歯科医院のリコール率を上げるために

歯科医院のリコール率を上げるために
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歯科医院のリコール率とは

一般的にリコールと聞くと、車の不具合のようなものを想像してしまい、あまりいいイメージが浮かばないかもしれません。ただ、歯科医院でいうリコールはまったく別物です。

この場合のリコールとは、口腔内の定期的な健診やメンテナンスのために、患者さんに再度通院していただくことです。

治療や健診が終了して虫歯などの異常がなくなった状態であっても、およそ3カ月から6カ月のスパンで歯石や歯垢などを取り除くクリーニングや歯周病の検査、歯磨き指導などを行ないます。

患者さんを増やすということについていえば、同じ患者さんに再度通院していただくことも変わらない意味合いを持ちますので、このリコール率を上げることは、歯科医院にとって経営に直結する大切なポイントといえるのです。

リコール率の計算方法

歯科医院でリコール率を計算するにはどうすればいいのでしょうか?その計算式は実はとても単純です。

  • 来院してくれた患者さんの数÷リコールの案内をした患者さんの数=リコール率

例えば100人の患者さんにリコールの案内を行ない、そのうち50人の患者さんが実際に再通院してくれたなら、50÷100=0.5。つまりリコール率は50%ということになります。

ちなみに、全国の歯科医院のリコール率は平均40%~60%といわれています。地域によっても差はありますが、およそ半数の患者さんは歯科医院からのリコールの案内に反応して再通院してくれるということです。

リコール率を上げて増患する方法

リコール率を上げることがいかに大切なことかはもうお分かりいただけたと思います。では、リコール率を上げて増患につなげるにはどうすればいいのでしょうか。

代表的な手段はハガキや電話、メールなどを利用することです。冒頭でも述べた通り、治療や健診が終われば3カ月から6カ月の間隔をおいて定期検診の予約を入れるのが一般的。

でも、患者さんが忘れてしまったり、面倒だったりしてついつい放置されてしまいがちです。歯科医院としてはそれを防がなければなりません。

定期的にハガキで啓蒙

リコールの取り組みとして、多くの歯科医院では「リコールハガキ」の送付を行なっています。

ちょっとインターネットで検索すれば、リコールハガキのテンプレートがとてもたくさん、しかも無料で手に入れることができます。しかし、逆に考えればそれだけ同じようなものが世に出回っているということ。

そこにはやはりひと工夫欲しいところですが、おすすめは担当の歯科医や歯科衛生士による手書きのメッセージを添えるというものです。

「治療後はお食事を楽しめていますか?そろそろ定期健診の時期です」とか「すっかり春ですね。行楽シーズン到来の前に歯のクリーニングをおすすめします」など、そんなメッセージがあると歯科医院に対する親近感も湧きますね。

私信ではありませんのであまり長々とした文章ではなく、簡潔でかつ「また来院してもらいたい」という気持ちが伝わるような文章であることが大切です。

リコールハガキの落とし穴

一方、このリコールハガキ作戦にも注意しなければならないことがあります。それは、今どきの方々は自宅宛てに送られてくるハガキを単なるダイレクトメールだと思って読まずに捨ててしまう場合も多いということです。

これはメールも同様で、リコールの案内をメールで送ったとしても大量の未読メールに埋もれて気づかれもしないなんてことは十分に起こり得ます。なので、効果を上げるにはハガキに加えて電話をかけることがいちばんです。

それだけ手間はかかりますが、歯科衛生士などのスタッフがかければ患者さんも「再通院を約束した」ような気持ちになり、さらに効果的だといえるでしょう。

治療後の説明でアポイントを工夫

多くの患者さんにリコールに応じていただくためには、アポイントの工夫も必要です。

治療や健診のスパンは3カ月から6カ月とお伝えしましたが、患者さんにしてみればそんなに先の予定はわからないし…と思っていたらあっという間に1年が過ぎていたなんてことはよくある話。

定期的に通院していただける習慣を患者さんに持っていただくまでは、あえてリコールまでのスパンを短くするのも一手でしょう。患者さんにとっても予定が立てやすいので、キャンセルを少なくする効果にもつながります。

自宅での歯のケアが苦手な患者さんであれば、継続して通院しながら歯科医院とともにケアしていく必要性をしっかり説明してアポイントを取りましょう。きっと患者さんもそうした説明をありがたく思ってくれるはずです。

下記の記事では、歯科業界の様々なマーケティング施策について解説しています。興味があればぜひご参考ください。

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