動物園の集客は成功事例の分析からヒントを得る

動物園の集客は成功事例の分析からヒントを得る
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動物園集客の成功事例を分析して集客のヒントを得よう

いまはコロナ対策で人数制限や三密回避など神経を使うことも少なくありませんが、動物園で気分転換をしたいと考える大人も多く、客足は戻ってきています。

それでもまだまだこの先は見えませんし、集客に不安を抱えている動物園もあるかと思います。

さて、集客に成功している動物園と聞いて、あなたならどのような動物園を思い浮かべるでしょうか?集客に成功し、現在その知名度は全国規模となった旭山動物園を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。

旭山動物園は現在では動物園の象徴的存在と言えるほど、多くの来園者を獲得しています。
しかし1994年には、閉園の危機に陥るほどだったことはあまりにも有名な話です。

旭山動物園は最初から現在のような成功した姿だったのではなく、試行錯誤の結果今の状況があるのです。

旭山動物園が着目したのは動物たちの「行動展示」

動物園と聞くと、檻に入った動物を思い浮かべる方がほとんど。もちろん檻の中でも動物の様子を垣間見ることはできますが、旭山動物園はより動物らしい行動を展示することにこだわったのです。

図鑑ではわからない動物のリアルを発信する

それまでの動物園は、まるで図鑑を読んでいるかのような解説文や動物の様子を見せることに尽力していました。

しかし経営の危機に陥った旭山動物園ではその思考を一度捨て、来園者が動物に親しみをもてるような日常の姿を引き出すために、最も動物をと接している飼育員の目線を大切にすることにしたのです。

旭山動物園成功の秘訣は「飼育員目線」

飼育員は日々、動物の様子を細かくチェックしています。その中で垣間見える仕草は図鑑に載っているような内容ではありません。動物に対して人間が持つイメージ通りの動物や、実態は全く異なる動物など様々です。

本来の動物園は動物のありのままの姿を見せることが大切だという思考の元に、小動物と触れ合うことができる施設を皮切りに施設を増やしてきました。

動物の近くで接している飼育員の意見に耳を傾け、事業化を図ったことで、来園者に喜ばれるコンテンツが完成していったのです。

行動展示が集客につながったわけとは?

シロクマ親子

動物の特性は、このご時世検索すれば出てくるでしょう。しかし文章では表現しきれない魅力が動物にはあります。

その魅力を最も知る飼育員が書いた手書きのPOPは、かえって人々の興味を引き立てたほか、本来の動物の生態に即した姿を展示することで、動物に親しみを感じる来園者が増えたのです。

行動展示は実物やPOPに留まらず、音声やパンフレットを駆使して、様々な角度から来園者に伝え、来園を促す仕組みをつくったのです。

かみね動物園はなぜ「パンダ招致」を決めたのか

日立市神峰公園内にあるかみね動物園は、地元のランドマークです。しかし全国的な知名度は決して高い動物園とは言えません。そんなかみね動物園を一気に全国区に押し上げたニュースが、「独自にパンダを誘致する」というものでした。

実際に実現可能なのか?

パンダを誘致するためには、直接、中国野生動物保護協会へ要望を出したり、パンダ研究センターを視察するなど、様々なアクションを取る必要があります。

かみね動物園は公立の動物園であり、予算が高いとは言えません。また、実際にパンダを誘致するとなると問題は山積みです。

しかし必ず不可能であるという要素はなく、あくまでもスタート時は白紙の状態なのです。そのため、まずは声に出し発信してみるということは、非常に大きな意味を持ちます。

パンダが来園のきっかけに

まず存在を知ってもらわなければ、動物園に足を踏み入れることはありません。その観点に立てば、かみね動物園が全国に知れ渡る絶好の機会だということができます。

パンダはいなくとも絶滅危惧種のクロサイやチンパンジーの繁殖に成功するなど、実績は豊富です。しかし知名度が高くない動物園であれば、ニュースとしても取り上げられにくいのです。

パンダという子供たちの夢の動物をきっかけに、かみね動物園は認知度を高めることで、多くの来園者を獲得することに成功したのです。

動物園の集客で大事なのは広報・PR活動

集客・売上アップ

かみね動物園は積極的な情報発信があった

パンダ誘致も、かみね動物園の知名度ではニュースにならなかったかもしれません。しかしメディアに取り上げてもらえるように、プレスリリースなどで世の中へ情報発信をすることをかみね動物園は怠りませんでした。

どんなに素晴らしい活動でも、それだけでは集客には繋がりません。継続的に情報発信をしていくことが大切なのです。

協賛制度の確立

一方で、予算が限られた中の広報活動には限界があります。その限界を突破する試みとして、一般人から協賛金を募る「メンバーシップ制度」を確立したのは、横浜の3動物園です。

ただ協賛金を支払ってもらうのではなく、動物園内で行われる活動に参加できる機会を設けたり、動物の遊具改善などに活用されることから、協賛した側にもメリットがあると言えます。

動物園への集客を確実にUPさせるポイント

広報活動を展開したり、予算を手に入れたとしても、ポイントを押さえておかなければ動物園への集客は成功しません。成功させるためのコツをご紹介します。

この動物園にしかない「何か」をつくる

ここにしかいない動物、ここにしかない動物とのふれあい方など、他の動物園と違うことはおおきな差別化ポイントになります。同時にこの動物園でしかできない「何か」が来園の目的となることもあるのです。

独自性は、一見全てが同じように見える動物園の中で重要なポイントです。しかしこのポイントを見つけるだけではなく、他にも検討すべきポイントが幾つかあります。

動物園のテーマをお客様に伝える

動物園にはそれぞれテーマがあります。「ふれあい」をコンセプトにしている動物園、カップルでデートをすることに適した動物園、「生態」が伝わりやすい動物園など、そのパターンは様々です。

これらのコンセプトは、日頃動物園で働いている人にとっては当たり前かもしれませんが、このコンセプトそのものが差別化になっている場合があります。

今一度動物園のコンセプトを見直し、発信してみてはいかがでしょうか。

飼育員のタレント性を育てる

飼育員は誰もが動物の専門家です。動物愛が一般人より強い場合がほとんどですが、中でも個性的なキャラクターを持っている飼育員はいませんか?

誰よりも動物を観察しているということがひとつの個性になり得るだけでなく、最も動物に近しい存在として、世の中の疑問を実験をしながら解決することを目指す飼育員という建付けでもいいでしょう。

面白い、詳しい飼育員は来園者にとって大きな魅力です。
「どの飼育員も詳しいから…」ではなく、それぞれの飼育員の特性を活かす工夫を凝らしてみても良いです。

動物園園長のブランド化

飼育員よりも、さらにブランディングしやすいのは園長です。
誰よりも動物に詳しい存在としてブランド化することができれば、園長に会いに来るというコンテンツにもなり得ます。

ムツゴロウさんのように個性を際立たせる方法もありますが、「動物園の経営に詳しい」「動物の様子に詳しい」など、その切り口は様々です。
コンセプトやターゲットに見合う内容を検討してみてはいかがでしょうか。

動物ふれあい広場を充実させる

大人も子供も人気のコンテンツと言えば、ふれあい広場ではないでしょうか。実際に動物に触れるというコンテンツは、他では体験しにくいため人気コンテンツになり得ます。

小動物が多く登場することからも、他の動物よりも飼育の負担が低い場合が多いです。ふれあい広場を充実させるだけで、多くの来園が見込めるかもしれません。

動物園イベントやシーズン企画をユニークなものにする

動物園にとってイベントは一大コンテンツです。

季節に合わせた内容はもちろんですが、動物の生態の特徴に合わせたイベントを組むことができると効果的でしょう。

旭山動物園のペンギン歩行のように、時間や季節など、特別感があるものが好まれやすいです。

Webで動物園の独自性・特徴・地域性を発信する

Webは動物園の魅力をより広域に発信することが可能です。
動物園は近郊のエリアから集客しかできないと思っていませんか?インターネットが盛んな現代では、情報さえ届けることができれば、遠くても魅力と比例して来園者が増えるのです。

動物園には時期として、どうしても閑散期が生まれます。そこで閑散期はもちろん、繁忙期にさらなる集客を行うために、以下のような手段にトライしている動物園が、たくさんあるはずです。

公式サイトをPRの場にする

公式サイトを更新しない動物園はありませんし、イベントや行事もコロナ対応で変更になることもあるので、掲示板的に活用しているケースも多くあります。ただ、公式ホームページは広告として活用すべきです。
PRの場として自分たちの場所があるのは非常に有効ですが、指名検索だけが流入経路という場合は、SEO対策のキーワードを絞り込み、潜在顧客も獲得できるようにしましょう。

園長・飼育員のブログ発信

最近はテレビなどで動物の赤ちゃんが誕生したというニュースを見ますが、園長やスタッフの発信するブログも広報ツールになります。とくに最近では、動画による発信が当たり前になっているので、まだ挑戦していない園はすぐにでもトライすべきと考えます。

SNSで集客

季節や天候に応じたリアルな動物の様子を配信する手段として、SNSが非常に効果的です。
実際に動物園を訪れた家族の写真などを掲載することで、来園のハードルが下がるなどの効果を見込むことができます。

動画で集客

可愛い動物は写真でも十分アピールできますが、動画の方がその魅力は伝わりやすくなります。
動画撮影・配信などを積極的に行うことで、新たな来園者獲得が狙えます。

お客様の口コミを活かす

口コミを見て来園する、というケースはたくさんあります。Googleマイビジネスなどの無料ツールを活用して、なるべく多くの口コミを獲得するようにします。さらにそうした口コミを、動物園の公式サイトでも紹介するようにしましょう。
ひとが投稿しているものを見て、「わたしも投稿してみよう」と人は思うものです。

エリア戦略を立てて集客する

エリアでの戦略を立てるためには、競合調査やマーケティング戦略、SEO施策などのノウハウが不可欠です。しかしこれらは第三者目線を含めて適切に分析を行わない限り、集客を実現することが難しく、知識が必要となってきます。

忙しい合間にWeb施策の時間を確保するのはなかなか大変です。集客戦略を立てる前に、まずマーケット分析から始めなければなりません。

集客に課題を感じている、いいWeb施策を探している、という場合はぜひ、キャククルまでお悩みをお寄せください。

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