採用活動に役立つWebマーケティングとWeb広告の活用方法

採用活動に役立つWebマーケティングとWeb広告の活用方法
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従来の採用活動は広報活動とは別に行われてきましたが、オンライン上でさまざまな媒体や手法が活かせるようになった現代では、Webマーケティングの手法を採用活動に応用できるようになりました。

採用活動にWebマーケティングを取り入れると、より効果的な採用活動が可能になります。早速Webマーケティングの基礎知識から採用活動との併用方法、注意点やポイントを確認していきましょう。

また具体的なマーケティング施策として、採用率・定着率を重視した戦略「ポジショニングメディア」もあわせてご紹介しています。

自社にマッチする人材だけを狙ってアプローチできるメディアのため、効率的な採用活動が可能です。現在の採用戦略やマーケティングがうまくいっていないといった場合は、ぜひ併せてご覧ください。

ポジショニングメディア戦略の
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Webマーケティングの基礎知識と考え方

Webマーケティングはインターネットが利用されるようになった1990年代から始まり、ECサイトやブログの一般化によってさらに大衆化されました。

Webサイト・Web広告・SNS・ブログなど、インターネット上の各媒体を利用したPRが一般的なものとなり、インフルエンサーや著名人による情報発信やSEOと呼ばれる検索エンジン最適化も広く行われています。

事業や会社の風土などを伝えながら、広く応募者を募るWebマーケティングの特徴は以下の3点です。

  1. Webを使用する(オンラインマーケティング)
  2. 低コストでも始めやすい
  3. 費用対効果が検証しやすい

Webを使用してマーケティングを行うために、低予算でもコストをかけずに施策が実行でき、効果が検証しやすいことが特徴です。

Webマーケティングの目的は自社製品・サービスの認知度向上と集客、企業情報の周知などが代表的ですが、近年では就職や転職を希望する人のために採用に関する情報を発信する採用広報も行われています。

他マーケティング手法との比較

オフライン広告の出稿やセミナー・イベントの開催など、他のマーケティング手法と比較した場合、Webマーケティングは費用対効果に優れています。

無料で始められるSNSアカウントの開設、自社でオウンドメディアを運営する方法なども選択可能です。施策の方法や情報の発信媒体が多様化しているため、企業は自社に見合う媒体を慎重に比較検討し、ユーザーからのニーズに合わせて手法を取ることが大切です。

採用活動におけるWebマーケティングの効果

クラシルキャプチャ画像
引用元:クラシル | 料理レシピ動画サービス (https://www.kurashiru.com/)

実際の採用活動でWebマーケティングを取り入れて成功した事例として、dely株式会社の運営するレシピ動画サイト「クラシル」を紹介します。1分程度のレシピ動画を掲載する動画メディア「クラシル」では、企業情報を公式サイトのほかにWantedlyで紹介。

Wantedlyでは現在募集中の職種について掲載し、事業部ごとにメンバーの写真やアイコンを掲載して社員の顔が見える企業紹介を行っています。広報活動としてはWebサイトの他に、Instagram・Twitter・YouTubeを活用しています。

一目見てどのような会社かがわかるコンテンツを豊富に掲載し、Wantedly上で「必ずバッターボックスに立てる組織」と題して自社の魅力をPRしています。

動画と相性の良いSNS媒体を活用することでユーザーによる拡散効果を狙ったものですが、Twitterでは約36万、Instagramでは約390万人のフォロワーを獲得しました。

手軽に作れる時短料理を中心に掲載し、おかず・おつまみ・スイーツとオールジャンルに紹介することで飽きのこないコンテンツ展開を可能としています。

参考:kurashiru [クラシル] 料理・献立・レシピ(@kurashiru) • Instagram (https://www.instagram.com/kurashiru/?hl=ja)
参考:kurashiru[クラシル]@kurashiru0119 | Twitter (https://twitter.com/kurashiru0119)

Webマーケティングが採用活動に必要な理由

Webマーケティングはなぜ採用活動に必要とされるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

Webマーケティングを重視する意味

Webマーケティングが採用活動に必要とされる理由について、以下の3点が挙げられます。

  1. マーケティングのノウハウが応募者集めに繋がる
  2. 自社を知ってもらうことで将来の応募者にも訴求できる
  3. 企業の認知度向上ポジティブな評価集めに役立つ

マーケティングは本来ユーザーや顧客を集客するためにありましたが、集める対象を企業の応募者や志望者にするだけでマーケティングの手法を応用することができます。

採用活動に「広報」の要素を加えると、自社の認知度アップに繋がり「今すぐではないが将来的に就職や転職を検討する予定の人々」にも訴求できる可能性があります。

リファラル採用では企業の知名度向上や広報活動が結果に繋がりやすく、実際に「WantedlyやSNS上でのメッセージ動画を見て応募を決めた」というケースもみられます。

Web上には24時間365日さまざまなユーザーが集うため、企業の認知度が向上すればビジネスにもメリットが生まれます。ポジティブな口コミ評価が拡散・浸透すれば自社のサービスや製品を利用したい顧客が増え、そこから優秀な人材の採用にも繋がっていくでしょう。

採用Webマーケティングを行う流れ

採用Webマーケティングを行う流れ

ここからは実際に採用Webマーケティングを行う流れについて解説していきます。

求職者の動きを把握

求職者の価値観は多様化しており、就職や転職に活用する媒体も一人ひとり異なっています。採用Webマーケティングでは、自社に合う求職者とのマッチングを行うためにはあらゆる角度から求職者側の動きを可視化し、把握するプロセスが必要不可欠です。

求職者の行動履歴であるWebページの閲覧・コンテンツ(埋め込み動画、pdf資料など)の閲覧状況・サイトの訪問数・各ページの閲覧状況を把握すれば、求職者がどのような情報に興味を持っているかがわかります。

「企業の公式サイトをチェックした」「説明会に出た」「先輩社員のインタビューをWantedlyで閲覧した」「SNSで会社の情報を知ってエントリーした」とそれぞれの動向を把握し、応募者が集まりやすい環境や媒体を調べましょう。

ターゲットの明確な設定

次に自社にふさわしい求職者像を設定します。ここでいう求職者は、マーケティングにおける「ターゲット」と同じものです。

自社が求めるスキルを持っていると考えられる求職者が、どの情報にどの程度アクセスしているのかを踏まえたうえで、STP分析と呼ばれる手法を使いターゲティングを行いましょう。

就活・転職市場における求職者の立ち位置を大学・学部・地域・興味関心などの属性で分け、自社に合う属性を選り分けてからターゲット像を明確にしていきます。

自社に足りていない人材、不足する可能性のある人材を中心に、求めるターゲットがどの属性に所属しているかまで予測して絞り込んでください。

自社の強みを分析し他社との差別化をはかる

次に自社のアピールポイントを分析し、他社との差別化を図ります。自社の強みとしては、魅力ある組織体制・開放的な社内の雰囲気・スキルアップや資格取得の奨励など求職者が共感する内容を盛り込む必要があります。

「カジュアル面談」「在宅勤務制度」のように現代的な働き方を採用している企業であれば、多種多様な人材を受け入れる用意があることを強みに掲げます。次に自社の強みだけではなく、弱みについてもしっかりと目を向けつつ対策を取るようにしてください。

「若手社員が少ない」「ベンチャー企業なので認知度が低い」ような、他社より劣っていると思われる部分を踏まえて強みをどの角度からアピールするかを検討しましょう。

適切な手法とコンテンツでアピールする

強みと弱みを把握したあとは、自社にふさわしい手法と媒体を使ってアピールを行いましょう。「求職者の動きを把握」の段階で求職者がどの媒体を使って自社の情報を調べているかをチェックしているので、その動きに合わせてコンテンツを展開する方法を選び、採用マーケティングを実行します。

  • 自社の公式サイトを強化する
  • 自社サイト+オウンドメディアを併用する
  • SNS+自社サイトを併用する
  • SNS+自社サイト+オウンドメディアを併用する

上記は求職者に合わせたPR媒体の一例です。さらに広告の出稿を検討するのか、出稿する場合どこにどのような広告をいつまで掲載するかを考えていきます。

コンテンツについても、動画のほうがわかりやすい場合とそうではない場合があります。写真(画像)だけで十分であれば動画にする必要はなく、費用対効果も考えながら採用マーケティングにふさわしい手法を選んでください。

採用Webマーケティングの手法

採用Webマーケティングの手法

次に、採用マーケティングの具体的な手法についてチェックしていきましょう。

自社採用ページの作成とSEO対策

採用Webマーケティングでは広く募集を募る意味でも専用の採用ページを制作し、自社サイト・オウンドメディア・その他ブログやSNSからアクセスが行えるようにしましょう。

採用ページには以下の情報を網羅的に掲載します。

  • 経営者や役員のメッセージ
  • 実際の事業や仕事に関する情報
  • 募集中の職種一覧
  • よくある質問(Q&A)
  • オフィス内の紹介動画/写真
  • 採用情報(新卒/中途/障碍者)
  • 企業データ

企業データなどは自社の公式サイトにも掲載されていますが、採用ページにも同じ情報を掲載します。自社を広く深く知ってもらうためにも、情報は網羅的に掲載してください。

求人サイトへの掲載

次に求人サイトへ自社の募集要綱を掲載します。就職・転職をすべて含めた総合求人サイトだけではなく、新卒・中途・者雇用などそれぞれに特化したサイトにも掲載しましょう。

求人サイトではテンプレートに従って情報を入力するだけで募集が始められますが、ここでも自社の強みや他社にはないメリットをアピールしてください。

Web広告

採用広報は採用だけではなく、広報の面でも非常に重要な意味を持ちます。そのためWeb上に広告を掲載し、自社の名前・事業内容・採用に関することを知ってもらうことが大切です。

オンラインセミナーの開催

新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、直接会場を借りて行う説明会やセミナーの代わりに「オンラインセミナー」が行われることも一般的になりました。

会場まで足を運ぶ必要がないため、オンラインセミナーにはさまざまな地域に住む求職者が参加します。自社の特徴を端的に伝え、遠方からも求職者を募集したい場合は、ぜひオンラインセミナーを開催しましょう。

SNSの活用

SNSは求職者だけではなく自社の顧客や見込み客、それ以外の人々と広く関われるツールです。Twitterではリアルタイムなやり取りが、Instagramでは画像や動画を中心に若年層の利用が見込まれ、誰にどの方法で訴求したいかによってSNSの選び方も変わります。

自社のPRにふさわしいSNSをチョイスし、誰がどの間隔で発信するかなど細かく計画のうえ、活用していきましょう。

動画コンテンツの活用

動画コンテンツは、限られた時間でも動的に視覚に訴えられるツールです。公式サイト・オウンドメディア・SNS用と掲載場所に応じて最適な長さ(尺)や内容を変化させ、閲覧する人の立場に立って伝えたいことを表現してください。

ポジショニングメディア

ポジショニングメディアは、市場における自社のポジション(立ち位置)を明確にするためのメディアです。

あらかじめ分析・絞り込みのうえでターゲット層に特化したコンテンツをつくるため、サイトの方向性がブレにくくなり端的に訴求ができます。

自社独自の魅力を競合と比較して見せることで、「〇〇というニーズに合っている企業は自社」と認知をしてもらうことが可能です。

ポジショニングメディアを経由した方は、あらかじめ自社に魅力を感じてくれているマッチング度が高い人材のため、面接や採用がスムーズに進む、定着率が高まるといった効果も期待できます。

求人情報や採用情報はWeb上に溢れかえっており、その中から自分に合った仕事や納得して応募できる企業を探すのは至難の業です。

そういった環境のなかで、特定の業界・市場の全体感を見せながら、自社ならではの魅力を伝えてポジションを確立することは、ブランディングにもつながります。

応募自体がなかなかこない、マッチする人材からの応募がない、採用しても定着しない…、そのようなお悩みがありましたら、ぜひポジショニングメディア導入を検討してみてください。
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採用Webマーケティングを成功させるポイント

採用Webマーケティングを成功させるポイント

採用Webマーケティングを成功させるためには、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。

母集団形成は戦略的に

採用のためのWebマーケティングでは、手始めに「母集団形成」を行う必要があります。母集団形成とは、自社に興味を持ち応募を考えている人たちを集める作業です。

母集団が多ければ多いほど豊富な人材の中から選考が進められるため、自社に合う人材を探し出しやすくなります。

母集団形成は数そのものも大切ですが、何よりも「質」を重視したいところです。求職者をある程度絞り込み、ターゲティングを行わなければ自社の求める人材が集まりづらくなってしまいます。

まずは採用したい求職者像を具体的にイメージし、対象者がどの属性にいるのかまで落とし込んで考える必要があるでしょう。

採用目的や目標人数をしっかり設定する

採用Webマーケティングでは、採用の目的や目標とする人数を決定し、そのゴールを目指して広報活動を行います。

「採用の目的」は、「自社に足りていない人材を補いたい」「新しいプロジェクトに関われる若い人材を雇い入れたい」など、自社の課題でもある部分をピックアップしながら目的を確認しましょう。

「目標人数」は必ずしもその人数に到達するとは限らないため、集めるべき母集団の人数も考慮に入れながら人数を決めておくと良いでしょう。

選考辞退や内定辞退の割合も計算に入れておく必要があり、母集団の集め方によっては採用できる人数が目標に到達できない可能性も。可能なかぎり目標が達成できるように、母集団形成の段階からさまざまなリスクを考慮して人数を決めていきましょう。

ターゲット設定は最重要

最重要の要素であるターゲット設定は、採用Webマーケティングの一番の目的とも呼べる部分です。母集団形成時点からある程度ターゲット設定をしておき、その集団からさらにターゲットを限定して絞り込みながら採用する方法ならミスマッチを防ぐことができます。

ターゲット設定には明確な基準を設けます。「営業経験○年以上」「コミュニケーションが得意な人」「自社製品・サービスをプライベートでも愛用している人」のように、属性や興味関心に至るまで細かく設定します。

アピールできる最適な手法を選ぶ

次にターゲティングした求職者に確実にアピールできる手法を選びます。SNSやブログ、オウンドメディアなどさまざまな方法がある中で、企業の多くは複数の方法を併用して採用活動を行っています。

採用Webマーケティングは「採用」と「広報」の両面を持ち合わせていますから、採用のみを行うのでは片手落ちになってしまうため、広報の効果も期待できる媒体を選んでください。

実施後は振り返りをしてPDCAを回していく

採用Webマーケティングは、計画から改善点の実施までを順番に行う「PDCAサイクル」に沿って行いましょう。計画を実行したら効果を検証するためにチェックや振り返りを行い、洗い出された改善点に沿ってアクションを加えてください。

コンテンツや広告は魅力的なものを

採用Webマーケティングを進める際、求職者が集まるSNSや企業サイトを中心に施策を実行していきます。重要なことは、コンテンツや広告は決して独りよがりなものであってはならないということです。

SNS上でのやり取りや発信はもちろんですが、公式サイトやオウンドメディアなど運営中の各Webページの文章・コンテンツについても、第三者の目線を忘れないことを心がけてください。

広告やコンテンツは、訴求したいものに焦点を絞ってわかりやすく構成します。文字・画像が見づらい、音声が聴き取りづらい、何を言いたいのか結論がわからないものは求職者に刺さりにくいため、第三者の立場に立ったコンテンツ作りが欠かせません。

最適な場所に最適な情報を掲載しましょう

最適な場所に最適な情報を掲載しましょう

求職者はWeb上のあらゆる情報にアクセスし、それぞれが好みの媒体から情報を取捨選択して応募につなげています。

採用側は自社サイトを強化するだけではなく適切に求職者の動向を分析し、媒体ごとに適切なかたちで広告を出稿したり、求職者が求めている情報を掲載したりと、多様化するニーズに合わせたPRを行いましょう。

今までの採用活動はセミナーや説明会が中心でしたが、オンライン上での発信やコミュニケーションも当たり前となり、自社の魅力を詳細にアピールできる採用Webマーケティングへと移行しつつあります。

自社の製品・サービス・魅力を広く発信するとともに、他社との差別化と求職者への訴求を同時に行い、認知度を高めながら母集団を集め、自社に合う人材とのマッチングを図っていきましょう。

Zenkenでは、クライアントならではの強みを軸とした、マーケティング戦略のご提案をおこなっています。いままでに120業種を超えるクライアント企業の集客・採用・マーケティング戦略を支援してまいりました。

そのノウハウを活かし、貴社の魅力を徹底的に分析した上で、最適な採用マーケティング戦略をご提案させていただきます。

今後、採用Webマーケティングに取り掛かる予定の企業や、マーケティングに関してお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。

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