【中小企業の経営戦略】考え方・事例・課題まとめ

【中小企業の経営戦略】考え方・事例・課題まとめ
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本記事では、中小企業における経営戦略のポイントや実際の事例、向かうべき課題についてまとめています。

少子高齢化に伴う人口減少やグローバル化が叫ばれるなか、2019年に到来した新型コロナウイルス感染症のパンデミックは世界的な脅威となりました。その後、収束に向かっているものの、国内の中小企業を取り巻く経営環境はいまだ険しく、さまざまな業界で厳しい状況が続いています。

予測不可能な時代で生き残るためには、基本的な経営戦略を見直すことが大切です。ポイントを押さえて、着実に売り上げを伸ばせる仕組みを作りましょう。

中小企業の経営戦略のポイント

ポイント

経営戦略は会社の方向性や今後の方針を支える土台となります。戦略次第では会社の将来をも左右する重要な部分です。

アメリカの経済学者マイケル・ポーターは、企業が競争力を担保するための戦略を下記の3つに分類しました。

  • コストリーダーシップ戦略
  • 差別化戦略
  • 集中戦略

これら3つの基本的な経営戦略を解説とともに振り返り、見直すべき部分はないか、力を入れて取り組むべき項目は何かを考えていきましょう。

コストリーダーシップ戦略

コストリーダーシップ戦略のイメージ画像

コストリーダーシップ戦略とは、事業コストを他社よりも下回る水準に引き下げることによって優位性を確立する経営戦略です。
つまり、競合他社よりも安い価格帯で商品・サービスを提供する、または原価をおさえて利益率を増大させることを指します。

他社と同品質または以上の商品・サービスを安い価格で提供するには、材料原価や人件費、固定費などのさまざまなコストを削減する必要があります。生産工程の効率化や直接仕入れを行うなどの工夫もできるでしょう。

しかし、一定品質の商品をつくるとなるとコスト削減にも限界があります。そもそも市場と商品(サービス)価格が見合っているか、ニーズに沿った品質の商品を提供できるかを見極めなくてはなりません。

価格設定:市場とのバランスを見極める

コストリーダーシップ戦略では特に商品・サービスの価格と受給のバランスを考えた価格設定が大切です。

例えば自社の商品・サービスの品質に魅力を感じるユーザーをターゲットとしているのであれば、価格を低く見積もる必要はありません。逆に、親しみやすさや割安さを売りにしているのであれば、価格を低く設定する必要があるでしょう。

自社の商品・サービスを見極め、価値や市場でのポジションを意識しながらユーザーに応えていきましょう。

差別化戦略

差別化のイメージ画像

自社と他社の違いを明確にすることによって競争での優位性を築く経営戦略です。

中小企業は大企業に比べて資金力や経営基盤に圧倒的なハンデがあるため、戦略に差別化は欠かせません。差別化に成功すると「価格がやや高くても売れる」状態をつくることができます。

代表的な例として、高級ブランドメーカーが挙げられるでしょう。他の商品・サービスにはない特別感やブランド力を追求することによって、価格を下げなくても売れるようになります。

ただし、差別化戦略は単に「競合他社とちがうもの」をつくれば良いわけではありません。誰も求めていない差別化要素に基づく戦略は失敗してしまいます。ユーザーのニーズに応えながら、自社にしかない魅力を作っていきましょう。

またフォーカスを当てる差別化要素が決まれば、製品の特徴や機能面、品揃えなど、あらゆる方向から顧客に違いを認識してもらうことが大切です。

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他社と差別化:自社ならではの価値をつくる

自社の置かれている市場やその市場にニーズを持つユーザー、競合他社を調査分析すると、自社の強みを見つけることができます。そのいくつかの強みから自社ならではの価値、つまり「独自の価値」を見出しましょう。

顧客に求められる、他社が提供していない、自社独自が提供できる価値は経営戦略を練る上でも役に立ちます。なぜなら企業として取るべき行動や選ぶべき道が分かりやすくなるからです。

自社にとっては当たり前だと思っていたことも、実は競合にはない強みだったりします。そもそもなぜこれを売り(作り)はじめたか、この特徴ならどのユーザーが最も求めるのかなど、自社の強みを今一度整理することが大切です。

自社ならではの価値を見出すために多く用いられるのは「3C分析」です。3C分析のための無料ワークシートを用意しておりますので、ご興味のある方は参考にしてみてください。

集中戦略

集中戦略のイメージ画像

集中戦略とは、自社の経営資源を特定の市場セグメントや地域、ターゲット、流通などに絞り込んで売り出し、競合との優位性を図る経営戦略です。
自社が持つ技術力やブランド力を最適化できる市場を絞り込み、一点集中してマーケティングを展開していきます。

ただし、集中戦略には「コスト集中戦略」と「差別化集中戦略」があります。コストを削減することに集中する「コスト集中戦略」か、差別化に集中する「差別化集中戦略」かを選ばなくてはなりません。

つまり、先述した「同じ商品・サービスを提供するなら安く提供できるほうが競争優位を持つ」というコストリーダーシップ戦略の考えか、「多少価格が高くなったとしても価値を示して価格競争を避ける」差別化戦略のいずれかに限定して集中することになります。

経営資源に限りのある中小企業なら、まずは差別化集中戦略を取るべきです。
また、集中戦略では自社の強みや市場、競争の環境などを多面的に踏まえて、適切な方向に戦略をとることが重要です。

リソースの見直し:局所に力をかける

集中戦略では、自社資源のどれに力をかけるかも大切です。ここで言う企業資源とは、資金や人材面だけでなく、立地や運用中の広告といったものも含まれます。

新規顧客を獲得したいなら広告やマーケティングなど、認知度向上やユーザーに対して自社の価値を認識させられるリソースに力を入れるべきです。
リピーターを集客したいのであれば、SNS運用やキャンペーンの告知などに集中するのも良いでしょう。

自社を取り巻く市場をあらためて見直すことで発見できる、新たな資源もあります。それが自社の魅力につながれば、より自社独自の価値として打ち出せるようになるかもしれません。

中小企業の経営戦略立案の参考となる成功事例

経営戦略によって成功を収めている企業事例を紹介します。具体的な事例を知っておき、実践するうえでのイメージづくりに役立ててください。

モスバーガー

モスバーガーホームページのスクリーンショット

モスバーガーの公式ホームページ (https://www.mos.jp/)

ハンバーガー(ファストフード)の「安いけれど健康的な食事とは言えない」というイメージを変えるために、原材料や味を追求した商品の開発に注力したモスバーガー。
国産肉100%にこだわる、国産の野菜をふんだんに使うなど、手作りの美味しさを追求したことが消費者に認められています。

他社との差別化を図り常識を覆したことで、「栄養バランスの取れた美味しい国産バーガー」を提供する存在として地位を築いています。

また、唯一の価値を見出したことで、競合大手のマクドナルドよりも高価格帯での販売に成功。
ハンバーガー業界で繰り広げられた低価格競争からの脱却にも成功しました。

任天堂

任天堂ホームページのスクリーンショット

任天堂の公式ホームページ (https://www.nintendo.co.jp/)

高機能・高画質の美しいグラフィックやストーリー性の高さで競っていた当時のゲーム業界で、あえて高機能を省き、直感的に遊べるシンプルな操作性のゲーム「ニンテンドーWii」をヒットさせたのが任天堂です。

普段あまりゲームで遊ばない低年齢層やそのファミリー層をターゲットにしたWiiは爆発的なヒットとなり、ゲーム業界のブルーオーシャンを見つけたとも言われました。

高性能なグラフィックやゲーム性の高さを度外視したことによって、製造コストの大幅な削減も実現。競合他社よりも高い利益率を生み出したとしても知られています。

今治タオル

今治タオルホームページのスクリーンショット

今治タオルの公式ホームページ (https://imabari-towel.jp/)

高品質なタオルとして知られ、贈答品としても人気の高い今治タオル。輸入品や低価格なタオルとの差別化を図るために、「安心・安全・高品質」を徹底し、そのコンセプトをシンボルマークやタオルの色で伝え続けたことで、ユーザーの認知度を高めました。

今では「高品質な国産タオルと言えば今治」という唯一無二の地位を獲得しています。

独自の価値を見出し、顧客に伝える「バリュープロポジション」を確立させたことが成功要因となっている、分かりやすい事例のひとつです。

中小企業の経営課題

はてなマークの画像

売上に繋がるる経営戦略の構築には、中小企業にとっていくつかの経営課題があります。これらの課題を解決し、生産性を向上できるかも今後を決めるカギとなるでしょう。

販売力の強化

新型コロナウイルスが収束した後は、新しい生活様式「ニューノーマル」が一般的になると言われています。コロナ禍に対応する営業や販売方法の整備が急務となるでしょう。
世の中が大きく変わってきている今こそ、ビジネスモデルを変化させて柔軟に対応していかなくてはなりません。

  • 自前にこだわらず社外のアイデアや技術と共同で戦略を整える
  • これまで培ってきた独自の技術やノウハウを活かしつつ外部と連携して新商品の開発を進める
  • 今までと違う形でマーケティング・集客を行う

などなど、従来の経営スタイルや常識にとらわれない視点で販売力を強化していく必要があります。

人員不足

少子高齢化による人口減少は年々深刻化しており、労働市場は軒並み縮小傾向にあると言われています。そんななかで自社に必要な人材を確保することは大きな課題です。

新型コロナウイルス感染症の影響によってテレワークを導入する企業が増えたなかで、中小企業では人手不足からくるテレワーク導入の見送りやデジタル化対応の遅れなどの問題も浮き彫りになってきています。
どのような状況でも上手に仕事を進められる人材を確保し、柔軟な働き方ができる環境を整備しなくてはなりません。

経営戦略を成功に繋げるには

中小企業の経営戦略で重要なポイントとなる差別化や販売力の強化。着実に売上を伸ばし、利益を得るには効率的な集客戦略も必要です。

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