インビザライン・マウスピース矯正の広告で注意すべきこととは【効果的な広告も紹介】
2020年11月25日

インビザライン・マウスピース矯正の市場規模と今後の傾向
インビザラインやそのほかのマウスピース矯正を含め、世界の「見えない歯列矯正市場」は約15%のCAGR(年平均成長率)で成長しているといいます(2014~2019年)。米国がその市場を牽引していることはご存知だと思います(※1)。
「痛くない」「費用が安い」「矯正が目立たない」といった歯科矯正の方法を患者たちが調べてから来院するようになってきており、今後も見えない歯列矯正を希望する患者は増えていくことが予測されます。
また矯正が「単なる歯並びを治す治療」という認識から、「本来歯が持つ機能を改善させるためのものであり、美しさの追求だけが目的ではない」ということをさまざまなメディアで歯科医が発信していることも、好材料になり得ます。
(※1)参照元:株式会社グローバルインフォメーション見えない歯列矯正市場: 世界の業界動向、シェア、規模、成長、機会、予測(2020年~2025年)(https://www.gii.co.jp/report/imarc953023-invisible-orthodontics-market-global-industry.html)
10万人以上いる歯科医師のうち、矯正歯科は2万人程度。残りの8万人に向けマウスピース矯正導入のためのセミナーが活発に行なわれるなど、日本のマウスピース矯正にはまだまだ伸びしろがあります。
コンビニよりも多いと言われる歯科医院のなかで差別化を図り矯正歯科を標榜している歯科医院も、この先ライバルが増えていくことは覚悟しなければなりません。その対策として優先すべきことがオンラインによる集客です。
インビザライン・マウスピース矯正のオンライン集客における注意点
競合が増えるとなれば、集客施策の中長期的な見直しも必要になります。ここでひとつ質問したいのですが、下記項目のうちすでに対策済みと言い切れるものは、いくつあるでしょうか。
- 医療広告ガイドラインを順守した内容をホームページ上にしっかり記載している
- インビザラインやほかのマウスピース矯正の治療法についてホームページでくわしく解説している
- インビザラインとそのほかのマウスピース矯正との違いを説明している
- 保険診療と自由診療の違いや治療にかかる費用について、誤解が生じないように明記している
- 各治療に対して、向き不向きや治療のリスクなど患者の立場に立ったコンテンツも掲載している
- 医師や歯科医療従事者の顔が見えるホームページになっている
- 歯列矯正に関する基礎知識やトラブルシューティングなどのコンテンツを提供している
いかがでしょうか。上記に挙げた内容は、すべて消費者(患者)が優良誤認をしないために必要なものです。
医療広告ガイドラインは薬機法・医療法・景品表示法をもとにして作られた消費者保護法です。
事実を伏せて客(患者)を誘引するような悪質な広告によって、消費者に不利益が生じないために、こうした関連法規の規制があるのです。
医療広告ガイドラインで禁止されている広告とは
歯科医院のホームページで最近特に目立つのは、最初に挙げた「医療広告ガイドラインの順守」についての記載です。
たとえば、東京八重洲矯正歯科では、「医療広告ガイドラインへの対応・薬機法に関する記載」というページを設け、症例写真の掲載についてや未承認医療機器の扱いについて明記しています。
画像引用元:東京八重洲矯正歯科公式サイト(https://www.tokyoyaesukyousei.com/advertising-policies/)
このような医療広告ガイドライン対応用ページを用意している矯正歯科医院が多く見受けられました。まだ実装していない矯正歯科は早速対応すべきです。
歯科が気を付けるべき医療広告ガイドラインのポイントについては、キャククルの別ページでくわしく解説しています。こちらも参考になさってください。

医療広告全体に関する関連ページは下記を保存版として公開しています。
医療広告ガイドラインで禁止されている広告としてひとつ着目してほしいのは、下記内容です。
また、医薬品医療機器等法の広告規制の趣旨から、医薬品又は医療機器の販売名(販売名が特定可能な場合には、型式番号等を含む。)については、広告しないこととすること。
引用元:厚労省「医療広告ガイドライン」法第6条の5第3項第12号関係(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000209841.pdf)
さらに未承認医療機器に関しても、広告が禁じられています。薬機法の観点で言えば、「インビザライン」は米国のアラインテクノロジー社の製品商標であるため、広告に使用できないことになります。
しかし実際にはリスティング広告に「インビザライン」と入っているものがいくつもあります。これはいったいどういうことなのでしょうか。
インビザラインは薬機法の対象にならない雑品扱い
じつはインビザラインの扱いは「未承認医療機器」ではなく、雑品扱い。薬機法承認済みの素材やインビザラインを米国で作るためのソフトを使用していますが、マウスピースはカラーコンタクトなどと同類。
したがって薬機法の対象外となり広告が可能になる、というわけです。すでにご存知のかたも多いとは思いますが。その代わり、ホームページ内で医薬品副作用被害救済制度の対象外となることなどを明記して、患者の同意を得なければなりません。
医療広告ガイドラインの限定解除をうまく活用する
ここで改めて、インビザラインやマウスピース矯正の広告できる項目を増やすために必要な、医療広告ガイドラインの限定解除について説明しておきます。ここでいう広告とは、公式サイトや公式アカウントのSNS、ブログなどを含むものです。
限定解除のために記載すべき内容には下記のようなものがあります。
- 治療に関する科学的根拠や仕組み
- 自由診療であり保険が適用されない治療であること
- すべての治療にかかる費用の提示
- 治療におけるリスクや効果が得られない場合もあること
- 厚労省が承認していない治療であること
- インビザラインやほかの矯正用マウスピースの入手経路
- 米国など海外における安全性の情報
- 問い合わせ先や住所など情報発信元の明記
問い合わせの電話番号が予約専用電話や自動音声など問い合わせに対する回答が得られない番号の場合、限定解除が適用されないことがありますので注意が必要です。
このほかにも細かい限定解除要件が定められていますが、
- 誤解することなく理解できる情報を消費者に提供できているかどうか
- メリットだけに偏った誘導性の高い広告になっていないかどうか
- 優良誤認や有利誤認を抱きかねない誘導性の高い内容になっていないかどうか
というポイントを押さえ、消費者ファーストな広告やコンテンツになっていることが大事なのです。
(※1)参照元:医療法改正に伴うホームページの広告規制と留意点~平成30年1月24日開催の検討会に基づいて~(https://legal-conference.com/koukoku/website-regulations)
インビザライン・マウスピース矯正の効果的な広告
医療広告ガイドラインを遵守しつつ、ライバルが増え続けるインビザライン・マウスピース矯正で集客効果の高い広告にはどのようなものがあるか、いくつかピックアップしてみました。
矯正歯科のポータルサイトに掲載する
矯正歯科のポータルサイトは大手を含めどれに掲載すべきか迷うところですが、ここではエッジの効いたポータルサイトを2つ紹介します。
インビザドクター
画像引用元:インビザドクター公式サイト(https://invisa-doctor.jp/)
マウスピース矯正の中でも、インビザラインに特化したポータルサイト。運営会社は株式会社ハートミラーですが、法人登録の情報があるだけで、公式サイトなどがネット上にありませんでした。
本サイトで探せるのは、インビザラインの認定医。認定医の基準はインビザラインの治療経験数が50症例以上を「インビザスーパードクター」、100症例以上を「インビザゴールドドクター」、500症例以上を「インビザプラチナドクター」として紹介しています。
インビザラインの治療に力を入れている歯科医院は登録しておくとよいかもしれません。
ただ運営会社の情報などは事前に問い合わせて確認しておく必要があります。
インビザドクター運営会社・お問い合わせ先
株式会社ハートミラー
※公式サイトなし
お問い合わせ先:https://invisa-doctor.jp/dentalists
インビザライフ
画像引用元:インビザライフ公式サイト(https://www.modest-orthodontics.net/)
「インビザライフ」は、インビザラインに特化したポータルサイトで、弊社が制作・運用しているサイトです。インビザラインを導入する歯科医院が増えてきていることもあって、マウスピース矯正の中でも治療が目立たない「インビザライン」にスポットを当てています。
今後はインビザラインによる歯列矯正を導入している歯科医院の紹介ページを作成し、エリアごとに矯正歯科を紹介していく予定です。専門家の監修も入っており、医療広告ガイドラインに沿ったコンテンツ内容となっています。
エリアの集患に役立てていただくポジショニングメディアとなりますので、掲載をご検討いただければと思います。
インビザライフ運営会社・問い合わせ先
運営会社:全研本社株式会社
サイトURL:InvisaLife – 目立たずに美しく矯正ができるインビザライン®の総合メディア
掲載に関する問い合わせは下記よりおねがいします。
インビザライフ
掲載お問い合わせはこちら
小児・子供矯正歯科パーフェクトNAVI
画像引用元:小児・子供矯正歯科パーフェクトNAVI公式サイト(https://www.childrens-orthodontist.com/)
お子さんの歯列矯正体験があるママさん1000名へのアンケートをもとに、小児・子供歯科矯正にかかった費用や治療期間、後悔したなどの本音や口コミをコンテンツ化しています。
子供の歯科矯正に特化しておもにママをターゲットにしているため、より顕在性の高いリードが獲得できるポータルサイトです。
市区町村や駅別に子供矯正歯科が網羅されておりますが、1エリア1院訴求で歯科医院にスポットを当てることができます。すでにお申込みいただいているエリアもありますが、貴院のエリアがまだ空いているかどうかについては、以下の問い合わせフォームよりご質問をおねがいします。
小児・子供矯正歯科パーフェクトNAVI運営会社・問い合わせ先
全研本社株式会社
URL:https://www.zenken.co.jp/
小児・子供矯正歯科パーフェクトNAVI掲載に関するお問い合わせ
なおこのほかの矯正歯科ポータルサイトについては、下記ページで特集しています。掲載メディアを比較してみたいという方は、こちらをご覧ください。
ポジショニングメディアの制作・運用
キャククル内で紹介することが多いポジショニングメディアは、「勝ち易きに勝つ」ポジショニング戦略をベースにしたweb施策です。弊社が提供する戦略的コンテンツマーケティングの核となるものです。
いまはコロナの影響で海外旅行はもちろんのこと、国内旅行やイベントなどに参加する機会が減っています。別の角度から見れば、いつもなら使っていたお金を使う機会も減っています。
旅行に行かない代わりにというわけではありませんが、お子さんの歯列矯正をいまのうちに始めてみては、という提案は可能だと思います。
子供矯正歯科をうたっている矯正歯科医院であれば、ポジショニングメディアで小児矯正の治療事例など貴院の強みをアピールして、集客につなげられます。
通常のポータルサイトとの違いは、絞り込んだターゲットに向けてまさにピンポイントの情報を提供できること。消費者の知りたい、と、発信者の教えたいが一致すれば、顕在性の高いリード獲得が可能となります。
ポジショニングメディアのコンセプトについては、下記ページでよりくわしく説明していますので、よろしければこちらもご覧ください。
またすぐにでもポジショニングメディアの事例や施策内容をお知りになりたいかたは、下記よりお問い合わせをおねがいします。
オウンドメディア(ブランディングメディア)の制作・運用
たとえばインビザライン推しの歯科医院であれば、インビザラインの治療法について徹底的に解説するオウンドメディアを展開する、という方法もあります。
インビザライン以外のマウスピース矯正の症例が多いのであれば、制作会社(弊社)名義のオウンドメディアで院長が医療監修を独占的に行ないます。
「マウスピース矯正の治療を受けるなら、この先生におねがいしたい」というブランディングができれば、かなり有効な集客チャネルとして機能するはずです。
加えていうなら、矯正歯科医院を開業しているエリアの地域性や住民の属性などを考慮して、地域あるあるを加味したオウンドメディアを制作することも可能です。
オウンドメディアの制作・構築に関しては、下記ページにて詳細解説しています。ブランディングメディアには向き不向きがありますので、一度ご確認ください。
オウンドメディアの
制作・構築について
また歯科医がオウンドメディアを活用する際の留意点などは下記キャククルページでも説明しています。
Googleマイビジネス(ローカルSEO・MEO)スなどエリア施策の強化
Googleマイビジネスについては、すでに登録して集客に役立てている歯科医院も少なくないと思います。歯列矯正は定期的な通院が必要ですので、自宅から近いところやお子さんの通学エリアなど、生活圏内にある歯科を探すケースがほとんどです。
したがってGoogleマップの最適化(MEO)や地元エリアの検索結果でGoogleマイビジネスの情報を上位表示させる「ローカルSEO」が重要になってくるのです。
公式サイトなどをエリアや歯科医院名で上位表示させるのは簡単ではありませんが、Googleマイビジネスに登録しておけば、最新の情報をユーザーに見てもらえる可能性が高くなります。
検索結果画面に表示されるのはおもに下記項目です。
- Googleの検索画面やGoogleマップ上に店舗の基本情報(店名・営業時間・電話番号・住所など)が表示される
- 口コミの管理(投稿されたコメントへの返信)
- 歯科医院の外観や内観などの画像を掲載
- ユーザーアクセスの簡易解析
上記内容が無料で活用できるサービスなので、まだGoogleマイビジネスに登録していない歯科医院は、登録してみてください。
MEOやGoogleマイビジネスの基礎知識に関するコンテンツをリストアップしましたので、エリア対策を急ぎたい場合は、下記関連ページをご参照ください。

LPおよびホームページの最適化
インビザラインは導入促進のための説明会や研修などがさかんに行なわれていますので、今後も導入する歯科医院が増えていくはずです。仮にすでにインビザラインによる矯正治療を始めているとして、貴院の公式サイトにはどのような情報が掲載されているでしょうか。
ほかのマウスピース矯正ではなく、なぜインビザラインによる治療を推奨しているのか。インビザラインとそのほかのマウスピース矯正との違いはなんなのか。知識のない消費者に向けて、わかりやすく解説している単独ページはありますか?
たとえば銀座クリアデンタルの公式サイトには、「マウスピース矯正を徹底比較!インビザラインと他のマウスピース矯正の違い」というコンテンツがあります。
画像引用元:銀座クリアデンタル公式サイト(https://www.ginza-moc.com/comparison/)
インビザラインと一般のマウスピース矯正の治療にはどのような違いがあるのか、治療費の比較表なども交えわかりやすく解説しています。公式サイトやリスティング広告のLPは広告ツールであると同時に、情報発信のメディアでもあります。
貴院の公式サイトやLPの内容がユーザーに刺さるようなコンテンツになっているか、再度確認してみてください。場合によっては、集客効果を上げるためにLPやホームページを改修して最適化する必要があります。
歯科医院のホームページ制作に関するページがありますので、よろしければこちらもお読みください。
弊社には歯科医院のクライアント様も多いのですが、公式サイトのリニューアルやLP制作からリスティングの運用まで、承っております。ご質問などがありましたら、下記フォームよりお送りください。
歯科・矯正歯科などの集客関連ページ
矯正歯科だけでなく、歯科医院の集客対策や戦略に関する記事はキャククル内に多数あります。以下にリストアップしましたが、これだけの記事を作成している理由は、それだけ歯科の集客は難しいということの証左。
従来どおりの広告しかやっていないのであれば、どれかひとつでもいいので実装するべきであると考えます。
インビザライン・マウスピース矯正の広告で注意すべきことまとめ
歯列矯正は単なる歯並びの矯正ではない、もともと備わっている機能を取り戻し健やな日々を取り戻すための大事な手段である。
このような発信をさまざまな歯科医師がするようになり、歯列矯正に対するイメージや重要性に消費者も気づき始めています。ただやはり一般の歯科治療に比べると、費用面や通院面で躊躇してしまうという人も少なくありません。
またインターネットで専門的なことも調べられるようになり、「モノ言う患者」も増えていきます。少し前の記事ですが、『週刊ダイヤモンド』で「歯医者のホント」という特集が組まれ、「日本の歯科矯正に黒船襲来!迫る価格破壊の足音」とインビザラインを紹介していました。
賢い患者だけでなく、個々の患者からの要望もより細分化されていきます。医療サービスのパーソナライズと多様化はまったなし、です。
このような状況を鑑み、現時点で対策できるところから着手して、少しでも集客に役立てていただければと思います。
キャククル運営元全研本社で矯正歯科、インビザラインクリニックをはじめ7000件以上のWeb集客実績がございます。
インビザライン・マウスピース矯正の反響獲得施策やweb戦略にお悩みであれば、キャククルまでご相談をお寄せください。
医療広告ガイドラインにも対応したマーケティング施策をご案内いたします。