バルミューダのブルーオーシャンを狙ったマーケティング戦略のポイント

バルミューダのブルーオーシャンを狙ったマーケティング戦略のポイント
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トースターや扇風機など、どの家庭にもすでにあるような白物家電で「ひとり勝ち」をしているメーカーがあります。個性的でデザイン性の高い家電を開発する「バルミューダ」です。

バルミューダの製品は、一般的な家電製品よりも高価格帯ながら、常に品薄状態になるほど売れています。市場が成熟し、すでにレッドオーシャン化している家電業界で、なぜ新興家電メーカーであるバルミューダが次々とヒット商品を生み出せているのでしょうか。

このページでは、バルミューダの代表的なヒット家電「BALMUDA The Toaster」を取り上げ、ブルーオーシャンに抜け出したポイントを分析しました。

なお、マーケティング戦略を策定するには、自社の強みや競合の状況、顧客のニーズを把握することが重要です。下記のページには、記入するだけで自社の現状分析ができる無料ワークシートを用意しております。ぜひこちらも戦略策定にお役立てください。

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バルミューダのマーケティング戦略のポイント

ポイントを象徴する電球

バルミューダの創設者である寺尾氏は、モノを売るうえで「市場調査はあてにならない」と考えていると話しています。「人が本当に欲しいものを実現する」ことをモットーにこだわりを追求した結果、人々のニーズにたどり着きました。

モノではなく「体験」を売る

バルミューダは、「究極のチーズトーストを作りたい」という想いから、上手に焼けるトースターではなく、「美味しく焼ける」オーブントースターを追求しました。

そして、水を使って蒸気の力でパンを焼く新しいトースターを開発。パンの外側はカリッと香ばしく、中はしっとりと焼き上がる「まるでパン屋の焼きたてのパン」を実現します。これが「高くても美味しく焼けるオーブントースターが欲しい」という新しい購買層にヒットしました。

単にパンを焼く「モノ」ではなく、美味しく食べる「体験」を売り出して「このトースターを使って食べてみたい」という消費者の欲求にも火を点けています。製品開発へのこだわりで「家電を体験する」というブルーオーシャンを発見したと言えるでしょう。

機能性の追求

オーブントースターが製品化されるまで、幾度となくトーストを焼く実験が繰り返され、細かな修正が行われました。庫内の大きさや反射板の角度、ヒーター管の位置など、トースターの機能性を最大限に高めるためです。

また、さまざまな種類のパンが最高の焼き上がりになるよう、トースト、チーズトースト、フランスパン、クロワッサンの各モードで試行錯誤を繰り返した上で製品が完成したと言います。

デザイン性の追求

バルミューダがこだわるのは機能性だけではありません。製品開発に取り組む際、使いやすさはもちろん「部屋に置きたいと思える」デザイン性も追求しています。どの製品もすっきりとしたシンプルなデザインが多く、インテリアにマッチするデザインやカラーリングです。

オーブントースターに至っては、約2,000種類のデザイン案の中から採用したとのこと。「とてもおいしいものは、どのようなところから出てくるべきか?」というテーマを掲げ、自由な発想でアイディアが展開されました。

新しさだけでなく、どこか情緒的な、なつかしさを感じさせるデザインを採用しています。そのこだわりは、性別や年齢を問わず多くの層に受け入れられました。

情報参照元:BALMUDA 「BALMUDA The Toasterストーリー」(https://www.balmuda.com/jp/toaster/story)

バルミューダのマーケティング戦略まとめ

戦略を練っているビジネスパーソンのイメージ画像

バルミューダは、機能性とデザイン性の両方を極限まで追求し、消費者に家電という「モノ」ではなく美味しさや快適さを提供することで、競争が激しい家電業界にブルーオーシャンを開拓しました。既存のメーカーが訴求できなかった「体験」という部分に着目した結果、競合他社には真似できないポジションを築いています。

また、プロダクトへのこだわりは、バルミューダ自身のブランド価値にもつながりました。バルミューダブランドは海外からも注目されるようになり、今では韓国をはじめ海外のファンをも生み出しています。

自社でマーケティング戦略を策定するにあたって、バルミューダのように既存の市場を捉えなおし、別の角度からアプローチすることでブルーオーシャン状態が作り出せないか考えてみてください。

ブルーオーシャン戦略についてさらに詳しくしりたい方は、ぜひ下記のページもご覧ください。

ブルーオーシャン戦略とは?
事例を交えてポイント解説

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