資生堂のプロモーション・広告戦略について調査【事例付き】

資生堂のプロモーション・広告戦略について調査【事例付き】
share
Facebook Twitter はてなブックマーク Pinterest

ここ数十年、化粧品の広告と言えば人気タレントや女優などを起用したテレビCMや雑誌・新聞などのマス広告が主流でした。

しかし、デジタルとの接触時間が長い世代が増えてきた今、大手メーカーの資生堂はデジタルにシフトしたプロモーション戦略を進めています。

ここでは、資生堂が取り組むプロモーション戦略について解説しています。メディアを上手に活用して集客を増やしたい、費用対効果を高めたいという方はぜひ参考にしてみてください。

資生堂のプロモーション戦略のポイント

資生堂が独自に調べたアンケートによると、10~20代の若年層はスマホやパソコンの接触時間は多いものの、テレビを全く観ないわけではなく、意外と視聴されていることが分かりました。

そこで資生堂は、マス広告とデジタルを統合しながら効果的にプロモーションしていく戦略をとっています。

短期間で広告を移行して幅広くPR

テレビCMを放送するには莫大なコストがかかるものの、最近ではテレビを観る人とそうでない人に分かれており、必ずしもテレビCMで大きな広告効果を得られるとは限りません。

そこで資生堂は、Webアンケートによるデータを活用。新CMの放送開始ごとに、放送3日後にはアンケートをとり、テレビCMの認知率が低いエリアや年代に向けて「デジタルで補完する」手法を取りました。長期間のテレビ放送を取りやめて短期間で動画広告へシフトさせ、リーチしていない層にデジタルでPRしたのです。

この戦略でリーチを獲得して認知率を高めつつ、テレビCMのコストを削減することにも成功しました。

ビジュアルに訴えるInstagramを活用

10~20代に圧倒的な人気があり、今や若年層の検索行動の主流ともいえるSNS。資生堂は特に、ビジュアルから訴えるInstagramでのプロモーションに注力しています。

単に写真や動画広告を投稿するだけでなく、商品ブランドやプロジェクト、ターゲットの属性に合わせてアカウントを複数開設。ハッシュタグを使って「自分で発見し、行動につなげる」というInstagramの特性を活用して、より近しいターゲットに興味・関心を持ってもらえるような形で情報を提供しています。

コミュニティで根強いファンを増やす

ワタシプラス公式サイト画像
引用元:ワタシプラス「https://www.shiseido.co.jp/wp/index.html」

潜在ニーズや人々が持つ隠れた心理「インサイト」を発見する、消費者目線・顧客目線を育てるために、資生堂は独自のコミュニティサイトを運営しています。

新製品の情報をいち早く伝えて拡散してもらう、テストマーケティングに活用するなど、企業と消費者とのコミュニケーションによって親近感を高めるほか、ファン同士の対話を通じて企業ブランドの信頼性や愛着を高めることにもつなげています。

企業研修で顧客層を拡大

ビジネスに活用できる印象マネジメントの一環として「肌マネジメント研修」という企業向けの研修を行っています。セミナー形式でスキンケアの必要性を啓蒙し、ビジネスの現場を通じて体験機会を提案することで、女性だけでなく男性にもスキンケアに対して興味を持ってもらう取り組みです。

スキンケア市場において最も成長が見込まれている「メンズグルーミング市場」を見据え、新たな顧客層を拡大しようとしています。

メンズコスメ広告の成功事例に学ぶ
「メンズフェイスケア市場」のアプローチ法

資生堂のプロモーション戦略まとめ

資生堂は、緻密な調査と分析をもとに、時代の流れに合わせたプロモーションを展開しています。

そして、これまでと同じやり方で広告を打ち出すのではなく、デジタル広告とマス広告をうまく融合することで、効率よくターゲットに認知してもらう方法を見つけました。プロモーション方法の追求によって、広告費の削減にもつなげています。

適切なターゲットに、適切な形でしっかりとリーチしているか。「ターゲットに正しく伝わっているか」をこまめに検証することは、プロモーション戦略において欠かせない工程です。

「うまく集客につながらない」「認知度が上がらない」とお悩みの方は、自社のプロモーションが意図したターゲットに正しく届いているかを見直すことからはじめてみてはいかがでしょうか。

プロモーション戦略の立て方とは?
事例も交えて解説

ページトップへ