オリックスの多角化・経営戦略のポイント

オリックスの多角化・経営戦略のポイント
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1964年、リース事業から始まったオリックス株式会社(以下オリックス)。M&Aを繰り返しながら新事業領域を広げ続け、現在は法人金融サービスやメンテナンスリース、不動産、事業投資、生命保険・銀行・カードローンなどのリテール事業、海外事業と、6つの事業セグメントで構成されています。

事業領域を拡大し続け、今ではリース事業は全体の10%程度と、コングロマリット化しているオリックスですが、なぜそのような多角化経営を行っているのでしょうか。

ここでは、オリックスの多角化経営について調査しながら、戦略のポイントを考えていきます。戦略構築やマーケティング活動の参考にしてみてください。

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オリックスの経営戦略のポイント

英語で「ポイント」の文字

オリックスは、リースという新しい金融手法を日本に持ち込んだパイオニアとして知られています。リース事業にはじまり、金融とモノの専門性を高めながら、隣合う事業へ、また隣りへと事業を拡大してきました。

企業のライフサイクルに沿った成長戦略

オリックスは、常に新領域を開拓することで持続的成長を実現しています。

リース事業はオリックスがアメリカから持ち込んだビジネスモデルですが、事業の成長期を迎えた頃には、多くの競合他社が参入しました。競争が激化すると企業の成長は鈍化し、衰退に向かっていきます。

オリックスは、競争の激しい市場で戦うのではなく、隣り合う領域を開拓することで新しい立ち位置=ポジションをつくることに注力しました。例えば、航空機リースから事業展開して空港運営、自動車リースから領域を広げてレンタカーやカーシェアリングの運営といった具合です。

複数の新しい事業モデルを増やし、ポートフォリオを分散させることでバランスを取りながら収益を安定化。こうして創業以来、成長を続ける事業モデルを確立していきました。

海外事業への積極投資

オリックスは28か国でグローバル事業を展開しており、新規投資も積極的に行っています。

特に環境エネルギー分野に着目しており、スペインを拠点とするグローバル再生可能エネルギー事業者や、インドの大手再生可能エネルギー事業者へ投資を実行しています。これまでに稼働済の設備容量は全世界で3GWとなり、国内でも大規模の太陽光発電事業者にまで成長しました。

グローバル事業では、その国の情勢や政策に合わせて臨機応変に対応することが大切としています。地元の文化や風土に合わせた経営に気を配り、現地法人を地元の人材を中心に任せることで、スムーズな成長を目指しています。

積極的なM&A

国内外を問わず、企業のM&Aを積極的に実施して成長スピードを高めています。世界中にアンテナを張り巡らせ、良い案件を発掘しているそうです。

オリックスが行っているのは、企業買収だけではありません。買収した事業の価値がピークと判断すれば、すぐに売却して株式の価値を高めているとのこと。これまで培ってきた金融資産の運用経験を活かして、収益の成長だけでなく維持や安定化を目指して経営を行っています。

オリックスの経営戦略まとめ

戦略の打ち合わせを行うビジネスパーソン

オリックスは、リース事業の成功に甘んずることなく、果敢に新しい事業領域にチャレンジして事業の幅を拡大し続け、グローバル企業へと成長してきました。また、国内での成長にこだわらず、海外でも収益を上げられるような体制を構築しつつ、臨機応変な経営で収益を安定化しています。

変化を恐れず、将来の成⾧に結び付くであろう案件へ積極的に投資する姿勢が、成長を維持しつつリスクヘッジにつながっていると分かります。

オリックスのように事業をひとつに絞らず多角化する戦略は、短期・中期的にはリスクも伴いますが、成功すれば長期的にリスクを分散することにつながります。パンデミックや戦争、世界的なインフレ危機など不安定な情勢が続く今、経営基盤を安定させたいのであれば、多角的な経営戦略も戦略手段のひとつとして視野に入れておくと良いかもしれません。

経営戦略の立て方やフレームワーク、成功事例などについてさらに知りたい方は、ぜひ下記のページもご覧ください。

経営戦略の立て方や
成功事例を紹介

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