴求する内容が決まったら、採用手法やアピールする場所を決めます。単に情報を発信するだけでなく、会社を知ってもらってから入社までの各フェーズに合った手法を選択することが大切です。

例えば、はじめに就職サイトなどのメディアで認知度アップを図り、自社採用メディアを通じて訴求力を高めてSNSなどのメディアを活用して情報を広める、といったように、複数のメディアを組み合わせて活用するのも効果的です。

マーケティングのデータを収集しながら自社に最も適したチャネルを絞り込んでいくために、PDCAを回して精査・改善し、採用活動を徐々にブラッシュアップしてしましょう。

ペイドメディア

求人サイトや求人情報誌など、金銭を支払うことで求人広告や情報を掲載してもらうメディアをペイドメディアと言います。大多数の学生に向けて情報を発信できるため、広く認知してもらいたい際に有効です。

ただし、学生からの応募の有無にかかわらず情報掲載にはコストがかかるため、採用計画や予算と照らし合わせながらの運用が必至です。

オウンドメディア

自社が独自に制作・運営するメディアのことで、自社採用サイトやページがオウンドメディアにあたります。動画による会社紹介や社員のインタビュー、キャリアアップの具体例紹介など、コンテンツ内容を充実させることでターゲットに分かりやすく自社の魅力を伝えることができます。

自社に興味を持った学生からの流入が主なため、応募時点でのミスマッチを防ぐ効果もあります。

アーンドメディア

ユーザーが自ら情報を発信できるメディアのことです。FacebookやTwitter、LINEなどのSNSがこれにあたります。ターゲットに近しい学生に情報が拡散されれば、認知度が向上するほか好感度や信頼度の上昇も期待できます。

多くの学生が利用しているため、ターゲットにとってもっとも身近なツールと言えるでしょう。採用情報をアーンドメディアのみに絞ることで、コストの削減につなげている企業もあります。

自社のバリュープロポジションを確立しよう

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採用マーケティングは、ナレッジを蓄積しながら手法に改善を加えていけるため、将来のコスト削減や安定的な人材確保にもつながる戦略的な方法です。他社よりも確実に「求める人物像」へアプローチするために、学生の求めることや魅力、自社が提供できる価値や強みを照らし合わせてみましょう。

学生の興味や志向が変化し世の中の働くスタイルも多様化している今、さらに学生優位の売り手市場の中、他企業との人材の争奪戦は今後も激化することが予想されます。どんなターゲット(学生)に対し、自社の強みをどのようにアピールするか、効果的な施策を準備しておくことが大切です。

自社にしか提供できない独自の価値や強み、魅力のことを「バリュープロポジション」といいます。自社の強みや魅力を発信する手段を備えておけば、自社の求める人物像に自然と気づき、選んでもらいやすくなります。バリュープロポジションの考え方に基いた採用戦略を立ててみてください。

Zenkenでは、バリュープロポジションの考え方に基づいたポジショニングメディアを応用した採用活動支援も強みとしています。

「自社と相性が良い人材」が見つかるポジショングメディアとは

ポジショニングメディアのイメージ画像詳細についてはお問い合わせください

ポジショニングメディアとは、自社にしか提供できない独自の価値や強みに焦点をあてたWebサイトです。

学生が求めているニーズを予め特定し、その中から他社には提供できない自社だけの魅力と合致するものを提示します。ポジショニングメディアを導入した結果、

  • エントリー数が10倍増えて採用率もアップした
  • 自社を理解してもらい、理想に近い人材を獲得できた

といった成果が上がっています。

ポジショニングメディアについて詳しく知りたい方は下記のページをご覧ください。
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