SNSブランディングの基本と運用手順|成功事例から学ぶ実践ポイント

SNSブランディングの基本と運用手順|成功事例から学ぶ実践ポイント

SNSブランディングとは、投稿やユーザーとのやり取りを通じて、企業・商品・サービスの特徴や価値を伝え、認識や信頼を育てる取り組みです。企業のSNS活用では、フォロワー数や投稿への反応に加えて、「何を提供する会社として覚えてもらうか」を考えることが大切です。

投稿が多く見られても、商品・サービスへの関心につながるとは限りません。「反応はあるのに自社の強みが伝わらない」「発信するテーマが定まらない」といった場合は、誰に何を伝えるための運用なのかを見直す必要があります。

対象顧客が知りたいことと、自社が提供できる価値を結びつけ、継続して発信できるテーマにすることが、SNSブランディングの出発点です。興味を持った人が、サービスの詳細や事例を確認できる導線も整えましょう。

この記事では、企業向けのSNSブランディングについて、メリットや注意点、媒体の選び方、運用・効果測定の方法を解説します。事例を参考に、自社の目的と運用体制に合う進め方を検討してください。

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SNSブランディングの基本概念と重要性

SNSブランディングとは?

SNSでは、個々の投稿だけでなく、プロフィール、過去の発信、コメントへの対応なども、企業への印象をつくります。発信内容と実際の商品・サービスに一貫性を持たせることが、自社への理解や信頼を育てるうえで重要です。

SNSブランディングの目的は、覚えてもらいたい価値を伝えること

SNSブランディングでは、どのような顧客に、何を提供する企業・ブランドとして認識してもらいたいかを決めます。そのうえで、商品の使い方、仕事の進め方、開発の背景など、価値が具体的に伝わるテーマを継続して発信します。

たとえば、導入後の支援を強みにする企業なら、よくある質問への回答や、利用時につまずきやすい点の解説が発信の候補になります。「サポートが手厚い」と繰り返すよりも、どのような場面で役立つかを示すことで、強みを理解してもらいやすくなります。

投稿が注目されたかだけでなく、自社について何が伝わったかを確認することが大切です。認知や信頼の形成に加え、サイト訪問や相談など、目的に応じた行動も見ていきます。

SNS運用・PR・広告との関係

SNS運用は、投稿の企画・制作、公開、ユーザーへの対応、効果の確認などを含む活動です。SNSブランディングは、その運用に「どのような価値や印象を伝えるか」という方針を持たせるものと考えられます。通常の運用と切り離された別の手法ではありません。

PRも、企業と顧客・社会との関係を築く活動であり、SNSはその接点の一つになります。商品情報の発信や企業姿勢の説明、ユーザーとの対話など、目的に応じて役割が重なります。

SNS広告を組み合わせて情報を届ける場合もありますが、通常投稿と広告では費用や配信の仕組みが異なります。ブランドとして伝える内容は揃えつつ、投稿と広告の成果は分けて確認しましょう。

中小企業やBtoB企業では、専門性や対応姿勢を伝える接点になる

中小企業やBtoB企業でも、SNSはWebサイトだけでは伝えきれない仕事の様子や専門性を紹介する場として活用できます。担当者による解説、製品の使用例、展示会で受けた質問への回答など、日々の業務に発信の材料がある場合もあります。

ただし、すべての企業でSNSを優先すべきとは限りません。対象顧客がどこで情報を集めているか、発信できる素材があるか、運用を続けられるかを確認して判断します。

新規顧客の獲得、既存顧客との関係維持、採用では、相手が知りたい情報も異なります。まずは優先する目的を決め、自社の体制に合う範囲で取り組みましょう。

SNSブランディングで期待できる3つのメリット

メリットイメージ画像

SNSブランディングでは、継続的な発信やユーザーとのやり取りを通じて、自社を知ってもらう接点をつくれます。ただし、投稿が広く届くことと、企業への信頼や購入につながることは分けて考える必要があります。目的に応じて、次のような効果を確認しましょう。

自社の特徴や価値を知ってもらう機会が増える

SNSでは、商品・サービスの紹介に加え、開発の背景、使い方、仕事への姿勢などを発信できます。こうした情報は、企業名を知るきっかけになるとともに、「何を得意とする会社なのか」を理解する材料になります。

投稿が共有されれば、これまで自社と接点のなかった人に届く可能性もあります。ただし、広く拡散した内容が、自社の商品や強みへの関心につながるとは限りません。

届けたい相手に、自社について覚えてもらいたい価値が伝わっているかを、コメントや質問、プロフィールへの訪問なども参考に確認しましょう。

購入後も接点を持ち、顧客の声を聞ける

商品の使い方や手入れの方法、サービスを利用する際のヒントなどは、購入後の顧客にとっても役立つ情報です。継続して発信することで、次の購入や相談までの間も接点を持てます。

また、コメントやメッセージから、顧客が疑問に感じていることや評価している点を知る機会もあります。寄せられた声を説明の改善やサービスの見直しに活かすことが、信頼関係を育てるうえで大切です。

利用者による感想や使用例などの投稿は、ほかの人が商品・サービスを検討する際の参考になる場合があります。ただし、投稿の増加がそのまま満足度や継続購入を示すわけではありません。内容と実際の利用状況を合わせて確認しましょう。

指名での情報収集や採用時の企業理解を支えられる

SNSで企業名や商品名を覚えた人が、後から検索して詳しい情報を確認することがあります。プロフィールや投稿から関連ページへ進めるようにしておけば、関心を持った人の情報収集を支えられます。

採用においても、仕事内容や社員の姿、職場で大切にしていることを伝える投稿は、求職者が企業を理解する材料になります。採用ページと説明を揃え、実際の働き方が伝わる内容にすることが重要です。

SNS上の反応に加え、その後にどのような情報が見られ、相談や応募につながっているかを確認すると、発信内容を見直しやすくなります。指名検索や応募の増加には、広告や紹介などほかの要因も影響するため、SNSだけの成果とは断定せずに評価しましょう。

SNSブランディングのデメリットと注意すべきリスク

SNSブランディングには、投稿の制作やユーザーへの対応を続ける負担があります。また、発信内容の誤りや担当者への業務集中が、企業への信頼や運用の継続に影響する場合もあります。開始前に、使える時間と対応できる範囲を確認しましょう。

制作・運用に時間がかかり、成果が出る時期も一律ではない

アカウントの開設や通常の投稿に料金がかからない場合でも、企画、撮影、原稿作成、内容の確認、コメントへの対応には人手が必要です。広告を使う場合や外部に制作を依頼する場合は、その費用も発生します。

成果が見えるまでの期間は、既存の認知度、発信内容、対象顧客、運用体制などによって異なります。「一定期間続ければ問い合わせが増える」と考えず、目的に合う反応が得られているかを途中でも確認する必要があります。

運用に使う費用・時間と、確認する指標・時期をあらかじめ決めることが大切です。負担に対して成果が見合わない場合は、投稿頻度や媒体、発信テーマを見直します。休止する際も、必要に応じて案内や問い合わせ先を整えましょう。

誤った情報や不適切な対応が、企業への信頼を損ねるおそれがある

SNSの投稿は、想定していた相手以外にも共有されることがあります。商品の説明に誤りがある、顧客の情報が写り込んでいる、返信が誤解を招くといったことが、批判や問い合わせにつながる可能性があります。

投稿前に内容を確認する担当者を決め、画像や文章の使用許可、個人情報、商品・サービスに関する説明などを点検しましょう。確認が必要な投稿と、定めたルールに沿って担当者が対応できるものを分けておくと、運用しやすくなります。

問題が起きた場合に備え、誰に報告し、誰が対応を判断するかも共有します。事実確認を行い、訂正や説明が必要かを判断できる体制を整えることが重要です。批判的な反応があったという理由だけで、急いで削除や反論をしないようにしましょう。

担当者に業務や判断が集中しやすい

投稿テーマや文章の雰囲気、コメントへの対応方針が担当者の経験だけに頼っていると、異動や休暇の際に運用が止まりやすくなります。投稿を続けるために、その担当者だけが無理をする状態にも注意が必要です。

発信の目的、対象顧客、主な投稿テーマ、表現のルール、確認手順を文書にまとめ、関係者で共有しましょう。過去の投稿や画像素材、よくある質問への回答を整理しておくことも、引き継ぎに役立ちます。

アカウントの管理権限や復旧方法も、担当者個人に依存させず、会社として管理します。少人数の場合は、対応できる媒体や投稿本数に絞り、制作と確認の負担を見ながら運用することが大切です。

SNSブランディングの戦略を決めるステップ

SNSの発信方針を決める際は、目的と対象顧客を整理し、自社の価値をどのような投稿で伝えるかを考えます。競合の人気投稿を参考にする場合も、自社の顧客や提供内容に合うかを確認しましょう。

1.目的と、届けたい顧客を明確にする

まず、SNSを通じてどのような変化を目指すのかを決めます。新規顧客に知ってもらうこと、既存顧客の利用を支えること、求職者に仕事内容を伝えることでは、発信すべき情報が異なります。

対象顧客については、年齢や職業などの属性に加え、どのような場面で自社の商品・サービスが必要になるのかを整理します。商談や接客でよく受ける質問、購入前の不安、既存顧客が評価している点などが手がかりになります。

「誰に届けるか」と「その相手に何を理解してもらいたいか」をセットで決めることが、投稿テーマを選ぶ基準になります。

2.顧客が求める情報と、自社・競合の発信を照らし合わせる

競合のSNSでは、投稿テーマ、説明の切り口、ユーザーからの質問、詳しい情報への案内方法などを確認します。反応数だけでなく、どのような関心や疑問が寄せられているかを見ることが大切です。

そのうえで、自社が持つ知識や実績、商品・サービスの特徴から、顧客の疑問に答えられる情報を整理しましょう。競合が扱っていないテーマでも、顧客にとって必要な情報かどうかを確認する必要があります。

たとえば、競合が商品の完成写真を中心に発信している場合、自社では選び方や使用時の注意点を伝える方法もあります。ただし、発信内容を変えること自体を目的にせず、顧客の判断に役立つかを基準にします。

3.覚えてもらいたい価値を、投稿テーマに落とし込む

自社をどのような企業・ブランドとして認識してもらいたいかを言葉にし、それを伝える投稿テーマを決めます。「専門性が高い」「親しみやすい」といった方針だけでなく、実際に何を見せれば伝わるのかまで具体化しましょう。

  • 専門性を伝える:顧客が迷いやすい選定ポイント、よくある質問への回答、対応事例を紹介する。
  • 仕事への姿勢を伝える:品質を確認する工程、提案時に大切にしていること、開発の背景を紹介する。
  • 利用後の支援を伝える:使い方のヒント、手入れの方法、困ったときの相談先を案内する。

自社が伝えたい強みを、顧客に役立つ情報や具体的な仕事の様子として示すことが重要です。投稿の種類が変わっても、伝える価値に一貫性がある状態を目指します。

4.表現の方針と、投稿後の行動を決める

投稿テーマが決まったら、文章の口調、写真や図の使い方、扱わない話題などを整理します。すべての投稿を同じ見た目に揃える必要はありませんが、企業としての説明や対応姿勢が食い違わないようにしましょう。

あわせて、投稿を見た人が次に何を知りたいかを考えます。商品の使い方を紹介するなら詳細ページ、対応事例を紹介するなら関連するサービス情報など、内容に合う案内先を用意します。

すべての投稿で問い合わせを求める必要はありません。保存して後から参照する、関連情報を読む、質問するなど、顧客の関心の段階に合った行動を設計しましょう。

自社の強みと投稿テーマが結びつかない、誰に向けて発信するかを決めきれない場合は、顧客・競合・自社の価値を整理するところから相談する方法もあります。Zenkenでは、ポジショニングの整理と、その価値を伝えるWebマーケティングを支援しています。

自社の強みを伝えるSNSの発信方針を相談する

関連記事:ポジショニング戦略の基本と実践方法

SNSブランディングに適した媒体の選び方

Facebookイメージ
Instagramイメージ

LINEイメージ
TikTokイメージ
YouTubeイメージ

SNSは、利用者数や話題性だけで選ぶと、対象顧客に届かなかったり、制作の負担が大きくなったりする場合があります。顧客がどこで情報を集めているか、伝えたい価値をどの形式で見せられるかを確認しましょう。

BtoB・BtoCだけで判断せず、顧客の利用場面を確認する

法人向けか個人向けかは判断材料の一つですが、それだけで適したSNSが決まるわけではありません。同じ顧客でも、仕事の情報を調べるときと、趣味や日常の情報を見るときでは、利用する媒体や求める内容が異なります。

既存顧客への聞き取りや、自社サイトへの流入状況、これまでの投稿への反応などから、接点になりそうな媒体を探ります。競合が使っている場合も、その媒体で自社の対象顧客と接点を持てるかを確認しましょう。

対象顧客が使っていることに加え、自社が扱う情報を求める場面があるかを考えることが大切です。

主要SNSを発信内容と運用条件で比較する

以下は、媒体ごとの活用方法を考えるための整理です。利用できる機能や投稿形式は変わるため、開始時に各媒体の仕様を確認してください。

SNS 発信・活用の例 運用前に確認すること
X 業界の話題への解説、短いノウハウ、お知らせ、ユーザーとのやり取り 継続して発信できる話題があるか。返信や反応の確認を誰が担うか。
Instagram 商品の使用場面、制作過程、店舗やスタッフの様子を写真・動画で紹介 価値が伝わる素材を用意できるか。撮影・編集・確認の体制があるか。
Facebook 企業の取り組み、イベント、事例などを紹介し、関係者との接点を持つ 対象顧客が情報収集に利用しているか。既存のつながりも活用できるか。
TikTok 実演、仕事の様子、疑問への回答などを動画で伝える 内容に合う出演者や素材を確保できるか。撮影・編集を継続できるか。
YouTube 商品・サービスの解説、使い方、事例、開発背景を動画で紹介 動画で伝える必要性があるか。企画・制作・公開後の情報更新を担えるか。
LINE公式アカウント 友だち追加したユーザーへ案内を届け、利用や再購入、相談を支える 友だち追加のきっかけがあるか。配信内容・頻度・費用・問い合わせ対応を管理できるか。

たとえば、操作や作業の様子を見せると理解しやすい商材では、動画が判断材料になります。一方、文章や図で十分に伝わる内容なら、撮影を増やす前に、手元の資料やノウハウを活かす方法を検討できます。

新しい顧客との接点と、既存顧客への案内を分けて考える

まだ自社を知らない人に情報を届けることと、すでに関心を持っている人へ継続的に案内することでは、必要な施策が異なります。

新しい顧客との接点を増やしたい場合は、投稿がどのように見つけられるかを確認します。既存顧客への案内を重視する場合は、フォローや友だち追加のきっかけと、登録後も受け取りたいと思える情報を用意しましょう。

通常投稿だけでは対象顧客に届きにくい場合、広告やWebサイト、店頭などとの連携も選択肢になります。媒体ごとの役割を決め、同じ情報をすべてに配信するだけの運用になっていないかを確認します。

制作から反応の確認まで続けられる範囲で始める

運用に必要なのは、投稿を作る時間だけではありません。素材の収集、内容の確認、返信、結果の振り返りまで含めて、担当者の作業量を見積もります。

最初は優先する媒体を絞り、試す投稿テーマと確認する時期を決めましょう。既存の写真や営業資料を活用する場合も、公開してよい情報か、SNSで見る人に説明が伝わるかを確認します。

対象顧客の反応と運用の負担を確かめてから、投稿形式や媒体を増やすことが、無理なく続けるための進め方です。

関連記事:BtoBマーケティングにおけるSNS活用法

少人数でも回るSNSブランディングの運用手順とルール作り

SNSブランディングを継続するには、コンテンツカレンダーの整備、クリエイティブ方針の統一、炎上対策を含む承認フローの3点が少人数組織でも持続可能な運用の柱になります。

コンテンツカレンダーの作成と投稿設計

SNSブランディングを継続するための最初のステップが、コンテンツカレンダーの作成です。投稿日・SNS媒体・コンテンツカテゴリ(ノウハウ/事例/お知らせ等)・担当者を記入し、以下のサイクルで運用します。

  1. 月次でコンテンツテーマを設定(季節・業界イベント・商品サイクルに合わせる)
  2. 週次で投稿内容を具体化(タイトル・下書き・ビジュアル素材の確認)
  3. 承認フローを経て予約投稿を設定
  4. 投稿後のエンゲージメントを確認し、翌週以降の改善に反映

投稿頻度は、用意できる情報や制作・確認にかかる時間を踏まえて決めます。回数を守るために内容を薄くするのではなく、顧客に役立つ情報を継続して届けられるペースを探りましょう。公開後の反応を確認する時間も、運用計画に含めることが大切です。

クリエイティブ方針の統一とトンマナ管理

ブランドの世界観をSNS上で構築するには、投稿のトーン(言葉遣い)とビジュアルの一貫性が欠かせません。担当者が変わっても一貫性を維持するために、クリエイティブガイドラインを作成し共有します。ガイドラインに盛り込む項目は以下の通りです。

  • 使用する色のトーン(HEXコードで指定)とフォント
  • 写真・イラストのスタイル(明るい/落ち着いた等)
  • 文章のトーン(です・ます調か、フランクか等)
  • ハッシュタグのルール(必ず付けるもの・使い分けの基準)
  • 競合・センシティブテーマへの言及ルール

ユーザーは「いつものあのブランド」として安心感や親近感を持つことでファン化が進みます。クリエイティブの一貫性は、フォロワー数以上に重要な「ブランド資産」です。

投稿の確認手順と、問題が起きた際の対応を決める

投稿担当者と確認者の役割を決め、内容を確認してから公開する流れを整えます。通常のお知らせ、顧客事例、商品・サービスの効果に関する説明など、内容によって確認が必要な項目や担当部署を整理しておきましょう。

  • 情報の正確性:商品名、価格、日程、提供条件などに誤りがないか。
  • 素材の使用:写真・動画・文章を公開できるか。顧客や社員の情報が意図せず含まれていないか。
  • 表現と文脈:誤解を招く説明や、実際には提供できない約束になっていないか。
  • 案内先:リンク先が投稿内容に対応し、必要な情報を確認できるか。

コメントやメッセージへの対応についても、担当者が回答できる範囲と、社内で確認してから回答する内容を分けます。問題が起きた際の連絡先、事実確認を行う人、訂正や説明を判断する人も共有しましょう。

確認手順は、実際に運用できる形にすることが重要です。確認者が不在の場合の扱いも決め、判断に迷う投稿を担当者だけで公開しなくて済む体制を整えます。

SNSブランディングの効果測定とKPI設定

SNSブランディングの効果は、投稿が届いた人数だけでは判断できません。対象顧客に届いているか、自社の価値が伝わっているか、その後の情報収集や相談につながっているかを分けて確認しましょう。

目的に合わせて、確認する指標を選ぶ

すべての数値を追うのではなく、運用の目的に合う指標を選びます。新規顧客への認知拡大と、既存顧客の利用支援では、重視する反応が異なります。

確認したいこと 指標・情報の例 判断する際の注意点
情報が届いているか リーチ数、表示回数、動画の視聴状況 人数や回数に加え、確認できる範囲で対象顧客との接点になっているかを見る。
内容に関心が持たれているか 保存、シェア、コメント、プロフィールへの訪問 反応が多いことだけで、企業への好意や商品への関心が高まったとは判断しない。
意図した価値が伝わっているか コメントや質問の内容、顧客への聞き取り、認知・印象に関するアンケート 投稿のどの点が伝わったかを確認する。回答者やコメントした人に偏りがあることも考慮する。
検討や利用につながっているか SNS経由のサイト訪問、資料請求、問い合わせ、購入・予約 件数だけでなく内容や対象顧客との適合を見る。SNS以外の接点の影響も考慮する。

フォロワー数や反応数は、目的に向けて何が変わったかを考えるための材料です。顧客との関係維持が目的なら利用上の疑問が解消されたか、採用が目的なら仕事内容の理解につながったかなど、目的に沿って評価します。

エンゲージメント率は、計算条件を揃えて比較する

エンゲージメント率は、投稿への反応を一定の基準で割合にした指標です。計測する媒体やツールによって、含める反応や分母が異なる場合があります。

たとえば、自社で「いいね・コメント・シェア・保存の合計÷リーチ数×100」と定めて確認する方法があります。ただし、これは計算方法の一例です。管理画面や利用ツールの定義を確認し、同じ条件で比較しましょう。

反応率が高くても、商品と関係の薄い話題に注目が集まっている可能性があります。数値とともに、コメントの内容や、その後に見られたページも確認することが大切です。

ユーザーの投稿や指名検索は、内容と背景を確認する

ユーザーが発信する感想や使用例などのUGCは、商品・サービスがどのように受け止められているかを知る手がかりになります。投稿数だけでなく、評価されている点、不満、誤解などを確認し、説明や提供内容の改善に活かしましょう。

企業名や商品名による指名検索も、関心の変化を捉える参考になります。ただし、広告、報道、展示会、口コミなどの影響も受けるため、増加分をすべてSNSの成果とみなすことはできません。

数値の変化と、その時期に実施した施策や起きた出来事を合わせて記録することで、変化の理由を検討しやすくなります。

通常投稿と広告を分け、次に見直す箇所を決める

通常投稿と広告では、情報が届く仕組みや費用が異なります。成果を確認する際は、広告による表示や反応を区別し、通常投稿の改善と広告配信の見直しをそれぞれ検討しましょう。

サイトへのリンクは、可能な範囲で媒体や投稿を識別できるようにし、訪問後の行動を確認します。ただし、投稿を見た後日に検索して訪問するなど、SNSの影響を直接計測できない場合もあります。問い合わせ時の聞き取りも補助的な情報になります。

振り返りでは、次のように課題を分けると、改善する箇所を決めやすくなります。

  • 対象顧客に届いていない:媒体、投稿テーマ、情報を届ける方法を見直す。
  • 反応はあるが、自社の価値が伝わっていない:投稿内容と商品・サービスとのつながりを見直す。
  • 関心は持たれているが、詳しい情報へ進まない:プロフィールや投稿内の案内、リンク先との整合性を確認する。
  • サイト訪問後に検討が進まない:提供範囲、料金、実績、問い合わせ方法など、判断に必要な情報が揃っているかを確認する。

一度の投稿だけで方針を決めず、投稿の目的や形式、広告の有無などを踏まえて反応を比較し、次に試す内容を決めましょう。

企業のSNSブランディング成功事例

企業のSNS活用には、継続的な投稿で特徴や仕事の様子を伝える取り組みと、広告を使ってサイト訪問や予約を促す取り組みがあります。事例を参考にする際は、何を目的に、どのような施策を行い、何が成果として確認されたのかを分けて読み取りましょう。

他社の投稿表現だけでなく、対象顧客・提供価値・案内先の関係を見ることが、自社への応用を考える手がかりになります。

絵本に関心を持つ読者との接点をつくる講談社えほん通信

講談社絵本通信Instagram事例キャプチャ
画像引用元:講談社絵本通信Instagram公式アカウント(https://www.instagram.com/ehon.kodansha/)

講談社えほん通信は、絵本に関する情報を届ける公式サイトと、Instagramなどの公式SNSを展開しています。絵本に関心を持つ読者が、作品の情報に触れる接点を設けている例です。

自社で参考にする際は、投稿の見た目だけでなく、誰がどのような情報を求めてアカウントを訪れるのかを考えましょう。商品を紹介する場合も、使う場面や選び方など、顧客の関心と結びつく切り口を整理すると、発信テーマを決めやすくなります。

そのアカウントを継続して見る理由を、提供する情報で示すことが大切です。フォロワー数だけでなく、商品への質問や詳細情報への訪問なども確認しましょう。

参考:講談社:公式メディア・SNS一覧

働く人の姿を通じて企業への親しみを伝えた三和交通

三和交通TikTok事例キャプチャ
画像引用元:TikTok for Business「活用事例」(https://tiktok-for-business.co.jp/archives/9373/)

三和交通は、社員がダンスを踊る動画などをTikTokで発信した事例です。TikTok for Businessが2021年に公開したインタビューでは、動画が社内の会話のきっかけになったことや、採用説明にSNSを活用していることが紹介されています。

応募者数や採用費用の変化にも言及されていますが、テレビ出演や採用方法の変更など、ほかの要因も挙げられています。採用への影響を、TikTokだけの成果と捉えないことが重要です。

この事例から参考にできるのは、働く人の姿を発信し、企業の雰囲気を知る接点にしている点です。自社で取り入れる際は、ダンスという表現をまねるよりも、伝えたい職場の特徴や、出演する社員が無理なく続けられる方法を考えましょう。

参考:TikTok for Business:三和交通の活用事例

広告と専門コンテンツを組み合わせたBtoBの活用事例

SAP ConcurSAP Concur Twitter事例キャプチャ
画像引用元:Twitter社「米国の成功事例:SAP Concurの成功に学ぶ「サイト訪問数最適化」活用術」(https://marketing.twitter.com/ja/success-stories/how-sap-concur-drove-website-traffic-visits-from-twitter)

SAP Concurは、出張・経費管理などに関するホワイトペーパーを掲載した自社サイトへ、Twitter広告から訪問を促した事例です。当時の「サイト訪問数最適化」を利用し、資料に関心を持つ可能性のあるユーザーへの広告配信を行いました。

公式事例では、サイト訪問単価がコンバージョン最適化との比較で9%、リンククリック最適化との比較で88%低下したと報告されています。これは広告の配信最適化に関する結果であり、通常投稿によるブランド認知や、問い合わせ件数の増加を直接示すものではありません。

自社で参考にできるのは、顧客の業務に役立つ情報を用意し、その情報を必要とする相手に届ける設計です。広告の反応だけでなく、訪問後に資料が読まれたか、具体的な検討につながったかも確認しましょう。

参考:X公式:SAP Concurのサイト訪問促進事例

複数の媒体をつなぎ、ファンとの接点を広げたスクウェア・エニックス


画像引用元:Twitter社「Twitter活用事例」(https://marketing.twitter.com/ja/success-stories/square-enix)

スクウェア・エニックスは、2021年の「サガ公式チャンネル」開設時に、Twitter(現X)を活用してYouTubeチャンネルへの登録を促しました。公式事例では、シリーズのファン同士の会話を通じた話題化と、動画コンテンツへの誘導を狙った取り組みが紹介されています。

YouTubeではシリーズの情報をまとめて届け、Twitterではファンの会話や情報共有につなげるなど、媒体の役割を組み合わせた点が特徴です。

自社で応用する際も、複数のSNSに同じ内容を投稿するだけでなく、それぞれで何を伝え、次にどの情報へ案内するかを決めましょう。ただし、既存ファンの規模や関心が異なるため、同じ施策で同様の反響を得られるとは限りません。

顧客が関心を持つ内容と、詳しく知るための情報をつなぐ設計が、参考にしたいポイントです。

参考:X公式:スクウェア・エニックスの活用事例

広告・配信・予約導線を組み合わせたLINEの活用事例

株式会社IDEA(皮膚科クリニック)LINE事例キャプチャ
画像引用元:LINE for Business「LINE公式アカウントの「友だち追加広告×ステップ配信」で予約数120%を記録した皮膚科クリニック」(https://www.linebiz.com/jp/case-study/acne-clinic/)

株式会社IDEAが運営する皮膚科クリニックの事例では、LINE公式アカウントで予約を受け付ける仕組みを整え、友だち追加広告とステップ配信を組み合わせています。情報を届ける相手を増やす施策と、登録後の案内、予約受付をつないだ取り組みです。

公式資料では、施策実施前との比較で友だち数が約350%、その後のステップ配信で予約数が約120%になったと報告されています。予約数は約1.2倍という意味であり、120%増えたという意味ではありません。

接点を増やすだけでなく、その後に必要な情報を届け、行動しやすい仕組みを整えることが、この事例を参考にする際のポイントです。広告費や配信内容、予約対応の体制も含めて、自社で実施できるかを検討しましょう。

参考:LINE公式:株式会社IDEAの活用事例

SNSブランディングを比較検討・問い合わせにつなげる方法

SNSブランディング集客の受け皿づくりも大切

SNSで商品や企業に興味を持った人が、詳しい情報を確認できるようにしておくことも大切です。投稿を見た後に知りたくなる内容を考え、サービスページや事例、問い合わせ先へ進める導線を整えましょう。

投稿内容に合う情報へ案内する

投稿から案内する先は、すべてトップページや問い合わせフォームにする必要はありません。商品の使い方を紹介した投稿なら商品詳細、顧客の課題への対応を紹介した投稿なら関連する事例など、関心を持った内容を詳しく確認できるページにつなぎます。

プロフィールにも、何を提供する企業なのか、どのような人に役立つのかを簡潔に示します。複数のリンクを置く場合は、リンク先で何がわかるかを明記し、目的の情報を探しやすくしましょう。

投稿で伝えた内容と、移動先で確認できる情報を揃えることが、顧客の検討を支えます。

比較・検討に必要な情報を既存ページに補う

商品やサービスに関心を持っても、対応範囲や料金、利用条件がわからなければ、自社に合うかを判断しにくくなります。SNSで受けた質問や商談でよく聞かれる内容をもとに、不足している説明を補いましょう。

  • 対象と提供範囲:どのような課題に対応でき、どこまで依頼できるか。
  • 料金と利用条件:費用の考え方、追加費用が発生する条件、必要な準備。
  • 実績や事例:どのような条件の顧客に、何を提供してきたか。
  • 相談方法:何を相談でき、問い合わせ後はどのように進むか。

最初から新しいメディアやLPを制作する必要はありません。既存のサービスページや事例ページを活かし、顧客が判断するうえで足りない情報から整えます。

自社サイトと外部メディアの役割を整理する

自社サイトでは、提供内容や実績を詳しく説明できます。一方、専門メディアや比較メディアは、顧客が複数の選択肢を調べる際の接点になる場合があります。

外部メディアの活用を検討する際は、対象顧客が利用しているか、自社の特徴を正確に伝えられるか、掲載費用に見合う接点を持てるかを確認しましょう。SNSで関心を持った人が必ず比較サイトを見るとは限らないため、実際の情報収集行動に合わせて判断します。

媒体を増やす場合も、対応範囲や強みの説明に食い違いがないようにします。接点の数を増やすことよりも、各接点で顧客の疑問に答えられることを重視しましょう。

SNSとWebサイトをつなぐ集客戦略をZenkenに相談する

「投稿への反応はあるが、商品・サービスへの関心につながらない」「SNSからサイトに訪問されても、どこを改善すべきかわからない」といった場合は、対象顧客と訴求、案内先の情報を一緒に見直す必要があります。

Zenkenでは、顧客・競合・自社の強みを踏まえたポジショニングの整理と、その価値を伝えるWebマーケティングを支援しています。どの顧客に何を伝えるかを明確にし、比較・検討に必要な情報や集客施策を検討します。

SNSの発信を自社への理解や具体的な相談につなげたい場合は、現在の運用状況やWebサイトの課題からご相談ください。

SNSとWebサイトをつなぐ集客戦略を相談する

関連記事:オウンドメディアの作り方・立ち上げ手順

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