「ターゲットを絞る」メリットとは?集客・マーケティングの基本を解説

「ターゲットを絞る」メリットとは?集客・マーケティングの基本を解説
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「ターゲットを絞る」とはどういうことか

集客においてもっとも重要なポイントは「ターゲットを絞る」ということです。ホームページを閲覧する多くのユーザーは、それぞれ性別・居住地・職業・趣味・興味関心・悩み・ターゲットなどの「属性」を持っています。

この属性が似ている人ほど同じような情報に惹かれ同じような検索を行う傾向にあるため、広告の配信においてもターゲティングをすることで、特定のユーザーだけを引きつけられるのです。

マーケティングにおいてターゲットを絞るメリット

マーケティングにおいてターゲットを絞るメリット

ではマーケティングにおいて「ターゲットを絞る」ことで得られる具体的なメリットは何でしょうか?マーケティングに役立つポイントを紹介いたします。

情報発信がシンプルになる

ターゲットを絞り込むと、情報を発信する側は狙ったユーザーの立場や意図を考えてホームページや広告が制作できるようになります。

不特定多数のユーザーへの発信は「万人受け」を狙うものであり難易度が高くなりますが、ターゲットが絞られていれば相手がどのようなニーズを持っているかイメージしやすくなります。

情報の受け手であるユーザーにとっても求めている情報が確実に手に入るようになります。ターゲティングは発信者と受信者の双方にメリットが期待できる方法なのです。

競合が少なくなる

ターゲティングによって自社のホームページやSNSが充実すると、的確な情報発信で集客効果が生まれ、口コミによる広がりも期待できるようになります。 自社ならではの強みや特徴を打ち出していくと競合との「差別化」にも繋がり、だんだんと競合相手が少なくなっていきます。

リスティングマーケティングに繋がりファンが増える

ターゲティングを施すと、そこに合致したユーザーの満足度は向上します。 「この企業は自分のことを考えてくれている」「自分のほしい情報・サービスが得られる」と、口コミによるポジティブな情報発信が行われます。

広告掲載・動画配信・ホームページ制作のいずれについても、ターゲティングを施すことでそれ自体が広告としての効果を持つようになり、「リスティングマーケティング」の役割を果たします。

ユーザー同士の横の繋がりで口コミ効果が波及していき、自社のサービスや商品をリピートする固定ファンの獲得も期待できるでしょう。

他社に乗り換えづらい固定ファンの獲得はどの企業にとっても目標とするところですが、まずは固定ファンに繋がる人をしっかりと分析したうえでターゲティングを行いましょう。

企画から販売まで一貫性が出る

不特定多数へのマーケティングは宣伝方法やサービス展開において方向性がぶれやすく、情報発信に迷いが生まれてしまうおそれもあります。

しかしターゲティングを事前に行うことで、ターゲット層の求めることや期待に応じて方向性が決められるため、企画立案・製品化・販売・宣伝までがスムーズになります。

ターゲットをより深く理解でき、商品サービスに落とし込める

ターゲット層の絞り込みは、そのターゲットを深く理解することにも繋がります。一例として衣料品を扱うメーカーがユーザーを「20代以上の背の高い成人女性」とターゲティングした場合を考えてみましょう。

高身長に対応する洋服や靴などを揃えたうえでコーディネートし、「高身長さん向けのアイテムをご用意」とキャッチを用意します。

さらに体型も考慮して幅広いサイズを用意したり色柄にこだわったアイテムを揃えたりすると、実際に高身長の女性が注目しやすくなります。

ターゲティングのイメージ像に合わせて商品やサービスを具体化すれば、対象となるユーザーにも情報が的確に伝わります。

ターゲットを絞ると見込み顧客数が減る?

ターゲットを絞ると見込み顧客数が減る?

ターゲティングは企画段階から対象を絞って商品を宣伝・販売できるので、同じような属性のユーザーを集める効果があります。 広告・ホームページ・SNSなどをすべてターゲティングすれば自社の商品やサービスに共感してくれる人が集まり、購入に至る確率も比例して上がっていきます。

ターゲットを絞るということは全体の見込み顧客「数」は減りますが、見込み顧客の「質」が上がり、集客できた見込み顧客のうち購入や申し込みをしてくれる比率が上がるということです。

ターゲティングの目的は見込み顧客を集めることではなく、売上を高めることやシェア拡大などのはず。

そのためには購入などの成果にフォーカスして、自社がニーズに応えられるユーザーにターゲットを絞った方が、結果として売り上げアップやリピーター獲得につながりやすくなります。

成約率を重視したマーケティング戦略のひとつに「ポジショニングメディア」があります。
自社ならではの強みと相性の良いユーザーにターゲットを絞ることで、しっかり購入などにつながる集客が可能。成約率が高いため費用対効果も良くなります。
ポジショニングメディア戦略の
特徴・事例を見る

万人受けするもの、年齢や性別に関わりなく消費できるもの、いわゆる「ジェンダーレス」な商材については、厳格なターゲットを設けないほうが良い場合もあります。

しかしシェアの獲得・奪取においては、たとえ万人に向けた商品・サービスであっても特定のユーザーに狙いを定めて、少しずつでも自社の顧客を増やして競合のシェアを切り崩していく戦略が取り組みやすいでしょう。

失敗するターゲットの絞り込み方

失敗するターゲットの絞り込み方

ターゲティングは時として失敗に繋がる危険もはらんでいます。ここからはターゲットの絞り込み方の誤りと正しい方法について紹介します。

性別、年齢別、地域別のみでターゲットを絞っている

ターゲットを性別・年齢・地域のみで絞ると、その属性だけに偏ってしまい他のユーザーには訴求できないケースが起きてしまいます。

男女兼用、年齢を問わず使える商品やサービスは、ターゲットを絞り込みすぎることでかえって見込み客を逃すおそれがあります。

ターゲティングが狭すぎると不満を抱くユーザーも現れるため、商材となるものの対象者をよく考えて宣伝を展開していくことをおすすめします。

自社の強みを活かせるターゲットではない

自社の「強み」は誰にでもアピールできるわけではなく、対象外のターゲットにはほとんど効果がない場合があります。自社にしかない強みは、競合相手との比較や差別化に使うぶんには問題がなく、またその強みを必要としているユーザーにも効果的なアピールとなります。

しかし誰にでも効果があるとは限らず、「強み」が刺さらなければターゲットは見込み客にすらならない可能性も。ターゲットを逃さずにアプローチするには、自社の「強み」が誰にとって効果的であるか、誰にアピールすべきなのかを考える必要があるでしょう。

ターゲットは絞れているが、その層からのニーズがない

ターゲットの分析はきちんと行えているものの、その層が特に必要としていなければアピールは意味がなくなってしまいます。 広告宣伝やホームページ制作は、ターゲットが自社の商品やサービスを必要としているために行うもの。

漠然と「自社を知ってほしいから」「商品をアピールしたいから」では動機づけが弱くなってしまいます。ターゲットを絞り込んだら、その人々が確実に自社を必要としているかまで「ユーザー目線」で考えましょう。

ターゲットを絞る際に効果的なフレームワーク【6R】

ターゲットを絞る際に効果的なフレームワーク【6R】

マーケティングにおいて、自社に見合った戦略を考えるための手法として「STP分析」と呼ばれる方法が活用できます。 STP分析とは「Segmentation(セグメント化)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」を合わせた造語です。

このSTP分析を効果的に遂行するために「6R」と呼ばれる指標も存在します。それぞれを詳しくみていきましょう。

市場規模が適正かどうか(Realistic Scale)

Realistic Scaleは直訳すると現実的な規模という意味になりますが、マーケティングでは「市場規模」を表します。ある商品やサービスについて、どれだけの市場規模をもっているのか・市場の動向(活気があるのか低迷しているのか)といった状況を俯瞰することで、販売数や販売目標が予想しやすくなります。

市場規模が大きければ競合が多くなり、ユーザーのターゲティングや宣伝もしっかりと行わなければなりません。 一方市場規模が小さければライバルは少なくなりますが、ユーザーからの注目度も少なくなるおそれがあり、収益を上げるための戦略が重要になります。

成長が見込める市場か(Rate of Growth)

Rate of Growthは「市場の成長性」という意味で、直訳すると成長率となります。マーケティングにおいて、自社の商品やサービスをどの市場に打ち出していくかを考えたときに、市場の成長性を考慮することは将来を予測するうえで欠かせません。

規模が小さくても成長が見込める市場であれば「ビジネスチャンスがある」と判断できます。衰退している市場を盛り上げるのは簡単ではありませんが、成長が見込める市場には将来性があります。

ITやAIのように今後伸展していくと考えられる市場もあれば、反対に伸びていくものに取って代わられる可能性のある市場もあるため、市場の伸びもしっかりと分析していきましょう。

顧客の優先順位が高いかどうか(Rank/Ripple Effect)

Rankは「ランク(順位)」と直訳できますが、市場そのものが周囲にどれだけの影響力を持っているかの「位置づけ」という意味が込められています。

影響力とはユーザー(顧客)にとって興味関心を引けるかどうか。もっと言うと競合他社よりも優先してもらえるかどうかを考えてマーケティングを実践していかなければなりません。

顧客にはアプローチできるか(Reach)

Reach「到達」は、ユーザーが商品・サービスに到達できるかどうか、物理的に手が届く(直接購入や利用ができる)可能性を示しています。

市場が大きいにも関わらず競合も少ない場合、一見ビジネスチャンスと捉えられますがユーザーがその商品・サービスを利用できなければ意味がなく、マーケティングも不可能となります。

商品・サービスがどれほど魅力的でも、直接手に入れられなければユーザーは顧客になりえないため、ほしい人の元に届けられるかを考えるうえで重要な指標となります。

Realistic Growth・Rank・Rate of Growthと順番に見ていき問題がなくても、Reachのように根本的な部分で問題があるとマーケティングに大きく影響を与えるため注意が必要です。

競合性が高いかどうか(Rival)

Rivalは「ライバル」と訳すとおり、市場における競合他社の存在です。商品・サービスを売る際に、市場はできるだけ大きく競合が少ないほうが理想であり、未開拓市場であるほど優位性も生まれます。

反対に「レッドオーシャン」と呼ばれ、競合がひしめいている場合は参入のハードルが高く、勝てる要素が少ない可能性も。

マーケティング戦略を考えるうえで、この「Rival」は非常に重要な要素となります。たとえば「東京都中央区の矯正歯科」であれば、同じ中央区内にどれだけの矯正歯科があるか(Rival)をチェックし、競合クリニックの知名度や評判、強みをチェックします。

もしも同じエリアに矯正歯科があふれていたり、強力なライバルがいたりする場合は、同じ内容で勝負をかけるのは難しいかもしれません。

反応効果が測定可能かどうか(Response)

Responseは「反応」という意味で、実際にアクションを起こして得られた効果を「測定できるかどうか」という指標になります。

マーケティングにおいて、エリア・性別・興味関心などさまざまな項目で絞り込み、どこからの反応が一番良い/悪いかを測定できれば、宣伝活動の問題点を改善することができます。

測定が不可能であると宣伝活動を行っても効果のチェックができず、改善を加えることも難しくなってしまいます。

STP分析と6Rを活用しよう

STP分析と6Rを活用しよう

ターゲティングは自社と相性の良いユーザーを絞り込むうえで効果的ではありますが、すべてのマーケティングに対してターゲティングを行うのはかえって逆効果になるおそれも。 ユーザーの絞り込みを行う前に、以下の点をチェックしましょう。

  • 自社が打ち出そうとしている商品・サービスはどの程度の規模の市場にあるのか
  • その市場はブルーオーシャン/レッドオーシャンなのか
  • 競合の存在や優位性

市場と競合について「6R」を活用しながら分析すれば勝因を見出しやすく、ターゲティングを併用しながら効果的に宣伝が行えます。

ターゲティングの際には自社のビジネスならではの独自性や強みをしっかりと定義し、ポジショニングも行いましょう。ひとつの施策や指標に縛られず、あらゆる角度から市場とユーザーを分析してください。

ターゲット設定やマーケティング戦略でお悩みなら

Zenkenでは、クライアントならではの強みや価値であるバリュープロポジションを軸とした、マーケティング戦略をご提案しています。

クライアントのバリュープロポジションが響くユーザー層や市場を選定し、適切なマーケティング施策を展開することで、集客や差別化・ブランディングを支援。

現在までに120業種を超えるクライアントの集客をお手伝いしてまいりました。

もし、自社ならではの強みを活かすマーケティング戦略や、自社と相性の良いターゲット設定などでお悩みならぜひお気軽にご相談ください。
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