顧客満足度やリピート率に大きな影響を与える、D2Cのカートシステム。EC担当者の経験や知識に合う仕様であるか、決済方法が豊富か、顧客が商品選択しやすいオプション機能がついているかなど、D2Cカートシステムを選ぶ上でのポイントはさまざまです。
EC担当者になったばかりの方をはじめ、すでにある程度の知識を持った方、リピーターを増やすために機能の充実を重視している方まで、各社の特徴をチェックして自社の課題を解決するD2Cのカートシステム選びの参考にしてください。
会社名 | サービスの特徴 |
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W2 Repeat |
1,000以上の機能を搭載!高いカスタマイズ性のECカートシステム
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リピストX |
1クリック購入 × チャット型フォーム! |
EC-CUBE |
自由なカスタマイズ性と自社独自のデータ資産活用が可能 |
ecbeing |
あらゆる業種に対応できる大規模向けECプラットフォーム |
楽楽リピート |
CRM強化&広告・物流連携もオールインワン |
ecforce |
即運用できる標準機能と分析から施策実施までの機能 |
Shopify Plus |
ワンクリックのチェックアウト機能 |
D2Cカートシステムの選び方
EC経験者が担当して選ぶのが基本
D2Cカートシステムを選ぶときは、EC運用経験者を担当者にするのが一番です。EC経験があると、カートシステムの良し悪しについても理解していますし、すでにノウハウを持っています。自社に適したカートシステムを選べるのです。同時にEC運用経験が多ければ、どんなカートシステムでも大きな失敗はないでしょう。
ただ、自社にEC運用経験者がいないなら厳しいです。担当者の選定、あるいは、EC運用経験者の雇用が求められます。自社内のスタッフから決定する場合、他の業務と兼任ならその担当者の負担は大きくなりがちです。EC運用経験がない方を担当にする場合、その方も勉強しなければなりません。知識を得るためにもある程度の時間が必要ですが、1から成長してもらえれば会社の財産になるためメリットはあります。
ただし、EC運用の経験者がいない場合だと、D2Cカートシステムを提供する会社がサポートしてくれるかどうか確認が必要です。電話やHPのお問い合わせフォームなどを用意しているかどうか確認してみてください。中には伴走型でサポートしてくれる会社もあります。サポート力が弱い会社だと、トラブル時、なにもできなくなりますし、返答も3日後になりかねません。
決済方法の選択肢が多い
ECサイトで買い物をする際、決済方法が現金や振込みだけだと積極的に使いたいと思いますか?他では見つからない商品を取り扱っていない限り、ユーザーの選択肢から外れる可能性が高くなります。機能性だけ見るのではなく、決済方法の幅広さを含めた利便性に注目するのも重要です。
ユーザーは自分のライフスタイルを持っています。現金払いが好きな人もいれば、クレジットカード派という方もいるのです。ECサイトを利用する際は、仮想通貨や電子マネーで決済することに決めている方もいるでしょう。当然、仮想通貨や電子マネーで支払えなければ、購入しない可能性が高くなります。結果、売上が伸びなくて頭を抱えることになるのです。
EC運用をするなら、ユーザーの利便性を第一に考えないと客離れにしかなりません。利便性の大きな要素の1つに多様な決済方法があるのです。そのため、銀行振込や銀行ネット決済だけではなく代金、クレジットカード、ATM、コンビニ、電子マネー、携帯キャリア、仮想通貨まで決済方法の選択肢を網羅できるD2Cカートシステムを選ぶことをおすすめします。
ただ、EC運用が未経験の場合、どんな決済方法を選べばいいかわからないのもしかたないことです。見極めのコツは、競合ECサイトをチェックしてみてください。参考になることも多く、とくに決済方法は想定ユーザーを考えた上での選定になっています。競合の決済方法とともに、導入を検討しているD2Cカートシステムが対応しているかどうかも含めて選定しましょう。
オプション指定の有無
サイズや商品展開に合わせたオプション指定ができるかどうかも選定条件に入れたほうがいいでしょう。ユーザーの立場からすると、サイズやカラーで別の商品ページに飛ばされるわけです。画面が移動することで元々のページがわからなくなる可能性があります。商品が見つからなくなったら「サイズが見つからないから今回はいいや」となりかねません。
売上機会を失う結果になるのです。1回だけならまだしも、同様の問題が多くなれば利益は出ません。ECサイト運用では、いかにユーザーにストレスなく買い物をしてもらうかが成功の鍵を握ります。製品についてカラーやサイズなど、ユーザーが自由に取捨選択できるなら、その点を大前提にしてストレスのないD2Cカートシステムを導入したほうがいいでしょう。ちょっとしたストレスだけでユーザーは「ここのサイトは使いにくいから今度は違うところから探そう」なりかねないのです。オプション指定ができるかどうかだけでも評価は大きく変わります。
D2C(EC)カートシステムの種類
ASP型
ASP型はクラウドサービスで提供されるアプリケーションやサーバーを利用するタイプです。必要分だけカートシステムを借りるようなイメージをしてみてください。
自前でサーバーを購入したり設置したりしなくても済みます。初期費用やランニングコストも抑えられもメリットです。D2Cカートシステムをとにかく早く導入したい場合の選択肢に入ります。ただ、カスタマイズ性はあまり期待しないほうがいいでしょう。用意された機能の範囲しか使えないケースが多いです。
EC運用経験者がいない、担当者の知識不足、D2Cカートシステムとはどんなものかまずは把握したいというケースに向いています。EC運用をスタートさせるならASP型の優先順位は高いです。
オープンソース型
ネットワーク上で公開された無償のソフトウェアを利用するタイプです。ソフトウェアの購入も不要ですし、カスタマイズ性も高いため、コストを抑えたいが、ある程度、自社運用に合わせたデザインや機能が欲しいというケースに向いています。
ただし、ソフトウェアを導入してからトラブルが起きた場合、自社対応しかできません。また、セキュリティ面は強固でない点は留意してください。そのため、EC運用経験者が担当者、社内にトラブルが起きても対応できるエンジニアがいる会社に向いているでしょう。逆に対応できる担当者がいないなら、途方にくれることになります。
トラブルが起きてからEC運用経験豊かで知識も持っている担当者を探すなら時間もかかりますし、外部業者に任せるならコストもかかることになるのです。当初のコストを抑えるというメリットが消えます。
ある程度、知識があり、D2Cカートシステムに精通しているが、構築に時間がかかる、コストも抑えたいというケースに向いているでしょう。
パッケージクラウド型
パッケージクラウド型は、パッケージソフトを購入して、デザインや機能をカスタマイズしてECサイトを構築します。パッケージソフトは骨組みであり、自社運用に合わせて機能を追加したりデザインを自由に設計したり、開発するわけですから自由度は高いです。
ただ、開発は自社ですからリリースをするまで時間と手間はかかります。すでに多くの標準機能が搭載されており、デザインもある程度用意されているものではものたりない、自社独自のこだわりぬいたものにしたい、自社開発をしたいというケースに向いています。
スクラッチ型
コストも時間もかかるタイプです。カートシステム以外に、webページやデータベースまで1からすべて開発しなければなりません。ただ、1からすべて開発するわけですから、自由度は最も高いです。細かなこだわりまで盛り込んでECサイトを構築できます。自由度はパッケージクラウド型より高いといえるでしょう。
ただし1からすべて自社開発ですから時間も手間もかかります。テスト作業も自社対応しなければなりません。トレンドの移り変わりがスピーディになっている昨今では、柔軟対応はむずかしいかもしれません。ただ、機能性やデザイン性にこだわり抜きたい、細かく盛り込みたいというケースには一番向いています。
種類別の代表システム
フルスクラッチ型ならW2 Repertがおすすめです。フォーム一体型、クーポン、受発注処理の自動化ができる機能など標準機能で1,000以上あります。機能性だけではなく業務効率化も期待できるシステムです。
パッケージ型ならecbeingがあります。向いているのは大手から中堅企業です。ワンストップでECサイト運営ができます。サイト構築とカスタマイズ、デザイン支援やセキュリティまで運用に必要なサポートは揃っているのが特徴です。
EC-CUBEはオープンソース型です。自社運用に合わせたカスタマイズができます。外部サービスや基幹システムとも連携できますし、デザイン性も高いのがポイントです。
ASPなら、リピストXをおすすめします。D2Cに特化したEC構築システムで、多種多様な決済方法に対応し、カスタマイズ性も高いです。
D2Cカートシステムのまとめ
D2Cカートシステムは、単純なカートとして機能するだけではなく、選定次第で、運用の成功も失敗にも転がる大きな要素です。ユーザーに利便性が悪いと感じられたらリピート率は伸びません。そもそも購入するサイトとして最初から選ばれない可能性もあります。カゴ落ちが連発すれば思ったような利益も得られません。
D2Cカートシステムを選ぶ際には「経験者の有無」「決済方法の柔軟性」「オプション指定ができるか」などをチェックしてみてください。その上で、ASP型、オープンソース型、パッケージクラウド型、スクラッチ型、などの種類から、自社ニーズに合わせたものを選ぶのがポイントです。
ただ、ECサイト自体の運用がはじめてなら、最低限、手厚いサポートを提供できる会社の製品を選ぶことをおすすめします。サポート力がない場合、十分に自社対応できるかどうかが重要です。その点を無視すると、コストも手間もかかるため注意してください。
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- 本記事は、2023年10月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。