オウンドメディア運営の目的とは?制作のポイントや指標について解説
最終更新日:2022年03月01日
この記事では、オウンドメディアを運用する主な目的と制作・運用時のポイント、さらには目標としたい数字(KPI)について解説しています。オウンドメディアの立ち上げを考えている方、あるいはオウンドメディア運用がうまく行っていないかたは参考にしてみてください。
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オウンドメディア制作の5つの目的
オウンドメディアとは、企業が自社で運営するメディア全般のことを指します。つまり、パンフレットやDMなども広い意味ではオウンドメディアです。
しかし現在はHPやブログ、SNSなどのWebメディアをオウンドメディアと呼ぶのが一般的です。企業がオウンドメディアを運営する目的はさまざまですが、ここでは一般的なオウンドメディアの目的について、5つご紹介します。
新規顧客集客
オウンドメディアを運営する目的の一つに、新規顧客の集客があります。ITの進化やスマホの普及により、ユーザー自身が必要な情報を自発的に調べることができる時代になりました。
企業側の目線でいえば、顧客にとって有益な情報や自社の魅力を発信することで、商品やサービスを顧客に認知してもらう接点となっているのがオウンドメディアです。
自社の商品やサービスを押し売りするのではなく、ユーザーが求めるコンテンツを作ることで、自社に魅力を感じ、新規顧客の集客が可能となります。
顧客ロイヤリティ向上
オウンドメディアの運営は、既存顧客のロイヤリティ向上を目的とする場合もあります。ロイヤリティとは直訳すると「忠誠」という意味で、顧客ロイヤリティとは、ユーザーの自社や自社商品に対する愛着やこだわりです。ロイヤリティが高い顧客はつまり「自社のファン」です。
オウンドメディアで自社や自社の商品に関する情報を継続的に提供していけば、顧客ロイヤリティの向上につなげられるでしょう。
具体的には、商品の使用方法や新作の発売情報、自社商品を活用する工夫など、自社ユーザーとの接点を増やし、自社を身近に感じてもらうコンテンツが有効です。
採用
採用を目的としたオウンドメディア運営も、近年注目されています。この場合のオウンドメディアは、従来の採用ページとは異なり採用に特化した自社メディアを運営することを指します。
採用オウンドメディアでは、求人媒体と異なり、サイトのすべてのコンテンツを自社で設計・運用できます。自社の理念や歴史、社員や職場の紹介など従来の採用情報では伝えられない自社の魅力を発信できる点は大きなメリットと言えます。
また従来の求人媒体とは異なり、コンテンツに興味があり訪問してくる求職意向の低い潜在層にアプローチできる点も採用に有利に働くでしょう。
信用獲得
信用獲得もオウンドメディア運営の重要な役割です。信用獲得とは、一般的に「顧客エンゲージメント」とも言われます。顧客エンゲージメントとは、自社と顧客との間にある信頼性や絆を表す指標です。
しばしば顧客ロイヤリティに似た言葉として扱われますが、顧客エンゲージメントはより、ユーザーの行動に結びつく信頼を表す指標です。
ブランディング
企業や商品のブランディングを目的としたオウンドメディアも存在します。ブランディングとは、「〇〇といえば自社」というイメージを顧客層に浸透させることです。特定のニーズを持つユーザーにブランドとして第一想起してもらる状況が作り出せば、成約率や顧客生涯価値(LTV)がアップします。
ブランディングを目的とするのであれば、商品の情報だけでなく、商品に込められた想いやこだわり、開発プロセス、競合との違いなど、企業としての魅力の発信を意識したコンテンツを制作しましょう。こうしたコンテンツを計画的に積み上げていくと「〇〇というえば自社」ブランドイメージが作り上げられます。
【目的別】オウンドメディア制作時のポイント
では次にオウンドメディア制作時のポイントを、目的別に解説します。
新規顧客集客を目的とする場合のポイント
新規顧客集客を目的とする場合のポイントは、集客したい顧客層のニーズにあった情報提供コンテンツを発信することです。
まずは自社の顧客となりうるターゲット層のペルソナを設定しましょう。ペルソナとは、商品やサービスの顧客となる典型的なユーザー像のことです。ペルソナの設定では、年齢・性別・居住地・職業・年収・趣味・家族構成など、できるだけ具体的かつ詳細に設定していきます。
ペルソナを設定することで、顧客層により刺さるコンテンツを作成でき、サイトへの訪問数の増加、集客に効果的につなげられます。
顧客ロイヤリティ向上を目的とする場合のポイント
顧客ロイヤリティ向上を目的とする場合のポイントは、コンテンツの提供により顧客との絆を強め、自社のファンを増やしていくことです。
顧客ロイヤリティを向上させるには、ユーザーがオウンドメディアに戻ってくるコンテンツを用意することです。ユーザーが気に入っているコンテンツを把握し、同じカテゴリーのコンテンツや関連コンテンツを定期的に発信しましょう。
たとえば自社オウンドメディアの製品導入インタビュー記事がよく読まれている場合、月に1回新しいインタビュー記事を公開すれば反響があるでしょう。また、自社製品は昨日が多く奥が深い場合は、機能の活かし方や活用方法を発信するとリピート訪問(一度オウンドメディアに来たユーザーがサイトを2回以上訪れること)が増やせます。
なお、人気コンテンツの更新をユーザーに伝えるにはメルマガ人やプッシュ通知、SNSが非常に便利です。
採用を目的とする場合のポイント
採用を目的とする場合、重要なのは自社が求める人材像を明確にし、求める人材像に向けた適切に情報発信することです。求職者の目線に立って、どのようなコンテンツが必要かを検討していきましょう。
求職者は、職種や待遇などの一般的な情報だけを求めているわけではなく、より具体的でリアルな会社の中身に関する情報を必要としています。
自分が就職した際にどう成長していけるのか、どんな働き方ができるのか、ワークライフバランスや社会貢献など、自身が働く姿を具体的にイメージしたいはずです。
例えば以下のような情報をコンテンツ化して発信すれば良いでしょう。
- キャリアプランや人材評価、人材育成制度
- サステナビリティなどの社会貢献の取り組み
- フレックス勤務や有給消化など、ワークライフバランスに関する情報
- 社員の紹介や具体的な声の紹介
求職者が自身の働く姿や将来像をできるだけ具体的にイメージできるコンテンツを用意すれば、自社に対するエンゲージメントを向上し、有望な人材の獲得が望めます。
信用獲得を目的とする場合のポイント
信用獲得の主たる指標である顧客エンゲージメントを高めるには、顧客にとって良質な体験を継続的に提供していくことが重要です。
自社商品の便利な活用方法や不具合発生時の対応方法、商品開発の背景や新商品の発表など、顧客にとって必要かつ有益な情報の提供が考えられます。
また自社商品や顧客と関連性の深い特定の分野について、網羅的に知りたい情報を掲載することで、顧客の訪問頻度が上げ、自社に対する親しみを増やすのも効果的でしょう。
ブランディングを目的とする場合のポイント
ブランディングを目的とする場合は、自社のブランドイメージを明確にしたうえで、オウンドメディアの内容はもちろん、メディアのレイアウトや画像、色使いまで含めて統一感を意識して設計するのがポイントです。
ブランディングを成功させるには、ユーザー層に対してブランドイメージを定着させることが重要です。オウンドメディアはもちろん、それ以外のマーケティング施策でも発信するすべてのイメージに一貫性をもたせるようにしましょう。
またブランディングサイトには、PCやスマートフォン、タブレットなどさまざまなデバイスからアクセスがあるため、それぞれに最適化したサイトを設計することも重要です。
【目的別】オウンドメディアで設定すべき指標
オウンドメディアの目的別に設定すべき指標、つまりKPIについてご紹介します。オウンドメディアの目的によっては、複数の指標を組み合わせるのもおすすめです。
各指標の意味や指標がうまくいっていない場合の対処法も合わせてご紹介しますので、参考にしてください。
新規顧客集客を目的とする場合の指標
新規顧客集客を目的とする場合、まずは「PV数」「UU数」「CV数」を指標とするのが有効です。「PV数」「UU数」「CV数」とはそれぞれ以下のような指標です。
- PV数…ページビューの略。ユーザーがページを閲覧した回数のこと。
- UU数…ユニークユーザーの略。サイトを訪問したユーザー数のこと。
- CV数…コンバージョンの略。商品購入や資料請求など目的に合わせて成果となる行動の数のこと
新規顧客の集客を成功させるには、自社の認知度を向上させることが重要です。「PV数」や「UU数」は自社のサイトを訪問し閲覧した数を表すため、増加すれば自社の認知度は自ずと向上します。
「CV数」は自社サイトから実際に購買行動を起こした数を表すため、サイトの目的である新規顧客獲得が成果として現れる指標として、有効です。
「PV数」や「UU数」が少ない場合、狙ったKWで検索上位が取れていない可能性が考えられます。SEO対策やSNSマーケティングなど、アクセス数増加に対する対策を取ると効果的です。
「PV数」や「UU数」が確保できているにも関わらず「CV数」が伸びていない場合は、自社がCVさせたい商品とコンテンツ内容がマッチしていない可能性があります。
コンテンツ内容が自社商品のターゲットとマッチしているか、記事内の動線設計に問題ないかを確認してみると良いでしょう。
顧客ロイヤリティ向上を目的とする場合の指標
顧客ロイヤリティ向上と目的とする場合「会員サービスの退会率」「紹介数」「リピート率」などを指標としましょう。
「会員サービスの退会率」「紹介数」「リピート率」は、いずれも自社の商品に対するユーザーの愛着や絆の結果として起こされる行動を表しています。
もし顧客ロイヤリティに関する指標が低い場合は、CX(顧客体験)の向上を意識したコンテンツ制作を進めると良いでしょう。
顧客ロイヤリティは、商品認知・購入・利用・アフターフォローのすべてのプロセスの総合評価で決まります。これらのユーザーの行動一つひとつで、ポジティブな体験ができるコンテンツを提供し続けることが重要です。
採用を目的とする場合の指標
採用を目的とする場合は、「説明会への参加者数」「面接辞退数」「内定辞退数」などを指標としましょう。「説明会への参加者数」は、企業としての認知度や求職者が自社に対して魅力を感じているかを図る指標です。
説明会への参加者数が少ない場合、オウンドメディアで自社の魅力が十分に発信できていない可能性があります。
コンテンツ内容を見直し、他社との差別化や自社の独自の魅力を求職者のニーズに合わせて発信できるようなコンテンツ作りを進めてみてください。
「面接辞退数」「内定辞退数」は、一旦自社の応募を完了しているわけですから、他社との競合などが原因となっていると考えられます。競合他社との待遇や企業としての魅力、差別化ができているかを再確認しましょう。
信用獲得を目的とする場合の指標
信用獲得を目的とする場合、ブログ記事やSNSでのコメント数やクリック率などを指標とすると良いでしょう。信用獲得の形である顧客エンゲージメントは、顧客の信頼度です。
自社サイトやSNS内のコンテンツに対して、コメントを記載するということはそれだけ自社のことを気にしてくれている、つまり愛着を持っていることの証明です。もしコメント数が極端に少ない、クリック率が低い場合は、自社顧客に対して有益な情報が提供できていないのかもしれません。
ユーザーのニーズや不満がどこにあるかを調査したうえで、コンテンツを提供することを心がけましょう。
ブランディングを目的とする場合の指標
ブランディングを目的とする場合、「指名検索数」「資料ダウンロード数」などが指標となります。
指名検索数とは、自社や自社商品の名前を検索窓に打ち込んで、メディアを訪れたユーザーの数を表し、自社の製品を認知し興味を持っているユーザーの数を表します。
つまり指名検索数の増加は、自社や自社商品のブランドイメージがユーザーに定着していることを表すため、ブランディングの重要な指標と言えます。
指名検索が思うように伸びない場合は、ブランドイメージの定着が図れていない、メディアを訪問してくれた人にインパクトが残っていないなどの要因が考えられます。
メディア・コンテンツのブランドイメージの統一や印象に残る独自の内容、ユーザーの役に立つ質の高いコンテンツが提供できているかを再確認し、メディアのバージョンアップを図りましょう。
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オウンドメディア運営の目的や目的別のメディア制作のポイント、成功指標の設定について、詳しく解説しました。オウンドメディア運営は、目的によってさまざまなノウハウ・知識が必要で、さらに継続的に改善を繰り返していく必要があります。
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