シーメンスの経営戦略・マーケティング戦略とは?

シーメンスの経営戦略・マーケティング戦略とは?
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ドイツ最大の総合電機メーカーとして、もともと電車や電子機器の製造を行っていたシーメンス。シーメンス株式会社はその日本法人です。

現在では、製造業のデジタル化や自動化、モビリティ、スマートインフラなど、分散化エネルギーシステムにおいてパイオニア的な存在を確立しており、世界200カ国以上で事業を展開しているグローバル企業です。

ここでは、シーメンスの経営戦略やマーケティングン戦略についてまとめました。

経営戦略を構築するには、自社の強みや競合の状況、顧客のニーズを把握することが重要です。下記のページには、記入するだけで自社の現状分析ができる無料ワークシートを用意しております。ぜひこちらも戦略策定にお役立てください。

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シーメンスの経営戦略のポイント


ポイント(英語)のイメージ画像
シーメンスは近年、大規模なグループ再編を行いました。

産業社会の課題解決には「リアルとデジタルの融合」がもっとも重要なファクターであると考えたためです。

従来あった16の事業部を9つの事業部に集約し、デジタルトランスフォーメーション(DX)ソリューション企業として生まれ変わっています。

包括的デジタルツインアプローチ

シーメンスは、製品のライフサイクル全体を、プラントライフサイクルやパフォーマンスデータと統合し、製品の製造プロセスを最適化するためのデジタルツインを進めました。

デジタルツインとは、現実の世界で収集したさまざまなデータをコンピュータ上で再現する技術です。

これにより、製造ラインの一部を変更する場合などに、デジタル上でテスト運営などができるようになり、製造工程を改善する上で効率化につながっています。

事業環境を予測

創業172年、日本に事業を展開してからは132年という、長い歴史を持つシーメンス。その歴史の中で、常に未来の事業環境を予測することを大切にしてきました。

人口動態や都市化、グローバル化、気候変動など、世界の重要なキーワードとなる現象や環境に目を向け、関わりのある分野に力を入れて取り組んでいます。

DXソリューションに舵を切ったのも、そこから導き出された経営戦略です。

そして、そんな経営戦略と切っても切り離せない、表裏一体で打ち出しているのがマーケティング戦略です。

シーメンスは、「顧客と手を取り合うマーケティング戦略」を実施しています。

複数の企業との協業

協業イメージのビジネスマン握手
シーメンスは、顧客となるパートナー企業と、製造システムなどの技術開発において協力し合うというスタイルをとっています。

それぞれのデータを交換したり共有したりすることで、目標を達成しやすくし、管理しやすくするためです。

たとえば、CO2排出管理システムでは、それぞれ関連する企業や顧客のすべてのCO2排出量を交換し合うことで、自社のCO2実排出量計算できるようにしました。

シーメンスのDX業界における強み

シーメンスの強みは、オートメーション機器などのハード技術と、クラウドなどのソフト技術の両方を持っている点です。
ソフト面では、過去10年の間に100億ユーロにも及ぶ事業投資を行い、先端技術を持つ多くの企業を買収しました。

今後のリアルとデジタルの融合に、必要となる技術を持っていると判断したからです。

産業用オートメーション技術の提供

シーメンスは、どの企業も予算や費用を気にせず導入しやすいよう、自社のDXソリューションをクラウド環境で提供しています。
これにより、より多くの企業で効率よくDX化が進められるようになりました。

また、汎用性の高いクラウドサービスを提供して非競争領域におけるシェア獲得を目指しています。

サステナブル企業としての役割

産業向けテクノロジー企業として、顧客やパートナー企業の「脱炭素経営」を支援するなど、シーメンスは持続可能な社会づくりに向けた取り組みに積極的です。

2021年11月の「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」では第1位を獲得しました。

また、フォーブス誌の「ワールド・ベスト・エンプロイヤー2021」では15位、「世界で最も女性にやさしい企業」にランクインした受賞歴も持っており、その平等な会社づくりは世界で認められています。

参照元:シーメンス株式会社公式サイト「サステナビリティ ナンバーワンに」(https://press.siemens.com/jp/ja/pressrelease/pr-20211117?ste_sid=fce3d20cbbf9fedea0ca92ed2326e82f)
参照元:シーメンス株式会社「経営トップインタビュー」(https://new.siemens.com/jp/ja/company/topic-areas/siemens-japan-ceo-message.html)

シーメンスの経営戦略まとめ

DXマーケティングのイメージ画像
世界200カ国以上でビジネスを展開してきたシーメンスは、これからも社会インフラの一翼を担う巨大なグローバル企業であるという強みを十分に発揮しながら、発展していくことでしょう。

その経営戦略のひとつが「脱コングロマリット」であり、エネルギー事業など注力する事業を絞り込んで独立上場させるなどして、選択と集中戦略を強めている印象があります。

独立性を高めることで、中長期的にリスクを分散する狙いもあるかもしれません。

シーメンスの日本法人も132年という歴史の中にあって、独立性や透明性を高めた新たなステージに立っているのではないでしょうか。

DXソリューションのサービス内容を理解するのはなかなか骨が折れますが、この機会に同社のソリューションについて改めて確認してみてください。

円安や株価の低下、世界の社会情勢など変化の多い不安定な日々が続くことが予測されますが、足下だけを見つめていては経営はうまくいきません。

シーメンスは、視線を高く持ち、実現可能な未来に向けた経営戦略とマーケティング戦略を見直すロールモデルかもしれません。

経営戦略の立て方やフレームワーク、成功事例などについてさらに知りたい方は、ぜひ下記のページもご覧ください。

経営戦略の立て方や
成功事例を紹介

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