銀行が集客するために変わらなければいけないこと

銀行が集客するために変わらなければいけないこと
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銀行業界の現状

昨今の銀行業界は業績が厳しく、特に地方銀行がピンチの局面を迎えています。存続できる地方銀行は半分以下という見立てもあり、経営統合する動きも強まっています。

さらに先日明らかになった、「ドコモ口座」に関連したセキュリティの脆弱さなど、課題は山積です。

まずは銀行業界の現状について、改めて整理しておきます。

人口減少により内需拡大が厳しい

日本の総人口はすでにピークを越えており、減少局面に入っています。海外と比較してみても、日本人口減少は際立っており、2060年には8000万人ほどにまで減少する見込みです。特に1990年代以降、急速に少子高齢化が高まっており、このため国内市場の大きな拡大は見込みにくいというのが現状です。

都道府県別に見ても秋田県や青森県など、2015年から2035年の20年間で人口が20%以上減少する地域もあります。全国で見ても9.3%減少するという予想です。

低金利政策により苦しい状況に

収益のひとつである貸出金利による収益は、金利の低下によって減少しています。近年の日本は2016年1月に日銀がマイナス金利政策を始めるなど、貸出金による収益が期待できない状況が続いています。

貸出金による収益が期待できない代わりに、手数料収入の増加に方針を切り替える銀行が増えています。しかし、顧客は手数料が安いところに流れますので、なかなか手数料を引き上げることも難しいです。銀行各社は現在、厳しい経営環境下に置かれています。

収益モデルから見る銀行の集客とは

収益モデルから見る銀行の集客とは

銀行の収益モデルは?

製造業ではモノを作り、それを販売して売り上げを作っていますが、銀行は非製造業です。非製造業である銀行は売上高という表現ではなく収益という表現を使いますが、銀行の収益モデルは主に3つあります。

貸出金利息による収益

ひとつ目は貸出金利息による収益です。銀行は多くの人からお金を預かり、主に企業を相手に預金の中からお金を貸し出しています。この貸し出しているお金のことを「貸出金」といい、銀行はこの貸出金に利息を付けることで貸出金利息を銀行収益としてつなげています。

貸出による収益は貸出金の量と金利によって決まるのですが、他にも預金金利、宣伝費や人件費といったコストを抑えることで利益を上げることができます。

金融商品やサービス提供による手数料収入

ATMや外国為替取引(FX)や投資信託、生命保険などの金融商品などの手数料も収益源です。金融緩和の影響で銀行が販売できる投資信託や保険商品のラインナップは広がっており、これからも銀行の主要な収入源となっていくでしょう。

銀行の集客に大事なことは?

これからもテクノロジーが発達し、金融サービスにもその影響を受けています。例えば決済サービスにも最近ではキャッシュレス決済が広がっており、現金を持たずともスマホがあればお金を支払えるようになりました。つまり、現金を下ろす頻度が少なくなるため銀行ATMの手数料収入が減ってしまいます。

そこで銀行の集客もテクノロジーの発達により、集客方法の見直しが必要になってきます。銀行の集客は個人においても法人においても「お金の借り手をいかに見つけるか、選んでもらえるか」ということが大事になります。

銀行の集客方法

このように、日銀のマイナス金利政策によって、メガバンクですら苦戦が続いている現在の銀行業界。各地方銀行でも業務利益が30%ほどダウンしているというケースも珍しくないです。このような銀行苦境の中で、どのような集客方法が有効なのかを見ていきましょう。

チラシ・ポスティングによるセミナー集客

昨今、再度注目を浴びているのが昔ながらの宣伝媒体である「ポスティングチラシ」による集客方法です。ポスティングチラシの大きな強みは「潜在的需要のある顧客に対しても有効」という点です。住宅を購入しようと検討している方は、住宅ローンを組む方がほとんどですので自分から手持ちのスマホやPCなどからオンラインで情報を取得する人が多いはずです。

ただし、一度ローンを組んでいる人の場合は、借り換えをしたほうがいいと思っていてもなかなかローンの借り換えに対して積極的な情報収集をする人はいません。こういった潜在化している顧客はオンラインマーケティング手法で集客するのは難しいです。各戸のポストに直接届けられるポスティングチラシのような、積極的なアプローチであるアウトバウンドマーケティング手法が非常に有効です。

また、期間限定などといった限定性を示すサービスなどには消費者が強い興味を示しやすいです。ポスティングチラシは限定性のあるサービスと相性が良く、潜在的な見込み客に対して「今だ!」と思わせることができます。ポスティングチラシを作成する場合は、期間限定の特典を打ち出すことをおすすめします。

認知度を上げるために地域の祭りなどに参加・協賛

意外にも有効なのが地域の祭りやイベントなどに協力することです。地方銀行は地域のつながりが大事ですので、地域の行事への参加を積極的に行っていきましょう。地域密着でイベントに参加していくことで、地域の活性化にもつながりますし、銀行の宣伝効果もあります。

ネットを活用した集客

マーケティング

ただし、ポスティングチラシなどのオフラインのやり方だけでは銀行集客の効果は限定的です。生き残るためにはネットを活用した新しいオンライン集客方法も必要になってきます。どのようなオンライン集客方法があるのかを見ていきましょう。

スマートフォンアプリの立ち上げ

今やほとんどの人がスマホを持っています。さらにはスマホ決済も普及してきており、スマホなどを使ってネット上で金銭を扱うことにも抵抗がなくなってきています。特に新卒社会人など就職する年代層は新規口座開設の可能性がある層を取り込むにはユーザーニーズに合わせたサービスで集客する必要があります。

例として、大分銀行ではスマートフォンアプリを活用した集客強化の一環として、預金口座の開設やローン申し込みの手続きがインターネット上で完結できるサービスを開始しました。直接店舗を訪れる人が年々減る一方で、ホームページのアクセスは増加しています。変化する顧客ニーズに対応する中で、地方銀行の強みである対面の商品提案や相談業務の仕組みは変えずに店舗への導線としてスマートフォンアプリを活用しています。

ホームページのSEO対策

ネットで検索するのが当たり前の時代です。単純に銀行名の検索キーワードだけではなく、ローンなどの「金融商品名 地域名」などの検索キーワードでSEO対策をすれば、借り入れを検討している人に見つけてもらいやすくなります。

ただし、SEO対策は効果が出るまでに数か月の時間がかかります。長期的な集客対策としてSEO対策は効果的ですが、すぐに目に見えて効果が出るものではありませんので注意しましょう。

ポジショニングメディア

ポジショニングメディアのイメージ画像ポジショニングメディア事例 詳細はお問い合わせください
どのような情報もまずネットで検索する時代ですから、ユーザーのリテラシーも上がっています。したがってまずいろいろな銀行を比較検討しているユーザーが多いと考えましょう。ポジショニングメディアはユーザーに代わって各行をサービスなどで比較して、どの銀行がおすすめかを紹介するWebサイトです。

例えば、借り入れをどの銀行でしようか検討しているユーザーは「○○ローン 銀行 エリア名」などで検索し、表示された銀行を順次見ていきます。ポジショニングメディアでは、「○○ローン」に対応する銀行を比較し、ユーザーの検討をサポートし、最後の決定の後押しをします。

他社の競合などと横並びで比較されてもそのサービスに強みがあれば、貴行の差別化やブランディングも可能です。

ポジショニングメディアに関する詳細は、キャククル内下記ページで解説しています。よろしければこちらも併せてご覧ください。
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コスト削減にもつながるマーケティングオートメーション

マーケティングイメージ

マーケティング手法に興味のある方や、実際の業務で営業に関わりのある方は「マーケティングオートメーション(MA)」という名前を聞いたことがあるかもしれません。

2014年に初めて日本に海外のMAベンダーが本格参入したため、まだまだ日本のマーケティング手法としてマーケティングオートメーションは新しい概念です。

マーケティングオートメーションについて

まず、マーケティングオートメーションとは、「顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化するツール」のことです。顧客が持っている興味関心や、行動に対する情報を一元管理して、最適な情報をいつ、どんな方法で提供するマーケティング活動が求められています。

マーケティングオートメーションの利点

マーケティングオートメーションの利点は、業務負担軽減や成約率の向上で経営を改善させ集客手法を考えられる点にあります。的外れなタイミングや内容で商品やサービスをアピールしてしまうと、かえって見込み客に嫌われてしまいます。マーケティングオートメーションを使って見込み客に適した情報を適切なタイミングで伝えることで、購買意欲をより高めることが可能です。

このように、見込み客の取りこぼしを防ぐためにも、興味を持ってくれたお客様を認識し、しっかりフォローできる体制をつくることが大事です。

また、もうひとつのメリットとして、マーケティングオートメーションはツールを導入するため安定した集客効果が見込めます。すでに購買意欲が高まった顧客に対してのみ営業を行えるため、営業マンのスキルがやや低くても受注率が低くなりづらく、受注率・案件化率が上がり、営業組織全体の生産性向上にもつながります。

マーケティング分析を実施して集客につなげよう

ターゲットとなるユーザーが銀行に求めているものは、ユーザーの年齢層や環境によってさまざまです。競合となる銀行・金融機関の特徴を把握したうえで貴行の強みを打ち出し、「どこから攻めれば勝てるのか」というポジショニングを見極めながら集客対策を練るようにしていきましょう。

「勝ち易きに勝つ」戦法にご興味があるかたは、下記もお読みください。また地方銀行のマーケティングを担当されているかたは、お問い合わせいただければと思います。

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