介護士の採用方法とは?応募が来ない理由と定着率を高める採用戦略を解説

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介護士の採用で応募が来ない最大の原因は、「自社が選ばれる理由(バリュープロポジション)」が求職者に届いていないことです。本記事では、採用難の現状と背景の整理から、求人票の改善・採用媒体の選び方・入社後の定着まで、採用マーケティングの視点で介護人材を安定確保するための実践的な方法を解説します。

なぜ介護士の採用で応募が来ないのか?人手不足の現状と理由とは?

介護業界の有効求人倍率は2025年5月時点で3.41倍と、全職種平均(1.24倍)の約2.7倍に達しており、求人を出しても応募が集まりにくい構造的な採用難が続いています。単に求人の掲載数を増やすだけでは根本的な解決にはならず、求職者が「なぜここで働くのか」を判断できる情報の発信が不可欠です。

介護業界の有効求人倍率と労働人口減少の背景

厚生労働省のデータによると、2025年5月における介護サービス職の有効求人倍率は3.41倍です。全職種平均が1.24倍であることと比較すると、介護士一人に対して約3件以上の求人が存在している計算になります。地域によってはさらに高く、全国平均で3.97倍を超える地域も報告されています。

この背景には、少子高齢化による高齢者人口の増加と、労働力人口の減少という二重の構造問題があります。厚生労働省の推計では、2025年度には約32万人の介護職員が不足し、2040年度には約69万人にまで不足数が拡大する見通しです。介護ニーズは今後も高まり続ける一方、担い手は慢性的に不足するという環境が固定化しつつあります。

さらに、いわゆる「2025年問題」として知られる団塊の世代の後期高齢者入りにより、介護サービスの需要は急増しています。施設の新設・拡充も相次いでいるため、限られた求職者を多数の施設で奪い合う構造が当面続くと見込まれます。採用競争は今後さらに激化することを前提に、中長期的な採用戦略を設計することが求められます。

こうした状況を踏まえると、「求人を出せばいつか応募が来る」という受け身の姿勢では人材の確保は困難です。有効求人倍率が高い市場では、施設側が積極的に「選ばれる理由」を発信する採用マーケティングへの転換が求められます。

求職者が施設選びで重視するポイントとのズレ

介護士の求職活動においては、通勤時間・職場の雰囲気・シフトの柔軟性など、「働き続けられるか」に直結する条件が重視される傾向があります。調査では、通勤時間15分以内を希望する求職者が52.1%にのぼり、「穏やかな職場環境」を重視する割合も39.6%となっています。

一方、多くの介護施設の求人票には「給与◯万円」「有資格者歓迎」といった横並びの情報が並びがちです。求職者が最も知りたい「実際の職場の雰囲気」「シフトの実態」「スタッフ間の関係性」といった情報が不足しているため、応募の決め手となる情報を施設側が発信できていないのが実情です。

施設が発信している情報と、求職者が求めている情報の間にあるこのギャップが、「求人を出しても応募が来ない」状況を生む大きな要因となっています。まず自施設の求人票が「求職者の知りたい情報」を提供できているか点検することが、採用改善の第一歩です。

待遇面や労働環境のネガティブなイメージが先行している課題

介護業界には「体力的につらい」「給与が低い」「人間関係が複雑」といったネガティブなイメージが根強く残っています。実際には、近年の処遇改善や職場環境改善の取り組みにより、介護職の離職率は13.6%(令和5年度)まで低下しており、全産業平均と同水準にまで改善されています。しかし、こうした実態が求職者に十分に伝わっていないことが、採用母集団の形成を妨げています。

重要なのは、業界全体のイメージに対して「自社の実態」を正確かつ積極的に発信することです。「きつい」という先入観を持った求職者に対して、自社の働きやすさや職場環境を具体的に見せる情報発信ができれば、他施設と差別化した採用活動が可能になります。介護の仕事に興味があっても「自分には続けられないかも」と躊躇している求職者は少なくありません。そうした潜在層に向けて、リアルな職場の声や改善への取り組みを積極的に届けることが、母集団拡大と採用ブランド向上の両方に寄与します。

介護士の採用を成功させるための準備・ターゲット設定とは?

採用手法を選ぶ前に「誰を採用したいのか」と「自社だけが提供できる魅力は何か」を明確にすることが、採用成功の最初のステップです。ターゲット設定が曖昧なまま媒体を増やしても、ミスマッチな応募が増えるだけで定着率の改善には繋がりません。

介護士の採用を成功させるには?

求める人物像(ペルソナ)を明確にする

「誰でもいいから来てほしい」という状態では、求人票も媒体選定も方向性が定まりません。採用活動の起点となるのは、自社が求める人物像(ペルソナ)の明確化です。

ペルソナとは、採用したい理想の人材像を具体的に描いた仮想プロフィールのことです。たとえば「介護福祉士の資格を持つ30代女性で、子育て中のため夕方17時までの時短勤務を希望している。人間関係が穏やかな職場を重視している」といった粒度で設定します。ペルソナを具体化することで、「この人に響く求人票はどんな内容か」「この人はどの媒体を使って仕事を探しているか」「どんな福利厚生を前面に出すべきか」という問いが立てやすくなります。

ペルソナが複数考えられる場合は、優先順位をつけたうえで、それぞれに最適化したメッセージで訴求する複数の求人票を用意することも有効です。「とにかく誰でも」という方針で広く網を張るよりも、ターゲットを絞って深く刺さるメッセージを届けるほうが、応募の質と定着率の両方を高める近道となります。

自社のカラーに合う人材像を定義することは、採用後のミスマッチを防ぎ、定着率を高めるための根本的な施策でもあります。ターゲット設定は、以降のすべての採用戦略の土台となります。

自社の強み(バリュープロポジション)を言語化する

ペルソナが決まったら、次に「自社がその人材に提供できる独自の価値(バリュープロポジション)」を整理します。バリュープロポジションとは、競合他施設には提供できない、自社だけの魅力のことです。

具体的には、競合施設の求人情報と自社の強みを照らし合わせ、「競合が提供していない条件・環境で、かつ求職者が求めているもの」を言語化します。たとえば「夜勤なしで月給28万円以上」「介護職未経験でも90日間のマンツーマン研修あり」といったように、求職者が比較検討する際に明確な差別化要素として機能する情報を抽出します。

自社の強みを言語化する手順については、マーケティング戦略策定に必要なプロセスを解説!の記事も参考にしてください。求職者のニーズと市場の動向を踏まえたうえで、自社が勝負すべきポジションを特定することが採用成功の鍵です。

未経験・無資格者の採用枠を広げるメリット

慢性的な人手不足に対応するためには、有資格者・経験者に限定した採用から、未経験・無資格者も積極的に受け入れる採用設計への転換も有効です。

介護は、資格取得を支援する仕組みさえ整備すれば、未経験者でも戦力として育成できる仕事です。「入社後に介護初任者研修や実務者研修の費用を全額負担する」「資格取得のための勉強時間を業務内に確保する」といった仕組みを打ち出すことで、「介護に興味はあるが未経験で応募を迷っていた層」を採用母集団に加えることができます。採用対象を広げることは、応募数の拡大と採用コスト削減の両方に寄与します。

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介護士が集まる求人票・採用ページの作り方とは?

求人票や採用ページは、求職者が応募を決断するための最重要接点です。「何をしている仕事か」だけでなく、「ここで働くとどんな毎日が送れるか」を伝える情報設計が、応募数と応募の質の両方を左右します。

職種名や業務内容を具体的に記載するコツ

「介護スタッフ募集」という漠然とした職種名ではなく、「特別養護老人ホームの生活支援スタッフ(食事・入浴・排泄介助・レクリエーション企画)」のように、実際の業務内容が想像できる記述を心がけましょう。

業務内容の記述には、求職者が実際に検索するキーワードを意識することも重要です。「夜勤なし 介護」「残業少なめ 介護士」「資格取得支援 介護」など、求職者のニーズに対応するキーワードを求人票に盛り込むことで、専門求人サイトや検索エンジン上での露出が高まります。また、業務の流れを時系列で示したり、1日のスケジュール例を掲載したりすることで、入社後のイメージが具体的になり、応募の心理的ハードルが下がります。

写真や動画を活用して職場の雰囲気を伝える

「職場の雰囲気が良い」と文章で伝えるよりも、スタッフが笑顔で働いている写真や、施設の内部を映した動画のほうが求職者の信頼を得やすいです。求職者が最も不安に感じる「実際の職場環境」を視覚的に示すことは、応募への背中を押す強力な手段になります。

特に効果的なのは、現場スタッフのインタビュー動画です。「入社前はどんな不安があったか」「実際に働いてみてどうか」をリアルに語るコンテンツは、求職者の共感を生みやすく、採用ページの離脱率低下にも繋がります。スマートフォンで撮影したカジュアルな動画でも、真摯に職場の実態を伝える姿勢が伝われば十分な効果が期待できます。

勤務時間(夜勤の有無など)や柔軟な働き方をアピールする

夜勤の有無・シフトパターン・有給取得率・残業時間の実態は、介護士の求職活動において優先度の高い確認事項です。これらを隠さず明記することが、信頼性の高い求人票作りの基本です。

特に「夜勤なし」や「日勤のみ」で対応可能な場合は、その点を求人票の冒頭近くに明示することで、夜勤を敬遠している求職者層への訴求力が大幅に高まります。また、「育児・介護と両立しやすいシフト調整可能」「産休・育休取得実績あり」などの情報は、ライフステージを重視する求職者に刺さる差別化ポイントになります。働き方の柔軟性を具体的に示すことで、求職者の「自分でも続けられそう」という安心感を生み出せます。

福利厚生・研修制度・資格取得支援などキャリアパスを明示する

「入社後の成長イメージが持てるか」は、介護士が就職先を選ぶ際の重要な基準です。研修制度・資格取得支援・キャリアアップ制度の有無を明示することで、「長期的にここで働き続けたい」という意欲を持つ人材を惹きつけることができます。

具体的には「介護初任者研修・実務者研修の費用を全額支援」「リーダー研修・マネジメント研修あり」「介護福祉士国家試験の受験サポートあり」といった具体的な制度名と内容を記載します。また、実際にキャリアアップした社員の事例(「入社3年でユニットリーダーに昇格」など)を掲載することで、制度の実効性を証明できます。将来性を示すことは、長く続けたい求職者の応募動機を高め、定着率の向上にも直結します。

さらに、福利厚生や休暇制度の充実ぶりを数字で示すことも有効です。「有給取得率◯%」「年間休日◯日」「育休取得実績◯名」のように具体的な数値を記載することで、求人票に信頼性と説得力が生まれます。ライフスタイルを重視する求職者にとって、こうした数値は他施設との比較判断においての重要な材料となります。

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介護士の主な採用方法・求人媒体にはどのようなものがあるか?

介護士の採用媒体は、ハローワーク・介護専門求人サイト・人材紹介会社・SNSなど複数の選択肢があります。それぞれ得られる応募層・コスト・定着率への影響が異なるため、自社のペルソナと予算に合わせて組み合わせることが重要です。

介護士の採用手法

採用手法 費用目安 リーチできる求職者層 マッチ度 定着率への影響
ハローワーク 無料 地域限定・転職活動中 低〜中 応募者の動機次第
介護専門求人サイト 月額3〜20万円程度 転職を積極的に検討中(顕在層) 競合が多く埋もれやすい
人材紹介会社 成功報酬(採用者年収の20〜35%程度) 転職活動中・エージェント経由 中〜高 コスト高・早期離職リスクあり
SNS採用広報 運用コストのみ(低) 転職潜在層・共感層 高(共感採用) 理念共感型で定着しやすい
採用オウンドメディア 初期制作費+運用費(中長期で償却) 自社に関心を持つ層 マッチ度高く定着率向上

ハローワークでの求人募集のメリット・デメリット

ハローワークは、無料で求人票を掲載でき、費用をかけずに採用活動を継続できる点が最大のメリットです。失業給付を受給中の求職者はハローワークでの求職活動が義務づけられているため、一定数の求職者が常に閲覧しています。また、何度でも求人票を更新・掲載できるため、長期的な採用活動の補助ツールとして活用できます。

一方、求人票のフォーマットが統一されているため、自社の魅力を差別化して表現することが難しいというデメリットがあります。求職者の多くが複数の媒体を並行して使用しており、ハローワークだけに頼ると競合施設との差別化が困難です。費用がかからない反面、「待ちの採用」になりやすい媒体という認識を持ったうえで活用することが重要です。

介護専門の求人媒体(ナビサイト)の活用

介護・福祉に特化した求人サイトは、現在積極的に転職を検討している「顕在的な求職者」に効率よくアプローチできます。介護職に関心のある求職者が集中しているため、一般的な求人サイトよりも応募の質が高くなりやすいのが特徴です。

ただし、同じ媒体を利用する施設が多いため、求人票の内容が横並びになると応募者の目に留まりにくくなります。掲載数が多い媒体ほど競合も多いため、前述の差別化ポイントを求人票に明確に盛り込むことが応募獲得の鍵になります。費用対効果の観点から、掲載期間中の応募数と採用率を定期的にモニタリングすることも大切です。また、掲載順位を上げるためのオプション機能や、スカウト機能を活用することで、求職者への能動的なアプローチも可能です。顕在層へのリーチ力を最大化するには、媒体の機能をフル活用する姿勢が求められます。

人材紹介会社・派遣会社の利用

人材紹介会社は、担当エージェントが自社に合いそうな求職者を紹介してくれる仕組みです。採用が成立した際に支払う成功報酬型が一般的で、即効性が高く短期間で採用につながりやすいのが特徴です。急を要する欠員補充には特に有効な手段です。

一方、採用コストが採用者の年収の20〜35%程度と高額になりやすく、採用活動を紹介会社に依存し続けると固定費化するリスクがあります。また、紹介会社経由の採用は、エージェントに求職者との関係性が依存するため、入社後のミスマッチによる早期離職が起きやすいケースもあります。採用コストと定着率の両面から評価し、自社のメディアと組み合わせた運用が理想的です。

SNS発信(Instagram、Xなど)による採用広報

InstagramやX(旧Twitter)を活用した採用広報は、現在は転職を積極的に検討していない「潜在的な求職者」へのアプローチに効果的です。職場のリアルな日常・スタッフの笑顔・施設のイベント風景を継続的に発信することで、「ここで働いてみたい」という共感を醸成します。

Instagramは介護職に多い30〜40代女性が多く利用しており、施設の雰囲気を視覚的に伝えるのに適した媒体です。フォロワーが増えることで長期的な採用ブランディングにも繋がります。継続的な発信が必要なため中長期での取り組みが前提となりますが、求人広告のような掲載費用が不要な点は大きなメリットです。SNSの発信内容は採用サイトや求人票と一貫したメッセージで統一することで、応募者に与える印象の一体感が生まれます。発信するスタッフのキャラクターや投稿スタイル自体が職場の個性として機能するため、採用ブランドの形成においてSNSは中長期的に価値ある資産となります。

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マッチ度と定着率を高める!自社に合った採用マーケティング戦略とは?

各種求人媒体を活用するだけでなく、「自社の魅力を自社で発信する仕組み」を持つことが、マッチ度の高い採用と定着率向上につながります。採用オウンドメディアやポジショニングメディアは、求人票や紹介会社に依存しない自社主導の採用戦略の中核となる手法です。

ターゲットを絞るイメージ画像

自社専用の「採用オウンドメディア」で魅力を発信

採用オウンドメディアとは、自社が制作・運営する採用情報に特化したWebサイトやコンテンツのことです。求人票には書ききれない施設の理念・スタッフの声・1日の仕事の流れ・育成制度・職場環境の詳細などを自由に発信できます。

採用オウンドメディアの強みは、「この施設の考え方・文化・環境に共感した人が応募する」という理念共感型の採用を実現できる点です。共感して入社した人材は入社後のミスマッチが起きにくく、結果として定着率の向上に直結します。また、一度制作したコンテンツは資産として長期間機能し続けるため、継続的な採用コスト削減にも貢献します。

オウンドメディアを活用した採用(オウンドメディアリクルーティング)の詳細や導入事例については、オウンドメディアリクルーティングとは?導入メリットや事例を解説をご覧ください。

競合と差別化する「ポジショニングメディア」の活用

ポジショニングメディアとは、自社の強みや独自の魅力を特定のターゲット層に向けて訴求するWebメディアです。「介護士 夜勤なし 転職」「介護職 資格取得支援 中小施設」のように、自社に合う人材が検索するキーワードに特化したコンテンツを展開することで、ペルソナに合致した求職者を集客します。

ポジショニングメディアは、地域の競合施設と比較したうえで自社の優位性を際立たせる設計をするため、求職者が「自分に合った施設だ」と納得したうえで応募する仕組みになっています。結果として、採用率と定着率の向上、および採用コストの削減を同時に実現できます。

ポジショニングメディアの設計においては、競合との差を可視化するポジショニングマップの作り方も参考になります。自社のホワイトスペース(競合不在のポジション)を見つけ出すことで、どの層に向けてどんな価値を発信するかの方向性が定まります。

なお、本記事を掲載しているキャククル(shopowner-support.net)は、Zenken株式会社が運営する成約特化型の比較メディアです。ポジショニングメディアの設計・運用をはじめとした採用マーケティング全般のご支援が可能です。

採用コストと運用負荷に見合う手法の選び方

採用手法を評価する際は、「初期費用・掲載費用などの直接コスト」だけでなく、「採用後の定着率を踏まえた中長期的なROI(費用対効果)」で判断することが重要です。

たとえば、人材紹介会社を使って高額な採用コストをかけた人材が1年以内に離職した場合、再採用に同等のコストが再度発生します。一方、採用オウンドメディアへの初期投資が必要だとしても、その後にわたってマッチ度の高い採用が継続されるなら、トータルコストは大きく下がります。短期的なコストの安さだけで手法を選ぶのではなく、定着率も含めた採用の総合コストで比較検討する視点を持ちましょう。

採用手法の選定は、自社の採用規模や施設のフェーズによっても異なります。たとえば新規開設の施設で急いで人員を揃える必要がある場合は人材紹介会社を活用しながら、並行して採用オウンドメディアの整備を進めるという段階的なアプローチが現実的です。「今すぐ採用できる仕組み」と「長期的に応募が続く仕組み」を組み合わせることが、持続可能な採用体制を構築するポイントです。

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採用後のミスマッチを防ぎ、介護士の定着率を上げるポイントとは?

採用は「内定を出したら終わり」ではありません。入社前から入社後にかけての丁寧なフォローアップが、ミスマッチの防止と定着率の向上に直結します。採用コストを無駄にしないためにも、採用後の仕組みづくりが欠かせません。

面接時のすり合わせと施設見学会の実施

面接では、自社の良い面だけでなく、「大変な面・業務の実態」も率直に伝えることが重要です。入社後に現実とのギャップを感じる「リアリティショック」は、早期離職の主要原因のひとつです。業務量・夜勤の頻度・職場のルールなどを事前に正直に説明することで、入社後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐことができます。

また、内定前に実際の職場を見学してもらう「施設見学会」を取り入れることも効果的です。スタッフと直接話す機会を設けることで、求職者は入社後のイメージをより具体的に持てるようになります。見学会での体験が良ければ内定承諾率の向上にも繋がり、逆にミスマッチを事前に発見できれば双方にとっての損失を防ぐことができます。見学会の案内を求人票や採用サイトに明示することで、施設の透明性をアピールする効果もあります。「来てほしい人に、来てほしい理由を正直に伝える」という姿勢が、信頼のある採用ブランドを育てます。

内定辞退を防ぐためのフォローアップ

内定を出してから入社日までの間、求職者は他施設と並行して検討を続けていることが少なくありません。この期間に定期的な連絡・入社前研修の案内・職場への招待などを行うことで、入社意欲を維持し内定辞退を防ぐことができます。

採用担当者からの「入社を楽しみにしています」という一言や、現場スタッフからのメッセージが、求職者の不安を解消し入社への意欲を高める効果があります。内定者フォローは採用コストを守るための重要な施策です。担当者が変わっても対応が途切れないよう、フォローアップの内容・タイミング・担当者を事前に設計し、組織として継続できる仕組みを構築しておきましょう。また、入社前に職場見学や座談会への招待を設けることで、施設への親しみや帰属意識を高める効果も期待できます。

入社後のオンボーディングと育成体制の構築

入社後の最初の数ヶ月は、新人スタッフが職場に定着するかどうかを左右する最も重要な期間です。業務の習得が追いつかず孤立感を感じると、早期離職に繋がります。

メンター制度(先輩スタッフが新入社員を1対1でサポートする仕組み)の導入や、段階的なOJT(職場内研修)の設計が有効です。入社後の一定期間に定期的なチェックイン面談を設けることで、現場担当者が新人の状況を早期に把握し、課題が深刻化する前に対処できます。育成体制が整っていることを求人票でもアピールすることで、応募段階からの安心感にも繋がり、応募者の質と定着率の両方に好影響をもたらします。

まとめ:介護士の採用方法は「自社の魅力の言語化」から始めよう

介護士の採用難は、有効求人倍率が3倍を超える構造的な市場環境に起因しており、従来の「求人票を出して待つ」アプローチだけでは解決が困難です。採用成功の鍵は、「自社が選ばれる理由(バリュープロポジション)を明確にし、それに共感する人材をピンポイントで集める採用マーケティングへの転換」にあります。

本記事で解説したポイントを整理します。

  1. 採用の前提として、有効求人倍率の高い競争市場を認識し、受け身の採用から脱却する
  2. 採用ターゲット(ペルソナ)と自社の強み(バリュープロポジション)を明確に言語化する
  3. 求人票・採用ページで求職者が知りたい情報を具体的・視覚的に発信する
  4. ハローワーク・求人サイト・人材紹介・SNSなど複数の手法を組み合わせ、費用対効果で評価する
  5. 採用オウンドメディアやポジショニングメディアを活用し、マッチ度と定着率を高める自社発信の仕組みを持つ
  6. 入社前後の丁寧なフォローアップで早期離職を防ぎ、育成投資を資産として積み上げる

介護業界の採用は「誰かが来るのを待つ」時代から、「自分たちの魅力を伝えて共感してもらう」時代へと変化しています。その変化に対応できた施設が、安定的な採用と高い定着率を実現しています。まず自社のバリュープロポジションを言語化することから始め、少しずつ採用マーケティングの仕組みを整えていきましょう。

介護士の採用マーケティングに取り組みたい場合や、採用オウンドメディア・ポジショニングメディアの設計・運用を検討している場合は、ぜひZenkenにご相談ください。

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