マネーフォワードの経営戦略・マーケティング戦略を分析

マネーフォワードの経営戦略・マーケティング戦略を分析
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個人向け・法人向けに金融系のウェブサービスを展開している株式会社マネーフォワード(以下マネーフォワード)。無料の資産管理クラウドツールやアプリが人気で、実際にアプリを利用されている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、マネーフォワードの経営戦略について分析しながら、マーケティング戦略が成功したポイントを解説していきます。マーケティングに注力したい、経営戦略を見直したいと考えている方は参考にしてください。

経営戦略を構築するには、自社の強みや競合の状況、顧客のニーズを把握することが重要です。下記のページには、記入するだけで自社の現状分析ができる無料ワークシートを用意しております。ぜひこちらも戦略策定にお役立てください。

自社と競合他社を分析し
「成果に繋げる」ワークシート

マネーフォワードの経営戦略のポイント

黒板に電球が書かれている写真

マネーフォワードの代表的なサービスとして挙げられるのが、個人のお金の見える化サービス「マネーフォワード ME」です。2012年の会社設立・サービス開始以来ユーザー数を伸ばし続け、2021年4月時点で利用者数1,200万人を突破しました。その後リリースした「通帳アプリ」のダウンロード数も、2022年6月に300万人を突破しています。

マネーフォワードが、なぜこれほどまでに急成長できたのか。

その理由は、マネーフォワードが掲げる「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションを体現する形で表れていました。

情報参照元:株式会社マネーフォワードプレスリリース「『マネーフォワード ME』、利用者数1200万人突破」(https://corp.moneyforward.com/news/release/service/20210413-mf-press/)
情報参照元:株式会社マネーフォワードプレスリリース「『通帳アプリ』のダウンロード数が300万を突破」(https://corp.moneyforward.com/news/release/service/20220621-mf-press/)

法人向けサービスで多角化

会社設立当初、個人向けにサービスを開始したマネーフォワード。それから早い段階で、事業者向けにもサービスを展開していきました。

現在では、法人会計や勤怠ツール、経費業務ツールなどのSaaS型サービスプラットフォームを提供しています。パッケージソフトの販売大手や競合他社がひしめく業界へ、あえて早期に参入して事業を拡大していきました。

スタートアップ時から競争を避けず、「お金を前へ。人生をもっと前へ。」の精神で市場へ乗り出したのです。積極的に投資して製品ラインナップを拡大し、クラウド会計ソフトウェア市場で成長を遂げました。

小規模事業者をターゲットにした戦略

マネーフォワードは、大手企業よりも生産性の低さが課題となっている個人事業主や小規模事業者をターゲットにしたマーケティングを展開しました。なぜなら、小規模な事業者ほどITへの投資が行われておらず、業務効率が改善されない要因と考えたからです。

「ITに投資する資金の余力がない」
「ITに詳しい人材を確保できていない」

と悩む事業者に対し、低コストで効率化を進められるクラウドサービスを提案してニーズを喚起しました。

これまでITに投資してこなかった層をメインターゲットに、月額2,980円という定額料金で経理財務や人事労務、経営管理が一気通貫で行えると訴求。その結果、業務効率化を図りたい個人事業主や小規模事業者の間で認知度が向上し、ヒットにつながっています。

中堅企業をターゲットにした戦略

小規模事業者に会計クラウドサービスを勧める一方で、中堅企業に対しては別の戦略を展開しています。

IT投資がある程度なされている中堅企業では、すでに会計管理や人事管理のツールが導入されている場合も少なくありません。そのため、業務をコア業務と周辺業務に切り分け、コア業務にSaaSを組み合わせて業務改善を図る形を提案しています。

これまで利用していたITツールを新しく置き換えるための「リプレイコスト」を最小限に抑えるサービスを展開して、新規獲得につなげています。

マネーフォワードの経営戦略まとめ

戦略を練っているビジネスパーソンのイメージ画像

マネーフォワードは、スタートアップ時の個人向けサービスのリリース後、すぐに法人向けサービスに力を入れたことで、多角化により急速な成長を遂げました。小規模事業者と中堅企業というターゲットの属性に合わせたサービスの訴求も、顧客獲得につながっていると言えるでしょう。

マネーフォワードのように、ターゲットごとのニーズを汲み取り、それぞれに合わせたマーケティングを展開していく戦略は効果的な手法です。マーケティングで成果を出したい、今以上に効率良く進めたいという方は、ターゲットをさらに細かな層に切り分け、それぞれ違ったニーズがないか経営戦略を見直してみてはいかがでしょうか。

経営戦略の立て方やフレームワーク、成功事例について詳しく知りたい方は、ぜひ下記の記事もご覧ください。

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