日清食品のブランド戦略について調査

日清食品のブランド戦略について調査
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代表的な商品「カップヌードル」が世界的に有名な日清食品。短期的な売上げを目標とせず、会社や製品が「長く愛される」ために、長期的な目線でのブランド戦略を展開している会社です。
ここでは、日清食品のブランド戦略についてまとめました。自社のプロモーション戦略やブランディングに課題を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

日清食品のブランド戦略のポイント

日清食品は、会社のブランドイメージよりも、長年愛される商品にこそブランドの訴求力があると考えています。そのため「カップヌードル」のような主力商品を上手く使ったブランディングが得意です。
日清食品は、カップヌードルが広い世代に長く愛されている一方で、普段あまりカップ麺を食べない層がいることに着目。「カップヌードル」を軸にしたブランディング戦略で、新たな顧客層を開拓しました。

女性をターゲットにした商品づくり

お湯を沸かすだけで手軽に作れるカップ麺は、男性がメインの市場です。
料理ができない、面倒なときにもサッと作れてお腹を満たせるため、これまでに若い世代や独身の1人暮らし男性をターゲットにした商品開発が行われてきました。
ですが、このカップ麺そのもののイメージが、女性にとっては「ガッツリ食べる男性的な食事」「ハイカロリーなジャンクフード」というマイナスな印象となり、あまり手に取られない存在となってしまいます。
日清食品は「女性にカップ麺を食べてもらうにはどうすれば良いか」を考えました。

ターゲットの「インサイト」を見抜いた

日清食品の調査によると、女性はカップ麺のコーナーには行くものの、パッケージに書かれているカロリー表示を見て商品棚に戻してしまうことが多いと分かりました。
「カップラーメンが食べたい気分だけど、カロリーが高いからガマンする」という女性の行動から、「本当はカップラーメンが好き」「たまにはカップ麺を食べたい」というインサイト(=心の中で求めていること)を見抜いたのです。
そこで、ラタトゥイユやバーニャカウダなど、女性ウケする料理をイメージしたヘルシー志向のカップヌードルを開発します。全部食べ切ってもカロリーが気にならないよう、商品の表面には「スープまで飲んでも198kcal」と、目立つ位置にカロリーを表記しました。
また、「人前でカップ麺をすするのが恥ずかしい」という女性の声にこたえ、すすらずに食べられるショート麺に変更。野菜を連想させるヘルシーなイラストやポップなビタミンカラーのパッケージデザインで、女性がコンビニで手に取りやすいよう工夫しました。
すると、カロリーが気になってカップ麺を敬遠していた女性や健康志向の人から人気となり、見事にヒット。
「カップヌードル」というブランド名はそのままに、「ハイカロリーな食べ物」というイメージを一新し、女性からも支持される存在となりました。

主力商品ごとにブランドサイトを設置

日清食品が大切にしている「商品のブランド力」。それが如実に表れているのが、商品のブランドサイトです。「カップヌードル」「どん兵衛」「チキンラーメン」といった主力商品ごとのブランドサイトを、独立したドメイン名で設置しています。
各商品のブランドイメージが分かりやすく伝わるよう、商品それぞれの独自の世界観をサイト内で展開。訪れた人が商品に親しみを持ち、楽しめるようなつくりです。
人気商品の「ファン」を増やすことで商品ごとのブランド力を強化し、日清食品というブランド全体をより強固なものにしています。

「ユニーク」を貫くブランディング

日清食品は「ユニークであることこそ、消費者にポジティブなブランドイメージを与える」と考えています。テレビCMや動画でも一貫してユニークさを追求し、人々に「個性的で面白い会社・商品」というブランドイメージを印象づけています。
複数のヒット商品があるなかで、どの商品にもユニークさが失われないのは、日清食品が社内で取り組んでいる「ブランドマネージャー制度」にあります。
ブランドマネージャーになるには、「発想が非常識」「好奇心旺盛」「勝つまでやめない情熱がある」など、さまざまな条件をクリアしなくてはならないとのこと。
そして、ひとつの商品ブランドに対してブランドマネージャーを中心にチームが結成されます。「カップヌードルをぶっつぶせ」を社内のスローガンにし、あえて社内競争を起こさせることでよりユニークな発想が生み出されていくのです。
社員同士が互いに切磋琢磨する制度が、個々のプロダクトのブランド強化にも活かされていると言えます。

日清食品のブランド戦略まとめ

ブランディング戦略は、会社や商品・サービスに対して顧客にどんなイメージを持ってもらいたいか、を考えることからはじまります。
日清食品のように、商品のマイナスイメージを払拭するPR戦略や会社の理念・考え方を長期にわたってポジティブに発信し続けることで、一貫したイメージを定着させる取り組みが大切です。
ブランドイメージを広め、人々に浸透させることに成功すれば、会社・商品にとって長期的に利益を生み出す貴重な資産となるでしょう。

ブランディング戦略の成功事例と失敗事例から得られる学び

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