テクニカルSEOとは?具体的な対応施策と基礎知識まとめ
最終更新日:2022年07月21日
Webサイト上でコンテンツマーケティングによる集客を導入している企業が増えてきています。しかし、ただ記事を更新すれば集客できるという時代ではなくなっています。
これまで以上にSEO施策が重要になる中、コンテンツSEOに対する注目度がますます高まっています。
でもちょっと待ってください。テクニカルSEOをおざなりにしていては、どんなにコンテンツSEOにお金や時間をかけても徒労に終わりかねません。
そこで今回の記事では、改めてこのテクニカルSEOの基礎知識について解説していきたいと思います。
コンテンツマーケティングを集客の軸に考えている方は、120業種以上のコンテンツマーケティング支援実績がある、全研本社の「コンテンツSEOガイド」もご提供しています。
テクニカルSEOだけでなく、コンテンツSEOについても知っておく必要がありますので、ぜひお読みください。
テクニカルSEOとは?
SEOと聞いてまず真っ先になにを思い浮かべますか?
対策キーワードの上位表示で集客や認知向上を目指す施策だ、というざっくりした概念はあるものの、実際にはどのようなことをやるのか、意識したことがない人が多いかもしれません。
テクニカルSEOは、人ではなく検索エンジンのロボットに向けて自社サイトを最適化する施策です。
GoogleがSEOの基本として公表しているスターターガイドになにをどうすべきか説明されていますが、検索アルゴリズムの変化を受けにくいことと、いったん対策を講じればその効果が持続しやすいことが特徴として挙げられます。
コンテンツマーケティングの制作を自社で制作している方や外注している方で、成果がでないと感じているなら、まずテクニカルSEOに問題がないかチェックしておきたい部分です。
テクニカルSEOとは、検索エンジンに見つけてもらうために内部構造を最適化する施策のことを指します。コンテンツSEOが記事やコラムによるSEOであったのに対し、テクニカルSEOはWebサイトの土台や基盤を整えることが目的です。
サイト全体の内部構造が最適な状態になっていない場合は、テクニカルSEOを施して最適化していく必要があります。
この内部構造のルールはなにが正しくてなにが間違っているかがはっきりしていますので、そのルールにのっとって修正していくことでクローラビリティを上げていくことができます。
検索エンジンはつねに進化を続けているため最新の情報を追いながら対応しなければなりませんが、テクニカルSEOは基本に忠実に実装すればいいという点で、わかりやすさがあります。
今後SEOに力を入れていきたいと思いながらも、何から手をつけてよいかわからない方はまずテクニカルSEOから手をつけましょう。
テクニカルSEOの基本については、スターターガイドで「Googleは完全に自動化された検索エンジンであり、Googleがウェブページを検出し、クロールして検索結果に表示する仕組みを確認してほしいと」と説明されています。
チェックしておくべき基本的なポイントとして、Googleは以下5つの項目を挙げています。
所有するウェブサイトが Google に表示されているか? ユーザーに質の高いコンテンツを提供しているか? 所有するローカル ビジネスが Google に表示されているか? ウェブサイトのコンテンツにどのデバイスからでも速く簡単にアクセスできるか? 所有するウェブサイトは安全か?
テクニカルSEOのなかには、専門知識が必要なものもありますが、まずはこのスターターガイドをチェックして、内製で対応可能なものがあれば実施していきましょう。
コンテンツSEOとの違い
テクニカルSEOとは異なる施策にコンテンツSEOがありますが、その違いもここで整理しておきます。
- コンテンツSEO:より多くのユーザーに見てもらうための継続的施策
- テクニカルSEO:正しくWebサイトをつくるための基盤となる施策
コンテンツSEOに注力しても効果が出ない場合は、テクニカルSEOに問題があると考えてよいでしょう。
なお、内部コンテンツはテクニカルSEO以外にも複数のポイントがあります。こちらで内部と外部対策について解説しているので、より多くの改善ポイントを知りたい方は下記ページもご覧ください。
テクニカルSEOは2つのグループに分かれる
テクニカルSEOは主に2つのグループに分けられます。
- クローラー対策(収集)
- インデックス対策(登録)
ひとつめのクローラーとは、Googleなどの検索エンジンがWebサイトを登録するため、情報収集の目的で訪れるロボットを指します。
そしてクローラーが検索結果をデータベースに登録する作業が「インデックス」です。
クローラビリティを上げて着実にインデックスにつなげないと、検索結果の順位を上げることはできません。では次に、それぞれ具体的な対策を見ていきましょう。
【テクニカルSEO】検索エンジンのクローラー対策
まずはクローラーがサイト(ページ)情報を収集する際に影響を与えるポイントをおさえておきましょう。
モバイル環境の最適化
現在ではWebページを閲覧するのはモバイル端末が中心です。スマートフォンで見やすいページになっていることは、検索結果の上位に入るために大切な条件になっています。
これは「モバイルフレンドリー」とも呼ばれ、下記の要素がスマートフォンでも問題ないかが関係してきます。
- 文字
- リンク
- ボタン
他にもPCで表示した場合とスマートフォンで表示した場合でコンテンツ内容に相違がないかといった点や、スクロールのしやすさも重要です。
ページ表示速度の最適化
Webページが表示されるまでにかかる時間も、上位表示に影響します。表示速度が遅いとユーザーにとって不便だからです。
検索エンジンが評価するのは、「ユーザーがどこまで快適に、役立つ情報にたどり着けるか」という点です。
表示スピードを高速化するためには、下記のような対応が必要です。
- 画像サイズが大きすぎない
- スクロールに合わせて画像を表示させる
- 記述コードを簡略化する
- AMPページを導入する
「AMP」とはAccelerated Mobile Pagesの略称で、Googleが推奨しているWebコンテンツを高速表示させるための手法です。
WebページをAMP化すると表示速度が平均して約4倍も速くなるだけでなく、使用データ量を1/10程度に抑えることもできるといいます。
クローラビリティを上げる
ページがエラーによりクロールできない状態が発生している場合、早急に改善しなければいけません。一般的にクロールエラーと呼ばれます。
クローラーをブロックする設定になっていないか、削除されたページへのリンクを変更してリダイレクトをかけているかといった基本的な条件をクリアしておく必要があります。
サイトがわかりやすい階層構造になっているか
サイトページごとの階層構造がわかりやすくなっていると、クロールも巡回しやすくなり、各ページを判断しやすくなります。
URLが「https:https://www.shopowner-support.net/aa/bb/cc」のようになっている場合を考えてみましょう。aaが大ジャンルでbbが中ジャンル、そしてccが小ジャンルとグループ分けされていれば、すんなりとクローリングできます。
検索エンジンが巡回しやすいサイトを設計すれば、より早くGoogleをはじめとする検索エンジンに認知され、評価されやすくなります。
【テクニカルSEO】検索エンジンのインデックス対策
続いてインデックスへの登録に関与する対策をみてみましょう。
タイトル、ディスクリプションの最適化
タイトルやサイトに書かれている内容を要約する項目にあたるディスクリプションは、SEOに大きな影響を与えます。大切なポイントは3つ。
- 記事内容を的確に要約しているか
- 対策キーワードが含まれているか
- 最適化された文字量か
対策キーワードでの上位表示を目指しているのであれば、タイトルやディスクリプションにキーワードを含めるのは、原則中の原則です。
また記事内容がわかりやすく要約されていなければ検索ユーザーが記事をクリックするきっかけにならず、そのコンテンツやサイトを認識してもらえません。
スマートフォンの場合タイトルの文字数表示が限られてしまうので、大切な情報は30文字程度にまとめるのが理想。簡潔にわかりやすく記入できると、検索しているユーザーが内容を認識しやすくなります。
正しい見出しの記載
適正な見出しもテクニカルSEOの重要な要素のひとつです。見出しはWebサイトを表示させるHTMLでいうとh1やh2などで囲む箇所です。
h1はページタイトルと考えてよく、該当ページのテーマともいえる内容にあたります。したがって対策キーワードがテーマとイコールになるようなタイトルが望ましいです。
h1以下にはh2(大見出し)や(小見出し)h3を入れますが、タイトルを最適化するには、以下のポイントをおさえます。
- 検索エンジンのクローラーに認識されやすいタイトルにする
- 検索ユーザーが理解しやすくわかりやすいタイトルにする
- 検索ユーザーがメリットや興味を感じやすいタイトルにする
画像ファイル情報の最適化
画像ファイルは文字情報ではないため順位に影響しなさそうにも思えるかもしれません。しかしHTMLにて設定できる何の画像かを表すaltタグの設定などが影響します。
画像SEOという言葉があるように、人間の脳に近づくことを目指している検索エンジンにとっては、画像も非常に重要な要素です。altタグや画像のファイル名などを最適なものにしておくことが重要です。
またクローラーはページ上部から読みこんでいくので、内容に関連する重要な画像はページ上部へ設置しましょう。
Googleレンズなど画像自体を解析するシステムも日々技術が進歩しています。商品画像を掲載する際には、シルエットなど何の画像と認識しやすいかを考慮した画像の選定も今後は大切なポイントです。
リンクのチェックと最適化
サイト内の別ページへとぶ内部リンク、そして別のサイトへ誘導する外部リンクともに正しい内容であるかもチェックしておくポイントです。問題がある例としては下記が挙げられます。
- リンク先のページが削除されているのに残っている
- 文章型リンクで内容が一致していない
- 何のリンクかわからない
閲覧するユーザーのクリックを誘導するためにも、何のページへ飛ぶリンクなのか、アンカーテキストなどを入れてわかりやすくしておきましょう。
重複コンテンツのチェック
多くのページを作成していると同じような内容をつくってしまう場合があります。しかしほとんど内容が変わらないページはインデックスから削除されかねません。重複している状態は、共食いを表すカニバリゼーション(カニバリ)と呼ばれます。
重複ページを発見したら情報をまとめて、片方のページは削除しましょう。
キーワードやディスクリプションが似ているケースと、記事内容だけが似ているケースがあります。複数部署で別ページを更新している場合、発見や修正には労力がかかるため、他の対策を実施してから検討すべき内容です。
構造化データを記述する
当該コンテンツが何のデータなのか、何が記載されているのかを記述する、いわゆる構造化データを記述することにより、インデックス時にページ内容が認識されやすくなります。
例えば下記のようなタグがあります。
- name:名前、会社名
- logo:会社ロゴ
- address:住所
いくつか種類がありますが、コンテンツ作成を効率化するCMSというシステムの利用などで自動的に入れてくれるケースもあります。
テクニカルSEOに役立つツール
サイト内部のテクニカルSEO問題の発見は、ツールを使わないと難しい部分があります。SEOの課題抽出に役立つツールをいくつか紹介しておきましょう。
Google Search Console
Googleアカウントで利用できるツール。SEOスターターガイドを提供しているGoogleのツールということもあり、テクニカルSEOに役立つ機能が多く用意されています。
テクニカルSEOに関連する項目には下記のようなものがあります。
- インデックスに登録されたページの確認
- エラー状況のチェック
- 削除したページの報告
- 端末ごとの表示速度確認
- モバイル端末での操作性確認
Google Search Consoleは無料のため、テクニカルSEOを意識するなら必ず導入すべきツールといえます。
Screaming Frog SEO Spider
Screaming Frogという海外の企業が提供しているSEOに役立つツール。インストールし、該当のWebサイトをクロールさせて利用します。
テクニカルSEOに関連する項目には下記のようなものがあります。
- 重複コンテンツの発見
- リダイレクトのリスト
- リンク先のページエラー発見
- クローラーブロックの発見
無料プランと有料プランがあり、上記などの基本機能が500サイトまで使えるのが無料プランです。中小規模企業なら無料プランでも問題ありません。
ANATOMY
SEOに関連するさまざまな解析機能をもった日本企業のサービス。テクニカルSEOに関連する項目には下記のようなものがあります。
- リンク情報のチェック
- 構造化データ確認
- 見出しタグのみ表示
検索結果画面のみえ方などもチェックでき、テクニカルな面以外でもSEOを意識したサイト制作に役立つツールです。
100ページ分までの無料プランに加えて、小規模と大規模向けの有料プランが用意されています。
PageSpeed Insights
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無料で利用できる、ページの表示速度測定に特化したサービスです。URLを入力するだけなので、インストールせずに利用できます。
また英語表記であるものの表示スピードが遅い理由などもわかるので、他のツールを利用しても速度の遅い理由がからないケースに役立ちます。
Broken Link Checker
コンテンツ更新に役立つシステムであるWordPressのプラグインとして提供されている、リンク切れを調べられるツール。WordPressで更新しているサイトならダッシュボード内で調査できます。
他のツールを使うのが難しい、手間がかかるためにサイト内でリンク切れチェック作業を完結させたいケースにおすすめです。
テクニカルSEO以外も常に対応し続けることが大切
テクニカルSEOはWebサイトの検索順位が上がらず改善を検討しているけれど、何を改善すればよいのかわからないケースではテクニカルSEOに該当する部分から修正していきましょう。
ウェブマスター向けガイドラインにも記載されている内容で、修正作業がわかりやすいのがポイントです。外注ではなく自社内で作業するなら、担当者全員がウェブマスター向けガイドラインをチェックしておきましょう。
テクニカルSEOは基本なので変化しにくいのですが、検索エンジンは常に進化していくため他の部分も含めてしっかり対応すべきです。
あまりSEOの専門知識をもっていない場合には、ノウハウをもった企業に委託するほうが圧倒的に効率的です。
テクニカルSEOと同時に進めなければならないコンテンツSEOに関しても、コンテンツマーケティングの専門会社やSEOの専門会社に依頼するのがスマートです。
SEO施策やコンテンツSEOに課題があるなら
社内にSEOにくわしい社員がいるケースのほうが少ないと思いますが、なにも知識を獲得せずに専門会社に丸投げすればいいというものでもありません。
ある程度のリテラシーは獲得しつつ、専門会社との連携でSEOの知識を深めていけばよいのです。
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Zenkenはコンテンツマーケティング支援を得意としておりますが、SEOに関しても知見があります。BtoCはもちろんのこと、業界に特化したBtoBのコンテンツSEOに関してもご相談を承っております。
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