スキミング戦略によるスキミングプライシングとは?成功事例より学ぶ

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スキミング戦略・スキミングプライシングとは?

スキミング戦略・スキミングプライシングとは?
商品販売における価格戦略のひとつにスキミング戦略・スキミングプライシングがあります。

あらゆる業種の企業が導入しているこちらの価格戦略は、開発コスト回収などを効率よく行うことができ、利潤を多く見込めるなど収益面で他企業より優位に立てる可能性があります。

「牛乳から美味しいクリームだけをすくい取ること=skimming the Cream」などの例えでよく表現される価格戦略で、言わば美味しい部分だけをすくって自社の利益にしてしまうことから「上層吸収価格政策」「上澄吸収価格政策」とも呼ばれています。

こちらではさまざまな企業が導入している価格戦略「スキミング戦略・スキミングプライシング」について解説していきます。

スキミングプライシングの定義

スキミングプライシングは「スキミングプライス」を採用した価格戦略のことを指します。

スキミングプライスとは、商品を市場へ投入しようとする企業が高い収益力を得られるように、商品初期販売時の価格を高めに設定することです。

スキミングプライスを設定することにより、企業は商品初期販売時から高い収益を得られ、商品開発に投入したコストを早期に回収することができます。

追随する他企業が続々と参入し価格競争が始まる段階で価格を下げて対抗するため、一番手を取れた企業は利益率が高い「上澄み利益」を得ることができるのです。

おいしい上澄みのいいとこ取りであることから、「上層吸収価格政策」「上澄吸収価格政策」とも呼ばれています。

しかしながら商品を販売する企業やその商品に理解のあるイノベーターの存在が必要不可欠で、ある程度価格が高くても商品を購入してくれる見込み顧客が自社についているかどうかを見極める必要があります。

ペネトレーションプライシング

一方でペネトレーションプライシングと呼ばれる価格戦略もあります。ペネトレーションプライシングは「ペネトレーションプライス」を採用する価格戦略のことです。

ペネトレーションは「商品が浸透する、普及する」などの意味があり、ペネトレーションプライスとは「市場浸透価格」のことを指します。

商品初期販売時には商品価格を安めに設定し、いち早く市場へ商品を浸透させることを目的としています。

商品価格を抑えその分数多く販売することにより、中長期的な成長カーブに乗せその後の売れ行きの伸びをよくしていきます。

初期の利益を重視するスキミングプライスとは逆の価格戦略で、中長期的な目線で利益を確保していきます。

商品初期販売時より時間が経つとともにコスト低下がおこり、それにともない利益を回収していく価格戦略のため、参入当初は赤字が出やすく採算割れが起こることもあります。

ある程度潤沢に資金がある大手企業が採択しやすい価格戦略であると言えます。

スキミング戦略は新製品の価格戦略のひとつ

新商品戦略には上述した「スキミングプライシング」と「ペネトレーションプライシング」があります。

これら2つの価格戦略はまったく逆のことを行うため、自社の立ち位置と戦略の内容をよく把握し、噛み合った戦略を選択しなければなりません。

以下ではそれぞれ語句の意味や戦略のメリットデメリットなどを解説いたします。

上層吸収価格政策・上澄吸収価格政策

スキミングプライシングは「上層吸収価格政策」「上澄吸収価格政策」のことで、値段が多少高くても商品を購入してくれる人に向けて、商品価格を高めに設定する戦略です。

商品販売当初に購入価格を高めに設定することで、商品開発に投入した開発コストを早期に回収することが主な目的となります。

「上層吸収」「上澄吸収」の文字通り、最も利益率の高い発売当初の利益を最大限吸収する戦略で、経営運転資金が乏しい中小企業などは適した戦略と言えます。

発売当初とても高価だったプラズマテレビやハイブリッドカーなどは、スキミングプライシングによる価格戦略を取り入れた事例です。

浸透価格政策

ペネトレーションプライシングは「浸透価格政策」のことで、商品を市場へ浸透させる価格帯で販売する戦略です。

開発コストを早期に回収することよりも、いち早く市場へ自社商品を浸透させ、市場の拡大を狙っていきます。

中長期的な視野で開発コストを回収していくことが主な目的となります。

一大ブームを巻き起こした任天堂の「ファミリーコンピュータ」はペネトレーションプライシングによって、初期価格14800円という比較的低価格ながら当時は高性能だったカスタムIC搭載コンピュータを発売しました。

その他の価格政策

スキミングプライシング、ペネトレーションプライシングの他にも補足的な価格戦略があります。

  • 差別価格政策
  • 割引政策
  • 再販売価格維持政策
差別価格政策

差別化価格政策は、自社商品を発売する場所や時期、顧客によって値段に差を付ける政策です。

例えば同じ商品でも日本の北と南では異なる価格が付けられていることが往々にしてあります。

またお得意様や会員限定の価格を付けたり、地域限定価格といった名目で他の地域より優遇した値段が付けられたりすることがあります。

これは地域や時期により顧客ニーズに差があるため、このような政策を行いうまく販売戦略を機能させる必要があるのです。

割引政策

割引政策も企業ではよく取り入れられています。

たとえばスキーやスノボ、水泳などの季節的なアウトドア用品は、シーズンオフにはセールを行い、少しでも利益を回収しようとします。

また大量に購入してくれる顧客に対して割引を行うこともあります。

また先シーズンの型落ち商品を安くして、新製品販促の呼び水にするプロモーションなども行われます。

再販売価格維持政策

再販売価格維持政策は自社商品の価格を安定させるために行われる政策で、商品が値くずれするのを防ぐ役割があります。

独占禁止法で本来値段を指定する行為は禁止されていますが、書籍や雑誌、音楽など一部著作物は適用外となっています。

スキミングプライスを選択できる条件

スキミングプライシングを選択する場合の条件としては以下が挙げられます。

  • 商品開発に成約がある
  • 新商品の需要が価格によってあまり左右されない

商品開発に制約がある

商品開発に何らかの制約があった場合には、スキミングプライスを選択した方がよい場合があります。

たとえば自社で商品を作り続けるのは生産能力に限界がある、原材料は希少性が高く手に入りにくい、といっt場合です。

またそれ以外にも競合他社の参入が容易ではなく、早期には自社の地位が脅かされない(売上が落ち込まない)場合も、スキミング戦略が有効です。

新商品の需要が価格によってあまり左右されない

その商品に商品価格を超える顧客ニーズがある場合には、スキミングプライスが成功する可能性が高まります。

自動車でも電化製品でも、その商品の信者的な顧客層がいる場合には、需要の価格弾力性が極めて低く、値段を高価に設定しても受容されやすい傾向があります。

スキミングプライシングのメリット

スキミングプライシングのメリット
スキミングプライシングのメリットとしてはまず、開発コストを商品販売時より早期に回収できる点が挙げられます。

資金力の乏しい中小企業などは、経営運転資金をいち早く確保できるためメリットが大きいと言えます。

このほかブランドイメージを確立できる点も、メリットのひとつです。

その商品の価値を認めてくれる消費者や企業がいれば、顧客に高価格で提供しても受け入れてもらえます。そして高価格帯=高級製品というイメージのブランディングが行えます。

スキミングプライシングのデメリット

ある企業がスキミングプライシングを行い、高価格帯で売上を順調に伸ばすと、それを知った競合他社が同様の商品で価格を下げ、次々と参入してくる可能性が高くなります。

スキミングプライシングは早期に開発コストを回収できる一方で、市場に商品が浸透しにくいという弱点があります。

そのため競合他社に参入を許してしまい自社商品が選定されにくくなってしまうというデメリットがあります。

そのようにならないためにも、常日頃より顧客との信頼関係を築き、自社の差別化を図っておくことが肝要です。

スキミング戦略の成功事例

スキミング戦略は数々の一流企業も取り入れ、その効果は実証されています。

  • iPhone(Apple)
  • バーミキュラ(愛知ドビー)
  • パンパース肌へのいちばん(P&G JAPAN)(

iPhone(Apple)

iPhone(Apple)
スキミング戦略の成功事例として代表的なのがAppleのiPhoneです。他のサイトでも多数取り上げられていますので、参考にしている企業も多いことでしょう。

Appleは2007年以降iPhoneの新規販売価格を徐々に上げていっています。米国で価格帯が最もピークとなったのは1400ドルで、ヨーロッパでは2000ドルにもなっています。

これはスキミングプライシングが成功したもっとも代表的かつメジャーな成功事例です。

iPhone以外にスキミングプライシングがうまくいった事例をもう少し見ておきましょう。

バーミキュラ(愛知ドビー)

バーミキュラ(愛知ドビー)
画像引用元:愛知ドビー株式会社「VERMICULAR」公式サイト(https://www.vermicular.jp/)

愛知ドビー株式会社が手掛ける「VERMICULAR(バーミキュラ)」は、フライパンや鍋などの鋳物をメインとして扱う、高級鋳物調理器ブランドの会社です。

一時の高級炊飯器ブームが盛り上がっていた最中、バーミキュラの7~8万円もする炊飯器が半年待ちなどと騒がれたことが記憶に新しい家電ブランドです。

バーミキュラの製品には固定ファンが多く付いており、例えば約3万円する高級鋳物鍋でも飛ぶように売れていきます。

これほどまでに価格を高額設定しているにも関わらず、値段を下げなくても売れ続けている背景には、バーミキュラの鋳物には他社の鋳物にはない特徴があるからです。

それが「無水調理ができる鍋」です。他社には真似できない独自の技術力により、スキミングプライシングを成功させています。

パンパース肌へのいちばん(P&G JAPAN)

パンパース肌へのいちばん
画像引用元:P&G JAPAN「マイレピ」(https://www.myrepi.com/brands/pampers)
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P&Gは低価格帯商品の販売には失敗、その失敗を活かした高価格帯商品は順調に売れ行きを伸ばしました。一般の紙おむつより1枚につき3~5割高にもかかわらず。高品質な素材ややわらなか肌タッチで多くの産院やママさんたちの支持を集めています。

つまり「高級紙おむつ」というカテゴリで、スキミングプライシングを成功させたのです。

その要因となったのが「消費者の心理を理解すること」です。「コンシューマー・イズ・ボス=ボスは消費者」というスローガンのもと、徹底的に顧客に寄り添った商品を開発し続けました。

その結果「高くても買う」という優良顧客を多数獲得することに成功したのです。

※参照元:日経クロストレンド「高価格帯パンパース好調のワケ 消費者心理を見誤った失敗が糧に」(https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00289/00003/

スキミング戦略・スキミングプライシングまとめ

スキミング戦略・スキミングプライシングまとめ
スキミング戦略は商品販売戦略としてとても効果的ですが、自社の立ち位置や商品特性などをよく見極めた上で行わなければ思うような効果は得られません。

マーケティングは奥が深いもので、価格戦略を一歩間違えると事業自体が失敗するので慎重を期する必要があります。

マーケティング戦略に基づいた施策は複数同時に走らせるべきもので、なかでもWebマーケティング戦略は新製品上市には必要不可欠です。

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