キーエンスのオウンドメディア戦略とは？BtoB向けWebマーケティングを分析

「キーエンス」のBtoB向けオウンドメディア戦略の特徴

引用元：キーエンス公式サイト（https://www.keyence.co.jp/）

センサーなどの精密機器を販売するメーカー、キーエンスはオンラインの集客チャネルの大半が自社メディア経由となっており、複数のオウンドメディアを運営しています。

例えば、安全機器に関するメディア「安全知識.com」や、「測定器ナビ」「熱処理入門」「業界別センサIoT活用事例サイト」などなど、多種多様なメディアを展開。

キーエンスのオウンドメディアは、主に顧客の課題解決のための参考情報を提供するホワイトペーパー型です。

オウンドメディアを独立させて際立たせるというよりも、コーポレートサイトの一部としての役割も持たせ、社名検索や自然検索からの流入がメインとなっています。

自動車や金属加工、食品など、業界別に活用方法がまとめられており、ユーザーが自社に適した事例や課題解決の参考にできる情報を発信しています。

そのほか、製造業の現場で使われるIT用語集、各テーマに沿った基礎知識解説ページ、海外業務エンジニアのための語学レッスンサイトなど、学習コンテンツも充実。再訪問や回遊率を高める工夫がされています。

コンバージョンの機会を逃さない工夫

CV（コンバージョン）は資料ダウンロードやIoT導入に関する問い合わせフォームとなっており、リード獲得が目的です。

幅広い業界を対象にした資料にすることで、より多くのユーザーに資料をダウンロードしてもらう目的があり、製造業の現場を管理する責任者や設備・施設担当者をターゲットとしていることが分かります。

活用事例サイトでは、製造現場のラインに沿ったイラストから各工程の事例へリンクできる、ユーザーの使いやすさを考慮したインターフェース。主にパソコンからの検索を想定した、見やすさ重視のデザイン性です。

各ページへリンクした際には資料ダウンロードのポップアップも表示されるようになっており、リードを取りこぼさない工夫も施されています。

ページ内での移動がしにくい、どこに目的のページがあるか分からない構造は、それだけで離脱率を大きく上げてしまいます。確かな情報と使いやすいUIというのも、Webの戦略では重要です。

キーエンスのBtoB向けオウンドメディア戦略の概要

• ターゲット：製造業の設備・施設管理者、製造現場のIoT導入を考えている企業担当者
• 目的・ゴール：資料ダウンロード、問い合わせ、Web会員登録

IoTの活用事例サイトでは、事例ページごとに関連商品ページへのリンクが貼られており、キーエンスが提供するさまざまなソリューションを確認できるようになっています。

公式ホームページ、オウンドメディアともにキーエンスのサイトからカタログを閲覧するには、氏名、メールアドレス、会社名、電話番号などを記載し「Web会員」になることが条件です。

また、IoTの導入に関する問い合わせフォームの送信も、Web会員への登録が必要となっています。
リードと同時にWeb会員も獲得し、のちにメルマガ配信や営業活動といったアプローチにつなげられることがうかがえます。

CVの先を見据えたオウンドメディア戦略

ひとつの機器について掘り下げた情報を発信しているメディアは数少ないため、検索で上位表示されやすくなります。

それはつまり、本当にその機器を求めているユーザーや、その機器によって解決できる課題を持っているユーザーの目にとまりやすくなるということ。しかも有益な情報を発信してくれているため、ユーザーの信頼感も醸成されていくのです。

広く浅くのリード獲得ではなく、たとえ全体の数は少なくとも本当に自社の機器を求めてくれるリード獲得を狙った、ニッチ市場を活用したオウンドメディア戦略です。

各メディアから資料をダウンロードをしてもらうことで、例えすぐに顧客にならなくとも次のアプローチへと結びつける、いわゆるリード育成（リードジェネレーション）の入り口となっています。コンバージョン獲得だけでなく、その先の営業や将来のアプローチをも見据えた設計になっています。

オウンドメディアを活用した戦略でお悩みなら

成果へとつながるオウンドメディアをつくるためには、目的やターゲットにあわせたキーワードの選定、コンテンツの制作、コンバージョンへの導線設計などの戦略が非常に重要です。

自社ならでは、自社だからこそつくれるオウンドメディアを目指して戦略を考えてみましょう。

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