空調設備・機器の集客に役立つ広告やマーケティング戦略まとめ

空調設備・機器の集客に役立つ広告やマーケティング戦略まとめ

新型コロナウイルスの影響によるテレワークの増加で、ビル空調の需要ダウンに苦しむ空調設備・機器業界。日本冷凍空調工業会の調べるによると、コロナ前の2019年9月には81.9万台だった業務用パッケージエアコンの出荷台数は、2020年9月には73.1万台、2021年同月は64.9万台と、減少傾向が続いています。

エアコン普及率の高い日本において、すでに成熟産業となっている空調設備・機器製造業界では業界再編に向け、海外進出を目的としたM&Aも活発に行われています。

今後ますます競争激化が予想されるなか、安定的な集客を目指すにはどのような戦略が有効なのでしょうか。ここでは、空調設備・機器業界の広告やマーケティング戦略についてまとめました。

空調設備・機器業界の現状と市場規模(2024〜2025年)

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空調設備・機器業界は、2024年に国内出荷台数が935万台(前年比+6.5%)と4年ぶりの増加に転じ、回復局面を迎えている。エアコン普及率が高い国内市場では新規需要の急拡大は見込みにくいものの、更新・リプレース需要・データセンター向け空調・脱炭素対応という3つの構造的な成長ドライバーが業界を下支えしている。

競合との価格競争を避けてマーケティングで成功するためには、こうした市場の変化を捉えながら「自社が誰に何を提供できるか」を明確にすることが第一歩となる。

世界・国内の空調市場規模と成長予測

世界の空調機器市場は2024年に124.6〜159.4億米ドル規模に達すると推計されており、国内市場は167.2億米ドル(2024年)から2033年には351.1億米ドルへと約2倍に拡大する見通しだ(CAGR 7.70%)。

空調設備・機器 市場規模サマリー(2024〜2025年時点)
市場カテゴリ 市場規模 成長率(CAGR)
世界空調機器市場(2024年) 124.6〜159.4億米ドル 安定成長
国内空調市場(2024→2033年) 167.2億→351.1億米ドル 7.70%
国内出荷台数(2024年) 935万台(前年比+6.5%) 4年ぶり増加
データセンター向け冷却空調(2024→2033年) 173億→488億米ドル 13.86%

注目成長セグメント

データセンター向け精密空調(CAGR 13.86%)
生成AI・クラウドの急拡大に伴うサーバー増設でデータセンターの消費電力・発熱量が急増している。従来の汎用空調では対応できないケースが増え、精密温度・湿度管理が可能な専用空調システムへの需要が世界的に急増。大手IT企業や通信キャリアの国内データセンター投資拡大に合わせ、2025年以降も継続的な需要増が見込まれる。

海外市場への進出(東南アジア・インド)
国内でエアコン普及率が高い一方、東南アジア・インドでは中間層の拡大と都市化に伴う空調需要が急増している。ダイキン工業は東南アジア向けに1,000億円超の設備投資を実施し、国内メーカー各社も海外比率を高める戦略を打ち出している。海外展開を視野に入れたバリュープロポジションの再構築が、中長期の競争優位につながる。

ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)対応空調
2025年以降、大規模建築物へのZEB基準適合が段階的に義務化される見通しだ。高効率空調システムはZEB達成の核心設備となり、省エネ性能をCOP・APF・一次エネルギー消費量削減率で定量示しできるメーカー・販売者が選ばれやすくなる。

2025年以降の規制動向と集客商機

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フロン排出抑制法改正と低GWP冷媒への移行

2025年のフロン排出抑制法改正により、新規製造・輸入する業務用空調機器への使用冷媒はGWP(地球温暖化係数)1,500以下への移行が原則義務化される。従来主流だったR-410A(GWP 2,088)から、R-32(GWP 675)・R-454B(GWP 466)などへの切り替えが進む。

既存機器の即時更新義務はないが、次回リプレース時に低GWP対応機への移行が必須となる。「規制に先んじた低GWP対応」を訴求ポイントにすることで、コンプライアンス意識の高い法人顧客へのアプローチが可能だ。

省エネ補助金・SII補助金を活用した更新提案

一般社団法人省エネルギーセンター(SII)が実施する「省エネ設備導入支援補助金」では、高効率空調設備への更新に対して補助率1/3〜最大2億円の補助が受けられる(年度ごとに条件・上限額が変更される)。

補助金情報を積極的に発信することで、更新検討中の見込み顧客の背中を押す効果的なコンテンツマーケティングになる。「補助金活用で自己負担〇〇万円削減」という具体的な数値訴求が特に有効だ。

法定耐用年数超過機器のリプレース需要

業務用エアコンの法定耐用年数は22kW以下で13年、22kW超で15年とされており、それを超えた機器は故障リスクと省エネ性能の劣化が顕著になる。2008〜2010年に設置された機器が大量にリプレース時期を迎えており、省エネ効果の数値訴求が有効だ。

具体的には、2008年製機種→2023年製最新機種への更新で電気代約48%削減という試算がある。このような具体的な節電シミュレーション・ROI算出ツールをWebコンテンツとして提供することで、検討初期の見込み顧客を自社サイトに誘導しやすくなる。

空調設備・機器の広告やマーケティングに役立つフレームワーク

STP分析で自社の優位性を知る

STP分析とは、マーケティング論で有名なアメリカの経済学者コトラーが提唱したフレームワークだ。
「セグメンテーション(Segmentation)」で市場を細分化し、その細分化した市場から自社がたたかうべき市場を決定「ターゲティング(Targeting)」、そして顧客を獲得できる、つまり勝てる立ち位置を「ポジショニング(Positioning)」で明確にしていく。

STP分析ができると自社の強みと相性の良いターゲットを中心に、効率よくマーケティングを展開できるようになる。

空調設備・機器でのSTP分析の例として、データセンター向け精密空調・ZEB対応ビル向け高効率空調・工場生産ライン向け産業用空調など、用途別にセグメントを切り出すことで、各セグメントに最適化したメッセージとチャネルを設計できる。

バリュープロポジションを知る

バリュープロポジションとは、ユーザーにとって価値があり、かつ競合にはない「自社の強み」を特定していくフレームワークだ。
日本語にすると「提案できる価値」という意味があり、顧客が商品やサービスを購入する理由にあたる。
バリュープロポジションにあたる「価値」とは、顧客やターゲットが持っているニーズに沿っていて、自社の強みによって応えられる、かつ競合が提供できていない価値のことを指す。

空調設備や機器におけるユーザーニーズのうち、自社の得意分野や技術力を活かせる強みは何かを探そう。
そして自社と競合他社とのちがいは何かを比べて自社にしか提供できない強みを絞り込み、「自社独自の価値」を明確にしていく。

例えば「データセンター向けN+1冗長構成の24時間365日保守対応」「SII補助金申請サポートから施工・維持管理まで一括対応」「低GWP冷媒R-32搭載機種への無料診断・更新提案」のように、競合が提供できていない具体的な価値を言語化することが差別化の核になる。

空調設備・機器の広告やマーケティング方法

強みを明確にした自社ホームページ

自社のホームページにたどり着くユーザーの多くは、空調設備・機器を接点にして、何らかの興味や関心を持って検索している人たちだ。
ユーザーが求めている情報を分かりやすく提供しているホームページに仕上げることで、自社の魅力が伝わり信頼性をアピールできる。

また、自社サイト内のコンテンツをユーザーニーズに沿って工夫すれば、強力な営業やマーケティングツールにもなる。
ただ会社情報を紹介するだけでなく、有益なコンテンツを用意して集客の入り口としても活用しよう。

リスティング広告・デジタルマーケティングを活用する

BtoB購買において、検索エンジンは情報収集フェーズの主要チャネルだ。「業務用エアコン リプレース」「データセンター 精密空調 メーカー」「ZEB対応 空調 補助金」などの検索キーワードにリスティング広告を出稿することで、購買意欲が高い見込み顧客との接点をつくれる。

特に補助金・省エネシミュレーション・無料診断などの無料提供コンテンツをランディングページのCTAとして設定すると、問い合わせハードルを下げてリード(見込み顧客情報)を効率的に獲得できる。業種・用途別のセグメントに絞り込んだキーワード設計がROI向上のカギだ。

ポータルサイト・マッチングサイトを活用

空調設備や機器のメーカーに特化したポータルサイトや企業のマッチングサイトへの登録も有効だ。掲載した広告を介して、問い合わせや成約につながる可能性もある。

ただし、各媒体の運営体系にもよるが、中には掲載に料金が生じたりマッチングによって報酬を求められたりするサイトもある点には気を付けよう。
ただ会社情報の露出が増えるだけで、集客にはつながらないケースもある。

また、サイト内の限られた枠内での紹介だと自社の強みをしっかりと伝えきるのは困難だ。
認知度が上がり集客できたとしても、自社にマッチした見込み顧客からの問い合わせではないこともある。

ポータルサイトやマッチングサイトへの掲載は、あくまでも認知度を高めるチャネルのひとつとして考え、他の集客手法とあわせて活用すると良いだろう。

指名客を増やすポジショニングメディア

ポジショニングメディアとは、市場内での自社のポジション=立ち位置をユーザーに伝えるメディアだ。
自社ならではの強みや価値、競合他社の強みや価値を伝えて比べやすくすることで、自社にとって自社と親和性の高いユーザーを集客することができる。
ポジショニングメディアを導入した企業からは、以下のような声が聞かれている。

  • 自社の強みをわかって問い合わせてくれるので、商談率が8割を超えた
  • ニーズが合致するユーザーを狙って集客できるため、受注単価が2.5倍にアップした
  • 自社を理解してくれている状態からの商談なので、すぐに具体的な話や打ち合わせができる。契約までのリードタイムも1/3に短縮された

現状の施策でうまく集客できていない、成約率が伸びないなどの課題があれば、導入を検討してみてはいかがだろうか。
以下のリンクから、ポジショニングメディアについてより詳しく解説しているので、ぜひ一度確認してほしい。

ポジショニングメディアとは?
詳しく知る

空調設備・機器の広告・マーケティングに関するよくある質問(FAQ)

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Q. 空調設備・機器のマーケティングでまず何をすべきですか?
まず自社のバリュープロポジションを明確にすることが優先だ。「誰に(ターゲット)」「何を(自社の強み)」「なぜ競合ではなく自社か(独自価値)」の3点を言語化する。STP分析でターゲットとポジションを決め、それを軸にホームページ・広告・営業資料のメッセージを統一することで、集客から成約まで一貫した効果が生まれる。
Q. 業務用エアコンのリプレース提案で有効なコンテンツは何ですか?
設置から10年以上が経過した機器の保有者に向け、省エネシミュレーション(現行機vs最新機の電気代比較)・補助金活用事例・リプレース費用の回収年数試算が特に効果的だ。「2008年製機種→2023年製最新機種で電気代約48%削減」のような具体的数値を示すことで、更新検討を後押しできる。ランディングページへの「無料省エネ診断」CTAを組み合わせると、リード獲得につながりやすい。
Q. データセンター向け空調の営業・マーケティングで差別化するには?
データセンター事業者が最重視するのは可用性(冗長構成・MTBF)・PUE改善・スケーラビリティ(段階的増設対応)の3点だ。汎用的な製品スペックではなく、「N+1冗長構成で稼働率99.9%保証」「PUE 0.1改善でデータセンターの電気代〇千万円削減」のような実績・数値訴求が差別化になる。技術者向けの仕様資料と意思決定者向けのROI資料を使い分けることも重要だ。
Q. フロン排出抑制法改正でマーケティングにどう影響しますか?
2025年の法改正(新規機器GWP1,500以下義務化)は、低GWP冷媒対応機種への更新需要という大きなマーケティング機会をもたらす。「規制対応のロードマップ提案」「低GWP冷媒対応機の早期導入メリット」を訴求するコンテンツで、コンプライアンス意識の高い法人顧客を取り込める。規制情報を分かりやすく解説するブログ・ホワイトペーパーは検索流入を増やすSEO効果もある。
Q. 省エネ補助金(SII補助金)をマーケティングに活用するには?
SII(省エネルギーセンター)の省エネ設備導入支援補助金(最大2億円)は、空調設備の更新検討者にとって強力な導入促進要因になる。自社サイトやランディングページで「補助金対象機種一覧」「申請サポートサービス」「補助金活用の導入事例」を提供することで、検討中の見込み顧客を集客できる。補助金申請の煩雑さを代行・サポートできる体制をアピールすることが、競合との差別化にもなる。
Q. 空調設備会社がSEO対策で狙うべきキーワードは?
検討初期の潜在層向けには「業務用エアコン 選び方」「データセンター 空調 種類」「ZEB 空調 補助金」、比較・検討層向けには「業務用エアコン メーカー比較」「精密空調 メーカー おすすめ」、顕在層向けには「業務用エアコン 更新 費用」「空調設備 リプレース 見積もり」など購買ファネルの各フェーズに対応したキーワードを設計することが重要だ。自社の強みと相性の良いセグメント(データセンター・工場・ZEB対応ビルなど)に絞り込むことで上位表示を狙いやすくなる。
Q. 海外市場でのマーケティングで日系空調メーカーはどう戦えますか?
東南アジア・インドでは都市化・中間層拡大による空調需要急増が続いており、日本製品の「高省エネ性能・高信頼性・長寿命」というブランドポジションが有効だ。現地の高温多湿環境への対応スペック・現地エネルギー規制への適合・アフターサービス網の充実を訴求ポイントにすることで、現地ローカルメーカーとの差別化が図れる。現地語(英語・タイ語・インドネシア語等)でのWebマーケティングが必須となる。

マーケティング・営業戦略でお困りなら

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エアコン普及率の高い国内では市場拡大が厳しくとも、データセンター需要・省エネリプレース・海外市場という3つの成長ドライバーが空調設備・機器業界を牽引している。日本の高い技術力に注目した海外からの需要が増えていく可能性も大いにある。
すでに多くのメーカーが海外需要に目を向けており、空調設備・機器業界のビジネスモデルは今後大きく変わっていくだろう。

市場がリフレームされるこの機会を逃さないためにも、顧客に伝えるべき「自社の強み」を知り、それを活かしたマーケティング施策を講じていくことが大切だ。

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