保険代理店システムは、顧客情報や契約情報を管理できるほか、システムによって顧客対応履歴や社内タスクの可視化なども可能なシステムのこと。顧客との対応履歴や未加入保険をスムーズに把握できると業務効率化だけでなく、適切な商品提案が可能になるため募集人の接客品質向上にもつながります。
本記事では企業規模や課題に合わせておすすめの保険代理店システムを紹介しています。保険代理店システム導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
保険代理店システム
中~大規模保険代理店向け
小~中規模保険代理店向け
インプラス・ウェッジ

強み
金融機関関係代理店、企業内代理店、訪問型・来店型代理店など幅広い業務形態に対応する。
Fusion

強み
自社チャネルでデジタル保険の提供も可能。保険手続き時の利便性を上げたい保険代理店向け。
MIC-ViewSystem

強み
創業12年の風評被害対策会社。検索エンジンのみならず掲示板や口コミサイトにも対策可能。
CSB

強み
小規模事業者への導入実績が多い保険代理店が作ったシステム。営業活動支援、勤務や教育もカバーする。
会社名 | サービスの特徴 |
---|---|
i-Fit |
業務に合わせてカスタマイズ可能!CRMや事務系機能が充実◎
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AS-BOX |
25社の生命保険商品を一括見積・試算!書類の作成業務を最適化
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hokan® |
代理店業務を効率化する機能を網羅的に搭載!生産性向上をワンストップで支援
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YouWill-CRM |
低コストで導入できる!サブスク型の保険代理店システム
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保険マネージャーforBusiness |
損保契約の内容や満期の管理で業務効率を大幅アップ |
インプラス・ウェッジ |
損害保険会社・保険代理店の豊富なノウハウを集約 |
クロスキャット |
業務システムの開発から運用・保守までサポート |
御用聞き |
複数の営業ツールと相互連携が可能!生産性向上に寄与 |
WiseOffice |
顧客・契約情報の一元管理で業務効率化 |
Fusion |
デジタル上で保険商品を提供 |
MIC-ViewSystem |
労務管理・業務分析機能でDX化を推進 |
グループウェア |
スマホ・タブレット対応でどこでも利用できる |
CSB |
最新情報を提供し、現場と経営を支えるパートナー |
導入前に押さえたい費用相場
保険代理店システムの導入を考えるとき、一番気になるのは費用ではないでしょうか。費用構造をしっかり理解しておくことで、初期投資への不安を和らげ、計画的な選定に進むことができます。
ここでは、月額費用と初期費用について、それぞれの特徴を具体的にご紹介します。
月額課金モデルの内訳
保険代理店システムの多くは、クラウド型で提供されており、毎月の利用料金が発生します。
月額料金は、1IDあたり3,000円〜7,000円前後が一般的な水準です。
たとえば、年契約にすると月額3,000円、月ごとの契約なら5,000円など、契約期間によっても価格に差が出ます。
また、利用する人数が増えるほど費用も上がる仕組みです。追加機能(手数料計算や勤怠管理、電話連携など)を付けると別途オプション料金がかかります。大規模代理店や高機能なシステムの場合、月額13,000円を超えることもあります。
料金要素 | 内容 |
---|---|
基本月額 | 1IDあたり3,000〜7,000円 |
ユーザー数 | 利用人数に応じて変動 |
保険会社数 | 取扱数により変動する場合あり |
オプション機能 | 手数料計算、CTI連携など追加費用 |
単純な価格比較だけで選ばず、自社に必要な機能や課題解決につながるかどうかを重視してください。
初期費用
初期費用は、システム導入時に一度だけ発生する費用で、3万円から5万円程度が目安となります。小規模導入の場合はこの範囲ですが、代理店の規模や既存データの移行作業量によって変動します。
データ移行の作業が多い場合や設定代行を依頼する場合は、費用が高くなることもあります。クラウド型の普及により、以前のように数十万円、数百万円といった大きな初期費用はかからなくなってきています。
提示された初期費用が高い場合は、既存データの整理やクレンジングを進めることで費用を抑えられる場合もあります。
タイプ別メリット早見表
保険代理店システムは、目的や業務の特徴によって主に3タイプに分かれています。
それぞれの特徴とメリットを比較し、どのタイプが自社に合っているか検討しましょう。
システムタイプ | 主なメリット | 適した代理店 |
---|---|---|
業務支援特化タイプ | 事務作業の短縮、手数料計算や勤怠管理の自動化 | バックオフィス業務に時間がかかる代理店 |
顧客管理特化タイプ | 顧客情報の一元化、営業進捗の可視化 | 営業活動と顧客対応を重視したい代理店 |
グループウェア連携タイプ | 情報共有や遠隔協働がしやすい | 複数拠点やリモートワークの代理店 |
業務支援特化タイプ
このタイプは、日々の事務作業や手数料計算など、事務処理を大幅に効率化できます。特に、手数料計算の自動化は人的ミス防止や作業時間削減に直結します。経費精算や勤怠管理など、経営管理面までサポートが可能です。
業務品質と生産性向上を重視する代理店におすすめです。
顧客管理特化タイプ
顧客管理特化タイプは、CRM(顧客関係管理)機能が中心です。複数保険会社にまたがる契約情報や面談記録などを一元管理し、情報の名寄せ精度も高まります。
営業進捗の見える化や、顧客のライフイベントに応じた自動提案機能もポイントです。
グループウェア連携タイプ
グループウェア連携タイプは、スケジュール管理やタスク共有など、社内コミュニケーションを円滑化します。
複数拠点やリモートワーク環境でも、全社員が情報を共有しやすくなるため、チーム全体の連携強化に役立ちます。
保険代理店システムの主な機能
契約情報の一元管理
違う保険会社の契約情報でも一元管理できる機能です。解約・更新情報が自動で反映されますので、最新の契約情報をスムーズに確認できます。
顧客情報管理
顧客の家族情報、年齢、年収などの属性情報をはじめ、ライフプラン情報、契約情報、面談記録まで、さまざまな情報をデータベースで一元管理することで、営業活動や接客などを円滑に行うことが可能です。
顧客対応履歴
事故やクレーム、未納など、さまざまな対応状況を可視化する機能。そうすることで、顧客対応の品質を向上させるだけでなく、対応漏れを防ぐ効果も期待できます。
保険代理店システムのメリット
データを戦略に活用できる
今後の事業戦略に、データを活用できるメリットがあります。収集されたデータは、現在の状況分析・把握に役立つだけではなく、事業戦略を立てる材料にも活用できます。
営業動向データを一元管理できる
機能の欄でも述べましたが、代理店から集まってくるデータを一元管理できることも、保険代理店システムを導入するメリットです。データを本部内で共有すれば、さまざまな視点から多くの意見が出てくること期待され、業務の引き継ぎの際もスムーズです。
保険代理店システムの選び方
保険代理店システムを選ぶ際は、下記の機能が搭載されているかに注目して選ぶと良いでしょう。
- 営業活動支援機能:顧客の要望・苦情のアラート通知や適切なアフターフォローを行う
- スタッフ管理機能:勤怠管理や成績管理をワンストップで行える
- 「共同ゲートウェイ」と連携して申込成立状況管理が自動化されているか: 1つのIDで複数の保険会社にオンライン接続可能な「共同ゲートウェイ」システムと連携していれば、共同ゲートウェイを通じて申込成立した際、自動的に各種情報がシステムに反映されます。
共同ゲートウェイ連携の基礎知識
保険代理店が複数の保険会社と取引する「乗合代理店」として業務を効率化するには、共同ゲートウェイとの連携が重要です。
共同ゲートウェイとははNTTデータが提供する仕組みで、複数の保険会社のシステムと代理店システムをつなぐ共通の入り口のようなものです。
この仕組みを使うと、保険会社ごとに別々だったログインや入力作業が不要になり、一つのIDとパスワードだけでまとめてアクセスできるようになります(シングルサインオン=SSO)。
主な効果は以下の通りです。
- 申込・契約情報が自動連携されるため、手入力や二重入力の手間が不要
- 証跡(監査証跡)が自動保存され、セキュリティやコンプライアンス対応も安心
この共同ゲートウェイ連携があることで、乗合代理店は複数保険会社の商品を効率よく扱え、顧客への提案の幅が広がります。
連携機能は単なるオプションではなく、今後の競争力強化のために重視したいポイントです。
導入ステップとチェックリスト
保険代理店システムの導入は、ソフトウェアを入れるだけの作業ではありません。業務全体を見直し、成功に導くための計画的なプロセスが重要です。
ここでは、5つの導入ステップと主なチェック項目を紹介します。
- 課題洗い出し
まず自社の現状を分析し、「何を解決したいか」を明確にします。
- 導入目的やKPIは明確か
- プロジェクト責任者と担当は決まっているか
- 全体スケジュールや予算は定まっているか
- デモ比較
複数のシステムベンダーからデモを受け、使いやすさやサポート体制もチェックしましょう。
- 必須要件を満たしているか
- 画面や操作性は分かりやすいか
- サポート体制や将来の拡張性はあるか
- データ整備
既存の顧客・契約データを新システム用に整理します。
- データ形式(CSVなど)は確認済みか
- 移行計画書は作成しているか
- 少量データでリハーサルを行う予定か
- 本番移行
実際にシステムを本稼働させ、操作研修なども実施します。
- 導入講習のスケジュールは決まっているか
- 新業務フローのマニュアルは用意しているか
- トラブル時の対応計画はあるか
- 運用改善
定期的なモニタリングやフィードバックをもとに、さらに活用方法を高めていきましょう。
- サポート窓口を活用できているか
- KPIの進捗を追跡しているか
- 業務改善ミーティングを行っているか
保険代理店システムに関するよくある質問
Q1. 小規模でも導入メリットはある?
A. 小規模代理店でも、満期管理やリマインドの自動化などの機能で、担当者の業務負担が大幅に軽減されます。
限られた人数で効率的に業務を回せるようになり、結果として顧客満足度の向上やコンプライアンス強化にもつながります。
Q2. 既存データは移行できる?
A. 既存データの移行も可能です。多くのシステムではCSVファイルで一括取り込みができるため、過去の顧客情報や契約データも新システム上で活用できます。
データ整理や名寄せ、移行計画の事前準備も大切です。
まとめ
営業動向データを一元管理できる保険代理店システムは、1人ひとりの持つ情報を一括で管理して本部内で共有することで、業務効率を向上させ、引き継ぎもスムーズに行うことができます。
顧客情報管理や顧客対応履歴など、幅広い機能を備えている保険代理店システムを選ぶ際は、1つのIDで複数の保険会社にオンライン接続可能な「共同ゲートウェイ」システムと連携しているかどうかもチェックしておく必要があります。
- 免責事項
- 本記事は、2024年11月時点の情報をもとに作成しています。掲載各社の情報・事例をはじめコンテンツ内容は、現時点で削除および変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。