CMP(同意管理プラットフォーム)について比較・解説しました

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インターネットにおけるプライバシー保護の取り扱いについて注目が集まる中、企業がユーザーの行動履歴を取得することに関しても保護の動きが高まっています。
それ伴い、企業にとって重要なツールとなっているのがCMPです。

このページでは、CMPとは何か?基礎知識や生まれた背景、必要性について解説しながら、代表的なCMPの特徴や料金プラン、導入実績について調べました。
Webマーケティングを実施している企業担当者様は、ぜひご一読ください。

CMP(同意管理プラットフォーム)とは?

privacy
CMPとは「コンセント・マネジメント・プラットフォーム」の略で、企業とユーザーとの間で、個人データの利用に関する同意形成を行うツールです。
日本語で「同意管理プラットフォーム」とも呼ばれます。
Webサイトを開いたとき、サイト画面に「Cookieを許可しますか?」というポップアップが現れて、同意を求められた経験はないでしょうか。これがまさにCMPです。

Webサイトの運営者がサイトを訪問したユーザーに対し、Cookieの情報を取得すること、また、そのCookieを用いて取得した個人データをどのように活用するか、利用目的を明らかにした上で本人からの同意を得るためのツールです。

CMPでできること

CMPでは、ユーザーから得た同意状況を管理できるようになっています。
また、同意しないユーザーのデータを記録しない機能も備えています。

ユーザーは自分のプライバシー情報がどう使われているのかを把握できるようになるほか、ユーザーの同意を得た上で適切なマーケティングを実施できるようになります。

CMPが生まれた背景

これまでは、ユーザーデータがどのように利用され、どんな第三者に提供されているかが把握できておらず、ブラックボックス化してしまっていました。
その反省を踏まえ、以下のような動きが世界各国で起こったことがCMP誕生の背景にあります。

GDPR

GDPR(General Data Protection Regulation)とは、「EU一般データ保護規則」という、EU各国に適用される法令のことです。
個人のプライバシーの権利の保護と確立を目的として、2018年に施行されました。

企業の所在地にかかわらず「EUにある個人のデータを扱う全ての企業や組織」がGDPRの適用対象となっているため、日本発の企業であってもグローバルに事業を展開する場合、GDPRに則った対応を求められます。

サードパーティークッキーの廃止

Google社は、ChromeにおけるサードパーティCookieのサポートの、段階的な廃止を発表しました。

Cookieとは一時的にChromeやSafariなどのブラウザに保存されるユーザーの行動履歴データのことで、サードパーティークッキーとは、ユーザーが訪問しているWebサイト以外のところで発行され、他のサイト訪問時にも適用されるクッキーです。

本来のCookieは、一度訪れたサイトに再度訪れた時にIDやパスワード入力の手間を省いたり、ECサイトで買い物かごに商品を入れたまま一度離れても再訪時に商品がそのまま残っていたりするなど、ユーザーの利便性を向上する目的で使われていました。

ところが、この機能をユーザーの閲覧履歴をもとに「リターゲティング広告」や「オーディエンスターゲティング広告」で利用する広告業者が増えてしまったのです。

このような広告の在り方が問題視されるようになり、オンラインサービスを提供する企業各社が自主的にCookieを規制する流れが起こっています。

改正個人情報保護法

2022年4月に「改正個人情報保護法」が全面施行され、国内企業が対応を求められています。

改正では、提供先で個人データとなり得る情報に対し本人同意の確認が義務化されました。
また、提供元で個人データに該当しないものであっても、提供先で個人データとなり得る情報を第三者に提供する場合、本人同意が得られていることが必須となります。

ここで言う「提供元で個人データに該当しないものでも提供先で個人データとなり得る情報」とは、Cookie(クッキー)情報やインターネットの閲覧履歴、IPアドレスなどです。

旧法では明言されていなかったCookie(クッキー)に対する取り扱いが、改正法によって定められています。
これまでは、Cookieのみを利用して得る情報は個人を特定できるデータではないとされてきましたが、法改正によって規制対象となっています。

CMPと厳重化するデータプライバシーの関係

Webサイトを運用する企業にとって、CMPの導入は必須ではありません。
しかし、今回の法改正によって、違反に対する企業のペナルティが強化されました。
取得した個人情報を漏洩したり不正利用したりすると、罰則はもちろん、一瞬で企業の信頼は失墜してしまうでしょう。

今後、自社の個人情報データの取り扱いを見直す作業は全ての企業において避けられません。

CMPは、個人データの健全な利活用のために本人の同意を得ながら管理作業を効率化できるツールです。

これからプライバシー保護に関する体制を新たに構築する際には、何らかのCMPを利用するほうが、企業にとってメリットが大きいと分かります。

CMP(同意管理プラットフォーム)の比較

cyber-security
ここでは、国内で提供されているCMPツールの特徴や料金プラン、導入実績を紹介します。
ぜひCMPの導入や製品の比較検討に参考にしてください。

Sourcepoint

Sourcepoint
引用元:デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社:https://solutions.dac.co.jp/

Sourcepoint(ソースポイント)は、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(DAC)が提供しているCMPです。

日本の個人情報保護法をはじめ、GDPRやCCPAといった海外の法規制への対応にも柔軟に対応できる機能を備えています。
大手プラットフォームやソリューションと連携できるほか、未連携のソリューションにも対応可能。
導入によって個人データ管理の工数削減を目指せます。

料金システムや導入実績については公開されていませんでした。
詳細を知りたい方は、公式サイトより紹介資料をダウンロードするか、問い合わせフォームにて質問してみてください。

Trust 360

Trust 360
引用元:Priv Tech株式会社:https://privtech.co.jp/service/trust360/

さまざまなビジネスサービスやソリューションを展開する「Priv Tech株式会社」が提供しているCMPです。
同意の取得率などのデータを、分かりやすいダッシュボードで確認できるようになっています。
主な導入実績は、Webマーケティングやリサーチを行うデジタルマーケティング企業が中心。

顧客が現在行っているマーケティングツールの利用状況を聞いた上で、最適な導入方法や活用法を提案し、ツール設定まで代行してくれます。

毎月税込55,000円からの月額料金プランで導入可能。月間500万PVまで、定額料金で利用ができます。

OneTrust

one_trust
引用元:株式会社インターネットイニシアティブ:https://cookie.bizrisk.iij.jp/?hsLang=ja-jp

ネット接続サービスやネットワーク関連サービスを手がける、株式会社インターネットイニシアティブが提供している「OneTrust」。
これまでの導入企業が国内500社を突破している、バナー型のCMPです。

月額4,800円からのライセンス料で、導入から利用、運用サポートまでワンストップで対応してくれます。
専門の技術要員やプライバシーコンサルタントが、クッキー同意管理バナーの導入をフルサポート。

社内に詳しい人員がいない、作業が不安という場合でもWeb会議や直接訪問によるアドバイスを受けられます。

また、株式会社インターネットイニシアティブの公式サイトではクッキーバナーに関する有益な情報が提供されています。
個人情報保護法やバナー表示方法について知識を深めたい際には、ダウンロードして活用できます。

webtru

webtru
引用元:株式会社DataSign :https://webtru.io/

個人向けプライバシー保護アプリや法人向けセキュリティソリューションを提供する「株式会社DataSign」が手がけたwebtru。

ドコモやゆうちょ銀行、中部国際空港など、大手企業や団体への導入実績を持つCMPです。

改正予定の電気通信事業法や「行動ターゲティング広告ガイドライン」などの特定分野をはじめ、さまざまな国内外の法規制に対応

独自の特許技術によって、サイト内で動いているサードパーティークッキーを自動で発見してくれます。

サイト内で動いている外部サービスをチェックできる無料の診断サービスあり。
料金プランは2種類あり、月額5,500円からのライトプラン、月額11,000円からの管理プロと、機能や対応させたい範囲によって選べるようになっています。

dooi

dooi
引用元:マイデータ・インテリジェンス :https://www.mydata-intelligence.co.jp/lp/cmp/index.html

※dooiは2022年7月27日現在、サービスが終了しているようです。
参照元:dooi公式サイト(https://www.mydata-intelligence.co.jp/lp/cmp/index.html)

Dooiは、株式会社電通テックが提供するCMPです。
導入企業で保有する会員IDを含めた同意情報の取得や、取得した同意情報を他のツールに連携させることが可能

同意取得からデータ活用までがスムーズに行えるため、マーケティング活動の生産性向上を目指す際にも選ばれていました。

また、同意状況をユーザー自身が確認・変更できるプライバシー管理ページを提供。
ユーザーの安心感や信頼感に繋げて、関係性を築きながら同意取得を目指せます。

Ensighten

Ensighten
引用元:アンダーワークス株式会社 :https://www.ensighten.jp/

Ensightenを提供するのは、Ensighten関連ソリューションの総販売元や同ライセンスの販売、導入コンサルティング、導入設定及び運用サポートを行う「アンダーワークス株式会社」。

ネット上のあらゆる攻撃を未然に防ぎ、ユーザーから信頼されるウェブサイトを目指して開発されました。

Ensightenでは、同意取得のほか、WebスキミングやMagecart、ピギーバッキングなどの攻撃対策も行えます。
導入実績は、国内の大手航空会社や自動車メーカー、旅行会社、アパレルブランドなど。

LiveRamp

Ensighten
引用元:LiveRamp :https://liveramp.co.jp/

アメリカ・カリフォルニア州を拠点とするSaaS企業「LiveRamp」がデータ接続プラットフォームで提供しているCMPです。

独自の技術によって個人を特定できる情報を削除し、再識別されないようにすることで、個人データの第三者利用を防ぎます。

各国の法律や業界団体で制定された規則にも対応しており、日本の法令にも適応しているとのこと。
導入実績にはGoogleやHulu、ユナイテッド航空など、世界的企業が多く、データプロバイダーや広告業、BtoCマーケティングなど幅広い業種に対応できるとのことです。

料金システムやプランについては公開されていませんでした。
詳細を知りたい方は、問い合わせフォームよりコンタクトを取る必要があります。

UniConsent

UniConsent
引用元:UniConsent :https://www.uniconsent.com/

UniConsentはTransfonが提供する同意管理プラットフォームです。UniConsentのCookieスキャナーは利用しているCookieをスキャンしては分析・分類し、監査などを自動的に行ってくれます。スキャン機能を活かして、自社サイトにアクセスしているユーザーの分析に加え、インターネット全体でのユーザ追跡も可能です。

また、製品の導入から運用までは専任のサポートチームが運用をサポート。急なトラブルにも素早く対処してくれます。UniConsentはパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなどマルチデバイスに対応。操作も簡単に導入できます。

これまでに、3000以上のパブリッシャーやマーケターからの信頼も得ているため安心して利用ができるでしょう。

料金については記載がありませんでしたので、直接お問い合わせください。

Osano

Osano
引用元:Osano:https://www.osano.com/

Osanoはサードパーティー製のスクリプトを自動検出し、アラートを出す機能やページのポリシー変更の監視を行ってくれる機能を持つCMPです。WebサイトにJavascriptを1行追加するだけで、50カ国以上のデータプライバシーをカバーできます。また、ツールは42ヶ国語に対応しており、様々な訪問者を特定することができます。

さらに、ShopifyやSurveyMonkeyなど様々なアプリやツールと連携できる点が特徴です。ベーシックプランなら無料で導入できるため、CMP管理ツールの選定で迷っているのであれば、一度試してみると良いでしょう。

料金プランは以下の通りです。

  • Basic:0円
  • Business:12,391円/月額
  • Business+:24,783円/月額
  • Enterprise:問い合わせ

CookiePro

CookiePro
引用元:CookiePro:https://www.cookiepro.com/

Cookie ProはOneTrust社が提供している同意管理プラットフォームです。対象サイトで利用しているCookieをスキャンし、レポーティングを実施。履歴監査ログ機能では、ユーザーのCookie同意状況を記録し、レポートとして見ることもできます。

日本の個人情報保護法など様々な国のプライバシー保護法にも対応。また、Webブラウザだけでなく、モバイルアプリにも対応している点が特徴です。

プランにはクイックサポートプランがあり、初めてCMPを使う場合にも安心して導入できます。また、導入後のサポートではウェビナーや1対1でのオンラインセッションもあるため、不明な点を気軽に相談できます。

料金は以下の通りです。

  • スターター:$10/月
  • 標準:$30/月
  • 企業:$44/月

CMPは今後益々求められるツール

hacking
CMPは、国際的なプライバシー保護の観点や国内における個人情報保護に関する規制の厳罰化によって、企業がマーケティング活動をする上で欠かせないツールとなりました。
ユーザーに安心感を与え、信頼性を確立する意味でも積極的な導入が進められています。

今後、インターネットでプライバシーが益々注目されるでしょう。
ユーザーや見込み顧客に信頼される企業であり続けるためにも、必要な施策を打ち出しましょう。

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