医療系コンテンツマーケティングの注意点と成功事例
2020年03月04日

医療系コンテンツが注意しなければいけないこと
医療や健康系のジャンルでコンテンツマーケティングを展開するのであれば、もっとも重要なのがキーワード選定です。
最初からテーマありき、問題定義ありきでつい盛り込みたい内容だけにフォーカスしてしまいがちですが、コンテンツマーケティングの場合は「どのようなターゲットにどのようなキーワードで発信するか」をあらかじめ考えなければなりません。
これはどのジャンルのコンテンツマーケティングにも言えることではあります。また医療や健康といったカテゴリのメディアの場合には、さらに注意しなければいけないポイントがあります。他のジャンルとは異なり薬機法(旧薬事法)や健康増進法などの関連法規に準拠した内容であるか、という点です。
以下に医療系・健康系コンテンツマーケティングで留意すべきポイントをまとめておきます。
- 露骨な集患(送客)導線だけを意識しない
- Googleポリシーや医療ガイドラインのルールを守る
- クリニック公式サイトやオウンドメディアは広告扱い
- ユーザーが聞きたいこと・知りたいことを網羅する
- 高い専門性よりも「知識のない人でもわかる」内容にする
- ユーザーに優良誤認・優位誤認を与えないように注意する
Googleはコンテンツのなかでも、命や生活にかかわるコンテンツの質に関して、厳密なルールで審査をしていることがわかっています。正しい情報であることはもちろんのこと、消費者であるユーザーに誤解を与えたり、露骨に誘導したりするコンテンツは低品質とみなされ、対策したいキーワードで上位表示ができません。
上位表示されないということは、人の目に触れないということ。だれも見てくれないサイトでどんなに有益な情報を発信しても、集患や集客にはつながりません。
医療のコンテンツマーケティングで求められているのは集患だけではない
インターネットのユーザーが医療や健康に関する悩みを検索する場合の多くは、抱えている悩みや心配などを解決したいことが理由です。もちろん集患することも医療マーケティングの目的ではありますが、宣伝だけではなく、悩みに対しての信頼できる回答も充実させる必要があります。どんなにユーザーにとってメリットのある治療内容であっても、ユーザーの求めている回答ができていないコンテンツマーケティングは、ユーザーが離れてしまい集患につながりません。
例えば検索結果に出てきたタイトルと、実際にクリックして開かれたページに書かれている内容が異なっている場合などで、キーワードや目をひくタイトルを気にするあまりに陥りやすいケースです。コンテンツが非常に充実した良い内容であっても、タイトルと内容の不一致で求めている情報が得られなければ、解決を求めているユーザーの心には刺さりません。
医療系はGoogle広告ポリシーや薬機法に違反しないコンテンツ制作を
インターネットの検索でもっとも多く利用されているGoogleには厳格な広告ポリシーが設定されており、違反をすることで広告や検索の上位から外れてしまいます。「広告」とつきますが、これは広告枠の宣伝だけに限ったものではないのです。オウンドメディアとして制作しているサイトでも広告と判断される場合があるので、同様と考えながら注意して制作しなければいけません。
Googleの広告ポリシーとは別に、日本の医療広告ガイドラインでもオウンドメディアなどは広告とみなされる場合があります。
平成29年の通常国会で成立した医療法等の一部を改正する法律(平成29年法律第57号)により医療機関のウェブサイト等についても、他の広告媒体と同様に規制の対象とし、虚偽又は誇大等の表示を禁止し、是正命令や罰則等の対象とすることとした。
(引用元 「厚生労働省 医療広告ガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf)
※ただし、一部の場合については規制の対象外です。詳しくはこちらに掲載しています。
医療従事者が発信するコンテンツとして専門的な内容を
医療広告のガイドラインやGoogleのポリシーなどを違反しないように制作をすることが大切ですが、それを気にするあまり内容がおろそかになってしまってもいけません。
広告ポリシーや医療ガイドラインに注意をして、かつ専門的な立場からユーザーの役に立つ情報を発信していかなければ他のWebサイトに埋もれてしまうため、ライバルサイトとの差別化ができなくなってしまいます。
※関連法規に違反せず、かつユーザーの心に刺さるコンテンツ制作手法についてはこちらにまとめています。
ヘルスケアマーケティングの成功事例
医療関連の成功事例として、ヘルスケアマーケティングを幅広く展開させている会社があります。その会社とはファイザー株式会社で、健康に関連するサイトを非常に多く制作しており、その数はなんと29サイトにもおよびます。
テーマの一例をご紹介します。
- 男性脱毛症
- うつ病パニック障害
- がん
- 緑内障
- リウマチ
- 禁煙
- 頭痛
命に関連する可能性のある病気から、日常的に悩んでいるケースも珍しくない身近な症状まで幅広く網羅しています。
それぞれ症状について詳しく解説しているWebサイトではあるものの、サイト内でファイザー株式会社の製品を宣伝しているわけではありません。ここが大きなポイントです。
コンテンツマーケティングで求めた効果は患者の通院
ファイザー株式会社は製薬会社なので、会社としては薬が使われることで多くの人の役に立ち収益が増えることになります。しかし実際に薬を処方するのはクリニックのため、直接患者に対してアプローチできません。製薬メーカーは自社製品を使ってもらうための広告が非常に難しい立場にあります。
そこで手段としてとった方法が、患者に対して自社の医薬品が処方される症状側からアプローチ、各症状や疾病につてキーワードごとに解説しています。症状が深刻な場合は医師へ相談をと結んでいます。
流れとしては下記の通りです。
- 悩みをもつユーザーがファイザー株式会社のサイトを見る
- ファイザー株式会社のサイトを見て病院で診察を受けるべきと認識する
- 病院やクリニックにユーザーが通う
- クリニックにてファイザー株式会社の薬を処方してもらう
日常的な悩みを抱える人物に対し、症状や病気に関する情報を提供することで、クリニックを通じて最終的にファイザー株式会社の薬を使ってもらうという流れです。
生涯でどんな病気にもかかったことのないという方は日本のなかではほとんどいないでしょう。そういう意味ではどんな人でも潜在的な集患になり得るという、非常に大きなマーケットです。
ヘルスケアの啓蒙に徹したマーケティングの展開が成功の秘訣
ファイザー株式会社の事例では、29種類の症状についてをひとつのサイトにまとめているのではなく専門的な内容をジャンルごとに分けて別々のサイトとして制作しています。別々にするのは労力がかかるところではありますが、それぞれのサイトが症状ごとに特化していることで個々の専門性が高くなっているのです。
さらにコンテンツの内容としてファイザー株式会社の製品を宣伝するのではなく、症状や病気の情報をコンテンツとして予防や症状改善に努めているという点も、ユーザーにとって利便性が高く有益なサイトとなっています。
- ひとつの症状に対して特化し、専門性の高いサイトとなった
- ユーザー求めている内容がコンテンツとなっている
- ユーザーにとって非常に有益なコンテンツである
という評価をGoogleから受け、さまざまなキーワードで上位表示(一般に1位から5位以内)を実現しています。
医療コンテンツマーケティングには明確な目的が必須
医療のコンテンツマーケティングはWebサイトを制作する前に明確な目的を設定しておくことが不可欠です。ゴールが見えていなければコンテンツ内容もずれ、結果として検索結果からも埋もれてしまい、かけた労力が無駄になってしまいます。
特にコンテンツマーケティングは即効性がある広告の方法ではなく、見込み患者を育てていくイメージで戦略は長期に渡るため作業をするリソースも多く用意しなければいけません。目的が定まっていないままだと、間違った方向へたくさんのリソースをかけて進んでいくことになります。
医療のコンテンツマーケティングはペルソナで目的をつくる
医療のコンテンツマーケティングで目的を定めるためにはペルソナの設定が不可欠です。
- 男性or女性
- 年代
- 日頃から抱えている悩み
- アプローチできる方法は何がある
これらの要素を設定したペルソナをつくり、どのようにアプローチをしていくのかを考えていけばおのずと目的は定まっていきます。
医療系コンテンツの制作実績が豊富にある会社に依頼する
医療系コンテンツを制作する際のポイントをまとめます。
- ペルソナをつくり、目的を明確にする
- 上位表示を狙うために専門的な立場から求められている情報を提供
- 薬機法や広告ポリシーを違反しないようにコンテンツを作成
医療系の場合、特化している専門情報を提供できる強みをもっています。しかしその情報を医療ガイドラインに注意しすぎて不充分な情報になってしまわないように注意しなければいけません。
立ち上げる際に、どのような点を生かしつつサイト制作をするべきかは下記でもご紹介しています。
コンテンツマーケティング支援資料
全研本社ではあらゆる業界で7000サイト以上の制作運用を活かしたコンテンツマーケティング支援施策を提供しています。プロに任せたい方はもちろん、将来的には内製化に向けた専門プランのご用意もございます。
医療系コンテンツマーケティングの注意点と成功事例まとめ
医療系コンテンツマーケティングは医療広告ガイドラインや関連法規に沿った制作をする必要があるため、経験が豊富なスタッフがいることが望ましいです。
全研本社でには医療広告ガイドラインのほか各関連法規に対応するチームがあります。
クリニックのエリア集患などの実績もありますので、医療系のコンテンツマーケティングを検討している方は、ぜひご相談ください。