製造業で打ち出すプラットフォーム戦略のメリットと事例

製造業で打ち出すプラットフォーム戦略のメリットと事例
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プラットフォーム戦略はIT業界で生まれた経営戦略ですが、現在様々な業界でプラットフォーム戦略に取り組む企業が増加しています。製造業においても、プラットフォーム戦略に取り組むことで、企業の成長を支える新たなビジネスモデルの構築が可能です。

この記事では製造業がプラットフォーム戦略に取り組むメリットについて解説しています。将来的にプラットフォーム戦略の導入を検討している企業の方は参考にしてください。

プラットフォーム戦略とは?

青いはてなマーク

プラットフォーム戦略とは、複数の企業や組織などが業務提携して、顧客へ価値を提供するための環境(プラットフォーム)を構築する経営戦略のことを指します。

プラットフォームを通じて、ユーザーが普段バラバラになっているサービスやデータに1つの「拠点」からアクセスできます。業務提携してプラットフォームに参入している企業が増えれば増えるほどユーザーにとって利便性がアップし、プラットフォームの価値と収益性上がっていきます。

プラットフォーム戦略の代表的なとして、楽天市場が挙げられます。楽天市場でユーザー向けに商品を売っているのは運営者の楽天ではなく、出店している小売店です。 楽天は、小売店とユーザーが取引できる環境の提供から収益を得ています。

プラットフォームを提供することで、小売店などにプラットフォーム上で商品を販売してもらいます。また、買い物をする顧客が会員登録をしてもらうことで、自動的にその顧客は自社の顧客にもなるという仕組みです。

プラットフォーム上で魅力的な商品やアプリケーション・機能が増えるほど、利用ユーザーがアップしていきます。こうしてネットワークを広げて、なるべく多くのユーザーを自社の環境に引き込むことがプラットフォーム戦略の目的です。

プラットフォーム戦略で注目されるGAFA

アメリカのGAFAはプラットフォーム戦略を活用して、成長を続けている企業です。GAFAとは、Google、 Apple、Facebook、Amazonのことを指し、どの企業もユーザーにとって利便性の高いプラットフォームを提供することで、新規顧客の獲得だけでなくユーザーの囲い込みに成功しています。

プラットフォーム戦略を製造業で打ち出すメリット

英語で「メリット」をスペルしている木のブロック

プラットフォーム戦略は、元々IT業界で誕生した経営戦略です。それがなぜ、製造業でも注目を集めているのでしょうか。

近年、業種・業界を問わず、DX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に普及しています。DXとは、一言で表すと、モノやサービスの「デジタル化」することです。

製造業においてもDXが進んでおり、この影響からDXの一種であるプラットフォーム戦略に取り組む企業が増加しています。製造業がプラットフォーム戦略に取り組むメリットとして、以下のようなことが挙げられます。

プラットフォームを活用してユーザーの囲い込みができる

1つのプラットフォーム上で複数な製品・サービスを提供できれば、顧客にとって利便性が高くなり、プラットフォームをずっと使い続けてもらう状態が作り出せます。

また、利用者の多いプラットフォームには、パートナー企業も集まりやすくなり、プラットフォームの中で集客のサイクルが出来上がります。

自社が提供している製品・サービスを求めているエンドユーザーに加えてプラットフォームのユーザー基盤を活かして自社製品・サービスを販売したいパートナー企業が獲得できれば、売上も大幅にアップしていきます。

新しいビジネスモデルの創出ができる

AIなど最先端技術の発達により、製品の製造や販売だけでは、競合他社との差別化が難しくなっています。従来の「モノを売るだけ」のビジネスモデルでは、企業として長期的に成長するのは厳しいのであれば、新たなビジネスモデルによる価値提供が必要です。

そんな中、プラットフォームという新しい価値提供によって、ビジネスの幅を広げることができます。プラットフォームでのユーザーの囲い込みを通じて、これまでになかった収益源を開拓して安定的な売り上げを獲得することが可能です。

顧客データをマーケティングに活用できる

会員登録を行うプラットフォームでは、顧客のデータを収集できます。このデータを分析することで、顧客のニーズを明らかにし、新製品の開発などマーケティングに活用することが可能です。

また、収集した顧客データが増えれば、パートナー企業への提供・販売という新しいビジネスチャンスも生まれます。

製造業のプラットフォーム戦略事例

英語で「例えば」とスペルしている木のブロック

ここからは製造業でプラットフォーム戦略に取り組み、成功した事例をいくつかご紹介します。

シーメンス

シーメンスは、ドイツの電機メーカーです。元々は電子機器の製造会社でしたが、現在はシステムソリューション事業など幅広くビジネスを展開しています。

そんなシーメンスは、2017年にIoTプラットフォーム「MindSphere」を発表。MindSphereでは、工場の設備から収集したデータをクラウドで管理できます。アプリを使って、工場内の設備のモニタリングやデータ解析も可能です。

MindSphereは顧客へヒアリングし、徹底的な顧客目線で開発されました。パートナー企業との連携を積極的に進め、顧客の選択肢を増やすことで、シーメンスが利便性の高いプラットフォームを構築に成功しました。

コマツ

コマツは東京に拠点を置く、建設機械や鉱山機械の大手メーカーです。日本の製造企業の中でも、コマツはプラットフォーム戦略に早くから取り組んでいます。

コマツは2017年から、建設現場における生産性を向上させるためのプラットフォーム「LANDLOG」をNTTドコモ、SAPジャパン、オプティムと共同で企画・運用しています。

LANDLOGでは、建設生産プロセスに関わるモノのデータを収集し、一元管理できます。プラットフォーム上で収集したデータを活用してアプリケーションを開発し、施工会社などのユーザーへ提供。今後、多くの新規プロバイダーへ参入を働きかけることで、プラットフォームの価値を向上させていきます。

ディア・アンド・カンパニー

ディア・アンド・カンパニーは、アメリカにある農業用トラクターをはじめとした重機を展開するメーカーです。

2013年に、ディア・アンド・カンパニーは「myjohndeere.com」というデジタルプラットフォームを立ち上げました。myjohndeere.comでは、自社の農業用機械の所有者向けに予備部品の提供など、様々なサービスを提供。

例えば、同社で販売している監視装置では土壌の水分量や降水量、気温などのデータ収集が可能で、収集したデータはプラットフォームで共有ができます。

まとめ

戦略を立てているビジネスパーソン

今回は、製造業がプラットフォーム戦略に取り組むメリットと事例について解説しました。製品の質や機能面だけで他社と差別化が難しくなる中、製造業も新たなビジネスモデルの構築が必要とされています。プラットフォーム戦略は、それを実現するための選択肢の1つです。

プラットフォームで集めたデータは、新たな製品・サービスの開発に活用され、プラットフォーム内でネットワークが広がるほど、提供する側の企業も新製品開発のための材料を入手することができます。

製造業がプラットフォーム戦略に取り組むことで、モノを売るだけでなくプラットフォームによって新たな価値提供を行い、これまでとは別の収益源を確保することができます。

一方、プラットフォームの構築はすぐにできることではなく、プラットフォーム戦略そもそも向いていない業種・業態もあります。プラットフォーム戦略に取り組む前には、自社にデータ化してユーザーに提供できるリソースの有無や提携が可能なパートナー企業を洗い出しておきましょう。

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