BtoBマーケティングにおけるKPIの重要性と設定ポイント

BtoBマーケティングにおけるKPIの重要性と設定ポイント
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btobマーケティングにおけるKPI設定とは

KPIは、「Key Performance Indicator」の頭文字をとった略語です。日本語で「重要業績評価指標」と訳されます。KPIとよく似た用語としてあげられるのがKGIです。KGIは、「Key Goal Indicator」の頭文字をとった略語で「重要目標達成指標」と訳されます。

KGIは組織やプロジェクトが掲げる最終的なゴールです。KPIは最終的なゴール(KGI)に到達するため設定した中間指標といえます。例えばKGIが成約数であれば、KPIは商談数・成約率などが考えられます。KGIを設定することで、KPIの設定が可能になります。KGIとKPIのポイントは、評価の対象が異なることです。KGIは結果を評価するため、KPIは結果に至る過程を評価するため用います。

BtoBマーケティングにおけるKPI設定の重要性

BtoBマーケティングにおけるKPI設定の重要性

BtoBマーケティングにおいて、KPI設定は非常に重要です。KPIをうまく設定することで得られるメリットを一部紹介します。

事業目標への行動の明確化

KPIを設定することで、最終的なゴールに到達するための具体的な施策が明らかになります。例えばKGIを「自社Webサイトの資料ダウンロード数を100件まで増やす」に設定したとします。現状の訪問者数が1,000人で資料ダウンロード数が10件であれば、訪問者数を10,000人に増やさなければなりません(コンバージョン率は同じと仮定)。

訪問者数を増やす施策として、Web広告経由の訪問者を○○人増やす、コンテンツの質を高めて検索順位を〇位以内にする、SNS経由の訪問者を○○人増やすなどが考えられます。ゴールに到達するために何をすればよいかがわかりやすくなります。

PDCAの高速化

KPIを設定することで、PDCAサイクルは基本的に高速化します。計測できる数値目標を設定するため、業務の進捗状況を可視化できるからです。つまり業務の問題点を的確に把握できるようになります。

例えばWeb広告経由の訪問者を500人に設定しているにもかかわらず100人にとどまっていれば、Web広告やランディングページの内容に問題があると推測できます。KPIを設定せずに施策を実施しているときよりも、問題点の把握ならびに改善策の検討を速やかに行えるようになるでしょう。

施策改善の質の向上

より良い施策を実施しやすくなる点も見逃せません。PDCAサイクルが高速化するため、仮説の立案から仮説の検証までの期間が短縮されます。したがって短期間で施策の質を改善できます。また複数のKPIを設定することで、どの施策のどこに問題があるか把握しやすくなります。現状の課題を的確に認識できるため、改善の質は必然的に向上します。

BtoBマーケティングにおけるKPI設定のポイント

BtoBマーケティングにおけるKPI設定のポイント

BtoBマーケティングでKPIを設定する場合、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。KPI設定のポイントを紹介します。

フェーズに応じた設計

複数のKPIを設定する場合、事業の成長や商品の販売フェーズに応じたKPIの設計が必要になります。例えば「自社Webサイトの資料ダウンロード数を100件まで増やす」をKGIに設定したとします。資料のダウンロード数は「訪問者数×コンバージョン率」で求められます。つまりKPIは「訪問者数」と「コンバージョン率」です。

「訪問者数」と「コンバージョン率」の重要性は常に同じではありません。訪問者数が少ない段階では訪問者数を増やす施策、一定の訪問者数を確保できている段階ではコンバージョン率を高める施策がより重要になります。事業のフェーズに応じて、重視するべきKPIを適切に設定しなければなりません。

KPI別の責任者の設定

責任者の設定も注意したいポイントとしてあげられます。複数のKPIを設定する場合は、KPIごとに責任者を設定しておきましょう。チーム単位で複数のKPIを管理すると、「誰かが対応するだろう」と考えた結果、問題を見過ごしてしまうケースが多いからです。またKPIによって必要な業務の内容は大きく異なります。

したがってKPIごとに責任者を設定しておく方が、スムーズに目標を達成できる可能性が高まります。KPIの設定に合わせて、責任者と各責任者の業務の範囲を整理しておきましょう。

KPIツリーの作成

KGIとKPIの設定後、KPIツリーを作成します。KPIツリーは、KGIとKPIの関係をツリーの形状で図示したものです。具体的にはKGIを木の頂点、KPIを枝葉として表現します。KPIツリーを作成するメリットとして以下の点があげられます。

  • 全体像を把握できる
  • KPIの漏れや重複を確認できる
  • 効果検証にも利用できる

KGIの達成に必要な要素などを把握するため、非常に重要な取り組みといえます。

達成が現実的なものを設定

現実的に達成可能なKPIを設定することも重要です。現状とかけ離れたKPIを設定すると、課題を把握することや改善策を立案することすら困難になります。また達成できる見込みがないと、チームのモチベーションも下がってしまいます。現状を大きく改善したい場合も、小さな目標を設定して少しずつ歩みを進めていくことが重要です。

KGIとの関係性のあるものの設置

KPIは、KGIに到達するために設定する中間指標です。したがってKGIと関連性のあるものを設定しなければなりません。KPIだけを独立して設定すると、KPIを達成してもKGIに到達しない恐れがあります。KGIを構成する要素をKPIに設定すると、無関係のKPIを設定することはなくなります。

BtoBマーケティングにおけるKPIの設計方法

ここでは、BtoBマーケティングにおけるKPIの具体的な設計方法を手短に紹介いたします。

オウンドメディアを通じて、新しいBtoB製品をインバウンドマーケティングで販売する場合を考えます。この場合、1ヵ月あたりの受注数が最終目標(KGI)として考えれます。次には、その受注数を獲得するために必要な要素を考え、KPI化していきます。

受注には見込み客との商談が必要です。受注率を20%で見積もったとすると、月2件の受注を獲得するのに10件の商談が必要になります。

商談に繋がるのは、見込み客の個人情報(リード)獲得です。リードの獲得方法としては資料請求や問い合わせが一般的ですが、これらの商談化率は30%前後と言われています。よって、10件の商談を獲得するためのKPIとして、34件の資料ダウンロード・問い合わせを設定します。

オウンドメディアに流入するユーザーがいなければ資料請求や問い合わせも起こらないので、次のKPIとしてオウンドメディアのセッション数を設定します。リード獲得率は問い合わせやダウンロード資料の種類などによって異なりますが、仮に5%とした場合、「34 / 0.05 = 680セッション」が必要です。

このように逆算して考えていくと、下記のようなKPIツリーが出来上がります。

  • 受注目標(KGI):2件
  • 商談数(KPI):10件
  • リード獲得数(KPI):34件
  • オウンドメディアのセッション数(KPI):680

次のステップの条件となる要素がまだ残っていれば、次々とKPI化していくことが可能です。例えば、作成したコンテンツが検索結果の上位に表示されていなければメディアへの流入も見込めないので、680セッションを獲得するために必要なコンテンツ上位表示数を算出し、KPIとして追加できます。

BtoBマーケティングにおけるKPIの指標

BtoBマーケティングにおけるKPIの指標

BtoBマーケティングと関わりが深いKPIとして以下のものがあげられます。

  • CPO
  • CRP
  • CPA
  • CVR

それぞれの概要は次の通りです。

CPO

「Cost Per Order」の頭文字をとった略語です。簡単に説明すると「1件の注文獲得にかかった費用」といえます。CPOの計算式は次の通りです。

・CPO=広告費用÷受注件数

広告費用が100万円、受注件数が100件であればCPOは1万円、広告費用が50万円、受注件数が100件であればCPOは5,000円になります。低いCPOは、1件の注文を獲得するためにかかった費用が安いことを意味します。BtoBマーケティングにおいて、重要性の高い指標といえるでしょう。

CPR

「Cost Per Response」の頭文字をとった略語です。簡単に説明すると「1件の見込客獲得にかかった費用」といえます。具体的には1件の資料ダウンロード、1件のお試しセット申し込みなどにかかった費用を表すことが多いでしょう。CPRの計算式は次の通りです。

・CPR=広告費用÷レスポンスの件数

CPRは、受注件数ではなく見込み客が反応した件数で広告費を除して求めます。実際に販売している商品ではなく、サンプル商品の申込件数などを用いる点がポイントです。CPRとCPOを比較すると、CPRのほうが低くなる傾向があります。あくまでもお試しであるため、気軽に申し込めるケースが多いからです。

CPA

「Cost Per Action(Acquisition)」の頭文字をとった略語です。日本語で「顧客獲得単価」と訳せます。簡単に説明すると「1件のコンバージョン獲得にかかった費用」といえます。CPAの計算式は次の通りです。

・CPA=広告費÷コンバージョン数

CPAは、広告費をコンバージョン数で除して求めます。したがってCPAは、実際に販売している商品、サンプル商品などを区別することはありません。資料のダウンロード、問い合わせなど、あらゆるコンバージョンに対して、CPAは用いられます。CPO・CPRを含む指標といえるでしょう。

CVR

「Conversion Rate」の頭文字をとった略語です。日本語で「顧客転換率」と訳せます。簡単に説明すると「アクセスのうちコンバージョンにつながった割合」といえます。CVRの計算式は次の通りです。

・CVR=コンバージョン数÷セッション数×100

例えばセッション数が2,000でコンバージョン数が10であればCVRは0.5%、セッション数が2,000でコンバージョン数が200であればCVRは1.0%になります。低いCVRは効率的に資料請求や問い合わせに結び付いていないこと、高いCVRは効率よく資料請求や問い合わせに結び付いていることを表します。

CPOを改善する具体策

CPOを改善する具体策

BtoBマーケティングのKPIで特に重要になるのがCPOです。CPOは、LTV(Life Time Value)を高めることで改善できる可能性があります。LTVは日本語で「顧客生涯価値」と訳されます。簡単に説明すると「ある顧客が一生涯(取引期間)を通じて、特定の企業に対してもたらす利益」です。ここでは、CPOを改善する具体策としてLTVを高める方法を紹介します。

顧客の購入単価の増加

LTVは、顧客の購入単価を向上させることで高まります。購入単価を向上させる方法として考えられるのが価格改定(値上げ)です。ただし価格だけを上げると、顧客が離れてしまう恐れがあります。したがって商品価値も見直すことが重要です。

価格改定以外の方法でも購入単価を向上させることはできます。例えばお得なセットプランを用意する、関連商品を一緒に提案する、有料のアフターサービスを提案するなどが考えられます。

顧客の購入頻度の増加

購入頻度の増加もLTVの向上につながります。購入頻度を増加させるポイントは、自社から顧客へ働きかけることです。具体的な施策として、取引先企業の在庫を予想して商品案内のメールを送信する、取引先企業限定の割引セールを実施するなどが考えらえます。適切なタイミングで働きかけることにより購買頻度を増加させられます。

顧客の継続購入期間の延長

取引継続期間をできるだけ長くすることも重要です。ポイントは、自社の商品やサービスを使ってよかった、今後も使いたいと考えてもらうことといえるでしょう。したがって自社ならではの強みを打ち出すことや継続購入にメリットを感じられる施策を提案することなどが必要になります。商品やサービスによっては、アフターサービスの充実も欠かせません。

CPOメインのWebマーケティングはZenkenにお任せください

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KPIは、KGIを達成するために設定する中間指標です。KPIを設定することで、最終的なゴールに到達するため何をすればよいか、どの点を改善すればよいかなどが明確になります。さまざまなメリットがあるためBtoBマーケティングにおいてもKPIの設定は非常に重要と考えられています。

なお、KPI設定の仕方によって効果が大きく変わることもあります。重要なのは、確実に成約と繋がるKPIを細かく設定しておくことです。

Zenkenでは、これまで120以上の業界で8,000を超えるWebマーケティング実績を上げて参りました。BtoB商材を扱っている多くのクライアントにマーケティング施策を実感していただいています。得意としているのはBtoBと相性の良い精度の高いターゲティングと高確率で成約につながる戦略作り・目標設定です。

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