【医師の採用方法】欲しいドクター獲得を成功させるポイントとは?

【医師の採用方法】欲しいドクター獲得を成功させるポイントとは?
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医師不足が深刻だ、地方だから医師が集まらない、と自院の医師採用に苦労されている病院やクリニックが少なくない、と聞きます。

これから先2~3年は医療機関にとって試練のときが続きますので、「欲しいドクター」を着実に獲得できるようにしたいもの。

ここでは、医師の採用方法と、採用を成功させるための戦略について紹介します。ただやみくもに求人広告を出す前に、自院で取り組めることを実施することが大事です。

医師の採用市場・転職市場について

需要はあるのに、医師不足といわれる原因は、医局制度の崩壊が絡んでいます。以前は医局から病院に就職することが一般的でした。しかし、医局制度の崩壊により医学部卒業後、待遇の手厚い病院や立地条件の良い病院に求職者が流れることとなったのです。

また、結婚や出産などの転機によって、病院との勤務体系を合わせづらくなり、泣く泣く医師という職を手放さなければなくなる事態になっています。
人手不足を解消するには、自院と他院の魅力の差別化や、転職者が応募しづらい状況の追求・改善策を立てることが近道と言えそうです。

民間職業紹介事業者・直接募集が増えている

縁故採用・医局からの派遣では間に合わないと、民間職業紹介事業者を活用したり、自院のホームページで募集したりする病院が増えています。色々なツールで募集する病院が増えたことで、民間職業紹介事業者やホームページに注目する医師が増えつつあります。

思うように医師が募集できないなら、複数の媒体を使って募集するのが望ましいでしょう。

医師の採用におけるポイント

ここからは、医師を採用するときに注意したいポイントを解説していきます。固定観念にとらわれて良い人材を逃さないためにも、採用方法の見直しを行いましょう。

やりがいを重視する医師に向けて情報を発信する

医師は他業種と比べると給与が高い職種なので、給与面や福利厚生面で訴求しても響かない可能性があります。給与や福利厚生よりも、やりがいを求める医師が多いので、病院の特色を伝えるほうが興味を持ってもらえるでしょう。

病院が目指す方針を大体的にアピールする
病院が目指す方針は、ホームページなどを使ってアピールするのがおすすめです。たとえば、一人ひとりの患者に時間をかけて説明するのが売りの病院なら、ゆとりを持った診療を心掛けていると訴求すると良いでしょう。

逆にスピード感を持って診療に当たる病院なら、効率的な診療体制で数をこなして腕を磨けると訴求しても良いかもしれません。医師によって目指す姿は異なるので、何科に力を入れていて、どんな方針で診療に当たって欲しいのかを明確にすることが大事です。

ワークライフバランスを重視している医師を囲い込む

ワークライフバランスを大事にしている医師は少なくありません。最近は、就活や転職活動で給与・福利厚生よりも、残業や休日出勤の有無を重視している人が増えているといわれています。

医師の中にも同様に、給与面ではなく私生活を大事にしたいと考える人が増えています。求人広告を打っても反響がない場合は、「プライベートと仕事を両立できる」点に目を向けてもいいでしょう。

もし、当直なしやオンコールなしなど、社員の時間拘束を減らせる働き方ができる場合は、そこを強みにした応募をかけるのもおすすめです。

育児と仕事を両立させたい医師を呼び込む
男性女性問わず、医師の中には育児に力を入れたいと考える人はたくさんいます。ただ、当直やオンコールの関係で、希望する勤務体系では雇ってもらえないと諦めている医師は少なくないでしょう。

他院と差別化したい場合は、育児しながら働けると全面的にPRするのも一つの手です。子どもの急な発熱による有給取得にも寛容で、残業はほとんどないとアピールすれば響く層はいます。

医師と病院との間を取り持つ姿勢を伝える

医師募集を出す際は、医師のニーズを聴く姿勢をPRするのが大事です。ちょっと伝えるのがはばかれる要望も、経営サイドが医師と病院との橋渡し役になると訴求すれば、医師とのコミュニケーションも円滑に進みます。

角が立たないように希望を伝えたいと考える医師は多いため、相談しやすい環境が整っているとアピールすることが大事だといえます。

医師に担当して欲しい領域を明確に教える

医師にどの領域を担ってほしいか、どの医師のサポートをしてほしいかは、医師採用の条件としてハッキリと伝える必要があります。

また、働く医師からのコメントだけでなく、ともに働いている看護師や事務局から見た病院の姿も併せて掲載するのがおすすめです。

医師や看護師の意見を取り入れる

病院に限らず、名ばかりのアンケート調査を実施し、働く人の意見を取り入れない企業が必ず存在します。医師や看護師の意見を取り入れて、改善に努めている姿勢を示すのが大事です。

大胆ではありますが、思い切って職員の不満をホームページに掲載するという方法があります。もちろん、不満に対して「病院はどうアクションしたか」というアンサー付きです。

例えば「職員が意見をしても経営層の意見に流れる」という苦情があったとします。その苦情を受けて改善に努めたのであれば、「一般職員からも要望を吸い上げる方式を採用した」とアピールにもつながります。

また、不満に対しても誠実な対応を取れる病院として、求職者の好感度も高まり一石二鳥です。

一般職員のニーズを吸い上げることも大事
鶴の一声によって方針が決定する、と不満に感じている医師は意外と多いはずです。特に、経営にかかわる役職者以外の職員は、方針を決定するときに意見さえ聞かれないと不満を募らせる傾向があります。

不満があがるのは、自分が関与できないところで決定が下されている事実に、ないがしろにされていると感じる人が多いためです。

ワンマン経営の弊害を生み出さない取り組みをつくり、病院を一緒につくって行こうと投げかけるだけでも、反響は期待できます。

病院を辞める医師の話を聞く

辞める医師の話を聞くと、自院の悪いところが浮き彫りになります。「なぜ退職に至ってしまったのか」という不満の把握・改善を行うと、採用率向上につながるのではないでしょうか。

辞める直前は周囲への配慮で口をつぐむ人が多いので得策ではありません。数か月ほど時間を置いて連絡するのがベスト。「前に勤めていた病院」として心の整理がつく時期なので、当時は言いづらかった不満や退職意思を決定づけた出来事をを話しやすくなります。

フォローを手厚くしている病院だとアピールする

医師と経営層の間を取り持つ事務局が経営層寄りの立ち位置にいると、自分の意見が通らない病院であると求職者に印象付けられてしまいます。公平な立場を保つ事務局がいれば、「もし自分が不満をもっても意見を言いやすい」と求職者に安心感をもってもらえるうえ、自院のアピールにもなるでしょう。

その際に、「事務局が言いにくいことを代わりに伝えます」など求職者に寄り添う言葉があると魅力的です。それだけでも、関係各所に根回しする細やかな配慮、角の立たないフォロー体制を整えていることが伝わります。

病院内のインナーブランディングを進める

自院が求める人材像を職員が知らないというケースは珍しくありません。医師や看護師・事務局員など自院に関わる者には、自院が求めるニーズを共有しましょう。

もし「どのような医師が欲しいか」「医師がどのくらい足りていないのか」を知っていれば、職員が知り合いの医師を紹介してくれる可能性があります。また、自院の運営方針の統一によって、既存のスタッフも向かうべき方向がわかり、モチベーションを上げる要因にもなるでしょう。

ほかの業態でも注目されている「インナーブランディング」(組織内に共通認識を持たせ、意思統一を図る)が成功すれば、必ずや医師の採用にもプラスにはたらきます。

採用後の定着率を上げるためにも、自院の経営方針や診療方針を共有して、インナーブランディングを推し進めましょう。

とりあえず医師の募集をするスタイルは止める

どんな人材が欲しいか定まっていないにもかかわらず、医師の採用募集を続けていませんか?

特に、選択できる病院が多く転職活動が活発な都心と違い、地方は戦略のない採用スタイルでは求める人員がほぼ見つからないと考えられます。「どんな人物にきてほしい」「欲しい人物を採用するにあたり、情報開示はどこまで行うか」など、採用担当者と経営層で意見をすり合わせは必須です。

希望勤務地は絶対条件ではないケースがある

勤務地の立地やアクセスの良さなども、もちろん採用活動を行ううえで十分なアピールポイントになります。しかし、「専門分野を極めるやりがい」や「10年、20年と長期を見据えて将来性を考えられる病院か」など、病院そのものの魅力が、勤務を希望する地域を越えて求職者の心を動かすケースがあります。

勤めている医師の経歴を掲載し、自院そのものの魅力を伝えたうえで勤務地の良さを伝えるのもひとつの手段です。

新規登録者には積極的アプローチする

医師向けの求人媒体を利用するなら、新規登録者には積極的にアプローチをかけるべきです。媒体によっては、新規登録者がわかる機能を搭載しているサービスもあります。

就活・転職活動をスタートさせたばかりの医師にアプローチすることで、他院から声がかかる前に自院を検討してもらえる可能性があります。

最初から良過ぎる条件を提示しない

就活・転職活動中の医師と接触するときは、最初から良過ぎる条件を提示しない方がうまくいく可能性があります。まずは、病院の方針と採用に対する熱意を伝えて、自院の魅力を最大限にアピールしましょう。

自院の魅力を伝えて迷っているのであれば、給与・住宅手当・勤務体制・福利厚生で良い条件を段階的に提示していきます。条件を提示していくうちに、そこまで譲歩してくれるならと決意してくれる可能性が高まります。

採用後も定期的に気に掛ける必要がある
良い条件を提示して採用が決まっても、新しい職場に馴染むには時間がかかるものです。事務局が気に掛けるだけでなく、医師のもとにつく看護師や事務員にも根回ししておく必要があります。

病院がどういう状態で、どういう想いで募集したのか、職員には医師をどのようにしてフォローして欲しいのかをあらかじめ伝えておきたいところです。

新しく来た医師に自分の手腕で一から関係性を構築してもらうのは、あまり現実的ではありません。勤めて長い看護師や医師にフォローして欲しいと、病院側から頼んでおくと良いでしょう。

フォローの有無で、新人医師の安心度は大きく変わり、定着率の向上にも貢献してくれるはずです。このようなフォロー体制の重要性は、一般企業と大きな差はありません。

医師の採用手法

これより先は、医師の採用に活用できる募集方法を紹介していきます。

民間職業紹介事業者

民間職業紹介事業者は、サービスに登録した求職者と企業をマッチングしてくれます。求職者に対して、民間職業紹介事業者から応募を勧めるサービスもあれば、企業が直接アプローチをかけられるサービスもあります。

求人媒体

医師向け求人媒体には、募集している医師の求人情報が掲載できます。ただし、掲載期間が限られるのと、スペースによって金額が異なるので、伝えたい情報を載せきれないケースもあります。併せて自院のホームページに、求人情報を掲載しておくのがおすすめです。

医療従事者向けの雑誌・業界紙

医療従事者向けの月刊誌や医療業界向けの専門紙、新聞などに医師募集の広告を掲載します。雑誌やマスメディアを活用する場合は、ダイレクトにやり取りするのは現実的ではないため、医療業界に精通した広告代理店などを通して、広告を掲載します。

掲載のタイミングや広告枠の選定、掲載回数や掲載期間によって広告費用が細かく設定されています。

ポジショニングメディア

ターゲットを絞るイメージ画像

ポジショニングメディアは、自院と相性の良い医師をピンポイントで集めるインターネット上の採用メディアです。

Web上で効果的な採用活動を行うには、ユーザーが検索の際に入力する「検索キーワード」が重要です。

「医師 求人」のようなキーワードだと範囲が広すぎて、自院と相性がよくない人材も応募してしまいます。採用率や定着率が下がり、全体の採用コストが高くなります。また、広いキーワードで検索した場合はユーザーの選択範囲に入る競合が多すぎて、自院に合う人材が競合に流れてしまうリスクも高まります。

一方、「自院名 求人」のようなキーワードだと範囲が狭すぎて、自院を既に認知していないユーザーしか集められません。

それに対してポジショニングメディアは、自院と合う人材を集めることに特化したWebメディアです。「ちょうどいいターゲット層」を狙って、特定の人材の集客に向いています。

ポジショニングメディアではたとえば「医師 30代 転職」など、ターゲットを絞ったキーワードをもとにWebサイトを展開します。メディアのテーマや内容は、採用したい人材のニーズと自院の強み・魅力に合わせます。医師としての仕事の選択肢や仕事の選び方など、客観的な視点から解説を行いながら、自院で働く魅力をアピールします。

ユーザーに対して「こんな仕事がしたいなら自院」と認知してもらうことで、「自分に向いているのはこの病院」と入職意欲・マッチ度の高い人材を集められます。採用率・定着率が上がり、採用コストの削減が可能となります。

ポジショニングメディア立ち上げの流れや導入事例を見たい方には、下記のページにて参考資料を用意しております。興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

リファラル採用

リファラル採用とは、職員に良い人材を紹介してもらう方法です。医師の知り合いは医師というケースが多く、呼びかけるだけで意外と紹介してもらえる可能性があります。

自院が「どんな人材を求めているか」を日頃から、職員に認識の浸透を図ることで、紹介者も自院のニーズに合った人へ声をかけてくれるでしょう。さらに、紹介者には報酬や特典の用意は、リファラル採用の稼働率を高めるのに大切な要素です。

ただし、紹介された医師を不採用にした場合、紹介者とされた者の間に溝ができる可能性があります。その溝を埋めるためのフォローも考慮しておきましょう。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、直接病院から医師にアプローチする方法です。転職活動をしていない、潜在層にアプローチするため優秀な人材を確保しやすい採用活動です。ただし、自院の職員が積極的に動かないといけないので、採用するまでに時間がかかるというデメリットがあります。

医師の採用方法まとめ

医師の採用においては、他院と自院の違う点、バリュープロポジションを明確にすることが重要です。他院と差別化を図るには、病院の方針と求める人材像をアピールできる場を持つと良いでしょう。

オウンドメディアや採用メディア、ホームページを活用して採用に関する情報を多く掲載すれば、病院の求める人材と医師が求める条件をすり合わせやすくなります。

貴院独自の医師採用戦略や「こんなドクターが欲しい!」という採用希望をかなえられる採用マーケティングに興味がある場合は、下記フォームよりZenkenまでご相談ください。オンラインでご要望をヒヤリングさせていただくことも可能です。

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