クラウドPACSは、大量の検査画像を一括で読み込むとともに、管理・共有・検索・表示ができるシステムのこと。
画像を電子化して保存できるので画像の管理が容易になり、必要なときにすぐに参照できるので業務効率化にもつながる点が大きなメリットです。
医療用画像管理システムを導入すれば画像データの電子化ができるだけでなく、医療用画像データの保存義務にも対応が可能。さらに画像データの閲覧や共有が容易になるため、正確な情報を迅速に共有できサービスの品質向上にもつながるでしょう。
この記事では、クラウドPACSを活用するメリットや費用相場、医療用画像管理システムを取り扱う会社を9社紹介します。システムの選定にぜひ活用してみてください。
クラウドPACS一覧表
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
LOOKREC |
業界屈指のセキュリティ体制!トラブル時も迅速復旧で診療を止めない安心設計
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NOBORI(のぼり) |
初期費用ゼロ、データセンターの多重保管で安心と高速アクセスを実現 |
PACS Caps-Web |
初めてのPACS導入でも安心。クリニックの業務にぴったり寄り添う柔軟設計と充実サポート |
LSC PACS Xronos |
コストを抑えた導入と電子カルテ連携で、診療フローをスマートに |
Climis |
保存容量無制限で追加費用なし。長期データ保管を安心サポートする次世代PACS |
SonicDICOM PACS Cloud |
CTやMRI画像を3秒以内で表示。救急医療でも安心のスピードを提供 |
PACS WATARU |
狭いスペースにもぴったり。クリニック向けに設計された小型・高性能PACS |
Claio |
紹介状から検査動画まで、紙カルテもまとめてデジタル管理。診療業務を効率化 |
iRad-IA |
複数施設間の診療情報を瞬時に共有。リアルタイム性とセキュリティを両立 |
クラウドPACSとは?
クラウドPACS(Picture Archiving and Communication System)は、医療用画像管理システムや医療画像保管伝送システムとも呼ばれる、 医療現場のデジタル画像データを効率的に管理する革新的な仕組みです。
従来の物理的なフィルムでの画像管理とは異なり、クラウドPACSでは医療画像撮影装置から取得した画像データをネットワークを通じて 自動的にデータベースに転送し、安全に保管・管理します。 撮影した画像データは即座に保存され、医療現場での業務効率化を大幅に向上させるのが特徴です。
クラウド型PACSは、医療機関内のすべての検査画像をデジタルデータとして保存し、 診断、共有、検索などを一元的に管理できるシステムです。 情報は常に厳重に管理され、データの機密性を保ちながら、医療機関全体の運用を効率化します。
大容量の検査画像を一括で読み込み、管理・共有・検索・表示が可能なクラウドPACSは、リアルタイムでストレスのない読影環境を提供します。 さらに、他の医療システムや電子カルテとの柔軟な連携も可能で、導入施設のニーズに応じたカスタマイズが可能です。
このように、さまざまなデータを電子化して安全に保存するクラウドPACSは、 紙媒体の管理にかかるスペースや手間を削減し、医療現場の業務効率を飛躍的に向上させます。
クラウドPACSを導入するメリットや効果
画像データの院外利用
クラウドPACSを導入することで、タブレット端末などを利用して院外でも画像データを確認できます。 例えば、訪問診療の際にはすでに撮影された画像を見ながら診察が可能になり、 診療の利便性が大幅に向上します。 また、遠隔地でもリアルタイムで診断ができるため、救命救急の現場でも有効に活用されています。
施設間連携・地域医療連携を実現
クラウドPACSでは撮影した画像を安全に保存するだけでなく、他の医療施設とも簡単に共有できます。 自院の患者を別の医療施設に紹介する際、画像を共有していれば再度撮影する必要がなく、 患者の負担を軽減することが可能です。これにより、地域医療連携がスムーズに進み、医療の質の向上にもつながります。
画像確認の効率化
クラウドPACSを導入する最大のメリットは、画像確認や共有の効率化です。 撮影した画像をクラウド上で集約することで、管理が簡便化されるだけでなく、 必要な画像データを探す時間を大幅に短縮できます。 これにより、医療スタッフは診療に集中できるようになります。
保存義務への対応
医師法では、医療画像を最低2年間保存することが義務付けられています。 従来の方法ではレントゲンやその他の画像データの保存に多大な手間やスペースが必要でした。 クラウドPACSを活用すれば、保存義務を確実に満たしながら管理コストを削減することができます。 また、長期間の保存が必要なデータでもクラウド上で安全に保管できます。
クラウドPACSに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 電子カルテとの連携は可能ですか?
はい、クラウドPACSは電子カルテと連携可能です。電子カルテとの起動連携に対応しているかを確認する際は、 利用中の電子カルテのメーカー名や製品名を事前に把握しておくことが重要です。一部の製品では、特定のクラウドPACSとの 連携が標準機能として組み込まれている場合もありますので、導入前に詳細を確認してください。
Q2. クラウドPACSを導入する際の注意点は何ですか?
クラウドPACSを導入する際には、以下の5つのポイントを特に重視することをおすすめします:
1. クラウド型とオンプレミス型の違いを理解する
- クラウド型PACS: インターネット上にデータを保管するクラウド型は、他施設とデータ共有がスムーズで、院内ネットワークを構築する必要がないため初期費用を抑えられます。 特に、複数施設間の連携が求められる医療機関に最適です。
- オンプレミス型PACS: 院内に専用ネットワークを構築してデータを保管するオンプレミス型は、クラウド利用料が発生せず、セキュリティリスクが低い点が特徴です。 ただし、ネットワーク構築費用が高額になる場合があり、小規模クリニックでは負担が大きいこともあります。
2. 既存システムとの連携性
既存の電子カルテやその他の医療ITシステムとの連携が可能かどうかを確認しましょう。例えば、クラウドPACSと電子カルテが連携できれば、 医療用画像をパソコンやタブレットで院外からでも確認できます。これは、診療効率の向上や遠隔医療において大きなメリットとなります。
3. セキュリティ対策
クラウド型PACSの場合: データ通信の暗号化や厳格なアクセス制御が実施されているかを確認してください。また、セキュリティ認証(例:ISMS認証)を取得しているサービスは信頼性が高いです。
オンプレミス型PACSの場合: 院内ネットワークを利用しても情報漏洩リスクはゼロではないため、セキュリティソフトや物理的なセキュリティ対策を導入する必要があります。
4. サポート体制
クラウドPACSは、システム障害が発生した場合に画像の閲覧や共有が一時的にできなくなるリスクがあります。そのため、 24時間365日対応のサポート体制を持つサービスを選ぶことが重要です。特に、緊急医療を扱う医療機関では、 迅速な対応が診療への影響を最小限に抑える鍵となります。
5. 導入コストと予算のバランス
初期費用や月額費用が予算内に収まるかを確認しつつ、長期的なコストパフォーマンスも考慮しましょう。 クラウド型は月額制で柔軟に運用可能ですが、オンプレミス型は初期費用が高額になる代わりにランニングコストを抑えられます。
導入時の比較表
項目 | クラウド型PACS | オンプレミス型PACS |
---|---|---|
初期費用 | 低い | 高い |
運用コスト | 月額料金制(変動) | 固定費用(低い) |
セキュリティリスク | ベンダーに依存(要確認) | 院内管理(物理セキュリティが重要) |
データ共有 | 他施設間でスムーズ | 院内限定(外部共有には追加手間) |
対応規模 | 複数施設や小規模クリニックに最適 | 大規模病院や特定施設向け |
まとめ
クラウドPACSを選ぶ際には、自院の運用規模やニーズに合わせて、クラウド型とオンプレミス型の特徴を理解し、 既存システムとの連携性やセキュリティの安全性をしっかりと確認することが重要です。 また、24時間対応のサポート体制を持つサービスを選ぶことで、万が一のトラブルにも迅速に対応できます。
クラウドPACSについて詳しく知りたい方は、当ページで紹介している資料をダウンロードの上、比較検討にお役立てください。