カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは?作り方・事例・活用法を完全解説

カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは?作り方・事例・活用法を完全解説

この記事では、マーケティングの売上アップに活用できる「カテゴリーエントリーポイント(CEP)の概要と活用方法を紹介しています。より戦略的なマーケティングを行いたいと考えている方は参考にしてみてください。

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カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは?ブランド成長の鍵となる概念

矢印を書く男性

カテゴリーエントリーポイント(CEP:Category Entry Point)とは、消費者が特定のカテゴリーの商品やサービスを思い出す「きっかけ」となる状況、シーン、感情、目的のことです。

「どんなときにそのカテゴリーを想起するのか?」という消費者の記憶の入り口を設計することで、ブランドが選ばれる確率を高めることができます。

CEPの具体例で理解を深める

例えば、缶コーヒーというカテゴリーで考えてみましょう。

カテゴリーエントリーポイント(状況・シーン) 想起されるブランド例
朝の出勤前に手軽に飲みたい コンビニの缶コーヒー(セブンカフェなど)
作業中の眠気覚まし BOSS、ジョージア
午後のリフレッシュタイム マウントレーニア、スターバックス
ドライブ中の休憩 自販機・サービスエリアの缶コーヒー

このように、同じ「缶コーヒー」というカテゴリーでも、状況やシーンによって思い浮かぶブランドは異なります。これがカテゴリーエントリーポイントの本質です。

CEPと「ブランド認知度」「知名度」の違い

CEPと認知度の違い

多くのマーケターが混同しがちなのが、「ブランド認知度」と「カテゴリーエントリーポイント」の違いです。

項目 ブランド認知度 カテゴリーエントリーポイント(CEP)
測定する内容 「このブランドを知っていますか?」 「この状況でこのブランドを思い出しますか?」
質問例 「コカ・コーラを知っていますか?」 「のどが渇いたとき、何を飲みたいと思いますか?」
重視するポイント 名前を覚えてもらうこと 状況・シーンと結びつけてもらうこと
購買への影響 認知されていても購入されるとは限らない 適切なCEPと結びついていれば購入確率が高まる

重要なポイント:

消費者は、常にブランドを覚えているわけではありません。むしろ、多くの場合は「状況」や「シーン」に紐づけてブランドを思い出していることが多いのです。

ブランドは単に知名度を高めるだけでなく、「○○したいときは、あのブランド」といった文脈的な想起(=カテゴリーエントリーポイント)を獲得することが重要です。

CEPとエボークトセット(検討集合)の関係

カテゴリーエントリーポイントは、エボークトセット(Evoked Set:検討集合)に深く関係しています。

エボークトセットとは:

  • 消費者が購入を検討する際に思い浮かべる限られた数のブランド群
  • 一般的に3~5ブランド程度
  • このセットに入らなければ、購入される可能性はほぼゼロ

CEPの役割:

カテゴリーエントリーポイントを獲得することで、自社ブランドを消費者のエボークトセットに含めることができ、購買に繋がる可能性を高めることができます

エビデンス・ベースド・マーケティング(EBM)とCEP

カテゴリーエントリーポイントは、エビデンス・ベースド・マーケティング(EBM)の重要な概念の一つです。

提唱者:

  • バイロン・シャープ教授(南オーストラリア大学エーレンバーグ・バス研究所)
  • 著書『ブランディングの科学』シリーズで体系化
  • ジェニー・ロマニウク教授がCEPの概念を深化

日本での普及:

  • 芹澤連氏が『”未”顧客理解』『戦略ごっこ』で解説
  • 森岡毅氏(USJ再生)も実践で活用
  • マクロミル、電通マクロミルインサイト、ネオマーケティングなどがCEPリサーチサービスを提供

売上アップのカギはカテゴリーエントリーポイント(CEP)にあり

ブランド力のある製品やサービスには、カテゴリーエントリーポイント(CEP)が多いという特徴があります。自社製品の売上を上げるために、カテゴリーエントリーポイントの考え方を取り入れ、活用していきましょう。

カテゴリーエントリーポイントの意味と重要性

電球・アイディア

カテゴリーエントリーポイントとは、ある製品やサービスを思い出す「きっかけ」になるポイントのことです。これが多ければ多いほど、ブランド力が強い製品だといえるでしょう。どういうことなのか、例を挙げながら解説していきます。

カテゴリーエントリーポイントは記憶連想の接点

人は、日々の暮らしを送る中でさまざまな”連想”をします。

たとえば、好きなアイドルがいる人は、折に触れてそのアイドルのことを思い出すでしょう。「去年ロケをしていた海岸だ」「○○がよく着ているブランドだ」「疲れたから○○のライブ映像を見てリフレッシュしたい」というように、見たものや自分の状態に応じてアイドルを連想します。このように、特定の製品やサービス、対象などを思い出す記憶の接点を「カテゴリーエントリーポイント」と呼びます

カテゴリーエントリーポイントは、「××といえば?という質問に対する答え」という風に考えることもできます。この時の「××」が、答えを思い出すためのカテゴリーエントリーポイントになっているということですね。マーケティングでは、ユーザーにこのような質問をすることで自社製品や競合製品のカテゴリーエントリーポイントをさぐります。

強いブランドほどカテゴリーエントリーポイントが多い

カテゴリーエントリーポイントが多ければ多いほど、日常の生活の中で該当の製品を思い出す機会が多くなります。そうすると、自然と消費者の中のイメージは強化されていくことになるでしょう。

たとえば、Aボールペンというペンがあったとします。このペンのカテゴリーエントリーポイントが「筆記用具」「テレビCM」だけだと、イメージが固まっておらず、購買意欲にまではつながらない可能性が高いでしょう。そこで、「書きやすい」「エコ」「デザインがシンプル」「○○とコラボしていた」「にじみにくい」といった多くのカテゴリーエントリーポイントを作り、イメージの強化と売上アップを目指すのです。

さまざまなカテゴリーエントリーポイントを作ることは、「多くのシーンで自社製品を選んでもらいやすくなる」というメリットを持っています。ただし、やりすぎるとブランドの方向性がぶれる可能性もあるので注意しましょう。

CEPの3つの特徴:消費者行動を理解する

カテゴリーエントリーポイントには、以下の3つの重要な特徴があります。

特徴1:個人差がある

同じカテゴリーでも、人によって想起のきっかけは異なります

例:炭酸飲料の場合

  • Aさん:「運動後の爽快感が欲しいとき」→スポーツドリンク系炭酸を想起
  • Bさん:「食事と一緒に楽しみたいとき」→コーラやジンジャーエールを想起
  • Cさん:「夏の暑い日の午後」→レモン系炭酸飲料を想起

特徴2:複数存在する

1つのカテゴリーに対して、複数のカテゴリーエントリーポイントが存在するのが一般的です。

例:コンビニエンスストアのCEP

  • 「近くで買い物を済ませたい」
  • 「軽食を済ませたい」
  • 「公共料金やチケットの支払いを済ませたい」
  • 「ATMでお金を下ろしたい」
  • 「コピー・プリントをしたい」
  • 「トイレを借りたい」

このように幅広いカテゴリーエントリーポイントを持っているため、コンビニは顧客との接触回数が多いのが特徴です。

特徴3:ブランド間競争の場

同じカテゴリーエントリーポイントに対して、複数のブランドが想起される場合、そこで選ばれるかどうかが勝負です。

例:「在宅で集中したいとき」というCEP

  • コーヒー
  • エナジードリンク
  • ガム
  • アロマ
  • BGM(音楽サブスク)

このように、異なるカテゴリーの商品が同一のCEPで競合することもあります。

事前の情報発信も大事

カテゴリーエントリーポイントを効率よく作っていく方法に、情報発信があります。

製品を実際に使用し、ポジティブな体験をしてもらえれば、強固なカテゴリーエントリーポイントにつながるでしょう。しかし、「宣伝のためにターゲット層すべてに商品を渡して使ってもらう」というのは、現実的ではありません。そこで、「自分の体験」ではなく「他者の体験」でカテゴリーエントリーポイントを作るのです。

企業のSNSアカウントによる発信でブランドイメージを構築するとともに、カテゴリーエントリーポイントにつながる口コミを促進して、多くのユーザーにブランドイメージを印象づけましょう。そうすることで、自然と記憶との接点が増えていきます。

CEPがもたらす3つの主要メリット

CEPのメリット

カテゴリーエントリーポイントを増やすことで、以下の3つの主要なメリットが得られます。

メリット1:購買機会の増加

カテゴリーエントリーポイントが多いほど、日常的にブランドや商品が想起される回数が増えるため、購買機会も増加します。

具体例:

コンビニエンスストアは、「お金を下ろすついでに、飲み物も買って行こう」など、購入のきっかけを増やすことができます。カテゴリーエントリーポイントを増やすことは接触回数の増加だけでなく、購入機会の増加も期待できるのです。

メリット2:ターゲット層の拡大

カテゴリーエントリーポイントが「スケジュール管理」のみだと、ニーズと直結する部分が少ないため、顧客も絞られてしまいます。

しかし、多面的にカテゴリーエントリーポイントを作り出すことができれば、幅広い顧客をターゲットにできます

例:手帳のCEP拡大

  • 「小さな鞄でも入るサイズ」→コンパクト重視層
  • 「カバーの色が複数あり、自分好みのものを選べる」→デザイン重視層
  • 「土曜始まり、日曜始まりなど使い方にあわせて中身を選べる」→カスタマイズ重視層
  • 「ビジネスシーンで使える高級感」→社会人層
  • 「かわいいイラストが入っている」→学生層

メリット3:競合が少ないカテゴリーでの上位獲得

カテゴリーによっては、上位に想起されるブランドや商品が長年固定されており、上位を目指すことが難しい場合もあるでしょう。

そういった場合、1つのカテゴリーに限定せず、まだ競合が目を付けていないであろうカテゴリーに挑戦すれば、上位を獲得できることもあります

例:

  • 「書きやすいペンといえば?」→競合多数で1位獲得は困難
  • 「エコなペンといえば?」→競合が少なく、独自ポジション獲得のチャンス
  • 「持っていると自慢できるペンといえば?」→プレミアムセグメントで差別化

CEPが購買行動に与える影響:データで見る効果

購買行動への影響

カテゴリーエントリーポイントは、消費者の購買行動に大きな影響を与えます。

未顧客(ライト・ノンユーザー)ほどCEPの影響を受ける

重要なデータ:

未顧客(ライト・ノンユーザー)ほど、カテゴリーエントリーポイントで最初に連想した商品を選ぶ傾向があり、ブランドスイッチも少ないというデータがあります。

これが意味すること:

  • 購買頻度が低い顧客ほど、CEPの影響が大きい
  • 「第一想起」を獲得することが極めて重要
  • 市場拡大のカギは、ヘビーユーザーではなくライトユーザーの獲得

購買決定プロセスの短縮

効果的にカテゴリーエントリーポイントを活用することで、消費者の購買決定が短時間で行われやすくなります

購買プロセスの変化:

CEPが弱い場合 CEPが強い場合
1. ニーズ発生
2. カテゴリー検索
3. 複数ブランド比較
4. 口コミ・レビュー確認
5. 価格比較
6. 購買決定
1. ニーズ発生
2. 特定ブランド即座に想起
3. 購買決定

「思い出す」から「購入する」までの道のりを短くすることで、他ブランドへの流出を防ぎ、機会損失を減らすことができます。

成功事例:有名ブランドのCEP戦略

成功事例

実際にカテゴリーエントリーポイントを効果的に活用している企業の事例を紹介します。

事例1:マクドナルドの強さの秘密

マクドナルドは、圧倒的に多くのカテゴリーエントリーポイントを持つことで市場シェアを維持しています。

マクドナルドの主要CEP:

カテゴリーエントリーポイント 具体的な施策
子どもと一緒に食事 ハッピーセット:おもちゃ付きで親子需要を獲得
朝食を手軽に済ませたい 朝マック:朝食タイム専用メニュー
深夜にお腹が空いた 24時間営業店舗:深夜需要を獲得
カフェ感覚で利用したい マックカフェ:カフェ需要も取り込む
ドライブスルーで便利に ドライブスルー:車での利用シーン
待ち合わせ場所が欲しい 駅前立地:待ち合わせスポットとして

成功のポイント:

マクドナルドは、「ハンバーガーが食べたい」という単一のCEPだけでなく、多様なCEPを戦略的に獲得することで、競合他社を圧倒しています。

事例2:森永製菓「inゼリー」のCEP戦略

inゼリーは、「忙しい朝の栄養補給」というCEPを確立することで、独自のポジションを築きました。

inゼリーのCEP展開:

  • 初期CEP:「朝食を食べる時間がない」→朝食代替市場を開拓
  • 拡大CEP1:「運動前のエネルギー補給」→スポーツ市場へ
  • 拡大CEP2:「試験前の集中力アップ」→受験生市場へ
  • 拡大CEP3:「仕事中の間食代わり」→オフィス市場へ

成功要因:

  • 明確なCEPからスタート
  • 段階的にCEPを拡大
  • 各CEPに合わせた商品ラインナップ(エネルギー、プロテイン、ビタミンなど)

事例3:レッドブルの「若者×集中」CEP

レッドブルは、「若者が作業に集中したいとき」というCEPを確立しました。

レッドブルの戦略:

  • ターゲットCEP:「徹夜作業・試験勉強」「クラブ・イベント前」「運転中の眠気覚まし」
  • コミュニケーション:エクストリームスポーツスポンサー、音楽イベント開催
  • パッケージ:小型缶で「エネルギー凝縮」イメージ

差別化ポイント:

単なる「眠気覚まし」ではなく、「パフォーマンス向上」「限界突破」というイメージと結びつけたことで、独自のCEPを確立しました。

事例4:ポカリスエットの多様なCEP

ポカリスエットは、幅広いCEPをカバーすることで長年のブランド力を維持しています。

ポカリスエットの主要CEP:

  • 「運動後の水分補給」
  • 「風邪をひいたときの水分補給」
  • 「夏の熱中症対策」
  • 「入浴後の水分補給」
  • 「二日酔いの朝」
  • 「妊娠中のつわり時」

カテゴリーエントリーポイントの見つけ方:実践的な4ステップ

CEPの見つけ方

自社製品・サービスのカテゴリーエントリーポイントを見つけるための具体的な方法を解説します。

ステップ1:定性調査でCEP候補を洗い出す

まずは、顧客がどのような状況で自社カテゴリーを想起するかを把握します。

方法1:顧客インタビュー

効果的な質問例:

  • 「最近、当社の商品(またはこのカテゴリー)を購入したのはいつですか?」
  • 「そのときは、どんな状況でしたか?」
  • 「何がきっかけで購入しようと思いましたか?」
  • 「購入を考えたとき、まず何を思い浮かべましたか?」
  • 「普段、どんなときにこの商品のことを思い出しますか?」

方法2:5Wフレームワーク

5W(Why、Who、When、Where、What)について、自社製品が想起されるシーンを書き出します。

例:ペンの場合

5W 想起シーン
Why
(なぜ)
書類を記入しなければいけない、明日持って行かないといけない、サインが必要
Who
(誰が)
ユーザー本人、子ども、家族、同僚
When
(いつ)
書類記入を求められたとき、夜に翌日の準備をしているとき、会議中、試験前
Where
(どこで)
カフェ、自宅、役所、学校、職場、銀行
What
(どんなシーン)
テレビを見ながら、同僚と話しながら、風呂上りに、急いでいるとき

次に、この時のユーザーの感情や状況についても考えていきます。

  • 感情:困惑、焦り、「どこでペンが買えるだろう」、「あのペンが欲しい」
  • 状況:子どもが前日に必要なものを言って来た、家の中にペンがあるはずなのにどこにあるかわからない

こうしたひとつひとつの要素は、すべてカテゴリーエントリーポイントになり得るものです

方法3:生成AI(ChatGPT等)の活用

生成AIを活用してCEP候補を網羅的に洗い出すことも効果的です。

効果的なプロンプト例:

「缶コーヒーを購入する際に、消費者が思い浮かべる状況、シーン、感情、目的を50個リストアップしてください。年齢層、職業、時間帯、場所なども考慮して多様な視点から考えてください。」

生成AIの利点:

  • 自分では思いつかないCEP候補を発見できる
  • 短時間で大量の候補を洗い出せる
  • 複数の視点を網羅できる

ステップ2:定量調査でCEPの市場規模を測定する

洗い出したCEP候補について、実際にどれくらいの市場ボリュームがあるかを定量的に測定します。

調査設計のポイント

質問形式例:

Q1. 以下のような状況で、缶コーヒーを購入したいと思ったことがありますか?(複数選択可)

  • □ 朝の出勤前に手軽に飲みたい
  • □ 仕事中の眠気覚まし
  • □ 午後のリフレッシュ
  • □ 会議前の集中力アップ
  • □ ドライブ中の休憩
  • □ 深夜作業のお供
  • (その他、CEP候補を列挙)

Q2. 上記の状況で缶コーヒーを購入する際、最初に思い浮かぶブランドはどれですか?

測定する指標

指標 内容
CEP該当率 そのCEPで購買を考える人の割合(市場規模)
自社想起率 そのCEPで自社ブランドを思い浮かべる人の割合
競合想起率 そのCEPで競合ブランドを思い浮かべる人の割合
購買転換率 そのCEPで実際に購買に至る確率

ステップ3:CEPのポテンシャルを評価する

洗い出したCEP候補を、3つの軸で評価します。

評価軸1:市場ボリューム

評価方法:

  • そのCEPで購買を考える人の総数
  • 購買頻度
  • 1回あたりの購買金額

計算式:

市場ボリューム = 該当者数 × 年間購買頻度 × 平均購買金額

評価軸2:自社適合度

評価ポイント:

  • 自社の製品・サービスの特徴と合致しているか
  • 自社のブランドイメージと一貫性があるか
  • 自社の強みを活かせるCEPか

評価軸3:競合状況

確認事項:

  • 競合ブランドがすでに強固に確立しているCEPか
  • まだ競合が手をつけていない「ブルーオーシャン」CEPか
  • 自社が競争優位を築けるCEPか

ステップ4:優先順位をつけてCEPを選定する

3つの評価軸をマトリクス化して、優先的に取り組むCEPを決定します。

優先度が高いCEP:

  • ✓ 市場ボリュームが大きい
  • ✓ 自社適合度が高い
  • ✓ 競合が弱い(または不在)

戦略的に狙うべきCEP:

  • 市場規模は中程度だが、競合不在で自社適合度が高いCEP
  • このようなCEPでNo.1を獲得し、そこから隣接CEPへ拡大していく

カテゴリーエントリーポイントの活用方法

マーケティング

カテゴリーエントリーポイントを意識的に作り出せば、売上を効率よく伸ばせます。具体的にどのような施策を取っていくべきなのか、カテゴリーエントリーポイントの活用方法をまとめました。

フレームワークからカテゴリーエントリーポイントを探して対策

たとえば、これらの問題や状況に関するコンテンツを作成して発信すれば、同様の状況にユーザーが陥った際に思い出してもらえる可能性が高まるでしょう。

カテゴリーエントリーポイントを意識した新しい戦略を作る

ある製品につながり得るカテゴリーエントリーポイントは、数多く存在しています。

「ペン」の宣伝コンテンツを考えた際、「書きやすいペンの特徴」や「ペンの使い分け方」などは多くの人が思い浮かぶことでしょう。しかし、実際には「子どもの宿題」や「忘れ物」なども、ペンにつながるカテゴリーエントリーポイントになり得るのです。これを意識することで、これまでアプローチできていなかった層まで宣伝効果を広げることができます。

従来のマーケティングでは、細かい設定を作ったペルソナを作成し、それに合わせた宣伝を行うケースが多く見られました。しかし、ユーザーが必ずペルソナと同じ特性を持っているわけではありません。現実には、より多くのユーザーが、さまざまな場面で製品を思い出し、顧客となっています。同様に、ペルソナに合致している顧客が常に自社製品を選ぶとは限りません。

このように、特定ユーザーを設定したブランド戦略は、顧客の幅を狭める可能性があります。より広いターゲットにアプローチをかけて売上アップを目指すのであれば、カテゴリーエントリーポイントを意識した戦略を取る必要があるでしょう。

新しいカテゴリーエントリーポイントで1位を狙っていく

とはいえ、すでに業界内での勢力図が出来上がっている場合、それを覆すのは非常に困難です。「書きやすいペンといえば?」という質問に対し、多くの人が思い浮かぶ定番製品が決まっているのであれば、そこを狙うのは分が悪いでしょう。

このような場合は、別のカテゴリーエントリーポイントでの1位を目指すのがおすすめです。「エコなペンといえば?」「スタイリッシュなペンといえば?」「持っていると自慢できるペンといえば?」など、カテゴリーエントリーポイントの数は無数にあります。その中から、自社ブランドのイメージに合うカテゴリーエントリーポイントで1位を狙いましょう

認知度別CEP戦略:高認知 vs 低認知ブランドの違い

認知度別戦略

カテゴリーエントリーポイント戦略は、自社ブランドの認知度によって大きく異なります

高認知ブランドの戦略:「思い出させる」

すでにブランド認知度が高い場合、「選ばれる理由」をCEPで伝えることが重要です。

高認知ブランドの施策:

施策 具体的な方法
広告コピー CEPを想起させる端的なコピー
例:「朝のコーヒーなら○○」「仕事の合間に○○」
ビジュアル シーンを一瞬で想起させる画像・映像
例:オフィスデスク、朝の風景、運動後のシーン
LP構成 ファーストビューでCEPを提示
即決させるための構成(信頼性→購入ボタン)

コミュニケーションの特徴:

  • 説明は最小限
  • シーンの提示→ブランド提示→行動喚起の流れ
  • 「知ってるよね?」という前提

低認知ブランドの戦略:「気づかせる」

まだブランド認知度が低い場合、「気づきのきっかけ」をCEPでつくることが重要です。

低認知ブランドの施策:

施策 具体的な方法
広告コピー 課題提起型のコピー
例:「朝のコーヒー、もっと美味しくなる方法があります」
コンテンツ 教育的コンテンツで価値を理解してもらう
例:「こんな悩みありませんか?」→「解決策があります」
LP構成 納得してもらうための丁寧な構成
課題提起→解決策提示→証拠(実績・事例)→行動喚起

コミュニケーションの特徴:

  • 丁寧な説明
  • 課題共感→解決策提示→信頼構築→行動喚起の流れ
  • 「知らないですよね?だから教えます」というスタンス

CEPを活用したマーケティング施策4選

マーケティング施策

カテゴリーエントリーポイントを具体的な施策に落とし込む方法を解説します。

施策1:広告・コピー開発で「シーンを切り取る」

CEPを広告に落とし込む際は、シーンを一瞬で想起させるコピー・ビジュアルが効果的です。

効果的な広告コピーの型

コピーの型 具体例
時間軸型 「朝の一杯」「仕事終わりの至福」「深夜のお供」
シーン型 「会議前に」「ドライブのお供に」「勉強中の集中力に」
感情型 「リフレッシュしたいとき」「ほっと一息つきたいとき」
目的型 「眠気覚ましに」「気分転換に」「集中力アップに」

バナー広告の3要素にCEPを組み込む

バナー広告の基本構成:

  1. キャッチコピー:CEPを想起させる言葉
  2. ビジュアル:そのシーンを表現する画像
  3. CTA(行動喚起):「今すぐ試す」「詳しく見る」

施策2:SNSや動画コンテンツで文脈を可視化する

SNSや動画コンテンツは、CEPの「文脈」を視覚的に伝えるのに最適です。

効果的なコンテンツ例

Instagram/TikTok:

  • 「朝のルーティーン」動画でCEPを自然に組み込む
  • 「○○のある1日」シリーズで複数CEPを訴求
  • ユーザー投稿キャンペーン「#○○のある暮らし」

YouTube:

  • 「○○な時には△△」How-to動画
  • シーン別活用法を紹介
  • ユーザーの実体験ストーリー

施策3:ECサイトやLPで「用途別」訴求を展開

ECサイトやLPでは、CEPごとに訴求を分けることが効果的です。

LP構成の例

ファーストビュー:

  • メインCEPを大きく提示
  • 「こんなときに○○」というメッセージ

中盤:

  • 「こんな使い方も」セクションで複数CEPを紹介
  • シーン別の商品ラインナップ

EC商品ページ:

  • 「こんな方におすすめ」でCEPを列挙
  • 「シーン別の使い方」タブを設置

施策4:パッケージや店頭POPで「使用シーン」に言及

店頭での最終選択において、CEPの訴求は極めて効果的です。

パッケージデザイン

CEPを組み込む方法:

  • 「朝専用」「仕事中に」などサブコピーを追加
  • 使用シーンを想起させるイラスト・写真
  • 時間帯別のパッケージカラー

店頭POP

効果的なPOP例:

  • 「会議前の集中力に!」
  • 「運動後の水分補給に最適」
  • 「深夜作業のお供に選ばれています」

CEP活用の注意点:失敗を避けるための5つのポイント

注意点

カテゴリーエントリーポイント戦略を成功させるために、押さえておくべき注意点を解説します。

注意点1:ブランドイメージとの一貫性を保つ

やりすぎるとブランドの方向性がぶれる可能性があります。

失敗例:

  • 高級ブランドが「安さ重視」CEPを狙う→ブランド価値毀損
  • 健康志向ブランドが「深夜の間食」CEPを狙う→イメージ矛盾

対策:

  • 自社のブランドアイデンティティと合致するCEPのみを選定
  • 拡大するCEPは段階的に、慎重に

注意点2:CEPは本当に顧客が望んでいるものか?

企業側の思い込みで設定したCEPは失敗する可能性が高いです。

よくある失敗:

  • マーケターが「こうあってほしい」と思うCEPを設定
  • 実際の顧客ニーズとズレている
  • 調査データではなく推測で判断

対策:

  • 必ず定性調査・定量調査を実施
  • 実際の購買データを分析
  • 顧客の声を直接聞く

注意点3:市場規模の小さすぎるCEPは避ける

ニッチすぎるCEPでは、投資対効果が見込めません

失敗例:

  • 「満月の夜に飲みたくなるドリンク」→該当者が極めて少ない
  • 「プログラミング中の左手用マウス」→市場が小さすぎる

判断基準:

  • 最低でも全体の5~10%以上の市場規模があるCEPを選ぶ
  • 将来的な拡張性も考慮する

注意点4:競合が確立済みのCEPへの無謀な挑戦

競合が長年確立しているCEPに正面から挑むのは資源の無駄遣いです。

避けるべきパターン:

  • 「コーラと言えばコカ・コーラ」に新参ブランドが挑む
  • 「検索エンジンと言えばGoogle」に挑む

正しいアプローチ:

  • 競合が手をつけていない隣接CEPを狙う
  • ニッチだが自社に有利なCEPでNo.1を獲得
  • そこから徐々に拡大していく

注意点5:短期的成果を求めすぎない

CEP戦略は、中長期的な取り組みです。

理解すべきこと:

  • 消費者の記憶に定着するには時間がかかる
  • 継続的な露出が必要
  • 効果測定は最低でも6ヶ月~1年スパンで

バランスの取り方:

  • 短期:プロモーション施策で即効性を出す
  • 中長期:CEP戦略でブランド資産を構築
  • 両方を組み合わせて実行

BtoB vs BtoC:カテゴリーエントリーポイントの違い

BtoB vs BtoC

カテゴリーエントリーポイントは、BtoBとBtoCで特性が異なります

BtoC(消費者向け)のCEP特性

特徴:

購買頻度 高い(日常的)
意思決定 個人・即決
CEPの数 多数(10個以上も可能)
CEP例 時間帯、シーン、感情、場所

BtoCのCEP戦略:

  • 日常の多様なシーンをカバー
  • 感情に訴える
  • 即座の想起→購買を狙う

BtoB(企業向け)のCEP特性

特徴:

購買頻度 低い(数ヶ月~数年)
意思決定 複数人・長期検討
CEPの数 少数(3~5個程度に絞る)
CEP例 課題、業務プロセス、経営課題

BtoBのCEP例:

  • 「営業効率を上げたいとき」→CRM・SFA
  • 「リモートワーク環境を整えたいとき」→Web会議ツール
  • 「採用コストを削減したいとき」→採用管理システム
  • 「セキュリティリスクに対応したいとき」→セキュリティソフト

BtoBのCEP戦略:

  • 経営課題・業務課題に紐づける
  • 論理的なベネフィットを明示
  • 長期的な関係性構築を前提に

カテゴリーエントリーポイントとペルソナマーケティングの違い

CEP vs ペルソナ

従来のペルソナマーケティングとCEP戦略は、根本的なアプローチが異なります

ペルソナマーケティングのアプローチ

基本的な考え方:

  • 「誰に」売るかを明確にする
  • 詳細なペルソナ設定(年齢、性別、職業、趣味、価値観など)
  • そのペルソナに刺さるメッセージを作る

ペルソナ例:

田中太郎さん(35歳、男性、IT企業勤務、年収600万円、妻と子ども2人、趣味はキャンプ、健康志向、SNSはInstagramとTwitterを利用…)

限界:

  • ペルソナに当てはまらない顧客を取りこぼす
  • 同じ人でも状況によってニーズが変わることを無視
  • 市場を狭める可能性

CEPマーケティングのアプローチ

基本的な考え方:

  • 「いつ」「どんな状況で」思い出されるかを明確にする
  • 状況・シーン・感情・目的を軸にする
  • 幅広い顧客層にリーチできる

CEPの例:

「朝、急いで家を出るとき」「会議前に集中力を高めたいとき」「運動後に水分補給したいとき」

利点:

  • 同じ状況は、年齢・性別・職業を問わず誰にでも起こりうる
  • 市場を広げられる
  • 未顧客(ライトユーザー)にもリーチしやすい

どちらを選ぶべきか?

推奨アプローチ:

両方を組み合わせるのが最も効果的です。

  • CEP戦略(メイン):市場全体にリーチし、想起の機会を増やす
  • ペルソナ(サブ):コミュニケーショントーン・チャネル選定の参考にする

カテゴリーエントリーポイントでブランド認知を向上

ブランド

カテゴリーエントリーポイントを意識することで、ターゲットとなる顧客の間口が広くなります。より多くの人に対してアプローチをかければ、ブランドの認知度アップにもつながるでしょう。これは、既存顧客とのつながりを深めていくためにも、安定的に新規ユーザーを獲得するためにも効果的です。

Zenkenでは、メディア運用を行う際にカテゴリーエントリーポイントの考え方を重視しています。ユーザーとの接点を想定してコンテンツマーケティングを仕掛けることで、より効果の高いメディア運用が可能になります。Webマーケティングの手法にお悩みの方や、効果を上げていきたいと考えている方は、お気軽にご相談ください。

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まとめ:CEP戦略でブランドを成長させる

カテゴリーエントリーポイント(CEP)は、現代マーケティングにおける最重要概念の一つです。

本記事の要点:

  1. CEPとは:消費者が特定のカテゴリーを思い出す「きっかけ」となる状況・シーン・感情・目的
  2. なぜ重要か:
    • 購買機会を増やす
    • ターゲット層を拡大できる
    • 競合の少ない領域で1位を獲得できる
    • ブランドスイッチを減らす
  3. CEPの見つけ方:
    • 定性調査(インタビュー、5Wフレームワーク、生成AI活用)
    • 定量調査(市場規模測定)
    • 評価(市場ボリューム、自社適合度、競合状況)
    • 優先順位づけ
  4. 実践施策:
    • 広告・コピー開発でシーンを切り取る
    • SNS・動画で文脈を可視化
    • EC・LPで用途別訴求
    • パッケージ・POPで使用シーン訴求
  5. 認知度別戦略:
    • 高認知ブランド:「思い出させる」(即決させる)
    • 低認知ブランド:「気づかせる」(納得させる)
  6. 注意点:
    • ブランドイメージとの一貫性を保つ
    • 顧客ニーズとのズレに注意
    • 市場規模の小さすぎるCEPは避ける
    • 競合確立済みCEPへの無謀な挑戦は避ける
    • 中長期的な視点を持つ

最後に:

カテゴリーエントリーポイント戦略の本質は、「ブランドを消費者の日常生活に埋め込むこと」です。

「いつ思い出されるか」を戦略的に設計し、継続的に実行することで、価格プロモーションに依存しない、持続可能なブランド成長を実現できます。

今日から、あなたのブランドのカテゴリーエントリーポイントを見つけ、育てていきましょう。

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