ボルボのブランド戦略について調査

ボルボのブランド戦略について調査
Facebook Twitter LINE はてなブックマーク Pocket RSS

ボルボのブランド戦略のポイント

ボルボは、スウェーデンの自動車メーカーです。近年は、高い安全性が魅力のプレミアムカーブランドとして注目されています。しかし、以前は確固たるポジションを見いだせずに危機的な状況に陥っていた時期もあったようです。

このような状態から、ボルボがどのようにして、プレミアムカーブランドとしてのポジショニングやブランディングを成功させたのかをみていきましょう。

「消費の二極化」を生き抜くためのリポジショニング

ボルボのブランド戦略は、これまでのポジションを見直すことから始まりました。この戦略は、2014年にボルボ・カー・ジャパン株式会社の代表取締役社長に就任した木村隆之氏によって提示されたものです。

木村氏の就任以前、BMWやベンツなど、いわゆるプレミアムカーとよばれる市場におけるボルボのポジションは、中途半端なものでした。当時のボルボは、上質・頑丈というイメージはあるものの、プレミアムとまではいかないというポジションだったのです。

消費の二極化が進む日本国内の市場において、危機的ともいえるポジションにあったボルボが、新たなポジションとして目指したのは、機能的価値と情緒的価値を高めることによるプレミアムポジションです。

日本のプレミアムカー市場は、ブランド数が限られているため、市場が未成熟であるという特徴があります。そのため、これからの伸びしろが十分にあると気づいたボルボは、プレミアムカーに成長するための抜本的なブランド戦略に舵を切ったのです。

一貫したメッセージをもたせたプロモーションの実施

リポジションを目指すボルボが、真っ先に取り掛かったブランド戦略は、プロモーションです。

プロモーションでは「安全性とスウェーデンの魅力」を一貫して伝えることとしました。顧客データやアンケートなどをもとに、プロモーションに使うツールを見直すところからスタート。これまで活用してきた雑誌や新聞、折り込みチラシなどの紙媒体は、費用対効果が下がっているため、基本的に利用しない方針を固めました。その代わりに、デジタルメディアを新たに取り入れ、時代の流れに合わせたプロモーションを展開していったのです。

テレビCMについては、50代のオーナーが多いという特性から、一定時間上テレビを観ている割合が高いと予測し、継続して活用することとしました。これまでは新車投入のタイミングでCMを流していましたが、現在は3か月に一度の割合で定期的に流しています。不定期でのCMよりも定期的に新しいCMを流していくことで、ブランドイメージを印象付けやすくなり、来店数の安定化や新規顧客の獲得などの効果につながったのです。

ブランド価値である「安全性」を差別化ポイントに

ボルボのブランド価値は「安全性」です。それを具現化したのが、「先進的安全装備の全車標準搭載」といえます。どのクラスを購入しても、オプション不要で同じレベルの安全性が手に入ることを、プロモーションを通して首尾一貫で訴求していきました。

つまり、ボルボは、自動車とは切っても切り離せない「安全性」というニーズに対して、競合他社との差別化を図ったことでブランド戦略を成功させたといえます。

ボルボのブランド戦略まとめ

今やスマートなプレミアムカーとして注目されているボルボですが、ブランド戦略を実践する以前は、市場の流れに取り残されそうになっていた時期もありました。しかし、目指すブランドの姿を明確化し、それを実現させるためにはどうすればよいか、ボルボが提供できる価値は何かを追求していったことで、プレミアムカー市場の中でのブランディングに成功したのです。

ボルボのブランド戦略は、市場の流れや構造を見極めた的確なポジショニングと、一貫したメッセージでの訴求、自社の強みを惜しみなく投入した製品開発が一体となって実現したブランド戦略の成功事例といえるのではないでしょうか。

ブランディング戦略の成功事例と失敗事例を知る

ページトップへ