医療広告ガイドラインとは?違反しないための基礎知識から応用編まで徹底解説

医療広告ガイドラインとは?違反しないための基礎知識から応用編まで徹底解説
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医療広告ガイドラインの違反事例や広告可能な表現、医療広告の限定解除など、医療広告法に違反しないために医療従事者がおさえておくべき医療広告ガイドラインの基礎知識について解説していきます。

本コンテンツは文字量が多い記事ですが、目次から読みたい項目を選択すると、その記事に飛んで先に読むことができます。

また、医療広告やWeb施策に関するご質問などは、下記リンク先のお問い合わせフォームに必要事項をご記入ください。折り返し担当者よりご連絡を差し上げます。

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病院経営者やクリニックの院長が医療広告ガイドラインに抵触していないか、依頼している広告業者は大丈夫か気になっているとしても、忙しい業務の合間に細かいことをチェックしている時間はないはずです。

このような不安を感じている医療広告に携わるかたに向け、医療広告ガイドラインとはどのような立て付けで、なにをやったら違反してしまうのかがわかるように解説してみました。

令和4年1月13日に開催された「第19回 医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」では、いくつかの改正案が検討されましたが、正式に医療広告ガイドラインが改正されるまでには至っていません。

改正案の中には新型コロナウイルス、オンライン診療やそのほかの端末を使用した対応ができる旨を広告してよい、とする新規追加項目なども検討されています。

◆参照元:厚生労働省「外来機能報告等に関するワーキンググループの検討等を踏まえた医療に関する広告規制、医療機能情報提供制度の改正について」(https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000881462.pdf)

こういってはなんですが法令系の表現は長くてわかりにくい文言が多く、「これはいったい何が言いたいのか?」がすぐに飲み込めない内容も含まれます。

法令に抵触するのはどのようなことで広告可能な範囲はどこまでなのかなど、できるだけ具体的に事例を挙げながら、医療広告を制作する際に知っておかねばならない基礎知識について、少し長くなりますが説明していきます。

医療広告ガイドラインとは

医療広告ガイドラインとは
医療広告ガイドラインとは 、言葉のままですが医療広告に関するガイドライン(大まかな指針)のことです。医療広告ガイドラインも景表法や薬機法同様、消費者保護法のひとつです。

「医療法」により、チラシや看板などによる医療広告は厳しく制限されていたにもかかわらず、美容医療に関するトラブルが年々増加傾向にあったことを受け、これまで規制対象外だったクリニックの公式サイトも規制対象に指定。

医療関係者や有識者、厚労省など国の機関との議論が重ねられ、2018年6月1日より「2018新医療広告ガイドライン」と呼ばれる新しい医療広告ガイドラインに変更されています。

厚生労働省が公開している改正に至る経緯などに関する資料「医療広告規制の検討状況と今後の取組について」には、以下のように説明されています。

【新たな規制】
医療法を改正し、医療機関のウェブサイト等についても、虚偽・誇大等の不適切な表示を禁止し、中止・是正命令及び罰則を課すことができるよう措置した。ただし、患者が知りたい情報(自由診療等)が得られなくなるとの懸念等を踏まえ、広告等可能事項の限定を解除できる場合を設けた。
引用元:厚生労働省資料「医療広告に関する省令・ガイドライン(案)の改正について」(https://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2018/267/doc/20180214_shiryou1_1.pdf)

「2018新医療広告ガイドライン」自体は40ページのボリュームがあるので読むのが大変ですが、「医療広告に関する省令・ガイドライン(案)の改正について」は22ページほどのPDFに簡潔にまとめられていますので、一度目を通しておくと理解が進みます。

2021年に改正施行された医療広告ガイドライン

2021年(令和3年)4月1日に医療広告ガイドラインが一部改正されています。これまで広告可能な事項に加えられていなかった「特定行為を手順書により行う看護師が実施している当該特定行為に係る業務の内容」を追加した、というもの。

大きな法令変更ではないですが、下記2021年に施行された医療広告ガイドラインの最新版を念のため確認しておくようにしてください

◆厚生労働省(2021年4月1日施行)医療広告ガイドライン(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf)

医療広告ガイドラインによる広告規制の概要

医療広告に適用される広告規制の本質
医療法で定義される医療広告とは、「誘引性と特定性があるもの」を指します。バナーなどの広告以外にも、ランディングページ(LP)、チラシ、パンフレット、タイアップ記事なども医療広告として扱われます。

直接的な宣伝コピーがなくても、ブログやSNSでクリニック名やリンクがあれば誘因性と特定性がありますので、広告とみなされます。

そして以前は広告とみなされなかった病院やクリニックの公式ホームページも、2018年5月の医療広告ガイドライン改定で広告扱いされることになりました。これはおもに美容医療のトラブル多発を受けての改定です。

ここでいう誘因性があるとは、患者を誘引する意図があるということです。特定性があるというのは、医業や歯科医業を提供する人の氏名や名称、または、病院や診療所の名称の特定できるということを意味します。

医療はサービスであり経済活動の一部ですから、集客・集患のために広告を打つ必要があります。誘引性のない広告などあり得ませんし、クリニックが特定できない広告も存在しません。

「誘引性」と「特定性」両方を満たすものが医療広告ガイドラインの規制対象になる、という当たり前のことをいま一度、認識しておく必要があります。

ちなみに、医療法改正前は、「誘引性」と「特定性」に加えて、一般の人が認知できる状態であるという「認知性」のあるものが規制の対象となっていました。ホームページはこの認知性がないため、2018年まで広告扱いされていなかったという背景があります。

医療広告ガイドラインの適用対象となるもの

医療広告ガイドラインの適用対象となるもの
医療広告の対象となるのは、

  • ウェブサイトや検索サービス、メールなどインターネット情報
  • 病院・クリニック・歯科医院のホームページ
  • ポスターや看板、交通広告などの掲示物
  • テレビやラジオ、新聞や雑誌などのメディア利用
  • チラシや資料など配布する印刷物
  • 書籍や動画、スライドやFAXなどの制作物

などです。なお、先にいった「誘引性」が認められないものに関しては、規制の対象とはなりません。詳細は個別具体的に判断されます。

医療機関名の特定など少しでも誘引性が認められたものはすべて広告扱いされることを意識すべきです。

医療広告ガイドラインの適用対象外となるもの

医療広告の対象外となるものは、

  • クリニック(医療機関)内で配布するパンフレットやクリニック内での掲示
  • クリニック(医療機関)を受診したことがある患者自らが掲載する体験談
  • 新聞や雑誌などでの単なる記事
  • 学術論文や学術発表など
  • 医療機関の職員を募集することを目的とした広告

など。ここで注意してほしいのが、先ほども述べましたが、すべては個別具体的に判断されるということ。

たとえばクリニック内で、配布するパンフレットや掲示物は一般的な意味においての広告に該当する可能性はあります。しかしながら、クリニックに来ている時点で、誘引性の有無は判断基準としてみなされないことになります。

他に事例として考えられるのは、たとえそれが新聞記事であっても、医師側から金銭の支払いをして(広告主として)タイアップ記事を掲載する場合は、れっきとした広告です。

ホームページは広告、当然医療広告ガイドラインが適用される

リニック公式ページも医療広告ガイドラインに沿ったものに
また、医療機関側が誘引目的で患者に対し金銭を支払い、ホームページなどに体験談を掲載するケースも、規制の対象となりますので注意が必要です。

キャククルの別ページでは、医療機関公式ホームページ制作時の注意点について解説しています。ホームページのリニューアルや改修を検討されている場合は、下記記事も参考になさってください。

2021年4月1日より価格の総額表示義務が施行されましたので、クリニックの施術料金も総額表示に修正しなければなりません。

法令が改正されるたびに修正する必要が出てきますが、ホームページを最新の情報に更新していない状況のまま放置していると、SEO的にマイナス評価を受けやすくなります。タイミングを見計らって修正するようにしましょう。

医療広告ガイドラインを順守したホームページ制作やリニューアル、LP制作に関するご相談も承ります。全面見直しでなくとも、一部見直しで行ける場合もありますし、LPだけをSEO施策含め作り直すという方法もあります。

医療広告ガイドラインに沿ったホームページやLPのリニューアルについては、下記フォームよりご相談ください。

ホームページ・LP制作について
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医療広告ガイドライン違反になるNG表現の事例

医療広告で禁止されているNG表現の事例
令和3年7月に厚生労働省が公開した「医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書」では、医療広告においてどのような表現がNGとなるかについて、いくつかの事例が紹介されています。

上記はその一部になりますが、医療広告としてNGの表現には、以下のような分類が設けられています。

  1. 治療内容・期間の虚偽(虚偽広告)
  2. データの根拠を明確にしない調査結果(虚偽広告)
  3. 医療広告ガイドラインを遵守している旨の広告(誇大広告)
  4. 施設の規模、人員配置、提供する医療の内容等の比較(比較優良広告)
  5. 著名人との関係性強調(比較優良広告)
  6. 施設について誤認させる広告(〇〇センター)(誇大広告)
  7. 提供する医療の内容等について誤認させる広告(誇大広告)
  8. 科学的根拠が乏しい情報による誘導(誇大広告)
  9. データの内訳が示されていない手術件数
  10. 体験談(省令禁止事項)
  11. 体験談(省令禁止事項) ※口コミサイトから転載
  12. ビフォーアフター写真(省令禁止事項)
  13. 複数のビフォーアフター写真(省令禁止事項)

このほかに「広告可能事項の記載が不適切な事例」として、公的医療保険が適用されない旨が記載されていない、治療に必要な標準的な費用が記載されていない場合は、治療方法の広告ができないと明記されています。

また専門医の表記についても学会名やどの治療分野の専門医であるのかなど、必要な記載事項のルールが医療広告ガイドラインで定められていますので、デザインや記載スペースの関係だけで簡素化しないように注意してください。

以下に医療広告ガイドラインで、医療広告違反になり得る表現をいくつか挙げておきます。

  • 「〇〇という治療はキャンペーン期間中のみ〇〇〇円です」というような安さを強調するような表現
  • 「当病院は〇〇県知事の許可を取得した選ばれた病院です」などの誇張表現
  • 「世界一・日本一」などの最上級・最高級表現
  • 「この〇〇という二重整形手術は他の二重整形手術より優れている」というような他よりよいという表現
  • 「この〇〇という治療を行えばがんは必ず治る!」というような治療結果を保証するような表現
  • 「当クリニックに医療相談をされた人に〇〇をあげます」といった誘因性がある表現
  • 「新聞や雑誌で紹介されました」などの表現
  • 「アンチエイジング」などの審美的表現

などです。広告は本来商品やサービスに興味を持ってもらう目的で打ちますが、医療広告ガイドラインでは品位を損ねる広告や消費者(患者)に誤解を与えるような誇大表現が禁じられています。

虚偽の内容は論外ですが、仮に事実が含まれているとしても、医療の本質以外のキャッチ―な内容で広告を打ってはいけないことになっています。

魅力的に感じるコピーは、医療広告ガイドラインに抵触している可能性が高いので見直すべきかもしれません。

参照元:厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書」
(https://www.mhlw.go.jp/content/000808457.pdf)

医療広告ガイドライン違反で受ける罰則

医療広告ガイドラインの違反例をピックアップ
医療広告ガイドラインのクリニックなどに対する医療広告規制は、努力義務ではありません。したがって法令に違反した場合は、広告主である医療従事者も罰を受けることになっています。

医療機関が医療広告ガイドラインの規制を順守していなかった場合、6か月以下の懲役、または、30万円以下の罰金が科されるという罰則があります。

実際の罰則だけでなく、クリニックの信用が落ちるという大きなマイナス評価も背負うことになります。

医療広告ガイドラインへの違反は、同業他社などからの申告によって発覚することもありますし、厚労省の委託事業「「医療機関ネットパトロール」(http://iryoukoukoku-patroll.com/)などに寄せられた告発を元に調査されることもあります

ここでいくつか医療広告ガイドラインの違反事例を見ていきましょう。

医療広告ガイドラインなどの法令違反事例

では、実際に医療広告ガイドラインに違反したケースを見ていきましょう。決して他人事と思わず、確認しておいてください。

医療広告にも影響大、薬機法違反で医師を逮捕

薬機法や医療広告ガイドラインのどこが改正されたのか医療関係者も理解しておかなけばなりませんが、なかには法令に抵触していることを知りながら、アフィリエイト広告などを運用している医療機関もあります。

2020年10月には、がん予防に効くというサプリの販売で医師とその共犯者たちを逮捕。また同11月には、コロナ対策をうたったう洗口液を販売したとして、医師と共犯者が逮捕されています。

両容疑者は薬機法への抵触が逮捕の直接要因ですが、このような事件を未然に防ぐためにも、医療法や医療広告ガイドラインが厳しく定められています。

これほど極端な事例はそう多くありませんが、集患目的の広告にも細心の注意が必要であることに変わりはありません。

今回のような違反がどのようにして摘発されるかというと、じつはその8割が通報であることがわかっています。

通報が同業者によるものか、患者かについては明らかにされていませんが、第三者から監視の目が注がれていることは意識しなければなりません。

とくにクリニックの公式ホームページも広告として規制対象に加えられましたので、いま一度関連法規に抵触していないか、確認しておくと安心です。

クリニックの公式サイトだけでなく、院長ブログやスタッフブログ、SNSなどもクリニック名などが特定できてリンクが張られていれば、広告扱いになるので注意が必要です。

2021年8月1日に改正された薬機法の「課徴金制度」

医療従事者として把握しておかねばならないことは、薬機法の「課徴金制度」です。これまでは景表法での課徴金制度はありましたが、薬機法上には罰則としての課徴金は設定されていませんでした。

医療広告ガイドラインが改正されたわけではありませんが、もともと適正な医療広告の定義のベースとなっているのは、薬機法や景表法です。

くどいようですが、薬機法も景表法も消費者が不利益を被らないようにするための、消費者保護法であるということを忘れてはなりません。

改正により薬機法にも課徴金制度が導入されたことになるわけですが、問題は景表法との違いです。

以下に日本組織内弁護士協会がまとめた課徴金制度の比較(薬機法と景表法の違い)を表にしたものを引用します。

日本組織内弁護士協会(JILA)「薬機法と景品表示法の課徴金制度の比較」
画像引用元:日本組織内弁護士協会(JILA)公式サイト「薬機法と景品表示法の課徴金制度の比較」(https://jila.jp/2021/07/1921/3/)

景表法では課徴金が「対象商品の売上(最大3年間)の3%」に課せられるのに対し、薬機法では「対象商品の売上(最大3年間)の4.5%」と課徴金の負担率が異なります。

ドクターズコスメやサプリを販売している場合、広告代理店任せにしていて薬機法に抵触していることに気付かないケースもあるため注意が必要です。

課徴金制度が導入され、医療従事者も課徴金を支払うことになりかねないという点は、理解しておく必要があります。

上記比較図の画像が小さくて見えにくい場合は、下記サイトを直接ご覧ください。

※参照元:日本組織内弁護士協会(JILA)公式サイトオンラインジャーナル「薬機法と景品表示法の課徴金制度の比較」(https://jila.jp/2021/07/1921/3/)

嘘の体験談記事広告で代理店社長が逮捕(薬機法違反の事例)

2020年7月に薬機法違反の疑いで、広告代理店社長や健康食品担当者など複数名が逮捕されました。厚労省に承認されていない効能をうたっただけでなく、愛用者の体験談を捏造して記事広告を制作した、というのが逮捕理由でした。

これまでメーカーの薬機法違反や行政処分は多数ありますが、記事広告を制作した広告代理店社長までが逮捕されたことで、業界全体がざわつきました。

あたかも実際に体験したかのように見せかけた、という時点で悪意があるのは明らかです。ただ、「本当はこんなこと言っていないけど、少し脚色してしまおう」というようなケースがないとは言い切れません。

薬機法も医療広告ガイドラインも、違法広告や誇大広告から消費者を守るために存在しています。繰り返しになりますが、このことを忘れないようにしてください。

医療機関ネットパトロール事業でわかった医療広告違反が多い治療内容

医療機関ネットパトロール事業でわかった医療広告違反が多い治療内容
画像引用元:厚生労働省資料「ネットパトロール事業について(令和元年度)」(https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000644618.pdf)

2020年に厚生労働省が作成した資料「ネットパトロール事業について(令和元年度)」によれば、医療広告が可能とされていない事項の広告で違反が多い分野の治療内容の割合は、美容医療に関しては

  1. 美容注射:39%
  2. 発毛・AGA:13%
  3. アンチエイジング:9%

歯科においては

  1. インプラント:48%
  2. 審美:32%
  3. 矯正:7%

という結果が出ています。美容注射とインプラントの広告で医療広告ガイドラインが順守できていないケースが多いわけですが、具体的な広告内容の傾向もわかっています。

歯科・美容分野における費用を強調した広告の傾向
画像引用元:厚生労働省資料「ネットパトロール事業について(令和元年度)」(https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000644618.pdf)

美容医療では51.7%、歯科では49.0%が広告が可能とされていない事項の広告、すなわち医療広告ガイドラインで広告が禁止されている内容で広告がなされていたことになります。

違反が認められると病院の経営者や管理者に対し、「報告命令」「中止命令」「是正命令」などをされることがあります。

加えて、法人自体や広告違反を主導した人(広告代理店など)も状況に応じて、その対象になります。

なお、広告違反者が行政指導に従わず中止命令・是正命令・刑事告発などが行われた際には、病院名や具体的な事例が公表されることがあります。

インターネットの利便性を悪用する事業者から消費者を守るための医療広告ガイドラインですので、一般の犯罪と同じように罰せられる可能性があるということだけは、肝に銘じておかねばなりません。

※参照元:厚生労働省資料「ネットパトロール事業について(令和元年度)」(https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000644618.pdf)

医療広告に使えない事項とは

医療広告では、広告ができないとする事項があります。たとえば、

  • 死亡率
  • 術後生存率

があります。これは、医師の技術や医療機関側の設備だけでは断言できるものではないからです。

患者の病気の進行状況や体質などにより、死亡率や術後生存率は個別に異なるため、医療広告として確定的な要素として使うのはふさわしくない、ということです。それがたとえ事実であったとしても、です。

また未承認の医薬品を利用した治療や施術内容に関しても、広告することは原則できません。

ただし限定解除の要件を満たせば、一定の内容を表示できる可能性はあります。この限定解除に関しては後述します。

広告可能な事項は基本的に、

  • 保険診療ができるもの
  • 医薬品医療機器等法にて承認されている医薬品を利用した治療法

のみです。

虚偽の内容が含まれている医療広告(薬機法・景表法)

当たり前のことですが、虚偽広告についてもNGです。単なる過失ではなく悪意をもって行ったと判断されると、懲役6か月以下の懲役に科される可能性があります。

自分では虚偽広告ではないと主張しても、社会一般的に嘘の内容だと判断されるような広告は問題とされます。

公序良俗に反してしまう医療広告

公序良俗に反する医療広告も問題となります。これも、深く説明する必要はないでしょう。

一応具体的なことをいうと、「残虐性が認められるもの」「わいせつ性があるものなどは論外です。

品位を損ねる内容の医療広告

美容医療の違反内容の特徴として挙げられているのが、キャンペーンなどで〇〇%オフ、などと費用を強調した広告を打って、消費者を誘引する広告です。

医療広告ガイドラインでは、費用を強調したキャンペーンの告知などは医療広告の品位を損ねるものであるとしています。

あからさまに購買意欲をかきたてる広告は、医療に関する広告として不適切であり慎むべきであるとしています。

① 費用を強調した広告
【具体例】

  • 今なら○円でキャンペーン実施中!
  • 「ただいまキャンペーンを実施中」
  • 「期間限定で○○療法を 50%オフで提供しています」
  • 「○○100,000 円 50,000 円」
  • 「○○治療し放題プラン」

② 提供される医療の内容とは直接関係ない事項による誘引
提供される医療の内容とは直接関係のない情報を強調し、国民・患者を誤認させ、不当に 国民・患者を誘引する内容については、広告は行わないものとすること。
【具体例】
・ 「無料相談をされた方全員に○○をプレゼント」
物品を贈呈する旨等を誇張することは、提供される医療の内容とは直接関係のない 事項として取り扱うべきであること。
③ ふざけたもの、ドタバタ的な表現による広告
引用元:厚生労働省「医療広告ガイドライン」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf)

品位を損ねるという表現だけでは具体的にどのようなキャッチコピーが該当するのかあいまいですが、医療広告ガイドラインに明記されている上記内容を見る限り、患者を費用やプレゼントで誘引すること自体が、品位を損ねるものであるということになります。

費用が安いときに治療したほうが患者にメリットがあるじゃないか、という声が聞こえてきそうですが、医療は料金の安さやプレゼントで患者を誘導すべきではないというのが基本的な考えです。

治療内容や患者の症状といった客観的かつ正確な情報を伝達するのが医療広告のあるべき姿であるという趣旨を理解し、二重価格(実績のない価格を表示して値引きがあるかのように見せること)同様、費用やプレゼントを強調した広告を制作しないように心がけましょう。

「医療広告ガイドラインに関するQ&A」記載の限定解除とは?

医療広告ガイドラインにおける限定解除とは、簡単に言えば「この項目とこの項目についてしっかり記載すれば、広告OK」というルールのことを指します。

限定解除により広告が可能となる内容

限定解除により広告が可能となる内容
医療広告ガイドラインで定められている限定解除要件を満たしていれば、上記のような項目について、ホームページやWebメディアなどに記載することが可能になります。

医療広告の規制を限定的に解除する条件は、患者に有利誤認や優良誤認を与えないように必要にして十分な情報を提供し、かつ不明な点について質問等ができる状況を担保しておくこと。

以下に限定解除の要件について説明していきますが、すべての条件をクリアしていないと、限定解除の要件を満たしたことにはなりませんのでご注意ください。

「医療広告ガイドライン」広告可能事項の限定解除要件

医療広告ガイドラインの広告規制で定められている「限定解除の要件」にはどのようなものがあるか、確認しておきましょう。

以下が厚労省の医療広告ガイドラインが示す限定解除の要件です。

広告可能事項の限定解除の具体的な要件
広告可能事項の限定解除が認められる場合は、以下の①~④のいずれも満たした場合とする。ただし、③及び④については自由診療について情報を提供する場合に限る。
① 医療に関する適切な選択に資する情報であって患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトその他これに準じる広告であること
② 表示される情報の内容について、患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先を記載することその他の方法により明示すること
③ 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること
④ 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること
引用元:厚労省「医療広告ガイドライン」第4 広告可能事項の限定解除の要件等(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf)

たとえば、手術前と手術後の写真を掲載する場合は、いつどんな内容の手術をして、何日後の写真なのか。クリニックの住所や電話番号、メールアドレスなどの連絡先がしっかり記載されているか。

だれが見ても誤解が生じないように明瞭に料金が記載されているか。治療効果には個人で差異があり、すべての人に同じ成果が得られるわけではないことが説明されているか。

治療による副作用や失敗のリスクがあることは明記されているか。

治療や手術でだれもが100%成功する、ということはあり得ません。それは専門家ご自身が一番よくご存知だと思います。医療広告で消費者に誤解を与えることを禁止する、それが医療広告ガイドラインのベースとなるものです。

未承認医療機器の限定解除要件

また美容医療や歯科医療の治療では、未承認医療機器を使用した施術が多く含まれます。この未承認医療機器や未承認薬に関しても、限定解除が適用されます。

厚生労働省が公開している「医療広告ガイドラインに関するQ&A」には、下記のように明記されています。

(未承認医薬品等であることの明示)
・用いる未承認医薬品等が、国内においては薬機法上の承認を得ていないものであることを明示すること。
(入手経路等の明示)
・ 医師等の個人輸入による未承認医薬品等を用いる場合は、その旨を明記すること。
(国内の承認医薬品等の有無の明示)
・ 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等の有無を記載し、その国内承認医薬品等に流通管理等の承認条件が課されている場合には、その旨を記載すること。
(諸外国における安全性等に係る情報の明示)
・ 当該未承認医薬品等が主要な欧米各国で承認されている場合は、各国の添付文書に記載された重大な副作用やその使用状況(承認年月日、使用者数、副作用報告等)を含めた海外情報についても、日本語で分かりやすく説明すること。
・ 主要な欧米各国で承認されている国がないなど、情報が不足している場合は、重大なリスクが明らかになっていない可能性があることを明示すること。
引用抜粋元:厚労省「医療広告ガイドラインに関するQ&A」(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000213349.pdf)

この限定解除要件を満たしていれば、ある程度深掘りした記載は可能です。このボーダーラインについては、医療広告の制作実績がある企業に相談して進めていくほうがよいでしょう。

医療広告ガイドラインのQ&Aでチェックすべきポイント

医療広告ガイドラインに対して医療関係者が注意すべきポイントを整理"
医療広告ガイドラインに明記されている「医療従事者」の定義は下記のとおりです。

ここでいう医療従事者の具体的な範囲は、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、義肢装具士、診療放射線技師、臨床検査技師、衛生検査技師、臨床工学技士、歯科衛生士、歯科技工士、救急救命士、管理栄養士及び栄養士とする。引用元:医療広告ガイドライン(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf)

医師だけでなく、助産師や理学療法士、作業療法士、義肢装具士、管理栄養士、栄養士なども医療従事者に該当します。

したがって病院名が特定されるような個人ブログでも、医療広告ガイドラインに抵触するとアウト。たとえそれが事実であったとしても、広告規制のフィルターは外せません。

以下に医療広告ガイドラインに関するQ&Aでよく取り上げられる内容について説明していきます。

医療広告への経歴掲載にも規制がある?

クリニックのホームページに医師の経歴が掲載されていることが多いのですが、なかでも専門医や指導医の資格や所属学会、論文発表の実績などについても詳細が記載されているケースが増えています。

しかし、医療広告ガイドラインでは、専門医・指導医の掲載に関しても規制があります。

基本的な考え方としては、厚労省が許容している学会の専門医などは表示してもOK。しかし、研修実績などについては、すべて記載することが許されないということになりました。

ただし2018新医療広告ガイドラインの「広告可能事項の限定解除要件」を満たし、一定の要件をクリアすれば厚労省が認めていない学会や研修の参加について記載することはOKです。

ここでいう要件とは、電話番号やEメールアドレスなど問い合わせ可能な連絡先をホームページ上に記載すことを指します。自動応答の電話番号はこれに該当しません。

医療広告ガイドラインにおける理学療法士記載事項の変更点とは?

日本理学療法士協会が設けている「認定理学療法士」の資格の表記は、医療広告ガイドラインにおいて認められていません。

3年以上の研修を受講している、認定資格を定期的に更新する制度が設けられているかどうか、この2点をクリアしないと「認定〇〇士」という表記ができないからです。

この課題をクリアにするため、理学療法士に関しては2021年4月より「新生涯学習制度」への移行が始まっています。登録理学療法士の制度を設け、社会的な信用が得られる理学療法士の質を向上させるための仕組みです。

新生涯学習制度は前期研修で座学22コマ(33時間)・実地研修32コマ(48時間)を受講したのち、後期研修で座学51コマ(76.5時間)・実地研修3年程度(6000時間相当)をクリアして初めて、「登録理学療法士」を名乗れるようになります。

日本理学療法士協会に入会した理学療法士は、登録理学療法士になったのちにも5年ごとの更新が義務づけられています。今後はこの認定理学療法士になればホームページなどへの記載も、医療広告ガイドライン上の条件をクリアできることになります。

これまでの新人教育プログラムがどこまで終了しているかによりますが、2021年以前の実績がカウントされ、「暫定登録理学療法士」という資格が得られるようです。

※参照元:公益財団法人日本理学療法士協会「新生涯学習制度」(http://www.japanpt.or.jp/about/enterprise/lifelonglearning/new/)

医療広告ガイドラインでは「ビフォーアフター画像」は使えない?

 
医療機関の広告規制である医療広告ガイドラインでは、写真がどのような条件で撮影されたのか明記されていないビフォア・アフター(施術前と施術後)の画像を、規制対象としています。

医療機関にて治療した結果であることを明確に証明できるデータがない限り、そのビフォア・アフターの画像を見た人が「施術すればこんな感じになれるんだ」と誤認させないようにするためです。

ただし、画像に関して詳しい説明を記載すれば問題になりません。たとえば通常必要とされる、

  • 治療内容
  • 主なリスク
  • 副作用

などについて、一般人が読んで理解できる十分な説明の記載があれば大丈夫です。これも限定解除条件の一例です。どこまで記載すればいいかわからない場合は、「一般人がそれを見て勘違い(優良誤認)しないかどうか」で判断するのがいいでしょう。

なお、なんら嘘偽りのないビフォア・アフターの画像だとしても、説明不足だと医療広告ガイドラインに抵触してしまいます。

医療広告では専門外来という表現も規制対象になるの?

 
専門外来という言葉も規制対象になっています。ただ、保険診療・健康診断など広告可能な分野であれば、問題ありません。

特定の症状に関する治療や検査の実施など、患者が病院を探す際に必要な内容を広告に使用することは可能で、「専門家外来という意味に相当する内容」を一律に規制対象としたものではないということです。

ただ、専門という言葉への期待値が高いことから、専門と書いてあるだけで患者は「信頼できる病院に違いない」と思ってしまいます。

つまり、専門性のアピールが優良誤認につながりやすいということです。たとえばその病院の院長は「〇〇の専門医」であるとしても、ほかの医師はそうではないかもしれません。

にもかかわらず、「〇〇外来専門クリニック」としてしまうことには問題があります。

限定解除の問題だけでなく、医療のプロフェッショナルとして提供する医療サービスが専門という表現を使うに相応しいのか、よくよく考えてから利用すべきでしょう。

医療広告ガイドラインで正式に認められていない診療科目の掲出はできない?

 
医療広告ガイドラインにより、正式に認められていない診療科目の掲載はNGです。

この科目名の広告表記に関しては、条件や禁止事項が細かく規定されていますので、医療広告ガイドラインの「第5 広告可能な事項について」の項を再度確認しておくことをおすすめします。

全部で40ページありますが、特に5ページから始まる「第3 禁止される広告について」の項目は改めて目を通し、公式サイトに記載されている内容を確認するようにしてください。

医療広告には効能・効果の記載はNG?

景品表示法(景表法)でも、治療の効果効能をうたう広告は規制されています。景表法は優良誤認や有利誤認から消費者を守るための法律です。治療の効能・効果について広告する場合には合理的な根拠が必要であり、それを医療機関側が立証する責務が発生します。

景品表示法では、下記のように定められています。

  • 消費者庁が治療の効能・効果をうたう広告について問題がありとする場合、広告の根拠となる資料が求められることがあること
  • 根拠となる資料を求められたあと15日以内に資料を提出しないと違法広告として認定されるルールがあること

医療機関の広告では、医療広告ガイドラインだけでなく、景表法の順守にも気をつけましょう。

自由診療の料金掲載にも医療広告ガイドラインの規制があるの?

自由診療についても、医療広告ガイドラインへの順守が求められます。消費者庁に寄せられる医療機関と患者のトラブルの多くは、高額な自由診療料金の支払いに関するものです。

自由診療は治療費が高額になる傾向があるため、患者側とのトラブルが起きることを防ぐため、ホームページ内にも料金の詳細を記載する義務があります。

たとえば美容医療の場合、注射だけであれば数千円で受けられますが、必ず組み合わせてほかの治療も受けなければいけない仕組みになっているなど、消費者が正確な費用を把握できないようなケースもあります。

また2021年4月1日より料金の総額表示が義務化されましたので、クリニックの施術費用などで税抜きのままになっている場合は、修正が必要です。いま一度見直すようにしてください。

ホームページの治療期間・副作用の表記にも規制がある?

医療広告では、虚偽である(と判断される)広告は禁止されています。虚偽広告を禁止する趣旨としては、「患者の適切な受診機会を奪うことを防ぐ」「患者が不適切といえるような治療を受けることを防ぐ」ということがあります。

治療期間に関して見直すべき内容は、治療後に定期的な処置が必要にもかかわらず、「この治療方法はたった1日ですべての治療が完了」などという説明をしていないかどうか。

患者の不利益につながるような記載がないか、いま一度確認してください。

また副作用についてですが、「当クリニックの〇〇という施術は絶対に安全で副作用もダウンタイムもありません」といった表現をしていないでしょうか。

副作用やダウンタイムが絶対にない、と言い切れる治療はそう多くないはずです。

治療や施術によるリスク表示を目立つ場所に掲載しているクリニックの公式サイトが増えてきましたが、もしも貴院のサイトにそのような記載がないのであれば、早急に対応すべきです。

※参照元:厚労省「医療広告ガイドライン」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf)

「医療広告ガイドラインの遵守」明記も規制対象になる?

厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書
引用元:厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書」【令和3年7月】(https://www.mhlw.go.jp/content/000808457.pdf)

最近ではクリニックのホームページに、「当院は医療広告ガイドラインを順守したサイトを制作しています」などと、目立つように記載しているケースをよく見ますが、これにもじつは注意が必要です。

上記の引用を見ていただければわかるように、いたずらに法令順守を目立たせて患者の信用を得ようという意図が見え隠れしてしまうと、「誇大広告」であると見なされてしまうからです。

また「厚生労働省医療広告規制適合」などとあたかも正規認証を受けたクリニックであるかのようなマークをデザインするのも、NGです。

法令遵守に関する表記は、改善例にあるようにページフッターなどにテキストを挿入するなど、過度に目立つことがないようにするのが望ましいと、厚生労働省の「医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書」では説明しています。

この事例解説書は令和3年7月に公開されたもので比較的新しい資料なので、一度確認しておくことをお勧めします。

※参照元:厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書」【令和3年7月】(https://www.mhlw.go.jp/content/000808457.pdf

医療広告ガイドラインでは体験談の掲載はNG?

体験談の掲載もガイドラインの規制の対象になる
医療広告ガイドラインでは(該当医療機関で治療を受けた)患者の主観による治療の内容や結果を示す体験談は、規制の対象としています。

たとえ同じ治療を受けたとしても、患者の体質や年齢、症状の重さにより結果は異なります。さらに医師の技術などによっても、必ずしも体験談どおりの成果が得られる保証はありません。

成功事例としての体験談紹介が優良誤認につながる、という理由で規制されています。

先ほども触れましたが、この体験談や成果が事実であるかないかを問うものではなく、その体験談を見て誤解したり、過大評価につながったりすることにつながることが問題というわけです。

ただし実際に治療を受けた患者の声でも、具体的な治療内容や治療結果に触れていないものであれば、規制の対象外です。

医療広告に口コミサイトの情報掲載はできない?

医院などに対する広告規制である医療広告ガイドラインにより、医療機関側が口コミサイトで広告料の費用負担、体験談を掲載させたという誘因性が認められるケースは、トラブルにつながります。

広告目的で医療機関側が患者に利益供与、すなわち金銭のやり取りや無料での治療が行われた場合、その患者による体験談は「やらせ行為」とみなされる可能性が高まります。

美容医療の口コミ広場やホットペッパービューティーの美容クリニックページには、実際に美容クリニックで治療を受けた患者たちの口コミが掲載されていますが、やらせとなる口コミは一切ない、ということを強調しています。

メディアやサービスのコンプライアンスにつながることなので本当の口コミと考えてよいとは思いますが、メディアに掲載されている口コミをホームページを含む広告に使うことはできません

医療広告ガイドラインでは影響力がある芸能人・著名人からの紹介もNG?

芸能人や著名人などが「〇〇医師、〇〇クリニックを推薦しています」という広告は打てません。芸能人による推薦の広告効果は絶大であり、消費者への影響が大きいからです。

これもたとえ無報酬で、主治医として紹介されているだけだとしても、その記事に誘因性が認められる場合は注意が必要です。

このほかには、

  • 当クリニックは某有名芸能プロダクションと提携している!
  • あのテレビで出ている芸能人〇〇が当クリニックで治療しています!

などの記載もNGです。大切なことなので何度もいいます。一般人が誤認してしまうような表現や表記はすべて、規制の対象になります。

医療広告では比較優良広告はNG?

比較優良広告は打たない
前述した、有名人・著名人からの紹介や宣伝を広告に活用するというのも、比較優良広告の一種です。

自院が他院に比べて優れている、推薦されて当然の病院である、という誤解を消費者(患者)に与えてしまいます。そして技術の高い、低いは関係なく、知名度だけが先行してしまうようなケースも、以前にはありました。

さらに明確な根拠が示せない最上級表現も禁止されています。

たとえば、「肺がんの治療では日本トップの実績を有する医療機関」「当クリニックは県内でも一番信頼されているクリニックです」「当医療法人は全国を活躍の場とし、世界最高峰の医療サービスを提供している」「最新の技術により圧倒的な成果」などといった表現も原則、NGです。

【重要!】医療広告運用の外部委託で医療広告ガイドラインに違反しないための注意点

【重要!】医療広告やWebサイト運用の外部委託の注意点
医療広告に関して、医療機関だけが注意すれば問題にならないという訳ではありません。最も注意すべきは、外部パートナー企業に広告運用を依頼する場合です。タイプ別に説明しておきます。

医療広告ではアフィリエイター登用は規制の対象

< 医療広告ガイドラインでは、アフィリエイターも規制の対象としています。医療機関側としては、広告を依頼しただけなので、もし何かあったとしも自分たちは関係ないと考えるかもしれません。

しかしながら、アフィリエイト広告会社に医療機関が医療広告の制作・運用を依頼した場合、広告依頼者である医療機関も指導や罰則の対象になります。ちなみに、アフィリエイター自身も行政指導などの対象なる可能性があります。

医療広告ガイドラインにも、広告代理店やアフィリエイターなどの責任の所在について、下記のように規定されています。

広告依頼者から依頼を受けて、広告を企画・制作する広告代理店や広告を掲載する新聞、雑誌、 テレビ、出版等の業務に携わる者及びアフィリエイターは、依頼を受けて広告依頼者の責任によ り作成又は作成された広告を掲載、放送等するに当たっては、当該広告の内容が虚偽誇大なもの 等、法や本指針に違反する内容となっていないか十分留意する必要があり、違反等があった場合 には、広告依頼者とともに法や本指針による指導等の対象となり得るものである。引用抜粋元:厚労省「医療広告ガイドライン」(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf)

外部委託会社との信頼関係が十分に構築されているとしても、広告関連の法令にくわしくない担当者が見過ごしてしまう場合もあり得ます。

アフィリエイターが規制の対象となった背景について、2021年3月3日に行なわれた記者会見で、伊藤消費者庁長官はこう述べています。

アフィリエイト広告については、その特性として、広告の対象である商品等の販売者本人ではなく、アフィリエイターが広告を作成・掲載していることから、販売者による広告内容の審査が行き届かない可能性、また、商品の購入等があった場合にのみ報酬が発生するという仕組みであることから、アフィリエイターが報酬目当てに虚偽・誇大な広告を作成するインセンティブが働きやすい可能性があり、消費者に誤認を与えるような広告表示を抑止する観点から、消費者庁としても関心を持っているところです。引用元:消費者庁伊藤消費者庁長官記者会見要旨(https://www.caa.go.jp/notice/statement/ito/023351.html)

2021年3月1日に消費者庁が注意喚起を促したケースでは、再委託を受けた広告制作会社のアフィリエイターが「ほうれい線が消えた」などと法令に抵触した誇大広告を消費者庁が問題視。

発注先の制作会社に法令順守など適切な指導をせず放置した責任を明確にする目的で、化粧品販売会社名と商品名を消費者安全法に基づき公表しています。

医療機関が広告制作を依頼して、その制作会社がアフィリエイターを使ったSNSによる情報発信を行なっている場合、管理責任を問われるのは発注元となる医療機関です。

直接かかわっていないという理由は考慮されませんので、SNS広告に関しても再確認することを推奨します。

※参照元:西日本新聞「SNS、誇大広告放置で注意喚起」(https://www.nishinippon.co.jp/item/o/700417/)

大手製薬会社のアフィリエイト広告が「不適切広告」の指摘
2021年5月にニュースとなったのは、大手医薬品メーカーのエイジングケア商品に不適切な広告があった、とされる問題。広告代理店に制作と運用を依頼していたアフィリエイト広告の一部で、虚偽と思われる内容の広告が発覚しました。

イメージ画像を使用して「愛用者」として登場させ、アフィリエイト広告に活用していたほか、明確なデータと言えないアンケートを基にした恣意的ランキングをアフィリエイト広告に使っていた点が問題視されています。

この場合虚偽広告や誇大広告を禁止する景表法への抵触が疑われますが、広告代理店だけでなく広告制作と運用を依頼した医薬品メーカーも責任を問われます。この点は医療機関も同じです。

いくつもの代理店に広告制作を依頼していたり、SNSなどでアフィリエイト広告の制作・運用を依頼していたりすると、広告の法令チェックまで目が届かなくなる可能性がありますので、いま一度広告が法令に抵触していないか、確認すべきです。

アフィリエイトサイトでによる広告に適用される法令には以下のようなものがあります。

  • 薬事法
  • 薬品医療機器等法
  • 不正競争防止法
  • 健康増進法
  • 景表法

法令はつねに誇大広告から消費者を守る目的で制定されていますので、関連法規に熟知しているアフィリエイターやアフィリエイト運用企業に依頼すると、各ルールに反せずに広告できるはずです。

全研本社でも医療機関の広告運用をお任せいただいておりますので、メディア制作やホームページ制作だけでなく、広告の運用に関してもお問い合わせいただければと思います。

GoogleやYahoo!の医療広告規制

GoogleやYahoo!広告の規制
Google、Yahoo!広告では医療広告ガイドラインの内容に反しないものにする必要があります。費用をかけて広告運用を外部委託しても、「審査落ち」でなかなか広告掲出ができない、というケースが多々あります。

さらに実際に運用を始めても、「配信の減少」「配信の停止」など、レギュレーションへの抵触によるトラブルが発生する可能性もあります。

広告掲載基準は会社によりことなりますが、影響力のあるGoogle、Yahoo!広告の審査基準は、かなり厳しいものとなっています。急に広告掲載基準が変更となることも珍しいことではありません。

Google検索のコンテンツポリシーには、医療コンテンツは「科学的または医学的な統一見解とエビデンスに基づくベスト プラクティスに矛盾または反するコンテンツは認められません」と明記されています。

なおYahoo!広告では、掲載基準に関して、自由診療の訴求するときには「公的医療保険が適用されないこと」「標準的な費用についてリンク先に加えてクリエイティブ(タイトルやバナーなど)でもすること」を重要視しています。

たとえば、Yahoo!の広告ガイドラインには、医療広告に関する解説専用ページが設けられています。

Yahoo!医療広告ガイドライン

画像引用元:YAHOO!広告公式ラーニングポータル<医療機関広告>出稿に必要な4つのポイントと広告掲載可否の事例(https://promotionalads.yahoo.co.jp/online/guideline_medical.html)

原則、医療広告ガイドラインや景表法など関連法規にのっとって作成されていますが、リスティングやディスプレイ広告の審査が厳しいとされていますので、広告制作や運用は医療系広告の実績がある会社に依頼するようにしましょう。

ランキングなどの比較サイトも医療広告の規制対象

比較サイトに関しても、アフィリエイトサイトと同じように、ランキングの根拠や公平性には十分に注意する必要があります。優良誤認を招きかねないランキングは、誘導性が高いと判断されやすい手法です。

もし、なんらかのトラブルがあった場合には、病院やクリニックが今まで築き上げてきた社会的信用を失いかねません。一度失ったものを取り戻すためには、数倍の労力が必要になります。

そのため、比較サイトで広告する場合、医療広告についての守るべきルールを熟知し、かつ、その中でも高い宣伝効果が期待できるような企業に依頼した方がよいでしょう。

最近はあまり見ないようになりましたが、もしもランキングによる比較サイトを利用するのであれば、ランキングの根拠が明確に提示されているランキングサイトに掲載するよう注意が必要です。

※参照元:YAHOO!広告公式ラーニングポータル「<医療機関広告>出稿に必要な4つのポイントと広告掲載可否の事例」(https://promotionalads.yahoo.co.jp/online/guideline_medical.html)

医療従事者も無関係ではない、2020年8月にトクホの広告規制が強化

2020年8月にトクホでも広告規制強化の動き
医療広告とは別の話になりますが、医療分野でも密接な関係があるトクホについて、消費者保護法の観点で共通する広告規制の新たな動きについても触れておきます。

健康食品業界が独自に特定保健用食品、いわゆるトクホに関する広告に対してルールを厳格化し、違反企業を処分すると2020年8月27日に発表。公益財団法人「日本健康・栄養食品協会」が主導して、「特定保健用食品公正取引協議会」を発足させました。

表示が許可されている内容を超えた広告の場合、同協議会が策定した規約に違反したということで、違約金や警告などの措置を予定していると報告しています。

高齢化社会の中では、このトクホのように法令違反を厳しく取り締まる傾向が強まっています。医療広告ガイドラインに関しては2018年に改定されてから大きな動きはありませんが、消費者保護法であるということを忘れずに、法令順守の意識を高めていかなければなりません。

医療広告ガイドラインに影響する「薬機法」の改正

2021年8月1日には薬機法の一部が改正されましたが、これを受けて医療広告ガイドラインにについても厚労省から通達が出る可能性もあります。

最新の情報を獲得しておく必要があるのは、意図せずに法令違反となってしまう可能性があるからです。

たとえばドクターズサプリドクターズコスメを企画販売している医師も少なからずいると思いますので、薬機法のどこが改正されるのか、簡単に説明しておきましょう。

医療広告のガイドラインを順守した効率的なマーケティング

医療広告のガイドラインを順守した効率的なマーケティング
医療機関といえども、広告を出さずに集患できる時代ではありません。これから先の日本では、医療サービスの供給量が多くなるのに医療を受ける人の数は少なくなるため、経営が厳しくなることが予想されるからです。

具体的な数字を挙げておくと、

  • 医師は、2000年に255,792人だったが、2016年に319,480人
  • 歯科医師は、2000年に90,857だったが、2016年に104,533人
  • 国内人口は、2010年128,057,352人だったが、2019年7月に126,264,931人

となっています。医療従事者だけではありませんが、人口は減るのに専門職である医師や弁護士は増える一方。しかもかなり高齢になっても引退しないかたがほとんどです。

これまで赤字病院の割合がおおよそ60パーセントともいわれてきましたが、コロナ禍ではさらに経営状態が悪化しているはずです。

ですから、今後ますます集客・集患には効率的なマーケティング施策必要になります。いまからでも遅くありません。根本から広告戦略を見直してみるべきです。

たとえば全研本社では医療広告ガイドラインに抵触せず法令を順守しながらも、商圏エリアや欲しいターゲットに合わせたメディア戦略で効率的なマーケティングを実現してきました。

そのメディア戦略のひとつが、集患効果で多くの実績がある、「ポジショニングメディア」です。

医療広告にも活用できる「ポジショニングメディア」とは

ポジショニングメディアのイメージ画像詳細についてはお問い合わせください
ポジショニングメディアとは、「患者の頭の中にある悩みや要望に応える」コンテンツを提供するマーケティング施策を指します。

医療系比較サイトやポータルサイトとの違いは、徹底的にユーザーの頭の中にある悩みや要望を吸い上げるコンテンツを提供するという点です。

なぜ治療を受けたいと思うのか、どのような悩みを抱えているのか、なにに不安を感じているのか。これを解決に導く記事を盛り込みながら、自院の強みや特徴がそのニーズを満たす存在であることを提示します。

そして強引に誘導するのではなく、ユーザーが納得して「この先生に相談してみよう」「このクリニックを受診してみよう」とおもってもらえるようなメディアを独自に制作・運用するのです。
ポジショニングメディアのコンバージョンフロー

ポジショニングメディア最大の特徴は、ターゲットを絞り込み勝つべくして勝つメディア戦略であるという点です。

ポジショニングメディアには、以下のような利用価値があります。

  • 自院の特徴に魅力を感じてもらい、ファンをつくりだす
  • 競合他院との差別化とブランディングを同時に実現できる
  • ポジショニングメディア内で納得したユーザーを獲得できる

もちろん医療のジャンルによっても差異はありますが、ポジショニングメディアの導入前と後とでは、明らかに問い合わせの質が変わってきた、というお声を非常に多くいただいています。

たとえば、

  • 導入前は0件だったWebからのお客様が導入後は月間40件、施術全体の20%がWeb経由になっている
  • メディアを運用し始めてから予約待ち状態となり、医師2名体制から増やして4名体制で診療を行っている
  • いつも3名から4名の患者さんにお待ちいただいている状況。競合からベンチマークされるクリニックに成長できた

といった感じです。

このポジショニングメディアについてまとめた資料には、さらにくわしく導入企業様の成功事例が掲載されています。

下記ボタンよりダウントードできますので、具体的な事例をご覧ください。

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自院の強みに沿って患者を集客することができるため、来院確度の高い患者を送り出すことができます。

医療広告が規制される理由の正しい理解が大切

医療広告ガイドラインなどに反した広告をした場合には、単なる罰則だけでなく、病院経営をゆるがすような事態に発展しないとも限りません。

まずは医療機関側が医療広告ガイドラインによる広告規制をチェックして正しく理解する必要があるのです。

忙しい日々の業務の中で、広告規制について理解するのは面倒だと考える人もいるかもしれません。ただ、広告に使われるそのお金が無駄になってもいい、と考える経営者はいないはずです。

外部委託が業務のスリム化にはつながりますが、ご自身で理解できていないと外部事業者のミスにも気づけません。広告の費用対効果を最大化するためにも、関連法規にくわしい外部パートナーを選んでください。

全研本社では医療広告ガイドラインの社内テストと研修を年に数回実施

医療広告を扱う弊社でも社内テストを実施
多くの医療広告を制作・運用している全研本社では、医療広告ガイドラインの限定解除要件を満たしたメディア運用や公式サイトリニューアルのご依頼を多数受けています。

法令を順守した医療広告を制作・運用するために必要な知識の獲得が必須であるため、全研本社ではさまざまな関連法規の研修やテストを実施しています。

制作・運用担当だけでなく事業部全体で医療広告ガイドラインや景表法などの関連法規を正しく理解していなければなりません。

そこで200名以上の社員が全員勉強会や研修を重ね、テーマごとに社内でテストを実施。合格点に達するまで何度も追試を設けるなどして、理解度を深めています。中途入社や新卒入社で仲間が増えるたび、研修とテストを繰り返しています。

医療広告ガイドラインを理解するためにはこうした勉強は必須であり、最新の情報につねにアップデートすることが重要です。個別具体的に関連法規が適用されることから、臨機応変な対応も必要になってきます。

医療広告ガイドラインを含む各種法令の留意点を含め、現在の関連法規に則した広告の作成を依頼するのであれば、医療広告のコンサル会社や弊社のようにさまざまな医療機関の広告制作を手掛けてきた、プロに依頼すべきです。

2022年版「医療広告ガイドライン」の基礎知識まとめ

医療広告ガイドラインの留意ポイントと注意点まとめ
大変長い記事になってしまいました。最後までお読みいただきありがとうございます!

医療機関は慈善団体でもなんでもなく、普通の企業のように経済活動で収益を上げなければ存続ができませ。したがって広告による集患はマストなわけですが、医療広告ガイドラインをはじめとする規制が厳しい、という事実は変えられません。

それでも、この規制の範囲内で適正広告の制作・運用は十分可能です。

適切なメディカルプロモーションで集患チャンスが広がる

これからの医療機関は経営を維持するための努力が必要です。優秀な経営者こそ危機感を持ち、危機を乗り越えるためにはどうすべきかをつねに考え、有効な対策を講じています。

と同時に患者の治療費が病院経営を成り立たせている以上、患者の不利益を徹底的に排除するという心構えが必要です。

クリニックの公式サイトを拝見していると、まだまだ不明瞭かつ不親切な説明しかしないないものが多い、と感じます。

弊社は実際にさまざまな科目の病院や美容クリニック、歯科医院のWeb戦略をお手伝いしてきましたが、医療広告ガイドラインの順守はもちろんのこと、成果を重視した集患施策を提供しております。

もし、医療広告ガイドラインを順守した医療広告制作と運用を希望されるのであれば、全研本社にご相談ください。貴院の商圏エリアや集客を強化したい施術名などに合わせ、最適なマーケティング施策をご提案させていただきます。

下記フォームより貴院がどのような患者を集患したいかなど、ご要望をお寄せください。

医療広告ガイドラインに沿った
広告について全研本社に相談してみる

Webメディア「キャククル」アイコン

この記事を書いた人:
キャククル編集部

キャククルは幅広い分野の「集客」や「広告」などマーケティングに役立つ情報を発信するWebメディアとして、全研本社株式会社が2020年に立ち上げました。医療広告だけでなく、さまざまな関連法規を順守した記事づくり、コンテンツ制作を心がけております。

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