ベンチャー企業の採用戦略の課題と成功のためのポイントを解説

ベンチャー企業の採用戦略の課題と成功のためのポイントを解説
share
Facebook Twitter はてなブックマーク Pinterest

ベンチャー企業の採用課題とは

大手企業と違い、少数精鋭で事業を展開していくベンチャー企業では、社員ひとりひとりが「自走」できる、優秀な人材であることが重要です。しかし、このような優秀な人材はどの企業でも引く手あまたであり、採用は極めて困難といえます。

大手志向の高い日本においては、どうしても大手企業に優秀な人材が流れやすいのも事実です。このような採用市場の中で、ベンチャー企業が採用を行っていく際に課題となるのは以下のような点です。

知名度が低い

ベンチャー企業の多くは、設立が間もない企業やスモールビジネスを展開している企業です。そのため大手企業に比べ、知名度の低さは否めません。大手志向が強い傾向にあるため、求人を出しても大手企業に人材が流れやすいのが現状です。

教育体制が整っていない

ベンチャー企業では、社員1人あたりが担うタスクが多いため、採用者の教育が兼任となってしまいがちです。採用者の教育が行き届かなければ、会社自体の成長速度の低下を招く可能性があります。

人的リソースの不足から、貴重な人材を採用したにも関わらず、十分に活躍させきれていないベンチャー企業は少なくありません。

採用活動にかける時間や労力が不足している

一部の大手ベンチャー企業を除けば、人手不足に悩まされているベンチャー企業が多いようです。そのため、採用活動にかける時間や労力も必然的に不足あるいは手薄になってしまいます。

採用活動がスムーズに進まない、フォローが少ないなどがきっかけとなり、せっかく内定までこぎつけても、内定者の気持ちが離れ、競合他社(主に大手企業)に流れてしまうケースもあるようです。

砂時計の写真

ベンチャー企業の採用戦略のポイント

ベンチャー企業ゆえの採用課題を踏まえたうえで、自社が必要とする人材を獲得するためには、どのような採用戦略を立案すればよいのでしょうか。ベンチャー企業の採用戦略ポイントには、以下のようなものが挙げられます。

最適な採用手法を駆使した母集団形成の工夫

ベンチャー企業が、必要とする人材を獲得するには、まず、ターゲット層の母集団を形成する必要があります。より多くの母数を集めることができれば、必要とする人材に出会う可能性が高まるわけです。

しかし、知名度の低いベンチャー企業が一般的な大手求人媒体・メディアに求人を出しても、大手企業やその他多数の競合の求人情報に埋もれてしまい、適切な採用手法とはいえません。

知名度や数がネックとなるのであれば、あえて大手企業や競合他社と同じ採用手法で戦う必要はありません。自社ならではの良さや価値といった差別化ポイントを押し出せるような採用手法を工夫することで、母集団形成の効率化が期待できます。

採用ペルソナの設計とニーズの把握

少数精鋭だからこそ、ベンチャー企業の採用戦略におけるペルソナ設計は、妥協することなく自社が求める人材を追求しましょう。採用ペルソナが設計できたら、ペルソナのニーズに対して訴求できるポイントを「具体的」かつ「説得力」のある表現でまとめるのがコツです。

昨今は、共感採用志向が高まっているため、採用候補者の多くが、企業ビジョンや事業価値への共感性を重視しています。そのため、給与や職場環境、教育体制などが強く訴求できなくても、経営者や社員たちが自社の企業ビジョンや事業価値に誇りを持ち、その想いを採用候補者に伝えることができれば、有利に採用活動を進められるかもしれません。

砂時計の写真

採用ブランディングによる知名度の向上

採用ブランディングでは、求職者本人だけでなく、周りを取り巻く関係者が感じる「企業価値」「その企業で働くイメージ」をポジティブなものにすることがポイントとなります。

採用ブランディングのコツは、自社ホームページやSNSを活用し、企業の想いや、理想の社員像、事業価値などの具体的な情報を、統一感をもって発信することです。統一感のある情報を継続して発信していくことで、自社の認知を高めることができます。

「目立つ」採用戦略で差別化を図る

優秀な人材を確保するため、採用戦略には各社さまざまな工夫を取り入れています。採用戦略は、自社の採用スタンスに適したものであるという前提がありますが、それを踏まえたうえで、自社ならではの「目立つ」採用戦略で差別化を図るのも効果的かもしれません。

目新しい採用方法・選考方法は求職者の注目を集め、通常の方法では接点がなかった人材に出会うチャンスとなるでしょう。これは、スピード性、イノベーション性、柔軟性のあるベンチャー企業だからこそできる方法です。

「目立つ」採用戦略の一例に、テクノロジーベンチャー企業「チームラボ」の「卒業制作・卒業論文採用」があります。これは、デザイナーやエンジニアの採用で行った採用方法です。「大学での活動に全力を注いでいる学生」というターゲットに訴求しています。

ほかにも、「インフルエンサー採用」「海外出張同行インターン」「スクショ採用」など、自社の事業領域と連携させた、さまざまな「目立つ」採用戦略が行われているようです。

砂時計の写真

バリュープロポジションの整理とアピール

知名度こそ低いベンチャー企業ですが、大手企業に比べると成長性や柔軟性があり、オンリーワンの強みや価値を持っている企業が数多く存在します。自社だけがもっている強みや価値でニーズを満たす「バリュープロポジション」を明確化し、採用の武器としてアピールすれば、求職者の興味や関心を惹きつけることができます。

自社がどのようなバリュープロポジションを持っていて、どのような求職者ニーズに応えられるかを、各種媒体・メディアを活用しながら、積極的に発信していきましょう。

社員一丸となって求職者を惹きつける採用活動

ベンチャー企業の採用活動は、限られた人的リソースの中で進めていかなければならないケースが多いため、採用広報や選考フローには、現場の社員にも関わってもらう必要があります。

実際、自分のタスクを抱えながら採用活動に関わっていくことは、なかなか難しいことです。しかし、自分たちが当事者となり、採用を行ったという事実は、将来的なマネジメントや企業文化・雰囲気にもプラス要因となります。

さらに、採用候補者の体験価値を考えた場合、選考時に接した社員の姿勢や行動、言動は大変貴重なものといえるでしょう。このような観点から、忙しいベンチャー企業だからこそ、社員一丸となっての採用活動が必要というわけです。

砂時計の写真

ベンチャー企業の採用に役立つマーケティング手法

ベンチャー企業の採用に役立つマーケティング手法は、大手求人媒体・メディアのようなマス的なものではなく、よりターゲットを絞り込んで、企業側から攻めていくパーソナル的なマーケティング手法が適しています。

ベンチャー企業の採用活動におすすめのマーケティング手法は、以下のようなものです。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、自社で活躍してくれそうな人材に対して、求人企業側が直接アプローチしていく採用マーケティング手法です。そのため、求人サイトや紹介会社経由では出会えないような、より自社にマッチした人材を見つけ出すことが期待できます。

また、ダイレクトリクルーティングサービスのデータベースには「将来的に転職を考えている」潜在的な人材の登録も少なくないようです。こうした人材にも自社を認知してもらえることは、先々、より優秀な人材の採用を成功させるために有効といえるでしょう。

ソーシャルリクルーティング

ソーシャルリクルーティングは、ダイレクトリクルーティングの一種です。専用のリクルーティングツールではなく、広く使われているFacebookやTwitterなどのSNSを活用し、情報発信や採用を行います。

SNSは、誰でも無料で利用できるので、採用コストを抑えられるのがメリットです。投稿の求職者だけでない、一般的なユーザーへの露出は認知度向上やブランディングにもつながります。コミュニケーションを継続的かつ適切なタイミングで行う、コミュニケーションスキルの高い担当者を配置するなどが、ソーシャルリクルーティング成功のポイントです。

砂時計の写真

リファラル採用

リファラル採用は、自社で活躍している社員がリクルーターとなって、マッチしそうな人材を紹介する採用マーケティング手法です。

実際に働いている社員が、職場の雰囲気や会社の魅力などを伝え、その内容に共感した人材を採用します。現場を知っている社員の紹介のため、紹介を受けた側と採用側でのイメージや条件の不一致が起こりにくく、離職率が低いメリットがあります。

社員の紹介なので、採用コストはかかりませんが、紹介してくれた社員にインセンティブを支給する企業が多いようです。

ミートアップ

ミートアップは、Web上で共通の趣味や話題をもつ仲間を集め、オフラインで会うためのプラットフォームです。採用マーケティングにおいては、求職者を自社に招き、社員との交流やオフィス見学などをとおして、気になる人材にアプローチする形で応用されている手法です。

確実な採用につながる手法ではありませんが、今すぐ採用とならずとも、自社の理念や雰囲気などを理解してもらえるため、ブランディング効果が期待できます。中長期的スパンでの採用マーケティング手法としても期待できるでしょう。

採用オウンドメディア

採用オウンドメディアは、自社で所有・運用している求職者向けメディアなどを指します。大手求人サイトやハローワークなどに求人と違って内容やボリューム、掲載期限などに制限がないため、自社が発信したい情報を、採用戦略に基づいて自由に発信することができます。

企業のいわゆる「採用サイト」は採用オウンドメディアの最も典型的な形式です。一方、近年は自社の活動・イベント・社員などを記事形式で伝える「ブログ型」採用オウンドメディアも増えています。それ以外には自社のユーチューブチャネルなどが考えられます。

求職者の多くが、求人サイトで求人情報を調べた後、興味を持った企業のオウンドメディアにアクセスする傾向があるようです。そのため、自社の業務内容や企業ポリシー、職場環境など、求職者が知りたいと思っている情報をオウンドメディアに掲載し、積極的に伝えていくことで、より自社にマッチした人材を採用できる可能性が高まります。

砂時計の写真

ベンチャー企業ならではの魅力で採用ブランディングを

大手企業に比べ、知名度やリソース面などにおいて採用弱者となることの多いベンチャー企業が、採用を成功させるためのポイントは「採用ブランディング」にあるといえます。

大手企業やその他の競合他社と自社の差別化ポイントが把握できているか、自社にしかない強みや魅力を求職者にアピールできているかという「バリュープロポジションの明確化」が重要です。

成長性、柔軟性、スピード性、イノベーション性など、ベンチャー企業には大手企業にはない魅力がたくさんあります。こうした魅力を、どうすれば欲しい人材のニーズにマッチさせていけるかどうかを整理してみましょう。

Zenkenでは、120以上の業界での実績をもとに、Web集客ソリューションを提供しています。自社のバリュープロポジションを活かした採用戦略をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

Web採用マーケティングに関する
ご相談はこちら

ページトップへ