AIの音声認識や発話機能を活用することで、電話対応を自動化できるAI電話自動応答サービス。しかしAI電話自動応答サービスは、それぞれ機能や特徴が異なるため、自社の課題にあったサービスを選択することが大切です。
この記事では、各社が提供するAI電話自動応答サービスの特徴や機能、料金プランについて比較・紹介します。自社の課題を解決できるサービスかどうかを比較してみてください。
AI電話自動応答サービスの一覧表
ここでは、AI電話自動応答サービスを提供する各社の特徴を一覧にしました。AI電話自動応答サービスは自社のニーズに合ったサービスを導入ことが重要です。以下の表を参考にしながら、自社に合ったサービスを探してみてください。
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
コールコール(CallCall-IVR) |
連携サービス数業界トップクラス! システム連携で電話受付からデータ化まで完全自動化
|
AI Messenger Voicebot |
導入目的に合わせて自然なコミュニケーションに近いシナリオを構築 |
ロボット自動受付サービス |
300回線以上の同時着信が可能。受付内容はSMSで送信可能 |
AI電話サービス |
50種類以上の音声から選択可能。各種PBXにも接続できる |
MOBI VOICE |
通常の環境では100件、最大で1,000件の同時着信が可能 |
AIコンシェルジュ |
カスタマイズ可能な拡張機能が充実。総合的なサポートが魅力 |
PKSHA Voicebot |
シンプルなUIでフローチャートのように対話フローを作成できる |
IVRy |
シンプルな料金体系と導入のしやすさが魅力 |
ミライAI |
複数の会話シナリオから利用したい業務に合わせて選択可能 |
ディー・キュービックAI電話自動応答サービス |
代表電話受付、予約受付、注文受付、3つのパッケージから選択できる |
Terry |
通販番組の注文受付や修理の予約手続きなど、複雑な電話にも対応可能 |
LINE AiCall |
音声認識、音声合成、会話制御の仕組みを組み合わせることで自然な対話応答を実現 |
AI電話自動応答サービスとは?
AI電話自動応答サービスとは、AIが顧客との会話内容を判別し、対話を自動的に進めるサービスのことです。まるで人が会話しているかのように返答を行うことができるので、今まで自動音声によるサービスを導入しにくかった業務にも対応が可能になっています。
オペレーターの負担やストレスの軽減、人的コストの削減、業務の効率化による働き方改革にも繋がる、有用なサービスです。 ここでは、AI電話自動応答サービス全体の特徴について詳しく調べました。ぜひサービス導入の参考にしてみて下さい。
AI電話自動応答サービスを導入するメリット・デメリット
AI電話自動応答サービスを導入するメリット
問い合わせ業務の効率化
電話対応を自動化することによって、これまで負担がかかっていたオペレーターの業務負担を軽減することができます。
FAQなどの簡単な問い合わせは自動的に処理してくれるので、人の介入が必要な複雑な質問だけがオペレーターにつながるように設定することが可能です。 その結果、入電数自体が削減され、電話応対以外の実務があるスタッフはそちらに集中することができるようになります。
あふれ呼や放棄呼対策に有効
AI電話自動応答サービスの導入により、顧客満足度の向上が期待できます。あふれ呼や放棄呼が減少し、待ち時間の短縮にもつながります。 また、IVRと比較すると音声ガイダンスを聞く必要がないというメリットもあります。
人件費のコスト削減につながる
電話対応にかかる工数が少なくなるため、限られた人員での対応が可能になります。その結果、人件費を削減へとつながります。 また、離職率も低下する傾向にあるので教育コストの軽減にもつながります。導入コストはかかりますが長期的にはコストパフォーマンスが高いシステムと言えるでしょう。
営業時間外の対応が可能に
人による電話応対とは異なり、24時間対応が可能になるため機会損失を防ぎやすいことも導入メリットの1つです。 顧客が好きなタイミングで問い合わせができるようになり、テキスト入力が苦手な方にとっても嬉しいサービスとなっています。
AI電話自動応答サービスを導入するデメリット
導入や運用のコストが必要
AI電話自動応答サービスは、IVR(自動音声応答システム)と比較すると導入費用は高くなることが多い傾向です。 また、回答精度を上げるためのチューニングも必要になるので、導入しただけでは導入効果が得られず、ある程度の運用コストも発生します。
シナリオ設計が必要
AI自動音声応答システムは、初期設定として会話のシナリオを設計しなくてはなりません。過去の問い合わせデータを分析してシナリオを構築することが多いため、手間と時間がかかる傾向にあります。
シナリオ設計はIVRやチャットボットといった他の自動応対システムでも必要なため、AI自動音声応答システムだけに限ったデメリットではありません。
AI電話自動応答サービスでできること
ここでは、実際にAI電話自動応答サービスで実現可能な業務を紹介します。 具体的な活用事例を読むことで、実際に自社で運用するイメージを持ちやすくなるでしょう。
予約受付および管理の自動化
飲食業界などでは、ネット予約が普及した現在でも電話で予約を取る人も多く存在しています。
AI電話自動応答サービスを導入することで、キャンセル対応や予約の変更も自動で対応が可能になり、大きな人件費削減効果が見込めます。 予約日の前日にリマインドコールをしてくれる機能が付いているサービスもああります。
代表電話宛の一次受け
企業の電話窓口となる代表電話には、多方面から数多くの電話がかかってきます。
AI電話自動応答サービスであれば、相手方の要件を聞いた上で「担当から折り返す」と案内することで、電話応対のタスクをゼロにすることも可能です。 営業電話を精神的な負担なくシャットアウトできるのも大きなメリットとなっています。
また、24時間365日対応が可能なため機会損失の防止に繋がります。
支払い催促・納期確認
AI電話自動応答サービスは、こちらから発信して、顧客が電話を受けた場合にも活用することができます。たとえば、支払いの催促・支払期日の確認など、ストレスフルなタスクをスタッフの負担なく確実に実行することが可能になります。
AI電話自動応答サービスを選ぶポイント
AI電話自動応答サービスは、サービスによって機能も大きな違いがあります。 そのため、実際に導入する前に自社の運用ニーズに合わせた機能を備えたサービスであるか、確認する必要があるでしょう。
ここでは、AI電話自動応答サービスを選ぶ際のポイントについて紹介します。
オペレーターとの連携ができるか
まず、人のオペレーターと混在させてAI電話自動応答サービスを利用するつもりであれば、オペレーターへ転送機能が必要になります。顧客に別のサイトやシステムに移動してもらう必要がある場合には、かけてきている顧客の電話番号にSMSを送信する機能があると非常に便利です。LINEに対応しているサービスもあるので確認してみましょう。
他システムとの連携ができるか
利用者とのやり取りから発生した情報を、CRMや予約台帳システムなどのバックエンドシステムに自動で登録してほしい場合、APIによる連携機能があると便利です。RPAを利用して、ロボットに登録作業をしてもらうことも可能です。
逆に利用者とのやり取りの際に、自社のデータベースに蓄積されている情報を参照して対応することができるサービスもあります。たとえば、「○○の日程を教えて欲しい」という問い合わせに対して、社内データを自動で確認して「〇月△日です。予約しますか?」と具体的な返答をしてくれます。
発信機能があるか
予約の確認や納期の確認、入金の催促といった場合に、こちらから電話をかけるというニーズも存在しています。サービスによっては着信だけでなく発信する機能も備えているので、自社の運用では必要であるか検討しましょう。
IVRとの併用可能であるか
AI電話自動応答サービスにはIVRと共存できるサービスもあります。たとえば、商品購入の確認などで「よいですか?」と聞いて「はい」と答えさせるのが一般的ですが、確実に同意を取りたい場合などに、「1を押してください」とナビゲーションすることもできます。
AI電話自動応答サービスの活用業界例
自治体への活用事例
24時間いつでも気軽に問い合わせが可能となることで、市民の利便性が向上しました、コンタクトセンターや業務書管理課などの各窓口に対する問い合わせも減少し、職員の問い合わせ対応業務の削減も可能となりました。
引用元:自治体通信Online公式HP(https://www.jt-tsushin.jp/articles/column/casestudy_ai-jidoouto_case#01)
製造業への活用事例
代表電話の鳴る頻度が大幅に減少し、電話の取り次ぎによる時間のロスが大幅に減りました。電話をいただいた方からの評判も良く、未来志向的だとお褒めの言葉を頂けることもあります。
引用元:ミライAI公式HP(https://www.miraiai.jp/works/231211_eiwa-kiko/)
保険会社への活用事例
24時間365日、自動で電話受付可能になったことで、お客様の利便性が向上しました。また、日中の受電数の削減により、オペレーターの工数も減りました。入電集中時にお客様を待たせることなく、顧客満足度の向上にも貢献してくれています。
引用元:AI Messenger公式HP(https://www.ai-messenger.jp/voicebot/case/2535/)
AI電話自動応答サービス導入に関するよくある質問
AI自動電話応答とIVR(電話自動音声応答システム)の違いは?
AI自動電話応答(ボイスボット)とIVRは、どちらも問い合わせ業務を自動化するためのシステムですが、応答方法に違いがあります。 IVRはあらかじめ登録しておいた音声ガイダンスを再生するのに対して、AI自動電話応答のほうは音声認識エンジンが顧客から問い合わせをヒアリングし、臨機応変に適切な回答を行います。まるでオペレーターと話しているかのような自然な応答を可能にしたのが、AI自動電話応答となっています。
AI自動電話応答(ボイスボット)とIVRではそれぞれ利用するのに適したシーンが異なるので、どういった内容の電話応答を自動化したいかによって選ぶようにしましょう。 導入コストや利用開始までの期間もサービスによって異なるので、よく検討した上で自社に合ったサービスを導入すると良いでしょう。
AI電話自動応答サービスのまとめ
AI電話自動応答サービスは、AIが顧客との会話内容を判別することで対話を自動的に進めるサービスです。ここでは、各サービスの特徴、導入メリット、デメリット、サービスを選ぶ際のポイントなどについて紹介してきました。サービスの導入を実際に検討する際は、自社の導入ニーズに合ったサービスを選ぶようにしましょう。
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- 本記事は、2024年3月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。