【3分で分かる】星野リゾートのブランド戦略について解説
最終更新日:2023年01月04日

この記事では、日本国内と海外で温泉旅館リゾートやホテルを運営する「星野リゾート」のブランド戦略について考察しています。自社のブランド戦略を策定する上て参考にしていみてください。
なお、自社のブランド戦略を打ち出すにあたって、ブランドやブランディングに関する基礎的な知識も必要です。下記のページではブランド戦略の概要やブランディングの流れを詳しく解説している資料を用意しておりますので、ぜひこちらもご活用ください。
星野リゾートのブランド戦略のポイント
星野リゾートは、開業して100年以上の歴史を持つ日本が誇る総合リゾート企業です。
この記事では、今もなお成長を続ける星野リゾートのブランド戦略について解説していきます。
5つのサブブランドで「他にも行ってみたい!」を増やす
星野リゾートは、複数のサブブランドをもち、それぞれ様々な顧客のニーズに対応しています。
サブブランドとしては主に以下の5つがあります。
- 星のや:国内外に8施設があり、日本発の”圧倒的非日常感”を追い求めたラグジュアリーホテル。
- 界:全国に展開される、各地域の魅力のつまった高級旅館。
- リゾナーレ:子供連れ家族旅行をターゲットにした、豊富なアクティビティをそろえる西洋風のリゾートホテル。
- OMO:都市を中心に展開される都市観光ホテル。
- BEB:若い世代をターゲットにした「居酒屋以上 旅未満」の感覚でゆったりとルーズに過ごすホテル。
これらのサブブランドを作る理由は2つあります。
1つは、各施設をブランド化することで、どういった施設であるかを明確にすることができ、顧客が自分に会うものを容易に選択できるようになるということ。
もう1つは、同じ施設のリピーターを増やすのではなく、グループ全体でのリピーター増が期待できることです。「いろんなところに泊まってみたい」という顧客のニーズを考え、今年は『星のや軽井沢』、来年は別の『星のや』、その次は『界』『リゾナーレ』…と、全国で星野リゾートを楽しんでいただけます。
世界を目指すために、国内の顧客を大切にしている
世界ではインバウンドマーケットが伸びていますが、星野リゾートは国内の顧客を大切にしています。
2019年の日本の観光市場は27.9兆円ですが、インバウンドはそのうち4.8兆円に過ぎません。
星野リゾートは、「今後インバウンドマーケットが伸びることに対応は必要であるものの、そこだけに依存してはならない」としています。あらゆる国々に集客を分散させることで安定につながると考えているのです。
日本人のお客様に満足していただくには、質の高い”本物のサービス”が求められます。そこで磨かれた細かなサービスや”おもてなし”の精神が海外のお客様の評価にも繋がります。
「マルチタスク」を採用し、”スタッフ全員が女将さん”に
星野リゾートでは、一組のお客様に対して一人のスタッフが担当する「マルチタスク」を採用しています。一見、”掛け持ち”という響きのよくないものがイメージできます。
ですが、あらゆる業務に精通したスタッフが、一組のお客様に一貫してお食事からチェックアウト業務、客室業務まですべてを担当するため、柔軟かつ親身な”おもてなし”が叶います。
SNSを積極的に活用する
星野リゾートは、若者の顧客を増やすためにSNSを活用しています。若者をターゲットにした施設の「BEB軽井沢」では、SNSだけで告知をしています。実際に利用した若者の顧客がSNSで自ら発信してくれることもあるため、SNSで大きな広告効果を得ることができています。
SNSを活用することによって、若者を早い段階で星野リゾートのファンにすることもできます。
若いうちに星野リゾートを利用してもらうことで、「次はお金を貯めて『星のや』や『界』を利用してみたい」といった星野リゾートのファンになってもらえるのです。
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星野リゾートのブランド戦略まとめ
一軒の旅館から、日本が誇る総合リゾート企業となった星野リゾートの成長の背景には、様々な顧客のニーズや時代に合わせた戦略が行われていることがお分かりいただけたと思います。
キャククルを運営している全研本社では、これまで120業種以上の支援実績があり、様々な視点から各社にあった最適なブランディングをご案内させていただいております。
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