SHEIN(シーイン)のどこがすごいのか。そのマーケティング戦略とサプライチェーンを解き明かす

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SHEIN(シーイン)はここ数年で急速に勢力を拡大している中国の大手アパレル企業です。圧倒的な急成長を遂げている理由として、日本のアパレル企業とは異なる流通や製造の仕組み、マーケティング戦略を構築している点が挙げられます。

SHEINのどこがすごいのか、日本のメーカーには太刀打ちできないものなのか。そのマーケティング手法や世界を席巻している理由について、解き明かしていきます。

SHEINは日本を含め各国で急成長を遂げる中国のアパレル企業。成功に導いている日本のアパレル企業にはない戦略を解説します。

中国アパレル通販「SHEIN(シーイン)」とは?

SHEINキャプチャ画像
画像引用元: SHEIN公式サイト(https://jp.shein.com/?lang=jp)

SHEINは中国企業の南京希音電子商務有限公司が運営する、DtoCの超低価格路線アパレルブランドです。中国だけでなくさまざまな国で注目されており、世界中で急成長を見せています。

ただし、日本国内ではまだ世代を問わず知名度が高いというわけではありません。20代以下の世代を中心に人気が高まっているブランドで、本国中国においても同様です。

さらに製造工程における労働力の搾取やブランド製品のライセンスに抵触が疑われた事案、使用している素材から有害物質が検出されるなど、社会的な問題もいくつか確認されています。

こうした問題がありつつも、今後も成長すると考えられている理由はなんなのでしょうか。

販売のための実店舗は持たずオンライン流通のEコマースに限定し、若い女性をターゲットとしたマーケティングを展開するSHEINの強さについて見ていきましょう。

SHEINの爆売れデータ

SHEINが急成長と表現する根拠として、アプリのダウンロード数が挙げられます。下記は日本を中心にアジア各国と中国企業を結ぶインターナショナルな業務を中心としている、中国のマーケティング企業「株式会社ENJOY JAPAN」の記事です。

App Annieの統計データによると、2021年5月17日、「IOSプラットフォームにおけるSHEINのアプリのダウンロード数」でアマゾンを抜き1位のECアプリとなる。

GoogleとKanterが共同発表した「2021年 ブランドZ™ 中国グローバルブランドトップ50(2021 BrandZ™ Top 50 Chinese Global Brand Builders)」によると、SHEINはテンセントグループを超え11位にランクイン。

世界54カ国のiOSプラットフォームでのダウンロード数がトップになり、Androidプラットフォームでも13カ国で最もダウンロードされたECアプリとなる。

引用元:enjoyJapan「中国アパレル通販「SHEIN(シーイン)」とは?企業戦略を徹底解説」(https://enjoy-japan.jp/column/cross-border-ec/shein/)

また上記記事で掲載されているテンセントグループとは、GAFAに匹敵するともいわれている中国のIT大手企業です。日本におけるLINEのようなアプリであるWeChat、そしてゲームではPUBG MOBILEやクラッシュ・オブ・クランなどを提供しています。

中国で生活したことのある方や海外ゲームをしたことのある方なら知っているサービスばかりですが、SHEINはグローバルブランドとしてさらに上へ立つ企業です。

日本のショールームにも若者が殺到

日本においても2022年10月に大阪、11月に東京原宿にショールームを開設しています。東京原宿では150人以上の行列で入場を制限するほどの人気ぶりでした。

大阪のショールーム開設に至っては行列が長くなりすぎて、開店時間が30分前倒しとなったほどの人気ぶりです。

SHEINのターゲットはもともと「奨学金を抱えたアメリカの大学生のような経済的余裕がないがおしゃれを楽しみたい女性」をメインターゲットに、アメリカでマーケティング分析を実施。

社会問題を解決するサステナブルな取り組みなどにはあまり関心を抱かない層をコアターゲットにしています。

自分の個性にあった最新のファッションが安い価格で入手できること、しかもサイズ展開やバリエーションが豊富であること、短いサイクルで次々に新しいアイテムが展開されオンラインで完結することなどが、日本の若者をも惹きつけています。

SHEINの特徴

SHEINの特徴

SHEINの特徴は大きく分けて3点あります。

  • 低価格
  • 高速の商品サイクル
  • 商品ラインナップが豊富

いずれも日本のアパレルブランドで当てはまるようにも思えますが、圧倒的な差があります。

低価格

Tシャツは500円前後から販売されており、アクセサリーも数百円、安い商品では100円以下にて購入できます。日本にてディスカウントショップで同様の価格帯の商品を探しても、なかなか見つかりません。

高速の商品サイクル

SHEINでは商品ラインナップの更新がとても早く、新商品は毎週2回追加されています。

1年間で誕生する新商品は約25,000点、日本の実店舗で考えると年間の新商品すら置けなくなるような量です。しかし商品ごとの生産数は少なく、ロットの単位は100〜500枚ほどしかありません。

比較として日本のアパレルブランドの代表ともいえるユニクロを例にすると、ロットの単位は100万着ほどです。ロットが1,000枚にも満たない小ロット生産というのは、自社工場を持つ日本の大手製造業では考えられません。

商品ラインナップが豊富

1商品あたりのロット単位は少ないのですが、商品ラインアップは豊富です。選択肢が数多くあるなかで売れる商品と売れない商品を早めに見極めて、売れている商品だけを追加発注します。

少量の入荷と発注を素早く繰り返すことで、余剰在庫を抱えるリスクをなくしているのです。

SHEINのマーケティング戦略

SHEINのマーケティング戦略

SHEINが展開するマーケティング戦略として下記が挙げられます。

  • 低価格層がターゲット
  • ITと人的作業のミックス分析
  • SNSを使った広告展開
  • 低価格層がターゲット
  • ライブコマースで宣伝

SHEINのターゲット層は経済面で余裕がないけれど、わずかなお金でアパレルショッピングを楽しみたい女性層が中心です。従来のアパレル企業に多かった大量消費、大量生産とは方向性が異なっています。

アパレル業界における大量生産の結果、発生している大量廃棄問題への解決策にもつながる戦略です。SDGsを意識する層へのアプローチにもなります。

ITと人的作業のミックス分析

SHIENマーケティング手法の特徴としてまず挙げられるのは、ITの活用です。自社の商品はもちろん、他社サイトから売れ筋商品を取得してAIにて分析しています。

AIに加えて人的作業による分析も行ない、かつ小ロットの販売テストにて売れ筋商品を敏感に把握しています。

SNSを使った広告展開

SHIENがSNSの宣伝でインフルエンサーとして利用したのは、一般的に使われているファッションリーダー的なポジションの人物ではありません。

PRに採用したのは、KOC(Key Opinion Consumer)と呼ばれるフォロワーが少なくてもしっかりと商品を使い込んでいて、消費者の目線でメリットデメリットを認識している人物です。

消費者と同じステージ、同じ目線の「ファン」たちが自発的に発信するコンテンツが、広告による宣伝効果を上回っています。

実際に商品購入者の口コミを見てみると、購入したサイズが自分に合っているか、素材はどうか、デザインはどうかといったリアルな声が、忖度なしに投稿されていることがわかります。

多少悪い評価があっても、体裁を整えたインフルエンサーの「PR記事」よりも、KOCの投稿のほうに重きを置いた点も、SHIENがマーケティングで勝者となった要因のひとつです。

ライブコマースで宣伝

SHIENではライブコマースも宣伝方法として活用しています。

ライブコマースは日本でも少しずつ広がっている、ライブ動画を見ながら直接購入できる手法です。日本でもららぽーとやASICSなどが行なっています。

SHIENは店頭を持たない分スタッフによる接客はできませんが、ライブコマースなら実際に着用している雰囲気などが分かり、回線やサーバーに問題がなければ人数制限もありません。

基本的に日本ではマスメディアの広告は展開していませんが、2022年11月後半にはブラックフライデーに合わせたテレビ広告を展開しました。

SHEINのサプライチェーン

SHEINのサプライチェーン

SHEINの製造から流通や販売など一連の流れ、つまりサプライチェーンは日本の一般的なアパレル企業とは異なっています。

一貫して中国で対応

材料の調達、商品企画、販売まで一連の流れをすべて中国国内にて構築しています。大手アパレル企業の多くは本部を設置している国で商品企画を行ない、材料調達はさまざまな国とやりとりする形式が一般的です。

サプライチェーンを同じ国に統一することで、企画から製造までの期間を大幅に短縮しています。

自社工場なしで製品管理

SHEINは自社での製造工場をもたず、他社工場に依頼しています。

商品自体はwechatと連携したシステムで一元管理しており、製作工場が未定の商品発注に対して複数の工場が競って受注を受ける形式です。工場を選択する時間も必要なく、発注と受注がスピーディーになります。

さらに協力サプライヤーとなっている小規模工場には、シーイン独自の管理システム「SCMシステム」が導入され、販売状況がリアルタイムで共有されています。

売れ行きがいい商品は自動的に生産発注が入り、遅滞なく製造していける仕組みになっています。これは「F2C(Factory-to-consumer)」呼ばれるサプライチェーンの概念です。

このように短期間で大量の新製品を投下する流通の仕組みを構築したことと、数百名にものぼるマーケティングチームが分析するトレンド・売れ筋商品の開発と投下が、SHEINを評価額1,000億ドルを超える株式未上場のヘクトコーン企業へと押し上げたのです。

SHEINのマーケティング戦略まとめ

世界各国にて急速に勢力を拡大している中国のアパレル企業SHEINは、従来のアパレル企業とは異なるマーケティング手法が特徴的な企業です。

文化や企業風土が異なるため、同じ戦略をとると日本でも必ず成功するとは限りませんが、効率化など参考になる部分は多くあります。

マーケティング戦略のうち、Web上での売り上げをアップさせるにはどうすればいいか。BtoBにしろ、DtoCにしろ、着手できるところから手を付けるというのも、悪くはありません。

Zenkenでは1200業種・8000サイトの制作と、過去にさまざまな業種で成功してきた実績がございます。自社のマーケティング戦略でよい案が思い浮かばずに困っている方は、お気軽にご相談ください。

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また、下記では無料でお使いいただけるワークシートを配布しております。マーケティング分析の必要性を感じている場合は、ぜひご活用ください。

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