マクドナルドのコストリーダーシップ戦略とは

マクドナルドのコストリーダーシップ戦略とは
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競合他社と比較して、低いコストで売り出すことにより競争の優位性に立つ「コストリーダーシップ戦略」。世界的なハンバーガーチェーンであるマクドナルドも、コストリーダーシップ戦略によって大成功を収めています。

本記事では、マクドナルドが行っているコストリーダーシップ戦略のポイントをまとめました。コストリーダーシップ戦略を知ってビジネスに活かしたい方や経営戦略の参考にしたい方は参考にしてみてください。

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マクドナルドのコストリーダーシップ戦略のポイント

ノートに貼ったPOINTの付箋と虫眼鏡

同業他社と比べて、圧倒的な低価格で商品を提供しているマクドナルド。原材料高騰や人件費、物流費の増加が続くファストフード業界において、これほどまでにコストを削減できている理由はどこにあるのでしょうか。

サービスの標準化

マクドナルドは、全店舗で共通したメニューを導入することによってコスト削減に成功しています。また、店内の従業員教育を徹底して、マネジメントやサービスについても標準化。同じ品質の商品を安定的に供給する体制を構築することで、競合他社よりも安いコストで商品の販売を実現しているのです。

物流システムの効率化

マクドナルドでは、1つのハンバーガーを作るまでのあらゆる工程において、効率化を追求しています。

ハンバーガーのバンズのみを、サプライヤーから店舗へ直接配送。肉や野菜などのその他の食材は、一度DC(配送センター)に納品し、「常温・冷蔵・冷凍」3つの温度帯に分けられるトラックに載せて一度で運びます。さらに、配送ルートを毎日最適化して、最短で届く工夫がされているそうです。

品質が保たれた安全な食材を「過不足なく安定供給する」ことを最重視し、無駄を省くことでコスト削減を実現しています。

PDCAの継続

マクドナルドでは、常に商品を顧客に提供するまでの時間短縮に目を向けています。オペレーションシステムは毎年改善されており、より迅速でスマートに商品を提供できるよう、PDCAが回されています。

改善されているのは、店舗オペレーションだけではありません。製造システムや販売管理システム、人材教育システムなど、あらゆるシステムが常に見直されて改善を続けているのです。見直しのたびに多額の費用を要するため、とても他社が真似できることではありません。すぐに課題点を見つけて改善を進められる点も、マクドナルドの強みと言えるでしょう。

過去には失敗も

マクドナルドは、1990年代の後半に「エブリデイ・ロープライス」と銘打って、ハンバーガーやセット価格の大きな値下げを行いました。すると、それに他社が追随して価格破壊競争が起きてしまったのです。客単価が低下してしまったマクドナルドはその後、自ら打ち出した施策によって苦しめられることに。コストリーダーシップ戦略に走りすぎた低価格路線は失敗に終わってしまいました。

そこでマクドナルドは、コストリーダーシップ戦略を控えて「市場浸透戦略」のほうに舵を切ります。「メガマック」や「えびフィレオ」などの新商品の開発や販売に注力したのです。商品の品質やサービス性を重視した市場浸透戦略は功を奏し、みごと客単価のV字回復や新規顧客獲得につなげています。

マクドナルドのコストリーダーシップ戦略まとめ

マクドナルドのバーガーとポテト

マクドナルドは、全国共通メニューの採用や人材育成の強化、物流コストの削減によって、ファストフードの競合優位性を確立しました。ただし、行き過ぎた低価格路線はときに自分の首を絞めてしまいます。

コストリーダーシップ戦略は主に、マクドナルドのような大手が大規模なチェーン展開や資金力によって実現できるものです。中小企業など「規模の経済」が利用できない会社は、安易にコストリーダーシップ戦略に走らないことが重要です。

コスト面以外で「顧客から選ばれる強み」を見つることができれば、中小企業でも大手に潰されず、安定的に利益を生み出せる体制を構築していくことができます。競合調査や自社の分析、ターゲット顧客の選定をしっかり行い、マクドナルドのように競合他社がマネできない戦略を作り上げましょう。

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