インバウンドセールスとインサイドセールスの違い|関係・役割・組み合わせ方
最終更新日:2026年10月13日
問い合わせを受けた顧客に、電話やオンラインで営業する。この活動は、インバウンドセールスにもインサイドセールスにも当てはまります。言葉が似ているため混同されやすいものの、両者は営業を分類する基準が異なります。
インバウンドセールスは、問い合わせや資料請求など、顧客からの反応をきっかけに進める営業です。インサイドセールスは、電話・メール・オンライン商談などを使い、非対面で進める営業を指します。「どこから接点が生まれたか」と「どう営業するか」を分けると、自社に必要な組み合わせや役割分担を考えやすくなります。
インバウンドセールスとインサイドセールスの違いを比較

インバウンドセールスとインサイドセールスは、どちらか一方を選ぶ関係ではありません。顧客からの問い合わせに非対面で対応する営業は、両方に当てはまります。
| 比較項目 | インバウンドセールス | インサイドセールス |
|---|---|---|
| 分類する基準 | 顧客との接点が生まれるきっかけ | 営業を進める形式・手段 |
| 基本的な意味 | 顧客からの問い合わせや資料請求などを起点に進める営業 | 電話・メール・オンライン商談など、非対面で進める営業 |
| 対応する接点 | 問い合わせ、資料請求、セミナー参加などの反応 | 顧客からの反応への対応と、企業からの新規アプローチの両方 |
| 対になる分類 | 企業から働きかけるアウトバウンドセールス | 訪問など対面で進めるフィールドセールス |
| 担当する範囲 | 初回対応から提案・受注まで、体制に応じて変わる | 商談創出を担う場合も、提案・受注まで担当する場合もある |
インバウンドセールスは、顧客の反応から営業を始める
インバウンドセールスでは、問い合わせや資料請求などの背景を確認し、顧客が必要としている情報を提供します。具体的な依頼なら提案へ進み、情報収集の段階なら疑問の解消や検討の支援を行います。
記事やセミナーなどで接点をつくるインバウンドマーケティングと、そこで生まれた接点に対応する営業をつなげて考えると、担当する活動を整理しやすくなります。
インサイドセールスは、非対面で顧客との対話を進める
インサイドセールスは、電話、メール、オンライン商談などを使って営業する方法です。問い合わせへの対応だけでなく、狙う企業への新規アプローチにも使えます。
商談前のヒアリングや継続的な情報提供を担う体制もあれば、非対面で提案から受注まで進める体制もあります。「内勤だから商談はしない」と、担当範囲を一律に決める必要はありません。
インサイドセールスは、インバウンド・アウトバウンドの両方で活用できる営業形式です。
インバウンドセールスとアウトバウンド型インサイドセールスの関係

営業活動を整理するときは、顧客との接点の生まれ方と、対面・非対面の形式を分けます。この2つを組み合わせると、活動の違いが明確になります。
| 接点の生まれ方 | 非対面で進める | 対面で進める |
|---|---|---|
| インバウンド | 問い合わせを受け、電話やオンラインでヒアリング・提案する | 問い合わせを受け、顧客先で打ち合わせや提案を行う |
| アウトバウンド | 狙う企業へ電話やメールで働きかけ、商談機会をつくる | 企業から訪問を提案し、顧客先で営業する |
SDRは反響への対応、BDRは新規開拓を担う体制として使われる
インサイドセールスの役割を分ける際、SDRとBDRという名称が使われます。一般に、SDR(Sales Development Representative)は問い合わせなどの反響を商談へつなげる役割、BDR(Business Development Representative)は狙う企業を新たに開拓する役割として説明されます。
ただし、名称や担当範囲は企業によって異なります。部署名だけで判断せず、誰に、何をきっかけに接触し、どこまで担当するかを確認してください。
電話を使うことだけでは、営業の種類は決まらない
問い合わせをした顧客に電話で連絡する場合と、接点のない企業へ新規に電話する場合では、活動の起点が異なります。同じ電話でも、前者はインバウンドへの対応、後者はアウトバウンドのアプローチになります。
テレアポは、電話でアポイントを獲得する活動です。インサイドセールスでは、アポイント獲得に加え、課題の確認、情報提供、検討状況の把握、商談への引き継ぎなどを担当する場合があります。
使うツールに加え、接点の背景と担当業務を確認すると、営業活動を混同せずに整理できます。
インバウンドセールスとインサイドセールスのメリット・注意点
両者のメリットは、導入するだけで得られるものではありません。集客する顧客、対応方法、担当範囲に合わせて、活かせる点と準備が必要な点を確認します。
インバウンドセールスは、関心の背景を確認して提案できる
問い合わせ内容や請求された資料が分かれば、顧客が何に関心を持ったかを確認する手がかりになります。その背景から会話を始めることで、必要な説明や提案を考えやすくなります。
一方、資料請求は情報収集が目的の場合もあります。反応があったことだけで購入意欲が高いと判断せず、課題、検討時期、自社の対応範囲との一致を確認してください。
また、顧客からの反応を得るには、見つけてもらう接点と、相談する理由を伝える情報が必要です。問い合わせを待つ体制だけ整えても、接点が増えるとは限りません。
インサイドセールスは、移動を抑えながら接点を維持できる
電話やオンライン商談なら、訪問の移動時間を抑えて顧客と会話できます。遠方の企業にも対応しやすく、検討期間が長い顧客への継続的な情報提供にも使えます。
営業の質を揃えるには、ヒアリング項目、説明資料、記録方法を整え、対応内容を振り返る必要があります。非対面にすることだけで、担当者ごとの対応が統一されるわけではありません。
現物確認、現地調査、実機での検証などが必要な商材では、対面の工程も組み合わせます。顧客が判断するために必要な対応から、営業形式を選びましょう。
集客の起点と、顧客が検討を進めるために必要な対応を揃えることが、両者を組み合わせる際のポイントです。
インバウンドセールスをインサイドセールスで進める5ステップ

問い合わせや資料請求に対してインサイドセールスが対応する場合は、初回連絡から商談への引き継ぎまでを設計します。顧客の検討状況に合わせ、次に確認することと担当者を決めておきましょう。
ステップ1:問い合わせの背景を確認する
問い合わせ内容、請求された資料、流入経路など、取得できる情報を確認します。見積もりの依頼なのか、サービス概要を知りたいのかによって、初回に必要な対応は変わります。
初回対応の担当と目安となる期限を決め、連絡漏れを防ぎます。自動返信を送る場合も、その後に誰が対応するかを明確にしてください。
ステップ2:課題と検討状況を聞く
何を解決したいか、現在はどう対応しているか、検討を始めた理由などを確認します。必要に応じて、導入時期、予算の考え方、関わる部署、必要な条件も聞きます。
初回からすべての項目を埋めることを目的にせず、顧客の質問に答えながら、次の対応を決めるための情報を集めます。
ステップ3:検討段階に合う情報を提供する
情報収集の段階なら、課題への対処方法や選び方を案内します。比較検討が進んでいるなら、対応範囲、費用条件、導入事例などが判断材料になります。
次の連絡が必要な場合は、目的や時期を顧客と確認します。検討時期が先なら、すぐに商談を設定することにこだわらず、必要な情報を届ける方法を考えましょう。
ステップ4:商談で確認する内容を決めて引き継ぐ
具体的な提案や打ち合わせへ進む際は、顧客と商談の目的を共有します。社内の担当者には、少なくとも次の情報を引き継ぎます。
- 問い合わせや検討を始めた背景
- 解決したい課題と、必要な条件
- これまで説明した内容と、顧客の反応
- 次の商談で確認・提案すること
- 未確認の事項と、次の対応予定
アポイントの日時に加え、顧客が何を確認するための商談かを共有することで、同じ質問の繰り返しや説明のずれを減らせます。
ステップ5:商談後の結果を集客と営業へ戻す
商談化しなかった理由や、受注・失注の背景を記録します。対応範囲外の依頼が多いなら集客テーマ、商品への誤解が多いならサービス説明、引き継ぎ不足なら記録方法を見直します。
マーケティング、インサイドセールス、商談担当がそれぞれ持つ情報を共有し、次の集客と対応に活かしましょう。
インバウンドセールスが商談につながらないときに確認すること
インサイドセールスを配置しても商談が増えない場合は、問い合わせの獲得、初回対応、検討支援、商談への引き継ぎを分けて確認します。担当者を増やす前に、どの段階に課題があるかを整理しましょう。
| 現在の状況 | 確認すること | 見直す箇所の例 |
|---|---|---|
| 問い合わせが少ない | 対象顧客との接点、検索される疑問、サービス情報、相談導線 | 集客テーマ、訴求、関連ページやフォームへの案内 |
| 対応範囲外の相談が多い | 流入経路、問い合わせ内容、対応条件の伝わり方 | 対象顧客、対応範囲、費用や利用条件の説明 |
| 連絡できず対応が止まる | 初回対応の時期、連絡方法、担当割り当て、連絡先の状態 | 対応ルール、担当者への通知、次回連絡の管理 |
| 商談を設定しても検討が進まない | 商談の目的、顧客の検討状況、引き継ぎ内容、提案条件 | 商談化の基準、事前説明、記録、提案内容 |
問い合わせ数と、営業対象に合う相談を分けて見る
問い合わせが増えても、自社では対応できない条件の依頼が中心なら、営業の負担が増える場合があります。件数に加えて、対象顧客との一致、課題、検討時期などを確認してください。
資料請求、見積もり依頼、セミナー参加なども分けて見ると、接点ごとの対応や成果を比較しやすくなります。
商談化率は、何を分母にしたかを揃える
問い合わせ全体からの商談化率と、営業対象に合う相談からの商談化率では、示す内容が異なります。部署間で成果を比較する際は、商談の定義、集計対象、期間を揃えましょう。
初回対応までの時間、連絡できた割合、商談実施数、引き継ぎ後の受注・失注理由なども、課題に応じて確認します。架電数やアポイント数だけで、活動の良し悪しを判断しないようにしてください。
集客する顧客とのずれと、問い合わせ後の対応の問題を切り分けると、必要な改善を選びやすくなります。
問い合わせの獲得や、対象顧客に合うテーマ選びから見直したい場合は、Web集客の支援内容を確認する方法もあります。キャククルを運営するZenkenのコンテンツマーケティング支援資料では、サービスの特徴、事例、提供の流れを紹介しています。
インバウンドセールスとインサイドセールスの導入で決めたい役割分担

導入時には、集客から問い合わせ対応、提案まで、誰がどこを担当するかを決めます。人数が少ない場合は同じ人が複数の役割を担っても構いませんが、必要な業務と引き継ぎは整理しておきましょう。
| 役割 | 主な担当業務 | 共有する情報 |
|---|---|---|
| マーケティング | 対象顧客、集客テーマ、コンテンツ、問い合わせ導線の設計 | 集客経路、反応した情報、問い合わせ内容 |
| インサイドセールス | 初回対応、課題の確認、情報提供、商談機会の創出 | 検討背景、対応履歴、必要条件、商談の目的 |
| 提案・商談担当 | 具体的な提案、条件の調整、受注に向けた対応 | 受注・失注理由、顧客の評価、説明が不足した点 |
顧客を理解し、必要な情報を整理できる人を配置する
インサイドセールスには、顧客の話を聞く力、商品知識、状況を整理する力、情報を記録・共有する力が必要です。商談を提案するタイミングや、他の担当者へ相談すべき条件を判断することも求められます。
訪問営業の経験や過去の成績だけで適性を決めず、担当業務に必要な力を確認します。説明資料、ヒアリング項目、対応事例を用意し、業務を学べる体制も整えてください。
ツール導入の前に、残す情報と使う人を決める
顧客管理や営業支援のツールは、連絡履歴や検討状況を共有するために役立ちます。ただし、入力項目が多すぎたり、記録を誰も確認しなかったりすると、引き継ぎには活かされません。
問い合わせ内容、担当者、対応履歴、検討状況、次の予定など、業務に必要な情報を決めます。管理方法は、件数や担当人数に合わせて選びましょう。
外注する場合も、判断と引き継ぎの責任を明確にする
外注を検討する際は、反響への初回対応、新規開拓、継続的な情報提供、商談設定など、依頼する業務を分けます。顧客情報の扱い、記録方法、商談化の基準、報告内容も確認してください。
商品情報の確認や、価格・対応条件の判断など、社内で担う業務は残ります。外部へ依頼する範囲と、社内で判断する範囲を揃えることで、顧客への説明と実際の対応のずれを防ぎます。
インバウンドセールスとインサイドセールスに関するよくある質問
インバウンドセールスとインサイドセールスは、どちらを導入すべきですか?
両者は分類の基準が異なるため、組み合わせて使えます。問い合わせなどの反応を起点に、電話やオンラインで対応するなら、インバウンド型のインサイドセールスになります。
問い合わせの獲得が課題か、その後の対応が課題かを確認し、集客と営業の必要な工程を設計してください。
インサイドセールスでアウトバウンド営業を行うことはできますか?
できます。狙う企業へ電話やメールで働きかけ、課題を確認して商談へつなげる活動は、アウトバウンド型のインサイドセールスです。
反響への対応とは顧客の認知や関心の状態が異なるため、対象企業の選び方、最初の説明、連絡後の進め方を別に考えます。
インバウンドセールスでも訪問営業を行いますか?
行う場合があります。問い合わせをきっかけに顧客先で打ち合わせや提案をする営業も、インバウンドセールスです。
非対面で対応するか、訪問するかは、商材や顧客が判断するために必要な確認内容に合わせて選びます。
資料請求した顧客には、すぐ商談を提案してよいですか?
まず、資料を請求した理由と、確認したいことを把握します。具体的な導入相談なら商談が役立つ場合がありますが、情報収集だけなら、概要や選び方の案内が適していることもあります。
資料請求という行動だけで、顧客の検討段階を決めつけないことが大切です。
インサイドセールスの詳しい実践方法はどこで確認できますか?
対象企業の選定、顧客への情報提供、マーケティングとの連携などを詳しく知りたい方は、BtoBのインサイドセールスについての解説も参考にしてください。
インバウンドセールスで、自社の強みを必要とする顧客との商談を増やす

インバウンドセールスは顧客との接点の生まれ方、インサイドセールスは営業を進める形式を表します。この違いを理解したうえで、集客、初回対応、検討支援、商談への引き継ぎをつなげて設計しましょう。
商談を増やすには、問い合わせ後の対応に加え、どの顧客が、何を理由に自社へ相談するかも確認する必要があります。対応範囲に合わない問い合わせが多いなら、集客テーマやサービスの説明を見直す余地があります。
自社の強みを必要とする顧客に、依頼先として選ぶための情報を届ける。その接点を営業へ引き継ぐことで、集客と商談のつながりを整えられます。
キャククルを運営するZenkenでは、業界・市場の調査と、顧客・競合・自社の強みに関するヒアリングをもとに、目的に合わせたWeb集客やコンテンツ戦略を設計します。自社に合う顧客へ何を伝えるか、問い合わせまでにどの情報を用意するかを、現在の課題に合わせて検討できます。
問い合わせが少ない、営業対象に合う相談が集まらないといった課題がある場合は、対象顧客、訴求、問い合わせ導線からご相談ください。






