コンテンツマーケティングを採用活動でも活かす方法

コンテンツマーケティングを採用活動でも活かす方法
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求人サイトで採用募集をかけているのに、

  • なかなか応募が来ない…
  • 採用したいターゲットからの反応がない…

とお悩みの採用担当者様はいませんか。採用活動にコンテンツマーケティングを活用すれば、自社が求める人物像に近いユーザーからの反響を得られる可能性を高められるかもしれません。

この記事では、コンテンツマーケティングを採用に活かす方法と、応募者を集めるためのポイントについて解説していきます。

採用活動に力を入れて取り組みたい、採用戦略を見直したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、記事やイラスト、動画、図解などを通して、ユーザーに「情報=コンテンツ」を発信し、コミュニケーションをとる活動です。

ユーザーからコンテンツに興味を持ってもらうことで、自社への理解を深め、関心を高めてもらう目的があります。
コンテンツマーケティングでは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを作ることが重要です。最終的に「この商品が欲しい」、採用活動で言えば「この会社で働いてみたい」「応募してみたい」とユーザーに思ってもらえるかがカギとなります。

採用におけるコンテンツマーケティングとは

採用コンテンツマーケティングイメージ画像

採用活動にコンテンツマーケティングを活用すると、今まで自社を知らなかったユーザーにリーチすることができます。

または、自社について知ってはいたけれど、関心のなかった学生や求職者に対し、興味や関心を抱いてもらえるようになります。

採用におけるコンテンツマーケティングの最大目的は、学生や求職者にとって価値あるコンテンツを提供し、最終的に「この会社に入社したい」と思わせることです。つまり、コンテンツでは「入社への意欲を掻き立てる情報」を発信する必要があります。具体的には、

  • 企業理念
  • 他社との違い
  • 職場の雰囲気
  • 実際に入社した社員の声
  • 仕事のやりがい
  • 環境への配慮

といった情報などがあげられます。

採用活用にコンテンツマーケティングが求められる理由

企業の採用活動においてコンテンツマーケティングが求められるようになった背景には、新卒採用環境の変化が起因しています。他にも、ミスマッチ防止や採用手法の多様化などがあります。

  • 新卒採用環境の変化…学生の絶対数が少なく売り手市場
  • 早期離職の防止…入社前から仕事内容や職場環境への理解を深めてもらう
  • 採用手法の多様化…ハローワーク以外でWeb媒体を使った手法が多様化

新卒採用環境の変化

人口減少と少子高齢化が加速する日本では、そもそも新卒を採用したくても学生の絶対数が少なく、売り手市場となっています。

さらに、これまで経団連主導のもとに進められてきた新卒採用ルールは廃止され、政府主導のルールのもとで採用活動をしなければならなくなりました。

その影響で、企業間の学生の早期争奪戦が行われており、インターンを含めた就職活動の早期化が進んでいます。

このよう環境の変化によって「優秀な人材をいかに早く確保できるか」は、企業共通の課題となっているのが実情です。

ミスマッチによる早期離職の防止

せっかく良い人材を確保できても、ミスマッチによって早期離職が発生する可能性があります。早期離職を防ぐには、入社前から仕事内容や職場環境などの情報を詳しく提供し、会社や仕事について理解を深めてもらうことが重要です。

コンテンツマーケティングを通してあらかじめ詳細な情報を発信しておけば、応募前に求職者の理解を得られます。また、企業への信頼も高まり、入社後のミスマッチを防ぐ効果が期待できます。

採用手法の多様化

近年のインターネットの浸透によって、採用手法が多様化してきたのもコンテンツマーケティングが求められるようになった理由のひとつです。ハローワークでの求人のほかにも、

  • 求職サイトや
  • 転職サイト
  • SNS連動型求人
  • リファラル採用

など、多くの企業がさまざまな手法を駆使して採用活動を行っています。

コンテンツマーケティングを採用活動に活かすメリット

企業のあらゆる情報が発信できる

一般的な求人サイトや転職サイトでは、企業の事業内容や仕事内容、採用条件や勤務時間など、掲載する内容はほぼ決まっています。

サイトによっては文字数や画像の数にも限りがあり、伝えられる内容は限定的です。自社で働く魅力をアピールするには足りないと感じる場合もあるでしょう。

コンテンツマーケティングなら企業が自由に情報を発信できるため、工夫次第で求職者の興味・関心を引くことが可能です。

社員のインタビューや仕事のやりがい・面白さを伝えるレポートなど、あらゆる情報をコンテンツに落とし込んで求職者に届けられます。

継続的に接点を持てる

求人サイトや求人誌など媒体への求人掲載は、掲載期間が終了してしまうと見ることができません。特に求人サイトは掲載内容も残らないため、せっかく興味を持ってもらえてもタイミングによっては応募に繋がらない可能性もあります。

コンテンツマーケティングならコンテンツが長期にわたって蓄積されるため、継続的に求職者との接点を持つことができます。

自社のブランディングに繋がる

コンテンツマーケティングで自社のビジョンや企業理念、将来の方向性を一貫して掲げることにより、企業ブランディングができます。

自社の良い印象が評判となり、学生や入社したOB・OGの口コミで広まる可能性もあります。それにより、自社の強みや魅力を理解した学生をさらに呼び込むことにも繋がるでしょう。

採用活動で発信すべきコンテンツ

採用活動のコンテンツとして発信すべき情報には、以下のような項目が挙げられます。どんなコンテンツでサイトを構成するかの参考にお役立てください。

  • 採用メッセージ…企業のモットーやポリシー・企業理念など
  • 募集職種…具体的な仕事内容を発信
  • 事業内容・提供サービス…自社ならではの強みを訴求
  • 社員紹介…職場でどんな人が活躍しているかを紹介
  • 社内の様子…実際に自分が働く姿を想像させる
  • キャリアパス…昇進制度やキャリアプランを紹介し入社のモチベーションを向上させる
  • 社内制度・働き方…福利厚生制度や先輩社員の声を紹介
  • 選考ステップ…応募者の応募前の不安解消させる

採用メッセージ

経営者や創業者など、企業のトップが発信する企業のモットーやポリシー、理念などは企業の風土が伝わりやすくなります。また、人事担当者や先輩社員からの語りかけなども、志望の動機づけに効果的です。

募集職種

募集している職種や業務内容などを記載します。仕事内容を具体的に発信するほどミスマッチ防止に繋がります。

事業内容・提供サービス

自社が行っている事業や提供するサービスについて紹介するコンテンツです。事業分野によっては、自社ならではの強みをしっかりと伝えることで応募に繋がりやすくなります。

社員紹介

職場でどんな人が活躍しているかを紹介する社員紹介は、応募のほか拡散効果も目指せるコンテンツになります。工夫して動画や音声を使うとイメージが具体的になり、より効果的です。ターゲットとなる求職者と親和性の高い社員を選ぶようにしましょう。

社内の様子

オフィス内の様子や社内イベントの紹介は、実際に自分が働く姿を想像しやすくなり動機づけに有効です。動画や画像を使えば、ユーザーがよりイメージしやすくなります。

キャリアパス

昇進制度やキャリアプランを紹介することで、入社のモチベーションが高まります。実際に社員がたどってきたキャリアパスや研修制度、取得した資格なども掲載するようにしましょう。

社内制度・働き方

休日や勤務時間はもちろん、独自の福利厚生制度を記載するようにしましょう。先輩社員の声や社内の様子を紹介する際にあわせて盛り込むと、求職者の印象に残りやすくなります。

選考ステップ

実際に応募したらどのような選考が行われるか、求職者が具体的なイメージを持ちやすくなります。応募者の応募前の不安解消にもなるため、選考ステップはできるだけ詳細を明確に提示するようにしましょう。

採用コンテンツマーケティングの進め方

目的・目標の明確化

まずは採用コンテンツの最終目的をしっかりと定めます。求職者からの応募を増やしたいのか、ブランディングを進めたいのか、具体的な目的を策定するのがポイントです。

目的が決まったら、具体的な目標値を設定していきます。目標を定量化することで効果検証がしやすく、PDCAを回しやすくなります。

ターゲット・ペルソナ設定

誰に対してコンテンツを発信するか、ターゲットを設定します。これから就職活動をする学生に向けるのか、転職を考えている求職者かなど、ターゲットの年齢層によっても発信すべきコンテンツは異なってきます。

自社が求めるターゲットの属性をできるだけ細かく決める「ペルソナ設定」をしておくと、発信すべきコンテンツが見えやすくなります。

運用体制をつくる

発信する目的とコンテンツの主軸、ペルソナが決まったら、次に運用体制を構築しましょう。コンテンツを自社で内製するなら社内で人員が必要ですし、制作会社に依頼するにしても連携をとりながらの運用が必須です。

通常の採用業務と兼務するのか、コンテンツの専任を決めるのか、社内の状況を見ながら決めてください。

スケジュール設定

目的・目標やペルソナ、運用体制が決まったら、コンテンツを完成させて公開するまでのスケジュールを決めていきます。

誰がどんな作業をするかの役割を明確にして、いつまでに行うかを設定しましょう。コンテンツの一部を外注へ依頼する場合は、制作会社の担当者ともスケジュールを設定・共有します。

コンテンツを作る(改善する)

スケジュールに沿ってコンテンツを制作したら、チェックして公開作業に入ります。公開後は、キーワードの検索結果画面での順位を分析し、必要があれば見直しや改善が必要です。コンテンツが全く見られていない場合は、最初からの作り直しも視野に入れましょう。

採用活動におけるコンテンツマーケティング事例

ここからは、採用活動にコンテンツマーケティングを上手く取り入れて成功した企業事例を紹介します。

  • 日本マクドナルド…創業者の考えや企業理念を積極的に発信。
  • 三幸製菓…コンテンツマーケティングを採用しFacebookとの連動。
  • サイボウズ…自由な社風や働きやすさを前面にアピール。
  • タニタ…社員食堂の健康メニューを再現したタニタ食堂のコンテンツを発信。

日本マクドナルド

ハンバーガーの世界チェーンとして知られるマクドナルドでは、創業者の考えや企業理念を重視し、採用メッセージとして積極的に発信しています。

また、従業員が満足して働ける環境整備や社員教育など、働くやりがいや満足度を高める施策の紹介で応募者を集めています。

三幸製菓

新潟のお菓子メーカー「三幸製菓」では、認知度が低く採用予算が少ない時期から、コンテンツマーケティングを活用しています。

一方的な情報発信ではなく、ユーザーに寄り添ったコンテンツで共感するユーザーを集めるのに成功。さらに、Facebookとの連動によって、よりマッチ度の高い求職者を集めています。

サイボウズ

グループウェアの開発・提供を行うサイボウズのコンテンツでは、自由な社風や働きやすさを前面にアピールしてユーザーを集めています。

サイボウズが独自に導入する「ポテンシャル採用」の紹介など、採用基準の面白さからも応募者の増加につなげている会社です。

タニタ

体温計や体組成計など、医療・健康器具を取り扱うタニタ。採用コンテンツでは、社員食堂の健康メニューを再現したタニタ食堂が有名です。タニタ食堂のコンテンツをきっかけに、健康に対するイメージの企業ブランディングでも成功しています。

運用にはリソースの確保と体制づくりが大切

求職者からの継続的な反響を得られる可能性を高められるコンテンツマーケティング。掲載期間ごとに費用がかかる求人媒体に比べて費用対効果も高く、結果的に採用コスト削減にも繋がる施策です。

ただし、すぐに効果を得るのは難しく、根気強く運用を続けることも必要です。制作にはリソースも時間も要するため、採用担当者1人だけでは運用ができません。

プロジェクトとして社内でチームを結成し、しっかりと体制を整えましょう。

下記「採用ブランディング」の記事内でも採用コンテンツについて詳しく解説しています。採用マーケティングに取り組む方は、ぜひこちらもご覧ください。

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