商社・卸の集客はWebマーケティング・広告戦略を中心とした強みの見せ方がポイント
最終更新日:2022年12月21日

このページでは、商社や卸会社のWebマーケティングに必要な要素や広告戦略について説明していきます。リアル展示会開催はされているものの、以前のような来場者数は期待できなくなっています。
いかにしてWeb上で優良リード(見込み客)を獲得できるかが、今後の収益力にも大きな影響を与えますので、Webマーケティング施策を積極的に取り入れていくことが重要です。
効果的な集客を行うためには、リード獲得時点で自社ならではの強みが伝わっている状態をつくりましょう。
そうすることでユーザーは、「自身(会社)にとってベストな商社はここだ」と納得して選ぶことができます。
このあと集客・マーケティング施策についてご紹介をしていきますが、施策によって何を伝えるのかという点を念頭に置きながら、自社にとってベストな方法を検討してみてください。
ユーザーに選んでもらうための集客戦略
上記のようなユーザー選択型の(ユーザー自身がニーズにあわせて選ぶ)集客戦略としては「ポジショニングメディア戦略」がおすすめです。
ポジショニングメディアではあらかじめ自社独自の強みを比較して見せ、差別化ポイント・優位性を示すことができるため、導入した企業からは
- 競合と比べた上で自社に興味を持ってもらい契約までのリードタイムが3分の1に短縮できた
- 自社の商品・サービスを理解してくれる検討者が増えて商談率が8割以上になった
- 自社商材と費用感の合う検討者が増え、受注単価が2.5倍に増えた
といった、効果を実感したという声もいただいています。
現状の集客施策ではうまく効果が出ていない、まだ他社が取り入れていない集客方法を実施したい、そのような場合はぜひポジショニングメディアもご検討ください。
※詳しくは記事の後半でお伝えさせていただきます
またポジショニングメディアのご紹介ページも別途ご用意していますので、興味がございましたら以下ページもぜひご覧ください。
ポジショニングメディア戦略の
特徴・事例を見る
集客の前に振り返る商社業界の現状
中小規模の商社の担当者は、今後どのように顧客を拡大するか悩んでいる方もいるかもしれません。
各メーカーの販売路線展開やインターネットの普及などから「商社不要論」もささやかれた時期もありましたが、商社はエネルギー資源や日々進歩する医療の機器などを中心に、現在では息を吹き返しています。
とはいえ大手企業でなければ、数ある商社から取引先や顧客から選ばれなければいけません。商社という業界自体は安定しているものの、大規模ではない専門商社が今後生き残るためにはどのようなことに注意しておくべきなのでしょうか。
再編が進む専門商社業界
商品の仕入れをしたいという会社に対し、同業他社と比較した際の特化部分をアピールする必要があります。2010年代の後半には専門商社の大手が経営統合をするといった事例がありました。
このように専門商社業界を取り巻く環境は変わっており、中小企業や後発の総合商社が今後残っていくためには、変化に対応できることが大切です。
今後の専門商社が考えるべきマーケティング戦略
今後の専門商社が抱えるであろう課題としては下記があります。
- インターネットの普及による中間商社の撤廃
- 人口減少による消費の縮小
- グローバル化に向けた海外展開
このなかでグローバル化に関しては外国語の対応に加えて、商品発送などの体制も整えなければいけないため、中小企業が準備するには負担が大きいです。そのため中間商社の撤廃と消費縮小の課題を乗り越える必要があります。
収益を増やすためには現在の取引先にもっと多く購入してもらうか、新規顧客を開拓しなければいけません。しかし今後消費が縮小することを考えると現在の取引先へ発注を増やしてもらうことは難しいでしょう。
そうなると今後生き残るために重要となるのは、新たな企業との取引を増やすことです。では多くある専門商社のなかから、新規顧客に選んでもらうためにはどのような差別化が必要なのでしょうか。
中小、後発の専門商社・卸は競合と差別化できるWeb集客・マーケティングをはじめよう
中小や後発である専門商社は、同業他社と差別化するために今後Web集客に力をいれるべきです。
専門商社は営業だけでは集客できない時代
インターネットが一般ではない時代には、商社の営業担当が会社を渡り歩いて契約を取ってきたものです。サービス内容ではなく営業担当の人柄をみて契約が結ばれていたことも珍しくありませんでした。
しかし現在では、下記のような理由でなかなか交流の機会をつくることが難しいです。
- セキュリティ上、アポなし営業ができない
- 急な電話に不快感を覚える人が多い
- 取引先担当者と仲を深めようとしても断られる
- 無理に交流しようとするとハラスメントと言われる
営業担当がアポなしでまわり、契約をとるのは難しい時代となりました。
今後は専門商社もWebで探されることを見据えたマーケティング・広告戦略を
現在の新入社員は生まれたときからパソコンやスマートフォンなどでインターネットが身近にある世代です。調べ物をするときにはまず一度検索をしてそれでも見つからなければ上司に相談するなどの対応をします。
まだBtoBをインターネットで取引するのがベースであるとまでは言えません。しかしインターネットが身近な世代が多くなれば、まずWeb検索で問い合わせ先を探すのが当然となっていくでしょう。
今後の他社に負けないためにはWebサイトからの集客に力をいれていかなければいけません。
専門商社のWeb集客・マーケティング戦略2種類
Webで取引先を集客する場合には主に2種類の戦略があります。競合他社と並列表示される一般的なポータルサイトと、自社商材特化型のポジショニングメディアです。
反響のいいポータルサイトで集客する
商社・卸会社を探しているリード候補のユーザーが、検索画面上に上位表示されるポータルサイトに広告を掲載する手法です。
ポータルサイトで集客する際、中小規模の会社は大手企業の広告に目立つ場所を独占される傾向があるため、自社を目立たせるためには記事広告やサイト内のバナー広告などで、自社を目立たせる工夫が必要です。
一括資料請求のポータルサイトに掲載するだけでは、ユーザーの目に触れる機会が限られますので、ポータルサイトを選ぶ際にはサイト内の絞り込み検索機能のユーザビリティなど、サイト自体のポテンシャルや自社との親和性も確認しておきたいところです。
たとえば、以下のようなポイントをチェックしておきましょう。
- エリアや取り扱い商材などの絞り込み検索機能で自社が表示されやすいか
- 自社が獲得したい顧客がサイトユーザーになっているか
- 自社と親和性の高い商材などのコンテンツが提供されているか
- 資料請求や問い合わせのCV導線がわかりやすく設置されているか
たとえセッションやPVが多いポータルサイトでも、リード候補がそのサイトを訪問していなければ意味がありません。目立つ位置に広告を掲載しても反響がない場合には、ほかの媒体に切り替えるなど早めに判断することが大事です。
自社が扱っている商材の業界や市場に関する特集や情報、記事などのコンテンツがあるかないかも重要な判断基準です。
たとえば工場の担当者が生産機器をもっと効率的に生産できる機器にしたい、と考えているとします。「機器名 性能」などの検索でたどり着いた商社のWebサイトにて下記が掲載されていたとします。
- 取り扱い機器の種類数
- 発注後の納品の早さ
- 機器メンテナンス方法
これらの情報で専門商社自体が、知識をもっていることや幅広い機器を扱っていることはわかりますが、肝心の機器の性能が記載されていません。その他の商品と比較してどの程度の生産効率であるのかといった情報が本来記載するべき内容です。
もちろん上記の内容は商社にとって強みとなるのですが、「機器名 性能」で求めている内容ではないということです。「納品 最短 機器名」のキーワードでたどり着くのが上記の内容であれば、納品の早さが掲載されているので知りたい情報が提供されていることになります。
検索キーワードの需要にあった回答を載せることが専門商社の公式Webサイトに求められている情報です。
商社の集客には欠かせないリード獲得の仕組み
どれだけ公式Webサイトにアクセスが集まったとしても、反響につながらなくては意味がありません。
リードの獲得につなげるためには問い合わせやしやすい導線、問い合わせにつながらなくても情報収集層のニーズを満たすことができる「ホワイトペーパー」「商材資料」の設置などをしましょう。
また、自社ならではの知見が含まれたダウンロード資料を用意できるとよいでしょう。
ユーザー視点で考えると、この分野ならこの商社が強いというイメージを持たせることができます。
以前と違い、情報を入手する手段が多様化しています。
自社資料をダウンロードしてくれている=自社に関心がある、と考えるといち早くどういうイメージを持たせるべきかを考えた資料設計にもしておきたいところです。
ポジショニングメディアで差別化する
ポータルサイトは業界を網羅してサイト内で検索させることで、選択肢の多さなどのメリットをユーザーに提供するものです。
ポジショニングメディアではさらに一歩踏み込み、分析したユーザーニーズを元に比較軸を設定。
〇〇というニーズなら自社がベストと優位性を見せることでそのニーズを持つ自社と相性の良いユーザーを狙って集客できる戦略になります。
このようにリード獲得時点でユーザーは自社の強みを認識しており、その上でお問い合わせをしてくれます。
このポジショニングメディアの戦略的特性によって、上述したような
- 競合と比べた上で自社に興味を持ってもらい契約までのリードタイムが3分の1に短縮できた
- 自社の商品・サービスを理解してくれる検討者が増えて商談率が8割以上になった
- 自社商材と費用感の合う検討者が増え、受注単価が2.5倍に増えた
といった効果につながるというわけです。
ポジショニングメディアの特徴や事例は以下ページでもまとめておりますので、検討してみたいという方はぜひこちらもご覧ください。
ポジショニングメディア戦略の
特徴・事例を見る
マーケティングでライバル商社と差別化できる強みを発見
適切なマーケティング戦略のもと、他社にはない強みを宣伝して知ってもらえる仕組みを作ることが、たくさんある専門商社から選んでもらえるポイントです。
バリュープロポジションを見つけて戦略を

他社には真似ができない、自社だからこそ提供可能な価値をバリュープロポジションといいます。このバリュープロポジションをしっかり認識することで、顧客に有効なアピールができます。
専門性をもって商社ブランドで差別化する
バリュープロポジションを全面的に宣伝することで、「この商品ならこの会社」というブランディングができます。特定業界の専門商社として誇りをもつことで他社に負けない企業として売り込みもしやすくなるのです。
バリュープロポジションになり得る事例としては下記があります。
- 扱っている商品数はどこにも負けない
- 仕入値の交渉に強く商品を安く提供できる
- 豊富な在庫があり納期が早い
- 商品の知識はどこにも負けないので何でもアドバイスできる
- 他では扱っていない希少価値の高い商品を提供可能
あくまでこれらは一例で、さまざまな面からバリュープロポジションが作成できます。
商品ジャンルごとに強みをわける
複数商品を扱っている専門商社であれば、そのジャンルごとにバリュープロポジションを設定しましょう。例えば医療機器、事務用品、工場製造機の3種類を扱っていた場合には、それぞれの部署も異なるので下記のようにバリュープロポジションの違いがあるかもしれません。
- 医療機器:国内最新の機器を入荷できる
- 事務用品:消耗品を当日中に納品できる
- 工場製造機:故障を防ぐメンテナンス知識をもっている
商品が違えば求められているニーズもさまざまです。それぞれ別のポジショニングメディアをつくれば異なるバリュープロポジションを宣伝できます。
他社との差別化部分が見つからない場合には
自社のバリュープロポジションが見つからないということもあるでしょう。これは珍しいことではなく、自社のサービスしか知らないとなかなかわからないものです。そんなときには同じ商品を扱う同業他社やターゲットが同じである商圏内をマーケティングします。
下記のような内容は、競合他社をマーケティングしてはじめて見えてくる内容です。
- 価格相場
- 平均納品日数
- 取り扱い商品数
- 希少商品の取り扱い
- 知識やトラブル時の対応サポート内容
他社のサービスを知ることで「実は他にはないこんな特徴を自社がもっていた」ということがわかるのです。
バリュープロポジションを活かした集客戦略ならぜひご相談ください
バリュープロポジションをいかした集客戦略はマーケティングの知識も必要となるため、いざ実践してみようと考えても、実施に時間がかかってしまう場合もあります。
全研本社では、バリュープロポジション分析を軸とした、集客・マーケティング戦略のご提案を行っています。
いままでに120業種を超えるクライアント企業を支援してまいりました。
市場分析から戦略提案、Webメディアの制作・運用まで、ワンストップで対応できますので、現在の集客戦略を改善したい、今後集客にもっと力を入れたいというご要望があれば、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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