販売促進とは?販促戦略の立て方・施策選定・効果測定まで実務解説

販売促進とは?販促戦略の立て方・施策選定・効果測定まで実務解説
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「販促施策を打っているのに、効果が読めない」「何から手をつければ良いか分からない」——そう感じている担当者の方は少なくありません。

実は、販促がうまくいかない原因の多くは、施策そのものではなく、目的・ターゲット・計測設計がないまま動いてしまっていることにあります。どの施策を選ぶかより、なぜその施策を選ぶのかを説明できるかどうかが、成果を左右します。

本記事では、販売促進の定義と他の概念との違いを整理したうえで、自社の状況に合う施策を絞り込む基準と、実行・計測の手順をステップ形式で解説します。「施策を知る」段階から「施策を選んで成果を測る」段階へ——今日から使える実務フォーマットをお届けします。

また、

  • 商材の強みや特徴を理解した上で反響に至るため、価格競争から脱却し受注単価が2.5倍になった
  • 数ある競合から自社に興味を持ってもらえるようになり、反響獲得後から契約までの期間を3分の1に短縮できた
  • 今まで下請け仕事ばかりだったが、Webから月2件元請けの契約が取れるように

を実現した「ポジショニングメディア」についても、販促戦略との接続という観点でご紹介します。

販売促進(セールスプロモーション)とは

販売促進とは

販促の定義——購買の「きっかけ」をつくる活動

販売促進とは、クーポンの配布・試食・キャンペーン・POP・イベントなど、あらゆる手段を通じて購買意欲を刺激し、顧客が商品やサービスを購入する「きっかけ」を生み出す活動のことです。

英語では「セールスプロモーション(Sales Promotion)」と呼ばれ、「販促」と略して使われることも多くあります。

たとえば、食品の試食・試飲、化粧品の小分けサンプル配布、割引クーポン、期間限定セール、実演販売、特典付加など、「今買うと得をする」仕掛けを顧客の目の前に用意することで、「欲しい」という気持ちを即座に行動へとつなげることがその本質です。

販売促進の対象は新規顧客だけではありません。すでに商品を知っているが購入に踏み切れていない「比較検討中の顧客」や、過去に購入した経験がある「休眠顧客」に対しても、適切な販促施策は購買再起動の有効な手段となります。

広告・営業・マーケティングとの違い

販売促進と混同されやすい概念に、「広告」「営業」「マーケティング」があります。それぞれの役割は異なりますが、相互に補完し合う関係にあります。以下の比較表で違いを整理してみましょう。

概念 主な目的 主なタイミング 代表的な手段 代表的なKPI
広告 ブランド認知・潜在需要の喚起 購買前(潜在層向け) テレビCM・Web広告・SNS広告 リーチ数・認知率・インプレッション
営業 商談成立・受注 比較・決定フェーズ 訪問・電話・提案書・デモ 受注件数・成約率
マーケティング 市場調査・戦略立案・需要創造 全フェーズ(中長期) 分析・企画・ブランディング 市場シェア・LTV・問い合わせ数
販売促進 購買の「きっかけ」創出・短期的な行動喚起 比較・購入直前フェーズ クーポン・試食・POP・キャンペーン・イベント CVR・CPA・来店数・CPO

マーケティングが「どの市場で・誰に・何を・どう売るか」という全体戦略を指すのに対し、販売促進はその戦略の中の「購買行動を直接促す施策」を担います。広告が潜在層への認知を広げ、販売促進が検討層の背中を押し、営業が成約へとつなぐ——この3つが連動してはじめて購買のサイクルが機能します。

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販売促進の目的と必要性

販促の4つの目的——認知・新規獲得・リピート促進・休眠掘り起こし

「売上を上げる」は販促の目的として正しいですが、表層的すぎます。目的を具体化できなければ、どの施策が適切かを判断できません。販売促進の目的は、大きく次の4つに分類できます。

  1. 認知拡大:商品・サービスをまだ知らない層にその存在を知ってもらいます。チラシ配布・SNS広告・展示会への出展などが代表的な施策です。
  2. 新規顧客の獲得:初めての購入・問い合わせ・来店を促します。初回限定クーポン・体験セミナー・資料請求への特典付与などが有効です。
  3. リピート促進:既存顧客の継続利用・再購入を促します。ポイントプログラム・会員限定セール・定期購入割引などが代表的です。
  4. 休眠顧客の掘り起こし:一定期間購入・接触がない顧客を再活性化します。パーソナライズされたDM・復帰特典・リターゲティング広告が活用されます。

この4つの目的は、それぞれ有効な施策が異なります。目的を明確にせずに施策を選ぶと、「認知拡大の手法で成約を狙う」という的外れな投資になりかねません。まず「今、自社は何を必要としているのか」を問うことが戦略の出発点です。

BtoBとBtoCで目的・アプローチが変わる理由

販売促進を設計するうえで、対象が企業(BtoB)か消費者(BtoC)かによって、目的と有効なアプローチが大きく変わります。

BtoCの購買では、個人の感情・衝動・ライフスタイルが意思決定に大きく影響します。「今日の夕食に使えそう」「限定セールだから今買わないと」という即時性の高い動機に対して、試食・クーポン・キャンペーンなどが直接的に機能します。

一方、BtoBでは担当者が「良い」と思っても、その場で購買を決定できないケースがほとんどです。上司・経営層・財務部門など複数の関係者を経て稟議が通る構造があり、「衝動買い」が発生しません。そのため、複数回の接点設計(展示会→フォローアップメール→提案書→デモ)と、各フェーズで担当者が稟議を通しやすくするための資料・根拠の整備が不可欠です。

目的が同じ「新規獲得」であっても、BtoBでは「担当者の社内承認を支援する」という発想が戦略設計の核心になります。

販促戦略の立て方——実務で使える6ステップ

販促戦略の立て方

販促がうまくいかない企業の多くは、施策から考え始めます。「SNSをやってみよう」「展示会に出よう」という発想は悪くないですが、市場・目的・ターゲット・KPIが定まっていないまま動くと、成果を評価できず改善もできません。戦略とは「なぜその施策を選ぶのか」を答えられる状態をつくることです。以下の6ステップで順番に考えましょう。

ステップ1 市場・顧客分析(現状把握)

まず「今の状況」を正確に把握します。以下の項目を確認・整理することから始めましょう。

  • 過去に実施した販促施策とその結果(実施時期・内容・成果指標)
  • 購買データの整理(誰が・いつ・何を・どれくらい買っているか)
  • 顧客属性・購買動機の把握(アンケート・CRM・アクセス解析など)
  • 競合の施策動向(競合はどのような販促を行っているか)
  • 自社の強みと弱みの整理(価格・品質・サービス・ブランドなど)

定量データ(数値)と定性データ(顧客の声・行動観察)の両面から現状を把握することで、「どこに課題があるか」が見えてきます。現状が曖昧なままでは、どれほど優れた施策を選んでも的を外す可能性が高くなります。

ステップ2 目的とターゲットを1枚で定義する

分析結果をもとに、販促の「目的」と「ターゲット」を一言で定義します。「売上を上げる」ではなく、「30代女性の新規顧客獲得を月50件増やす」のように具体化することが重要です。

目的は前述の4分類(認知拡大・新規獲得・リピート促進・休眠掘り起こし)から選び、ターゲットは「既存顧客」「新規顧客」「休眠顧客」のいずれかに絞ります。

目的 主なターゲット 施策の方向性
認知拡大 潜在層(まだ知らない人) リーチを広げる施策(SNS・広告・PR)
新規顧客獲得 見込み顧客(興味はあるが未購入) 初回の壁を下げる施策(体験・特典・比較情報)
リピート促進 既存顧客 継続する動機をつくる施策(ポイント・優待・情報提供)
休眠掘り起こし 離反顧客・休眠顧客 思い出させる施策(DM・リターゲティング・復帰特典)

ステップ3 施策選定と予算配分の考え方

目的とターゲットが定まったら、次は施策を選びます。施策選定で迷いやすいのは「どれも良さそうに見える」からです。以下の4軸で評価することで、自社に合う施策を絞り込めます。

  • 目的との一致:認知拡大に有効な施策と、リピート促進に有効な施策は異なります。目的の列で施策を絞ります。
  • 予算規模:初期費用・運用費用を踏まえ、継続できる予算内に収まるかを確認します。
  • 工数・運用難易度:社内リソース(人員・時間・スキル)で実行できるかを現実的に評価します。
  • 検証のしやすさ:効果を測定できる施策かどうかを確認します。計測できない施策はPDCAを回せません。

予算配分は「テスト枠(全体の20〜30%)」と「主力枠(70〜80%)」に分け、テスト枠で小規模な検証を行いながら主力施策に集中投資するアプローチが現実的です。最初から複数の施策を同時並行で走らせると、リソースが分散し、どの施策の効果も中途半端になりやすいため注意が必要です。

ステップ4 KPI設定と効果検証のサイクル

施策を実行したら、事前に設定したKPI(重要業績評価指標)と照合して効果を検証します。「なんとなく効いた感じがする」では次の意思決定に使えません。施策タイプ別の代表的なKPIを以下に整理します。

施策タイプ 代表的なKPI
Web広告・リスティング クリック率(CTR)・コンバージョン率(CVR)・獲得単価(CPA)
メルマガ・DM 開封率・クリック率・CVR・購入率
SNSキャンペーン リーチ数・エンゲージメント率・フォロワー増加数
展示会・イベント 来場者数・リード獲得数・商談化率
クーポン・特典 利用率・客単価・リピート率
コンテンツマーケティング オーガニック流入数・滞在時間・リード転換率

検証サイクルは「実施→計測→分析→改善→再実施」のループです。週次・月次でKPIをモニタリングし、仮説と結果のズレを言語化して次の施策に活かすことで、施策の精度を段階的に高められます。施策タイプによって成果が出るまでの期間が異なるため、コンテンツ施策は3〜6か月、広告施策は1〜2か月を目安に評価期間を設定することをおすすめします。

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販売促進の主な手法一覧

オンラインの販売促進の方法

販促の手法はオンライン・オフラインを問わず多岐にわたります。ここでは主な手法を整理したうえで、目的別にどの施策が有効かをマップ形式で示します。

オンライン施策

メールマガジン:購読登録者へ定期的に情報を配信する手法です。開封率・クリック率が計測でき、効果検証がしやすい点が強みです。新商品情報やキャンペーン告知に活用でき、向いている目的:リピート促進・休眠掘り起こしに特に有効です。

SNS:X(旧Twitter)・Instagram・Facebookなど各プラットフォームを活用した情報発信・拡散施策です。プラットフォームごとに主なユーザー層が異なるため、ターゲットに合わせた選択が重要です。向いている目的:認知拡大・新規獲得

Web広告(リスティング・ディスプレイ):検索キーワードや閲覧履歴に連動して広告を表示する手法です。ターゲットを絞った配信が可能で、効果計測のしやすさが特長です。向いている目的:新規獲得・休眠掘り起こし

コンテンツマーケティング・オウンドメディア:ブログや記事コンテンツを通じて、顧客の課題解決に役立つ情報を提供し、長期的な信頼関係を構築する手法です。成果が出るまでに一定の時間がかかりますが、継続することで安定したオーガニック流入を獲得できます。向いている目的:認知拡大・新規獲得

アフィリエイト広告:他のWebサイトやブログに広告を掲載してもらい、成果報酬型で費用が発生する手法です。コンバージョンが発生した場合のみ費用が生じるため、費用対効果を管理しやすい点が特長です。向いている目的:新規獲得

ポジショニングメディア:自社の強みとユーザーのニーズをマッチングさせた専門メディアを構築し、成約確度の高い見込み顧客を集客する手法です。認知だけでなく「比較検討フェーズでの勝率」を高める点で、他の手法とは一線を画します(詳細は後述)。向いている目的:新規獲得(比較検討フェーズ)

オフライン施策

オフラインの販売促進の方法

チラシ・リーフレット・パンフレット:折り込み・ポスティング・街頭配布など、特定エリアへの認知拡大と集客に向いています。コストを抑えやすく実施しやすい手法で、地域密着型のビジネスに特に有効です。向いているターゲット:地域在住の一般消費者・近隣エリアの事業者

イベント・展示会:参加者が商品・サービスを直接体験できる機会を提供します。BtoBでは展示会でのリード獲得、BtoCでは体験型プロモーションとして機能します。「空気を感じ、実際に触れる」体験はオンラインでは代替できないアドバンテージです。向いているターゲット:BtoB見込み顧客・商品体験を求める消費者

ダイレクトメール(DM):既存顧客や見込み顧客に対して、冊子・クーポン・パンフレットなどを直接郵送する手法です。リピート促進・休眠掘り起こしに有効で、クーポンを同封することで効果測定も可能です。向いているターゲット:既存顧客・休眠顧客

看板・のぼり・交通広告:特定のエリアや交通機関を利用する顧客への継続的な露出を確保します。場所によって費用は大きく異なり、認知拡大を主目的とした長期施策に向いています。向いているターゲット:特定エリアの通行人・通勤通学者

パブリシティ(プレスリリース):報道機関に自社情報を取り上げてもらうことで、広告費なしで信頼性の高い露出を得られます。第三者の視点が入るため、ブランドへの信頼感醸成に貢献します。向いているターゲット:新規層・潜在層

目的別施策マップ

自社の目的に合う施策を素早く絞り込めるよう、4目的別に有効な施策をまとめます。自社の目的列だけを参照すれば、施策候補を絞り込めます。

目的 有効な施策(上位3つ) 選定のポイント
認知拡大 SNS広告・チラシ・パブリシティ リーチ最大化。ターゲット属性に合ったチャネル選択が鍵
新規顧客獲得 リスティング広告・体験イベント・ポジショニングメディア 比較検討中の顧客への「後押し」設計が重要
リピート促進 メールマガジン・DM・ポイントプログラム 購入後の接点維持と「また買いたい」動機の提供
休眠掘り起こし リターゲティング広告・DM・復帰特典キャンペーン 「思い出させる」タイミングと特典設計がポイント

BtoB・BtoC別の施策選定フォーマット

施策選定で見落とされがちなのが「BtoBとBtoCで有効な施策が異なる」という視点です。同じ「新規顧客獲得」を目的にしても、購買構造が根本的に異なるため、適切な施策は変わります。

BtoBに有効な施策と選定基準

BtoBの購買プロセスでは、担当者が社内稟議を通す必要があります。つまり、担当者だけを説得するのではなく、担当者が上司や経営層に提案しやすい情報・根拠を提供することが販促の本質になります。

  • 展示会・業界イベント:担当者と直接対面し、製品への理解を深めてもらう機会を創出します。名刺交換後のフォローアップと組み合わせることで商談化率が高まります。
  • ホワイトペーパー・事例資料:課題解決の根拠を示す資料は、担当者が社内説明に使えるため、稟議通過を支援します。ダウンロード特典として活用することでリード獲得にもなります。
  • ウェビナー・セミナー:業界課題を題材にしたオンラインセミナーは、参加時点で課題意識が高い見込み顧客と接点を持てます。
  • リターゲティング広告:自社サイトや資料ページを閲覧した見込み顧客に対して追随表示することで、複数の接点を設計できます。
  • ポジショニングメディア:比較検討フェーズで自社を見つけてもらい、「この会社が自分のニーズに合っている」と判断した状態でリード化する仕組みです。

BtoBでは「1回の接触で決まらない」ことを前提に、複数の接触点を設計する視点が不可欠です。認知→資料請求→フォロー→提案という流れをあらかじめ設計し、各ステップにふさわしい施策を配置することで、受注確率を高められます。

BtoCに有効な施策と選定基準

BtoCでは、個人の感情・ライフスタイル・衝動性が購買に大きく影響します。「今すぐ欲しい」という動機を引き出す施策と、継続利用を促す施策の両面を設計することが重要です。

  • SNS・インフルエンサー活用:生活に密着したSNSは認知拡大と共感醸成に有効です。インフルエンサーとの連携で拡散力が高まります。
  • クーポン・割引:初回購入の障壁を下げる効果があります。ただし値引き依存になると収益性が悪化するため、頻度と条件の設計が重要です。
  • ポイントプログラム:継続購入の動機を設計します。単発のクーポンと異なり、長期的なリピート行動を促す継続施策です。
  • 体験型イベント:商品を実際に使ってもらうことで、品質への確信と購入意欲を同時に高めます。
  • リターゲティング広告:サイト閲覧や商品ページの閲覧履歴に基づき追随表示します。BtoCでは購買直前の後押しとして機能します。

単発施策(クーポン等)と継続施策(ポイント等)ではコスト構造も異なります。単発は初期費用が低い代わりにリピートへの継続効果が低く、継続施策は設計・運用に工数がかかりますが長期的なLTV(顧客生涯価値)向上につながります。自社のビジネスモデルに合わせて組み合わせを設計することが重要です。

「目的×予算×工数」3軸で施策を絞り込むチェックリスト

主な施策を「主な目的」「予算規模(高/中/低)」「運用工数(高/中/低)」の3軸で評価しました。自社の状況と照らし合わせて優先施策を絞り込む際に活用してください。

施策 主な目的 予算規模 運用工数
リスティング広告 新規獲得・休眠掘り起こし 中〜高
SNSキャンペーン 認知拡大・新規獲得 低〜中
メールマガジン リピート促進・休眠掘り起こし 低〜中
展示会・イベント 新規獲得(BtoB) 中〜高
チラシ・ポスティング 認知拡大(地域密着)
ホワイトペーパー 新規獲得(BtoB) 低〜中
ポイントプログラム リピート促進 高(設計初期)
リターゲティング広告 新規獲得・休眠掘り起こし 低〜中
DM(ダイレクトメール) リピート促進・休眠掘り起こし 低〜中 低〜中
ポジショニングメディア 新規獲得(比較検討フェーズ) 中〜高 低(運用は委託)

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販促戦略の成功ポイントと失敗パターン

販促戦略を設計する際、成功する施策に共通する条件と、よくある失敗のパターンをあらかじめ把握しておくことで、意思決定の精度を高められます。

成功する販促戦略に共通する3つのポイント

  1. 目的を1つに絞る
    成果が出ている販促戦略に共通しているのは、「何を達成したいか」が明確なことです。「新規顧客獲得」と「リピート促進」を同時に狙う施策は設計が複雑になり、成果の原因も把握しにくくなります。まず1つの目的に資源を集中させ、成果を確認してから次の目的へ展開するほうが、結果として早く成果に到達できます。
  2. ターゲットを具体化する
    「30代男性」ではなく「週3回コンビニを利用する都市圏在住の30代男性会社員」まで絞り込めると、施策の表現・チャネル・タイミングのすべてが変わります。「誰でも使えそうな施策」は「誰の心にも刺さらない施策」になりがちです。ペルソナを具体的に描くことが、施策の解像度を上げる最短路です。
  3. 検証の仕組みを施策と同時に設計する
    KPIを事前に設定し、効果を計測する手段を確保した状態で施策を走らせることが重要です。「やってみてから考える」では改善ループが回りません。施策ごとにURLパラメータを付ける・クーポンコードで流入経路を区別するなど、計測設計を施策設計と同時に行いましょう。

陥りやすい失敗パターンと回避策

  • 値引き・割引依存:「反応が悪いからとりあえず値下げ」を繰り返すと、値引き前提の顧客層が形成され、定価での購入が難しくなります。価格以外の価値(利便性・体験・情報)で差別化する施策を並行して設計することが回避策です。
  • 施策と目的のズレ:認知拡大フェーズなのに成約率を追う、リピート施策なのに新規顧客向けの内容を配信するなど、施策と目的がズレているケースはよく見られます。施策を選ぶ前に必ず目的を確認する習慣をつけることが重要です。
  • 効果計測の仕組みがない:「施策を打ったが何が効いたのか分からない」状態では、次の判断ができません。計測できない施策はPDCAを回せず、投資の根拠も説明できなくなります。
  • 短期の数字だけで評価する:コンテンツマーケティングやSNS育成など、成果が出るまでに時間のかかる施策を短期間で見切るのは早すぎます。施策タイプごとに「成果が出るまでの目安期間」を事前に設定し、評価軸を揃えることが回避策です。
  • 全施策を同時並行で動かす:リソースが分散し、どの施策の効果も中途半端になります。優先度を決めて一定の成果が出るまで集中するほうが、最終的には効率的です。

販促戦略に使えるフレームワーク

販促戦略を体系的に設計するうえで、以下の2つのフレームワークが実務でよく活用されています。ステップ2(目的・ターゲット定義)と組み合わせて使うことで、戦略の骨格をより確かなものにできます。

STP分析——市場・ターゲット・ポジションを整理する

STP分析は、次の3つの頭文字を取ったフレームワークです。

  • Segmentation(市場細分化):顧客を属性・行動・ニーズなどでグループ分けします。「すべての顧客に刺さる施策」は存在しないという前提を置き、市場を細分化することで、狙うべきグループを特定します。
  • Targeting(ターゲティング):細分化したグループの中から、自社のリソースと強みを活かして最も成果が期待できる市場を選びます。
  • Positioning(ポジショニング):選んだ市場の中で、競合との差別化軸を定義します。「自社はどういう立場で、誰の・どの課題を解決するか」を明確にします。

ターゲット定義に行き詰まったときは、まずSTP分析で思考を整理することをおすすめします。市場・ターゲット・ポジションが明確になることで、施策の選定基準も自ずと絞られてきます。

PASONAの法則——購買行動を設計するコピーフレーム

PASONAの法則は、「Problem(問題)」「Affinity(親近感)」「Solution(解決策)」「Offer(提案)」「Narrow Down(絞り込み)」「Action(行動)」の頭文字で構成された、購買行動を誘導するコピーライティングのフレームです。

この流れに沿って販促コンテンツを設計することで、見込み顧客の問題意識への共感から始まり、解決策の提示・行動の促進まで、購買プロセスを自然な流れで設計できます。

ランディングページやメールマガジン、展示会のパネルデザインなど、オンライン・オフライン問わずコピー設計の基盤として活用できます。特に「読んでも行動に移してもらえない」という悩みがある場合、PASONAの流れで構成を見直すことで改善につながるケースがあります。

比較検討フェーズで成約率を高める販促の考え方

認知獲得だけでは受注が増えない理由

多くの販促施策は「認知を広げること」を目的にしています。しかし、認知が増えたからといって成約が増えるとは限りません。特にBtoBでは、認知から成約まで「認知→関心→比較→検討→稟議→成約」という複数のフェーズがあり、各フェーズで一定数の見込み顧客が脱落します。

最も脱落が起きやすいのが「比較・検討フェーズ」です。このフェーズでは見込み顧客が複数の選択肢を並べて評価します。「どの会社も似たようなことを言っている」「自社の課題に合っているか分からない」という状態になると、比較に時間がかかり、最終的に「現状維持」という選択に落ち着くことも少なくありません。

認知段階の施策(広告・SNS・展示会)だけに投資していると、「入口は広くなっているが出口で詰まっている」状態になります。成約率を高めるには、比較検討フェーズに特化した施策の設計が必要です。

比較検討フェーズを制する「ポジショニングメディア」の仕組み

ポジショニングメディアは、「自社の強みに共鳴する見込み顧客だけを集める」という設計思想に基づいたWebメディア戦略です。

一般的な広告やSEOコンテンツが「多くのユーザーにリーチすること」を目的にするのに対し、ポジショニングメディアは「すでに比較検討しているユーザーが、自社と出会える場所を設計する」ことに特化しています。

実際に活用した企業では、以下のような変化が確認されています。

  • 商材の強みや特徴を理解した上で反響に至るため、価格競争から脱却し受注単価が2.5倍になった
  • 数ある競合から自社に興味を持ってもらえるようになり、反響獲得後から契約までの期間を3分の1に短縮できた
  • 今まで下請け仕事ばかりだったが、Webから月2件元請けの契約が取れるように

受注単価が上がり、成約までのリードタイムが短縮されているのは、「会社の強みを理解した状態で問い合わせてくれるユーザー」が集まっているからです。認知から成約までの過程で発生する「ミスマッチによる離脱」を構造的に減らすことが、ポジショニングメディアの本質的な価値です。

ポジショニングメディアについて
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まとめ

販売促進戦略のまとめ

本記事では、販売促進の定義から戦略の立て方、施策選定、効果測定まで体系的に解説しました。ポイントを3点に絞って整理します。

  1. 目的を1つに絞り、施策を選ぶ:認知拡大・新規獲得・リピート促進・休眠掘り起こしの4目的から「今、自社が何を必要としているか」を特定し、その目的に合った施策を選ぶことが戦略の起点です。目的なき施策は成果を測れず、改善も積み上がりません。
  2. BtoB・BtoCの購買構造を踏まえた設計をする:BtoBでは「担当者の社内稟議を支援する複数接点設計」が、BtoCでは「衝動性と継続性を両立する施策の組み合わせ」が重要です。自社の対象に合わせた設計が成果を左右します。
  3. 計測設計を施策と同時に行う:KPIを事前に設定し、計測できる状態で施策を走らせることで改善ループが回ります。「なんとなく効いた感じ」では次の意思決定ができません。施策の実行と計測設計はセットで考えましょう。

販促戦略でお悩みの場合は、キャククルを運営するZenken株式会社にお気軽にご相談ください。BtoBを中心に120を超える業種でマーケティング・集客支援の実績があります。

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