SESのマーケティング施策6選|エンド企業・協業先の集客を分けて設計
最終更新日:2026年10月07日
同じ「SESの問い合わせ」でも、企業からの案件相談と、BPからの協業相談では、その後に必要な対応が異なります。エンド企業との取引を増やしたいのに、問い合わせが協業先との情報交換に偏っているなら、集客する相手やWebサイトの伝え方を見直す余地があります。
SESのマーケティングでは、獲得したい取引を決め、その相手が相談先を選べる情報を届けることが出発点です。SEOや広告で接点を増やすだけでなく、対応できる技術・業務、支援範囲、相談方法まで整えることで、自社に合う企業との具体的な話を進めやすくなります。
SESのマーケティングは、案件獲得と協業先募集で設計が変わる

SESのマーケティングとは、技術支援を必要とする企業や協業先に自社を知ってもらい、案件・協業の相談につながる接点を作る活動です。Web広告やSEOだけでなく、紹介、交流会、営業活動と連携した情報発信も含まれます。
最初に決めたいのは、「どのような取引につながる相談を増やしたいか」です。エンド企業、SIer、SES企業では、相談時に確認したい情報が異なります。
| 集客する相手 | 増やしたい相談 | 伝える情報 |
|---|---|---|
| エンド企業 | 開発・運用などの業務に関する支援相談 | 任せられる業務、対応技術、支援経験、相談から参画までの流れ |
| SIer・開発会社 | 案件やチーム体制を補うための相談 | 対応工程、役割、技術領域、参画条件、連携体制 |
| SES企業・BP | 案件・人材の提案や相互補完につながる協業相談 | 協業したい領域、提供できる情報・人材、希望する取引条件 |
| 採用候補者 | 入社・働き方に関する問い合わせ | 仕事内容、案件の特徴、キャリア支援、募集条件 |
BPは、ビジネスパートナーを指します。BPからの問い合わせが多いこと自体が問題なのではありません。協業先の開拓が目的なら、技術領域や取引条件の合う相手との接点は成果になります。
一方、エンド企業の案件相談を増やしたい場合は、BPの問い合わせと分けて確認する必要があります。問い合わせ総数だけでは、増やしたい取引に近づいているか判断できません。
採用もSES事業に必要な活動ですが、法人向け集客とは相手も判断材料も異なります。採用ページや採用広告は目的を分け、案件相談・協業相談の導線と混同しないようにしましょう。
SESの集客では、技術スキルを任せられる業務として伝える
「Javaに対応」「AWSの経験者が在籍」といった情報は、相談先を探す企業にとって判断材料になります。ただし、技術名だけでは、どの工程や業務を任せられるかまでは分かりません。
例えばAWSに関する支援でも、新しい環境の設計・構築と、既存環境の運用改善では必要な経験が異なります。技術領域に加えて、担当できる業務や役割を説明すると、依頼側が自社の課題に当てはめやすくなります。
技術・工程・役割を組み合わせて説明する
サービスページでは、対応言語やツールの一覧に加え、要件整理、設計、実装、テスト、運用など、支援できる工程を示します。メンバーとして参画するのか、リーダーとしてチームを支えるのかといった役割も、確認できる範囲で記載しましょう。
「何の技術を扱えるか」と「その技術でどの業務を支援できるか」をセットで伝えることが、相談内容との適合を判断する助けになります。
支援経験は、担当した内容が分かる形で掲載する
実績を掲載できる場合は、業種や技術名だけでなく、依頼時の課題、担当工程、支援範囲を説明します。社名を公開できない案件でも、公開可能な情報を使って、どのような経験があるかを示せます。
数値成果を載せる際は、確認できる根拠と担当範囲を明確にします。実績のない領域まで対応できるように見せると、問い合わせ後の認識がずれやすくなります。
相談後の進め方と会社としての対応を示す
担当者が気にするのは、技術力だけではありません。相談窓口、要件確認の方法、参画に向けた調整、支援開始後の連絡体制なども説明しておくと、依頼の流れを把握しやすくなります。
参画可能な人材や時期は変動するため、更新できる情報と個別確認が必要な情報を分けましょう。「現在の対応可否はお問い合わせください」と案内しながら、自社が得意とする領域は継続して伝えられる構成にします。
SESのマーケティング施策6選|企業との接点をどう増やす?

SESの集客施策は、接点を作りたい相手と、自社が継続して運用できる体制に合わせて選びます。すべてを同時に始める必要はありません。まずは相談先として判断できるWebページを用意し、そのページへどこから訪問してもらうかを考えます。
| 施策 | 主な役割 | 選ぶ際の確認事項 |
|---|---|---|
| SEO・オウンドメディア | 技術・業務・協業先を検索する企業との接点を作る | 狙う検索意図と、記事から相談ページへのつながり |
| 検索広告 | 相談先を探している検索者へサービスを届ける | 検索語句、広告文、遷移先、問い合わせの適合度 |
| 比較メディア・マッチングサービス | 外部サービス上で相談先の候補に入る | 利用企業の属性と、案件・協業のどちらに向くか |
| SNS | 技術情報や事業方針を継続して伝え、接点を育てる | 相手が利用する媒体と、法人相談につながる発信内容 |
| 交流会・セミナー | 課題や協業条件を直接確認できる接点を作る | 参加者の属性と、参加後の対応体制 |
| 紹介 | 既存の接点を通じて新たな企業とつながる | 紹介してほしい企業像と、自社の説明資料 |
SEO・オウンドメディア:企業が探している業務から接点を作る
エンド企業が必ず「SES」と検索するとは限りません。必要な技術や業務、外部支援の内容から相談先を探す場合もあります。対応領域に合わせて、技術名、支援業務、依頼時の疑問を組み合わせた検索意図を検討しましょう。
記事では技術の一般解説だけで終わらせず、外部へ依頼する際の確認事項や、自社が支援できる範囲へつなぎます。協業先募集なら、「SES 協業」「SES パートナー募集」などの意図に対し、協業条件が分かる専用ページを用意する方法があります。
キーワード候補は、実際の検索データや問い合わせ内容で確かめます。アクセスを集めるテーマと、自社へ相談してほしいテーマが一致しているかを確認してください。
検索広告:キーワードと相談内容を照合する
検索広告では、自社の支援領域に関係するキーワードを検討し、広告文と遷移先のページを揃えます。開発支援を探す人に協業先募集ページを見せるなど、検索意図とページがずれている状態は避けたいところです。
配信後は、クリック数だけでなく、確認できる検索語句と実際の問い合わせ内容を見ます。法人向け広告で求人・転職目的の流入が多い場合は、広告文やページを見直し、必要に応じて除外キーワードを設定します。
協業先も獲得対象に含めるなら、BP関連の語句を一律に除外するのではなく、エンド向けと協業向けの配信を分けて評価しましょう。
比較メディア・マッチングサービス:利用者の属性を確認する
外部メディアへの掲載は、相談先を比較している企業との接点を増やす手段です。ただし、エンド企業が支援会社を探すサービスと、SES企業同士が案件・人材を交換するサービスでは、得られる相談が異なります。
掲載前には、利用企業の属性、検索・比較の仕組み、掲載できる情報、費用条件を確認します。問い合わせ数の説明だけで判断せず、獲得したい相手と接点を作れるかを見極めましょう。
SNS:技術情報と支援の考え方を継続して伝える
SNSでは、技術への取り組み、対応領域、支援時に重視していることなどを発信できます。交流会で知り合った相手や、紹介を受けた企業が、自社を理解するための接点としても使えます。
法人相談を増やすアカウントでは、採用情報だけに偏らず、企業が依頼先を選ぶ際に役立つ内容も掲載します。プロフィールや投稿から、サービスページ・協業ページへ移動できる導線を整えましょう。
交流会・セミナー:相手の課題と協業条件を確かめる
エンド企業との接点を増やしたいなら、対象業界の課題や技術テーマを扱うイベントを検討します。BP開拓が目的なら、SES企業や開発会社が参加する交流の場も候補になります。
参加前に、自社が支援できる業務と確認したい条件を整理しておきます。名刺交換後は、会話した内容に合う情報を届け、具体的な相談へ進められるかを確認しましょう。
紹介:どのような企業を紹介してほしいか伝える
既存取引先や業務上の接点から紹介を受ける場合も、自社の対応領域が伝わっていることが必要です。「開発会社を紹介してほしい」だけでは、紹介する側も候補を選びにくくなります。
対応技術、任せられる業務、希望する企業・案件の特徴を簡潔にまとめ、紹介者が説明しやすい資料を用意します。紹介後の相談窓口も明示しておくと、接点を引き継ぎやすくなります。
SESの集客ページは、エンド企業と協業先の相談を分ける
集客する相手を決めたら、その相手が必要な情報を読めるページへ案内します。エンド企業向けの支援内容とBP向けの協業条件が同じページに混在すると、訪問者が自分向けの案内を見つけにくくなる場合があります。
エンド企業向けには、支援できる業務と相談の流れを示す
エンド企業向けのページでは、どのような業務課題に対応できるか、任せられる工程、関連する支援経験を説明します。技術情報に詳しくない担当者にも伝わるよう、業務内容と技術名を組み合わせて記載しましょう。
問い合わせ後に確認する内容や、支援開始までの流れも示します。費用や参画時期を個別に確認する必要がある場合は、見積もり・調整に必要な条件を説明してください。
BP向けには、協業したい内容と確認条件を示す
協業先募集ページでは、自社のエンジニアを提案したいのか、自社の案件に対応するパートナーを探しているのか、双方の情報交換を希望しているのかを明確にします。
対応技術、希望する領域、取引に向けて確認する条件、連絡窓口を記載すると、協業の可能性を判断しやすくなります。確認していない案件量や参画機会を、確約する表現は避けましょう。
フォームは、相談の種類を選べるようにする
問い合わせフォームを複数作ることが難しい場合は、共通フォームに「技術支援の相談」「協業・パートナーの相談」などの選択肢を設ける方法があります。ページを分けても、受付先まで別々にする必要はありません。
初回から詳細な仕様や資料の提出を必須にすると、検討初期の相談を受け付けにくくなります。最初に必要な情報を絞り、詳細は相談後に確認する設計も検討してください。
集客した相手が、自分向けの情報を読み、迷わず相談できる導線を整えることが大切です。
自社だけでは対象別のページや訴求を整理しにくい場合は、Web集客の設計から相談する方法もあります。Zenkenでは、顧客・競合・自社の強みを整理したうえで、Web上の情報発信や集客施策を検討できます。
SESのマーケティングは、問い合わせが増えない原因から見直す

集客を改善するときは、新しい施策を増やす前に、どこで止まっているかを確認します。サイトに訪問者が来ていない場合と、訪問されていても相談されない場合では、見直す箇所が異なります。
| 確認できる状況 | 考えられる要因 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 対象企業の訪問が少ない | 検索テーマや媒体が対象と合っていない、接点が不足している | 集客する企業像、検索意図、媒体の利用者 |
| 問い合わせが希望と合わない | 支援内容と協業募集が混在している、対象条件が伝わっていない | 広告文、ページの訴求、相談区分 |
| 訪問はあるが相談が少ない | 任せられる業務が分からない、判断材料が不足している、フォームに負担がある | 支援内容、経験、相談の流れ、入力項目 |
| 相談後に話が進まない | 対応領域・時期・条件が合わない、引き継ぎや確認が遅れている | 流入元別の相談内容、対応可否、初回対応の進め方 |
ここに挙げた要因は仮説です。例えば問い合わせが少なくても、閲覧数そのものが少ないのか、対象外の人が読んでいるのかによって、必要な対応は変わります。アクセス状況と問い合わせ内容を合わせて確認しましょう。
小さく始める場合は、目的・ページ・集客経路を絞る
担当者や予算が限られている場合は、まず増やしたい相談を一つ決め、その相手向けのページを整えます。そのうえで、既存の紹介経路、営業時の案内、検索、外部媒体などから、運用できる接点を選びます。
エンジニア数や会社規模だけで、広告・SEOの向き不向きが決まるわけではありません。対応できる業務、受け入れ余力、問い合わせへの対応体制も判断材料になります。
集客費用は、広告費以外も含めて考える
必要な費用は、施策と制作・運用の範囲で変わります。検索広告なら広告費と運用費、SEOならページ・記事の制作や更新、外部メディアなら掲載料、イベントなら参加費と対応工数などを見積もります。
無料で始められるSNSや紹介にも、発信・資料作成・対応の時間は必要です。施策を継続する費用と、得られた相談が取引へ進む可能性を合わせて判断すると、予算配分を検討しやすくなります。
SESのマーケティング効果は、有効な相談と取引で確かめる
アクセス数や問い合わせ数は、集客状況を把握するための指標です。ただし、エンド企業との取引を増やしたい場合に、BPの情報交換や採用の問い合わせまで同じ成果に含めると、施策を評価しにくくなります。
まずは目的別に、問い合わせから何を確認できれば成果とするかを決めます。
| 集客の目的 | 途中で確認する指標 | 取引につながったかを確認する指標 |
|---|---|---|
| エンド企業の案件獲得 | 対象企業からの相談、対応領域に合う相談、具体的な要件確認 | 提案、契約、案件参画 |
| SIer・開発会社との取引 | 担当工程・役割・条件に合う相談、案件の具体化 | 取引開始、案件参画、継続相談 |
| BPとの協業 | 協業条件に合う接点、具体的な案件・人材の提案 | 協業開始、案件参画、相互提案の継続 |
問い合わせを「自社に合う相談」まで分けて見る
有効な相談の基準は、自社の事業に合わせて決めます。例えば、対応領域に合っていて、業務内容や協業条件について具体的な確認を進められる相談を、一つの基準にできます。
初回問い合わせの時点で条件がすべて揃っている必要はありません。追加確認によって判断できる場合もあるため、「情報不足」と「対象外」を分けて記録しましょう。
費用を比較する場合は、「集客費用÷有効な相談件数」で、有効な相談1件を得るための費用を確認できます。広告費だけで計算するのか、制作・運用費も含めるのかを揃えないと、施策間の比較が難しくなります。
相談の流入元と、その後の進み方を記録する
問い合わせごとに、流入元、相談区分、対応領域、確認状況、その後の結果を記録します。最初に知った接点が紹介で、問い合わせ時には検索していたなど、複数の接点が関わる場合もあります。
営業担当へ引き継ぐ際は、相手が読んだページや相談の背景も共有すると、同じ確認を繰り返しにくくなります。管理方法は既存の運用を活かし、必要な情報を追える形から始めましょう。
問い合わせが多い施策と、自社に合う取引を生む施策が同じとは限りません。案件参画まで時間がかかる場合もあるため、途中の進捗と一定期間後の結果を分けて確認します。
相談後の商談・提案・案件参画の進め方は、SES企業の新規開拓営業の進め方で詳しく解説しています。
SESのマーケティング・集客でよくある質問
SESの集客にWeb広告は向いていますか?
対象企業が相談先を検索しており、その検索意図に合う支援内容とページを用意できる場合は、候補になります。配信後はクリック数だけで判断せず、相談内容が自社の対応領域や獲得目的に合っているかを確認します。
ページの情報や対応体制が整っていない場合は、先にそこを見直したほうが、広告からの相談を受け止めやすくなります。
SEOでは「SES」を含むキーワードだけを狙えばよいですか?
「SES」を含むキーワードに限定する必要はありません。企業が必要な技術、支援業務、外部へ依頼したい内容から相談先を探す場合もあります。
ただし、技術の学習を目的とする検索者と、支援会社を探す検索者では必要な情報が異なります。自社が受けたい相談につながる検索意図かどうかを確認して、テーマを選びましょう。
BPからの問い合わせが多い場合は、集客に失敗していますか?
協業先を増やすことが目的なら、条件の合うBPとの接点は成果になります。案件・人材の提案や相互補完につながるかを確認してください。
エンド企業からの案件相談を増やしたい場合は、BPの問い合わせと分けて評価します。対象外の相談が続くなら、広告文、ページの見出し、協業募集の掲載位置、フォームの案内を見直します。
SESのマーケティング予算は、いくらから始めるべきですか?
一律の金額では決められません。獲得したい相談、選ぶ施策、制作が必要なページ、運用できる体制によって費用が変わるためです。
まず対象と目的を絞り、必要な制作・運用費を見積もります。開始後は有効な相談の件数や取引への進み方を確認し、続ける施策と見直す施策を判断しましょう。
SESの集客で、得意な業務を任せたい企業との接点をつくる

SESのマーケティングでは、集客する相手、伝える支援内容、相談の導線を揃えることが必要です。エンド企業の案件獲得とBPの協業先募集を分けて考えると、施策の選び方も、成果の確認方法も明確になります。
エンド企業からの相談を増やすなら、対応技術の一覧に加えて、どのような業務を任せられるかを伝えましょう。そのうえで、自社が得意とする業務を必要としている企業へ情報を届ける方法を検討します。
例えば、特定の技術領域や工程に経験があっても、その経験を必要とする企業へ伝わっていなければ、相談先の候補に入りにくくなります。自社の得意な業務を必要としている企業はどこにいるのか、その企業は何を見て依頼先を選ぶのかを整理することが、集客施策を選ぶ土台になります。
Zenkenでは、市場・競合の調査や自社の強みの整理をもとに、対象企業とWeb上の訴求を検討し、Webメディアの制作や集客施策につなげます。ポジショニングメディアも、その内容を比較検討中の企業へ伝える手段の一つです。
「エンド企業との取引を増やしたいが、どの企業へ何を伝えるべきか整理できていない」「広告やSEOを試しているものの、自社に合う相談が少ない」という場合は、対象企業とWeb集客の設計からご相談ください。
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