地方創生に貢献する広告を生み出す仕組みとマーケティングの成功事例

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このページでは、地方創生に有効な広告手法と地方創生のマーケティングはかくあるべし、という成功事例について説明していきます。

東京オリンピックが開催されたとしても、海外観光客の受け入れには慎重な姿勢にならざるを得ない状況にあります(※1)。2020年からコロナの影響で大ダメージを受けている観光業界。日本全国への国内旅行もまだまだ客足が戻るには時間がかかりそうです。

人が動かなければ自治体の収益源は枯渇したまま、ますます地方創生が厳しくなることは想像に難くありません。2014年に内閣官房に「まち・ひと・しごと創生本部」が設立され、「ストップ少子化・地方元気戦略」を推進してきましたが、やはりコロナの影響で予算が削減されるなどの影響が出ています。

(※1)2021年3月4日記事作成時点の状況

地方創生につなげる広告手法の前に考えるべきこと

会議室で広告やマーケティングについてあれこれ討論する前に、そもそも地方創生とはなんなのか、改めて考えてみたいと思います。

令和3年度「中間支援組織の提案型モデル事業」の公募の申請締め切り迫る

地方創生臨時交付金の申請
地方創生プロジェクトは国策のひとつであり、国から交付金も支給されています。さらに関係人口創出のためのビジネスモデルへの支援も実施しています。

まち・ひと・しごと創生本部が募集している「中間支援組織の提案型モデル事業」公募の提案募集が2021年3月15日に締め切られます。「令和3年度関係人口創出・拡大のための中間支援モデル構築に関する調査・分析業務」の公告によるもので、内閣府のホームページには以下のように記載されています。

令和3年度「中間支援組織の提案型モデル事業」について
内閣府では、民間事業者等による都市住民と地域のマッチング支援等の取組に関する提案型モデル事業を令和2年度から実施しています。令和3年度「中間支援組織の提案型モデル事業」に関する詳細は以下のとおりです。
令和3年度「中間支援組織の提案型モデル事業」の公募について
(「令和3年度関係人口創出・拡大のための中間支援モデル構築に関する調査・分析業務」の公告)
提案募集期間:2月18日(木)~3月15日(月)正午まで
引用元:内閣府 令和3年度「中間支援組織の提案型モデル事業」について(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/about/kankei/r03_teian_model.html

ホームページには提出書類の形式などが明記されています。締め切りまでに時間がありませんが、気になる方はご確認いただければと思います。

※参照元:内閣官房内閣広報室 令和3年度 地方創生予算「令和3年度予算及び令和2年度第3次補正予算について」(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/meeting/tihousousei_setumeikai/pdf/r03-01-15-shiryou2.pdf

地方創生臨時交付金”コロナ交付金”の使い道にも課題が

令和3年度予算及び令和2年度第3次補正予算について見てみると、「地方創生推進交付金」には1,000億円が見積もられていますが、そのなかでもっとも予算を割いているのが、「地方への人の流れの強化」で28.9億円、次いで「地方を支えるまちづくり」に16.5億円などとなっています。

先日千葉県白井市がコロナ交付金を公園に設置する看板を立てる予算に充てることがわかり、市民からの反発が出ているというニュースが話題となりましたが、医療機関の支援や休業した事業者への協力金として使うべきである、という意見は当然と言えば当然。

交付金の使い道に関しては、東日本大震災の復興予算がインフラに集中、人口減少が進む地方でそのインフラの維持費や活用法の問題が持ち上がるなど、行政と市民生活の見ているや実体経済にアンマッチが生じていることが問題視されています。

ここでそもそも、地方創生とはなにを指すのか、どこを目指すべきなのか、その本質について考えてみたいと思います。

「地方創生」の意味が理解できていなければゴールは設定できない

自治体通信ON LINEに関東学院大学・牧瀬稔准教授(法学部地域創生学科)が寄稿した記事で、牧瀬稔准教授は地方創生への理解について以下のように問いかけています。

地方創生の意味を不明確な状態で進めることは、ゴールを決めないでマラソンのレースを開始するようなものである。
ランナーは、いつまでたってもゴールに辿り着かない(だって、ゴールを決めていないんだもの)。けれども、とりあえず走ってはいるので、ゴールに近づいていると錯覚してしまいがち。
そして、走ることに対して自己満足している状態でもある(「よく分からないけど、動いているオレってすごい!」と勘違いしている)。引用元:自治体通信ON LINE 意外と曖昧な「地方創生」の定義とは(https://www.jt-tsushin.jp/article/chihousousei-makise_01/

地方創生につなげる広告手法やマーケティング手法をリサーチするからには、当然ゴールを決めていることとは思いますが、もし目標があいまいなまま地方創生のプロジェクトを進めているとすれば、牧瀬准教授が言うように「いつまでたってもゴールに辿り着けない」可能性もあります。

地方創生のゴールは人口減少の克服と、地域経済の活性化であり、この観点を見失ってはいけない、とも説明しています。さらに地方創生の定義について下記のように述べています。

この観点から地方創生を考えると、「地方自治体が、従前と違う初めてのことを実施していく。あるいは、他自治体と違う初めてのことに取り組んでいく」と捉えることができる。
すなわち、自治体の政策にイノベーションを創出する活動と言える。
ところが、現状はどうだろうか。国の地方創生の制度設計に大きな問題があると認識しているが、現在、多くの自治体は「地方『踏襲』」や「地方『模倣』」となっている。そのためイノベーションは生まれない。引用元:自治体通信ON LINE 意外と曖昧な「地方創生」の定義とは(https://www.jt-tsushin.jp/article/chihousousei-makise_01/

牧瀬准教授が地方創生でかかわった地方自治体は、初めての試みやほかの自治体とは違う施策にトライしているといいます。模倣では差別化ができませんし、人もお金も呼び込むことが難しい。

地方創生につなげる広告施策を決める前に、その企画やプロジェクトに独自性があるか、発信力があるか、地域外の人をひきつける魅力があるか、冷静に分析すべきです。

地域のブランディングに必要なマーケティング分析

地域のブランディングに必要なマーケティング分析
最近はテレビで地方自治体のゆるキャラをあまり見ないようになりましたが、直近ではデビューから10周年を迎えるくまもん利用商品の売上高累計が9,891億円と発表され、異次元の経済効果をもたらす成功事例としてニュースに取り上げられていました。

これは極端な成功事例ですが、地域のブランディングがいかに重要かということを教えてくれる事例です。ひとことで地域ブランディングといっても、さまざまな要素があります。

たとえば、

  • 地域の独自文化
  • 地域の伝統
  • 地域の特産品
  • 地場産業
  • 地域の価値観
  • 地域内のコミュニティ
  • 住民の行動や習慣/li>
  • 地域外からの移住者たち
  • オリジナルのサービス

といったものが考えられます。よく似た環境の地方自治体と差別化を図るために、自身の地自体にはどのような要素があるか、ほかの自治体にないもの(たとえそれが当たり前すぎて自分たちには強みと思えなくても)はないか、いま一度考えてみることが大事です。

それでは実際に地域ブランディングと地方創生に成功したマーケティング事例を見ていきましょう。

地方創生に寄与した地域マーケティングの成功事例

「青森の裸エプロン漁師トレーディングカード」(あおもりの肴)

「青森の裸エプロン漁師トレーディングカード」(あおもりの肴)

画像引用元:日本財団海と日本PROJECT in 青森県公式サイト「青森の裸エプロン漁師トレーディングカード」(https://aomori.uminohi.jp/report/aomorinosakana/)

テレビなどでも紹介され、話題となった「青森の裸エプロン漁師トレーディングカード」。このカードを仕掛けたのは、青森県産の水産物に関するPR活動をしている青森県農林水産部水産局水産振興課の現役公務員。

「あおもりの肴」関連イベントや県内外で青森県産水産物を提供する協力店などで配布されていて、県外の青森県アンテナショップなどでも入手できるそうです。まさにこれまでほかの自治体がやっていなかった取組みです。

漁師カードが全国で認知されたおかげで「あおもりの肴フェア」に家族連れや女性単独客が多く来場するようになったといいます。しっかり地方創生に貢献、トレカを収集することがマーケティングに直結する成功事例といえます。
あおもりの肴ツイッター埋め込み

尾道デニムプロジェクト

尾道デニムプロジェクト

画像引用元:尾道デニムプロジェクト公式サイト(http://www.onomichidenim.com/)

広島県東部に位置する備後地方は日本有数のデニム産地ですが、もっと広く認知してもらうためにはブランディングが必要と感じていたといいます。そこでデニムの魅力発信と、尾道の街の魅力発信のため2013年に「尾道デニムプロジェクト」をローンチさせました。

備後地方はもともと藍染め産業が盛んだったことから、デニム生産が地場産業として根付きました。ユニークなのは、尾道で働く住民に1年間ジーンズをはかせて作ったユーズドのジーンズ。大工や漁師といいった仕事ごとにダメージに個性が出て、大変なプレミアがついて人気を集めているそうです。

株式会社ディスカバーリンクせとうちが仕掛けた「尾道デニムプロジェクト」は大成功、世界に1本だけのユーズドデニムは、尾道の店舗でしか入手できないそうです。

絶メシリスト(群馬県高崎市)

絶メシリスト(群馬県高崎市)

画像引用元:絶メシリスト公式サイト(https://zetsumeshi-takasaki.jp/)

株式会社博報堂ケトルが仕掛けた「絶メシ」のローカルコラボ。

高崎のローカルグルメ発信と後継者募集という、二兎を追う企画が「絶メシリスト」です。高崎市の総務部企画調整課が受け皿となり、運営されています。

絶品グルメを絶滅させるな!というスローガンのもと、老店主にそのこだわりや後継者に求めるものなどをプロのライターがインタビュー。まさに飯テロなリッチコンテンツで地域外からの関係人口を増やそうとする試みです。

テレビ東京で『絶メシロード』としてドラマ化され、話題を呼びました。

コロナで加速したデジタルシフトと地方創生を結び付ける「関係人口」

デジタル後進国日本、という言葉を繰り返し聞きますが、台湾のようなアジアのデジタル先進国に学びを得て、急速にデジタル化が進んでいます。日本特有の既得権益などが阻んでいたデジタル化ですが、皮肉なことにコロナという共通の敵が、これまでの停滞を打ち破ろうとしています。

人口減少改善と地域経済の活性化に必用なのは、他地域からかかわりを持ってくれる「関係人口」を増加させることです。

総務省 関係人口ポータルサイト

画像引用元:総務省 関係人口ポータルサイト公式サイト(https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/index.html

関係人口とは、他地域から移住してくる定住人口や観光で訪れる旅行者などの交流人口とは異なり、他地域からさまざまなかたちで地元にかかわってくれる人たちを指します。上記は総務省が関係人口増加を推進する窓口となるポータルサイトです。

若年層が極端に少なく高齢化が進んでいる地方自治体では、自力でデジタル化を進めることはできません。活気のある地域づくりに外部の人間にかかわってもらい、デジタル化などによって地方自治のあり方自体を変えていく必要がある、という動きがますます強まっています。

インターネットなくして関係人口を増やすことも、地域活性化の活動を推進することも、困難です。したがって、地域住民と地域外の協力者とがタッグを組んで地方創生を進めていくケースが増えているのです。

※参照元:総務省「関係人口ポータルサイト」(https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/index.html

SDGsが地方創生に必要なワケ

「SDGs de 地方創生」SDGsイシューマップでみる包括性とパートナーシップ

画像引用元:「SDGs de 地方創生」公式サイト(https://sdgslocal.jp/local-sdgs/)

「SDGs de 地方創生」という地方創生のカードゲームを共同開発したのは、地方創生にかかわってきた特定非営利活動法人イシュープラスデザインと株式会社プロジェクトデザイン。とは、SDGsの考え方を地域の活性化に活かし、地方創生を実現する方法について参加者全員で対話し、考えるためのゲームです。

「日本の地方が抱える課題の解決を皆で考えることのできるゲームを作ろう」と構想を練り開発したといいます。上記の図は「SDGs de 地方創生」に記載されているSDGsを包括して見られるもので、地方創生の課題を持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals/SDGs)として可視化しています。

この図を見てもわかるように、解決しなければいけない課題は山積、多岐にわたります。

したがって先述したようにまず「ゴール」を決める必要があるというわけです。持続可能な開発目標を定めることによって、直近でなにを優先すべきかが見えてくるはずです。

※参照元:「SDGs de 地方創生」(https://sdgslocal.jp/local-sdgs/

デジタルマーケティングを導入するならプロの手を借りる

デジタルマーケティングを導入するならプロの手を借りる
デジタルマーケティングとは、インターネット検索や電子デバイス、SNS、アプリなどさまざまなジタル技術を活用して行なうマーケティング手法のこと。いまでは新聞やテレビ、雑誌などのマスメディアも、デジタルコンテンツなしには成立しない時代です。

地方自治体でインターネットを使用していないケースもあるとは思いますが、地方創生を掲げている自治体であれば必ずなんらかの取り組みはされているはずです。今後そのデジタルマーケティングを加速させたいと考えているなら、デジタルマーケの専門家に託すことです。

ホームページのリニューアル、リスティング広告の運用、LPの制作、SEO、マーケティング分析などに費やす時間を捻出するのは容易ではありません。したがってなんとか予算を当てて専門家に依頼するのが賢明です。

地方創生のためにアピールしたいコンテンツを絞り込む

デジタルマーケティングの戦略を考えるときに重要なのが、ターゲットの絞り込みと発信したい内容の明確化です。ここがぶれてしまうと、伝えたいことが伝わらない中途半端なものになってしまいます。

自治体のホームページ内にたくさんのコンテンツを盛り込むのも悪くはありませんが、ほかのことを目的にサイトを訪問したユーザーには刺さりません。できればテーマを切り出して独自のメディアやコンテンツを作り、ビンゴなターゲットに向けた情報発信を心掛けてください。

テーマが明確であれば、ターゲットを絞り込んだオウンドメディアを制作する、という広告手法もあります。

オウンドメディアを広告に活用する

オウンドメディアを広告に活用する
オウンドメディアとはひとつの組織(会社など)で運営するメディア全般を指します。たとえば、「〇〇市活性化員会」のようなオウンドメディアを立ち上げ、関係人口の増加を図る、といった具合です。

オウンドメディアの構造などについては、下記ページでくわしく解説しています。

Zenkenの
オウンドメディア制作について

またオウンドメディアの成功事例については下記ページをご覧ください。


オウンドメディアの成功事例

地方創生につなぐ広告を生み出すマーケティングの成功事例まとめ

地方創生につなぐ広告を生み出すマーケティングの成功事例まとめ
地方創生の広告手法やマーケティング戦略について説明してきましたが、人材や時間など限られたリソースで改革を進めるのは非常に難しい状況にあります。まだまだコロナ禍の最中であり、ワクチン接種の対応や医療体制の支援、高齢者の対応、災害への備えなど激務が続いていることと思います。

ただ、いまいまの対応をしているだけでは、地方創生につなぐ中長期の施策は進みません。そんなときはとにかく外のリソースをうまく利用することです。

弊社では、Webメディアを通じた集客・ブランディングを支援、広告制作や運用などを承っております。

集客支援の実績は、業界を問わず7,000件以上。クライアントのバリュープロポジション分析、それに基づくマーケティング戦略の提案、Webメディアの制作・運用など、Web広告・マーケテイング全般をワンストップで対応可能です。

どのようにマーケテイング施策を始めたらいいかわからない、地方創生に最適な広告戦略を知りたいといった課題感がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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