市場シェアの拡大戦略で重要なたった一つのこと
2020年10月27日

市場(マーケット)シェアとは
マーケットシェアとは、日本語で置き換えるなら市場占有率です。特定の市場の中で、ある商品の売上が占める割合を指します。
日頃ビジネスの中で「シェア」と呼ばれるものは、基本的にはマーケットシェアを指しています。市場構造を判断する上では、シェアは重要な指標です。
シェアは売上と市場規模の割合から換算され、例を挙げるなら30億円(売上)÷300億円(市場規模)=10%(市場シェア)といった計算方法で算出されます。
売上がマーケットシェアの基準となっているため、シェアを向上させるためには自社の売上を上げることがまず重要となります。
売上を上げるには
売上は、顧客数×単価×購入頻度といった計算から算出されます。
すなわち、顧客数や購入単価、そしてその購入頻度を高めることができれば、必然的に売上も向上する仕組みとなっています。
どれかひとつのポイントを徹底的に伸ばしたり、複数のポイントを並行して伸ばすなど、自社の強みなどを鑑みて戦略的に売上を向上させていきましょう。
商品の販売方法や販売している際の立地など、多くの要素を考慮することでさらに効果的・効率的な売上を上げる計画も立てやすくなります。
どの市場でシェアを取りたいのか
大きな市場でのシェア拡大を狙うのではなく、市場を細分化、すなわちセグメンテーションすることで、特定のニーズを持つ顧客には圧倒的なシェア率を誇るといった戦略も可能です。
漠然とシェア拡大を掲げるのではなく、大きな市場の中で特にどういった顧客をターゲットとしているのか、つまり「誰のためにベストな商品・サービスを作っているのか」を改めて明確化しておきましょう。これは後に出てくる差別化やポジショニングといったマーケティング戦略の根幹になります。
市場(マーケット)シェアの拡大戦略のポイント
売上を上げるためには、市場の中で顧客に選ばれる商品やサービスを提供する必要があります。そこで重要になる考え方が「バリュープロポジション」です。
市場内での自社のバリュープロポジションを明確にしよう
バリュープロポジションとは、顧客のニーズがあるのに競合が提供できていない、自社独自の強みを指します。ただの強みではなく、特定のニーズに対する自社だから提供できる強み・価値であるため、競合はすぐに真似しようとしても難しいという点も大きなポイントとなります。
自社のバリュープロポジションが明確になれば、必然的に集客や広告戦略の軸が定まります。ではバリュープロポジションは、どのように見つけていくと良いのでしょうか。

顧客のニーズを分析
まず必要となるのは、顧客のニーズを分析することです。自社の商品やサービスを利用する顧客のニーズを分析し、自社の商品はどのニーズに対して価値提供をしているかを考えてみてください。
「顧客に直接聞かないと分からないのでは?」と感じる人がいるかもしれませんが、いまではWebを活用すれば様々な情報を得ることができます。上手に活用することで、ある程度の分析も可能です。
例えば、現状最も検索されている検索キーワードや、キーワードごとの検索数、さらには口コミレビューなどは分かりやすい指標になるでしょう。
さらに踏み込んで、自社独自のデータを得たい場合はユーザー座談会やインタビューを実施するのも良いかもしれません。
まずは検索キーワードなどを有効活用し、聞き足りない点や疑問点はユーザーへ直接ヒアリングを行うのが効率的。それらの内容をもとに、自社ならではの価値提供を仮説立てしてみることで、特定の顧客ニーズに対して圧倒的な強みを持つことが可能です。
マーケティング戦略においては、必ず顧客のニーズを考慮していることが重要です。そもそも求められていないもの、求められる可能性のないものへコストを投下しても、理想とする効果は得にくいでしょう。
競合商品・サービスの分析
次に競合の商品やサービスをリサーチし、自社との違いを分析することも大切です。
価格やスペックといった数値的な部分はもちろんですが、競合リサーチの際にも、その競合商品が顧客のどういったニーズに応えているのかという視点でも調べてみてください。
例えば価格が同じでも、どのニーズの解決を重視して商品がつくられているかという点では違う場合もあります。これを明確にPRすることは差別化戦略にも役立ちます。
きちんと戦略立ててPRされている商品は、どのようなニーズを持っているユーザーをターゲットにしているか明確になっており非常に参考になるでしょう。
自社の分析
バリュープロポジションは、自社だけが提供できる価値です。そのため自社の分析を丁寧に行うことも重要です。
自社の強みを改めて整理し、競合が提供できていない価値はないか、自社だからこそ応えられるユーザーの課題はないか、丁寧に考えてみてください。
「独自の強みなんてない」と考えてしまうかもしれませんが、ひとつの強みでは独自性がなくても、組み合わせることで独自性につながることもあります。
競合や自社の分析を通し、強みになり得るポイントを幾つか抽出できれば、バリュープロポジションを確率できる可能性が高いです。
少しでも強みとなる可能性がある部分は、意識的にピックアップしておきましょう。
全研本社では、貴社のバリュープロポジションの分析から、その独自の強みを活かすマーケティング戦略であるポジショニングメディアを得意としています。
「客観的に自社バリュープロポジションを分析してほしい」「マーケティング戦略を相談したい」という方はお気軽にご連絡ください。
バリュープロポジションをマーケティング戦略の軸に
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シェア拡大には、上述の通り売上を上げる必要があります。
そして売上を構成する、顧客数、単価、購入頻度の向上においては、顧客のファン化が大切になってきます。
顧客をファン化させるためには、競合との差別化を行い、顧客が自社の商品を選ぶ理由を明確にする必要があります。
バリュープロポジションを明確にすることは、すなわり顧客の購買理由も明確になっているということです。そしてバリュープロポジションとは独自の強みであるため、非常に強力な差別化戦略を打ち出すことができます。
そして、市場内での自社の立ち位置を明確にできることで、顧客自身が「自分のニーズを満たす商品はここにある」と自ら選んで購入してくれるようになります。
自社商品によって提供される価値を明確にすることで、相性の良い顧客、購買意欲の高い顧客を狙って集客することも可能です。
購買意欲の高い顧客を集める
ポジショニングメディアとは
シェア拡大につながる売上アップのテクニック
エリア戦略を練る
シェア拡大のためには、エリアに即した戦略を練ることも重要です。
商品を販売するエリアとは商圏、すなわちセグメントされた市場(マーケット)として捉えられます。つまりシェア拡大とエリア戦略は非常に密接に結びついているわけです。
地域ごとに趣味嗜好や1回の購入額の平均単価なども異なることは言うまでもないと思います。出店エリアを決めたのであれば、エリアを利用するターゲット分析は丁寧に行うべきです。
同エリアの競合の数や傾向など、丁寧に分析をすることで特定の地域で圧倒的シェア率を獲得するというマーケティング戦略も可能になります。
販売エリアを拡大する
エリア分析が完了したら、同様の戦略を適用できるエリアなどを調査し、販売できるエリアそのものを拡大するという手法があります。
せっかく編み出した戦略は、同じエリア内のみで適応できるとは限りません。似たようなエリアには横展開することで、戦略構築の手間を最小限に抑えながら効果的にシェアを獲得することが可能です。
もちろん現時点でのエリアで成功してからでも遅くありません。戦略は慎重に検討し、エリア拡大を行っていきましょう。
イベントなどを定期的に実施する
顧客のマンネリ化を防ぐために、店舗独自のイベントなどを積極的に開催するのも効果的です。イベントと言っても盛大に開催する必要はなく、セールや会員限定の割引セールなど、顧客にとって嬉しい施策を実施するのが良いでしょう。
定期的にイベントを開催することができれば、顧客の離脱を防止することが可能です。定期的なコミュニケーション手段となるだけでなく、顧客にとって新鮮味を維持することが可能です。
顧客を飽きさせないという施策を検討し、着実に顧客をファン化することに努めましょう。
リピーター施策を実施する
イベントなどに集客する顧客を選出する際に、有効となるのはリピーターに特化する施策です。
ポイントカードやアプリなど、何度も店舗を訪れることで顧客に特典が生まれるような施策を実施することができれば、顧客のファン化はもちろん、継続来店に繋げることが可能です。
リピーターを獲得するための施策は、店舗を長く継続する上では非常に重要です。新規顧客だけでなく、リピーターのフォローを欠かさないようにしましょう。
新規顧客獲得施策を実施する
既存顧客ではなく、新規顧客獲得もシェア拡大には非常に重要です。
一定の購入金額以上でノベルティを渡したり、初回限定クーポンの配布などが有効です。商品の質に自信があるほど、一度購入してもらったり、着てもらうという経験が非常に重要となるため、店舗が積極的に新規顧客の体験機会を提供できるのが良いとでしょう。
購入に必要な情報を明確にする
例えばアパレルなら、どのようなコーディネートに刺さる服なのか、どのように流行に乗っている服なのか、どのようなターゲットに合う服なのか、きちんと明確にしておく必要があります。
このように購入の理由となる情報を明確に示しておくことで、ユーザーが購入しやすくなるだけでなく、自社のスタッフがどういった点をPRするべきかが明確になり、マーケティング戦略や営業戦略に一貫性が出てきます。
目的や意思が統一された戦略をとることは、企業イメージが確立され、自社のブランディングにもつながります。
まとめ
大きな市場でのシェアは非常に重要ですが、その第一歩として、勝てる市場で圧倒的に勝つことを目指してみてください。
そのためには自社のバリュープロポジションを明確にし、自社が提供できる価値を顧客にしっかり伝えることが重要です。
自社の強みを活かし、相性の良い顧客を抱えることで足場を固めることができれば、さらにビジネスを拡大するための資本をつくることができます。
全研本社では培ってきたWebマーケティングのノウハウを活かして、クライアントのビジネスを成長・拡大させるお手伝いをしてきました。
いまのシェアをさらに拡大させる戦略を検討されているのであれば、ぜひご相談ください。貴社ならではの強みを活かした戦略をご提案させていただきます。