採用オウンドメディアで失敗しない!重要ポイント・成功事例紹介
最終更新日:2021年08月23日

「求人応募をかけているけれど、求める人材がなかなか集まらない」――そうお悩みではありませんか?
新しい人材を獲得するには、ハローワークやマイナビなどの求人媒体で求職者にアプローチを行うほかに、採用オウンドメディアを通じて行う方法があります。
採用オウンドメディアは自社の描くビジョンや社風などを自由な形式でユーザーに伝えることができるため、求職者はそれらを理解したうえで応募してくれるようになります。
そのため、自社の求める人材とマッチングしやすいというメリットが生まれます。
本記事では、採用オウンドメディアを失敗させない方法を、メリット・デメリットや成功事例をご紹介しながら、解説していきます。
採用オウンドメディアとは?
まず、採用オウンドメディアとは一体何なのでしょうか。
採用オウンドメディアとは、言葉の通り「採用」にスポットライトを当てたオウンドメディアになります。
オウンドメディアは採用活動にも有効
オウンドメディアといえば、オフライン媒体では自社のパンフレットやリーフレットを指し、オンライン媒体では自社サイトやブログなどを意味します。
自社が運営するTwitterやInstagram、Facebook、Youtubeなども、オウンドメディアに該当します。
一般的にはビジネスに用いられるマーケティング用語で、顧客に向けて情報発信する自社の媒体をイメージされる方が多いかもしれません。
しかし、オウンドメディアは商品PRやブランディング以外にも、採用媒体としても活用できるのです。
このように、オウンドメディアを通して企業の情報を求職者に発信することにより、自社の価値観に共感する人材を採用することができます。
また、求人サイトや人材紹介に頼らずに企業が一貫して採用活動を行うことから、採用にかかるコストが抑えられるほか、採用に関する業務内容を画一化することができます。
求人サイトとの違い
マイナビやバイトルなどの求人サイトとの違いは、アプローチの自由さにあります。
求人サイトは、サイトを運営しているメーカーが、メディアと求人情報を保有します。
別途広告などを除いて、基本的にはどの企業の求人情報も公平に掲載するため、掲載期間や文字数、スペース、レイアウトやデザインに制約があります。
一方で採用オウンドメディアは、自社で運営管理をするため、掲載期間や内容などの制限を気にすることなく十分な情報を掲載することができます。
自社の魅力を自由な表現で、最大限にアピールすることができるのです。
採用オウンドメディアが注目される背景とは?
近年、採用オウンドメディアを取り入れる企業が増えています。
採用オウンドメディアが注目を集める理由と、採用オウンドメディアを活用するメリット・デメリットについてご紹介します。
採用オウンドメディアが注目される3つの理由
採用オウンドメディアが注目される理由は、
- 優秀な人材の獲得が難しくなっている
- 労働に対する価値観が多様化している
- 仕事探しに関する情報収集の方法が多様化している
以上の3つが主に挙げられます。
優秀な人材の獲得が難しくなっている
近年では少子高齢化が進んでおり、自社で活動してもらえる優秀な人材を獲得することがますます難しくなっています。
そのような状況の中、自社の認知度を上げたり、転職を希望する潜在層にアピールしたりするなど、自社に応募するために入り口を広げる必要があります。
求人サイトや人材紹介などは、それらに登録している求職者にしかアプローチができませんが、採用オウンドメディアはそういった制限はありません。
広範囲の求職者へアピールできるため、自社を見つけてもらいやすくなります。
また、専門知識を持った優秀な人材は、一般に広く知られるようなキーワードではなく専門的でマニアックなキーワードで検索して、仕事探しのための情報収集をします。
そのため、専門的なキーワードを盛り込んだ採用オウンドメディアを運用することで、優秀な人材を獲得できる可能性が高くなるのです。
労働に対する価値観が多様化している
ライフ・ワーク・バランスが重要視されるようになったことに加え、新型コロナウィルスの影響でリモートワークが推進されるなど、働き方は多様化しています。
労働に対する考え方は「お金を稼ぐため」「生活の安定のため」以外にも、様々な価値観が生まれるようになりました。
このように目まぐるしく変化する現状の中で、求職者は「自分の価値観に沿った働き方をすること」を重要視するようになっています。
そのため、「企業の価値やビジョンに共感することができるのか?」「この企業に、一緒に働きたいと思う仲間がいるのか?」など、これまでとは異なった価値観に対応するための手法が必要になっています。
仕事探しに関する情報収集の方法が多様化している
スマートフォンの急速な普及により、世界に広がる情報へのアクセスが簡単にできるようになりました。
ユーザーは常に膨大な量の情報に晒されており、情報収集の際は自分にとって必要な情報と、そうでない情報を無意識に選別するリテラシーが、年代を問わず高まっています。
求職活動においてもそれは同様で、働きたいと思える企業を探すために、ユーザーは様々なキーワードで検索を行い、情報を精査します。
このような求職者に対して、飽和状態にある情報の中から自社を「見つけてもらう」「知ってもらう」、ひいては「選んでもらう」ためには、採用オウンドメディアを活用するなどの工夫が必要になっています。
採用オウンドメディアの4つのメリット
採用オウンドメディアのメリットをご紹介します。
メリット1:求職者とのミスマッチを減らすことができる
採用オウンドメディアでは、自社の思想やポリシー、社風などの大切な情報を求人サイトよりも自由にアピールすることができます。
そのため、求職者に対して内容の濃い情報を提示することができ、自社の価値観や必要なスキルを持った人材の採用確率が上がります。
また、社内の詳細をあらかじめ知っておいてもらうことで、ギャップを感じて早期離職に繋がるのを防ぐ効果があります。
メリット2:企業のポリシーや社風を自由な形で伝えられる
採用オウンドメディアでは、様々な部署の社員のインタビューや定期的な社内イベントのレポート、社内風景の写真など、アピールしたいコンテンツを自由に制作できます。
求人媒体には、掲載できる文字数や写真の数、レイアウトに制限があるのが一般的です。
限られた枠の中で、伝えたいことを絞って伝える必要があるため、効率よく人材を募集できる代わりに、他社との差別化が難しくなります。
しかし採用オウンドメディアでは、社員のコラムや社内イベントレポート、社内風景の動画など、枠にとらわれず自由な形で発信できるのです。
採用とは直接関係のないコンテンツを発信して、ユーザーに楽しんでもらい、多様な価値観を持つ求職者にアプローチできるといった利点があります。
メリット3:潜在的にニーズのある層につながりを持つことができる
採用オウンドメディアは発信するコンテンツによっては、現段階で求職活動をしている求職者以外のユーザーを集めることも出来ます。
求人サイトは一般的に求職中の人しか見ないため、潜在的なニーズのある層、すなわち漠然と転職を検討している人材にアプローチできません。
しかし、採用オウンドメディアでは、商品やサービス、業界の専門用語、業種や働き方などでSEO対策を行うことで、潜在的ニーズがあり会社の価値観とフィットする人材にリーチできます。
採用オウンドメディアはコンテンツの作り方次第で、これまでに共通点を見いだせなかった他の業種からの人材も獲得できる可能性があるのです。
メリット4:長期的なコスト削減につながり、資産化できる
採用オウンドメディアを一定期間運営し、サイトを訪れるユーザーを分析すれば、アクセスを集めているコンテンツや、応募に繋がりやすいコンテンツがおのずと見えてきます。
その浮き彫りになったニーズに沿ってコンテンツの改善を繰り返すことで、応募数を増やし、採用の制度を上げることが可能になります。
PDCAサイクルを繰り返した採用オウンドメディアは、採用手法のひとつとして有効です。
また、求人サイトは広告と同様に、出稿したタイミングで反応が得られるものですが、採用オウンドメディアを有効活用すれば、長期的に継続して応募を集めることができます。
結果、採用オウンドメディア自体を資産化することができ、長期的に見るとコストの削減に繋がるでしょう。
採用オウンドメディアの2つのデメリット
次に、採用オウンドメディアのデメリットをご紹介します。
デメリット1:オウンドメディアとして機能するようになるまで時間がかかる
自社の採用オウンドメディアが、狙ったキーワードで検索結果の上位に表示されるようになるまでには、SEO対策を行っていても数ヶ月の期間がかかります。
そのため、担当者だけでなく、社内全体で「採用オウンドメディアが十分に機能するようになるまではある程度の時間がかかる」と共通認識を持つ必要があります。
すぐに結果が出ないから止めてしまったとなれば、それまでに費やした労力やコストが無駄になってしまいます。
採用オウンドメディアの運用には、腰を据えて取り組まないといけません。
デメリット2:作業量が多い
採用オウンドメディアを活用しようとなると、求人サイトへの掲載に比べて大きく作業量が増えるのは否めません。
サーバーの準備やサイト構築、デザイン、文章の執筆など、多くの作業が必要になります。
また、作ってしまえばそれで終わりというわけではなく、常にコンテンツを更新して充実させていかなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。
多くの工程が必要になるため、他の業務の片手間に採用オウンドメディアを運営するのは難しく、それだけ人件費がかかります。
採用オウンドメディアを制作するときのポイント
採用オウンドメディアを制作するにあたっては、
- コーポレートアイデンティティの構築
- 企業ミッションや企業ビジョンを軸にしたコンテンツの制作
- 採用オウンドメディアの運用の継続
などがポイントとして挙げられます。
この3つのポイントについて、詳しく解説します。
ポイント1:コーポレートアイデンティティを構築する
採用オウンドメディアの軸となるのが、「コーポレートアイデンティティ」と呼ばれるものです。企業によっては、「ミッション・ビジョン」や「企業理念」と表されるものです。
採用オウンドメディアにおいても、事業と同じく企業の存在意義や独自性にもとづいてコンテンツを制作することが、採用・企業ブランド力の向上のために大切です。
すでに企業のコーポレートアイデンティティが確立されているのであれば問題ありませんが、自社のアイデンティティが曖昧であったり、古くなっていたりする場合は、是非そこから考えてみましょう。
最初に方向性を定めて一本軸を据えておかなければ、方向性がぶれてしまったり、伝えたいことが伝わらないという失敗につながる可能性があります。
ポイント2:企業ミッションや企業ビジョンを軸にしたコンテンツを制作する
コーポレートアイデンティティが定まったら、サイトの全体像と各コンテンツを設計し、制作していきましょう。
採用オウンドメディアのメインとなるコンセプトやキャッチコピーは、企業ミッション(企業が果たすべき使命)や、企業ビジョン(企業として実現したい未来、目標)から抽出しましょう。
ポイント3:採用オウンドメディアの運用を継続する
採用オウンドメディアは長期戦になります。
時間をかけてコンテンツを充実させていくことが肝要になりますので、目安としては月に4本以上の記事、すなわち週に1本以上のペースでコラムやブログなどを更新していくと良いでしょう。
その他、運用の具体的なコツとしては、
- 記事内に対策キーワードを多くちりばめる
- 画像や図・グラフなどパっと見でわかりやすくする
- ユーザーに閲覧してもらいやすい時間に投稿する
- 親しみや人となりを感じさせる表現を心がける
などが挙げられます。
コンテンツ自体の質を高めることを意識して、ユーザーが120%満足できるよう潜在ニーズまでじっくり考えて制作することが大切です。
可能であれば、採用オウンドメディアを運営する専門のチームを社内で立ち上げることが望ましいです。
採用オウンドメディアの費用相場
採用オウンドメディアは、自前であれば費用はかかりませんが、膨大な時間と労力がかかります。
外部に制作を発注するのも、一つの手と考えてみると良いでしょう。
オウンドメディアの相場は、依頼範囲によって費用が変わります。制作内容の一例を、目安の価格帯別にご紹介します。
ただし見ていただくとわかりますが、かなりの価格帯の幅が大きいため、正確な費用感は自社のやりたいことや目的、依頼したい内容などを明確にして相談してみないとわかりません。
外注を進めたいと考える際には、ある程度目安を把握した上でまずは問い合わせしてみることをおすすめします。
初期費用が無料~20万円以下
とにかく低コストでオウンドメディアを作りたい、予算をかけずライトに初めてみたい企業向けです。
Wordpressなどの無料CMSを利用するオウンドメディアがほとんどで、既存のテンプレートデザインに落とし込んだものになります。
そのため、オウンドメディアに掲載する記事や写真などはすべて自社で用意する形になります。
制作期間はおおむね1週間~1ヶ月程度で、運用費の目安は無料~月額1万円程度になります。
初期費用が20万円~100万円
オリジナルのデザインでオウンドメディアを作りたい場合の相場です。
こちらも既存のCMSを利用したオウンドメディアがほとんどですが、デザインをオリジナルで制作してくれる会社が多いです。
記事の投稿以外にも資料ダウンロードの機能などをつけてくれる場合があります。
制作期間はおおむね1ヶ月~2ヵ月程度で、運用費の目安は月額1万円~5万円程度になります。
初期費用が100万円~300万円
採用に特化した本格的なオウンドメディアを立ち上げたい企業向けです。
オウンドメディアにおいて、もっとも多いのがこの価格帯になります。
狙いたいターゲットやキーワードなどの事前調査にもとづき、コンテンツの戦略的な設計、SEOに最適なサイトへのカスタマイズを行ってくれます。
制作期間はおおむね2ヶ月~4ヵ月程度、運用費の目安は月額5万円~40万円程度になります。
初期費用が300万円以上
すでに稼働しているオウンドメディアをリニューアルしたい企業向けで、自社専用のCMSを開発したい場合などは300万円を超える可能性がでてきます。
総合的な手厚いサポートや、CMSのフルカスタマイズを依頼できます。
制作期間はおおむね3ヶ月~6ヵ月程度、運用費の目安は月額20万~50万円程度になります。
採用オウンドメディアの成功事例
採用オウンドメディアの運営で成功しているといえる各社の事例をご紹介します。
サイボウズ式/サイボウズ株式会社
引用元:サイボウズ式公式サイト(https://cybozushiki.cybozu.co.jp/)
働き方のテーマを多様な角度から発信していて、それらをポップな漫画やイラストで分かりやすく説明しています。
キャッチ―なタイトルやキーワードが散りばめられており、ついついクリックしてしまいたくなる工夫が各所に施されています。
OnLINE/LINE株式会社
引用元:OnLINE公式サイト(https://line-online.me/)
メッセージアプリとして広く知られるLINEの採用オウンドメディアは、慣れ親しんだグリーンのカラーに彩られたトップページから、社内トレーニングや専門職の内容などのコンテンツを見ることができます。
社風や取り組みなどを真面目に伝えていて、求職者にとっても信頼性の高いサイトとなっています。
フルスイング/株式会社ディー・エヌ・エー
引用元:フルスイング公式サイト(https://fullswing.dena.com/)
トップのメニューには「PEOPLE」「CULTURE」の2つだけを表示しており、伝えたいことをシンプルに大別。。
また、野球の専門用語が至るところに散りばめられており、野球好きな人にとってはディー・エヌ・エーをより身近なものに感じられます。
更新頻度も高く、常に新しい情報を発信しています。
採用オウンドメディアで差別化
採用オウンドメディアの運用は、企業のブランディングにもつながります。
どのような企業であるとイメージしてもらいたいか、企業独自のコンセプトや想いなどを明確に示すことが、他社との差別化につながります。
他社と比べた時に明確なビジョンやポリシーがあり、ブランディングされた企業は、求職者、とくに同業他社への転職を考えている人などが選ぶ理由になりやすいでしょう。
いかに差別化ポイントを見つけるかが課題となりますが、「バリュープロポジション」という考え方があります。
バリュープロポジションとは
バリュープロポジションとは、日本語で「提案できる価値」という意味を持ちます。
- ターゲットユーザー(求職者)が求めている
- 自社の理念やビジョン、価値観がニーズに合致する
- 他社が提供できていない価値がある
以上の条件を満たすものが、採用オウンドメディアにおける良いバリュープロポジションであると言えます。
社会、または働く人に対してどのような価値を提供しているかという視点で、採用オウンドメディアを通じて自社のどういった価値を伝えるかを整理してみることが大切です。
まとめ:採用オウンドメディアを活用しよう
求人サイトよりも自社の魅力をよりディープに伝えられる採用オウンドメディアは、求職者の潜在的なニーズに訴求することができます。
インターネット上には膨大な情報が溢れ、働く価値観も多様化している現代では、自社の理念や働く環境をより詳しくつたえることが差別化につながります。
さらに企業理念やバリューに加えて、ユーザーにとってより身近で伝わりやすいコンテンツを発信していくことが、発信の自由度の高い採用オウンドメディアの特徴を最大限に活かし、成功に近づいていくでしょう。
- 採用戦略にオウンドメディアを活用したい
- 自社の差別化やブランディングに通じる戦略が知りたい
という方は、ぜひ全研本社にご相談ください。
業界を問わず7,000件以上のWeb集客支援実績があり、クライアントのバリュープロポジション分析やマーケティング戦略の提案を得意としています。
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ご相談をご希望される際は、以下のページよりお問い合わせください。
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