大学のマーケティング戦略とは?学生を集めるポイント
最終更新日:2021年08月06日

18歳人口の減少が深刻なこれからの時代は、大学経営におけるマーケティング施策は必須であり急務。
この記事では、大学が実施すべきマーケティング施策についてご紹介します。
選ばれる大学になるためにマーケティング戦略は必須
リクルート進学総研の「18歳人口予測」によると、2018年~2024年に118.0万人から106.2万人と、11.8万人減少する予測です
その後、微増・微減をしつつも、2030年の18歳の人口予測は104.8万人。緩やかな右肩下がりとなっていく傾向が見て取れます。(※1)
大学の学生募集のメインターゲットである18歳人口が減少すれば、大学経営を成り立たせるために選ばれる努力が必要になることは当然。
そこで重要になるのが、選ばれる大学になるためのマーケティング戦略というわけです。
(※1)参照元:リクルート進学総研 | 18歳人口予測 大学・短期大学・専門学校進学率 地元残留率の動向
大学の強み・差別化ポイントを考える
数ある大学の中から自分の大学を選んでもらうためには、他の大学との違いを示すことが求められます。
差別化ポイントを明確にするということは、学生がその大学を選ぶべき理由が明確になるということです。
差別化ポイントを考えるにあたっては、大学が提供できている価値や強みを改めて整理してみることが必要ですが、自校を分析する前にユーザー(学生)のニーズと、競合大学の分析を行いましょう。
そうすることで、一定の学生のニーズがあるにも関わらず競合が提供できていない価値を見つけやすくなります。この手順を踏むことで的外れな差別化になりにくく、自校が勝ちやすい市場・攻めるべき市場が見えてきます。
学生のニーズを分析する
いまや「大学全入時代」と言われており、大学市場は成熟。このような市場では、学生のニーズも多様化しやすい傾向にあります。
「大学での学びが充実している」といった価値はもはや当たり前のものになっているため、さらに違う角度からの切り口が必要です。
たとえば、「就職や資格取得に手厚い」「留学に積極的」「充実したキャンパスライフ(学び以外の体験・経験)」などが挙げられるでしょう。
大切なのは自校を選ぶ学生のニーズにどういったものがあるのかを整理し、自校が持つ強みとマッチする点を探してみてください。
在学中の学生に大学を選んだ理由をアンケート調査するなど、いわゆる生の声を集めておくと非常に有力な情報となります。
また大学入学にあたっては、本人の保護者や学校の先生、予備校の講師などさまざまな人の意思が関わっており、長期間にわたる比較検討がなされます。
こういった特徴を加味して、学生のニーズだけではなく、その学生の周りにいる人たちのニーズまで範囲を広げることで見えてくる強みもあるかもしれません。
競合大学を分析する
例えば同じ分野や同じ地域などで、自校と比較されがちな競合大学が明確になっているでしょうか?
それらの競合大学が、どういった価値を提供しているか、どういった強みを学生にアピールしているのかを整理・分析してみましょう。
分析を通じて、競合と被ってしまっている強みや負けている点、逆に競合にはない自校ならではの強みが見えてきます。
さらにその強みが学生のニーズと合致していれば強力な差別化ポイントです。
その強みを大学のコンセプトに据え、一貫性を持った広報やマーケティング戦略を実施することで大学の差別化・ブランディングが可能になります。
特定の学生ニーズ・市場に対してNo.1の大学を目指そう
顧客(学生)のニーズがあるが、競合は提供できていない。自校ならではの価値のことを、マーケティング用語でバリュープロポジションといいます。
バリュープロポジションを明確し、マーケティング戦略の軸にすることで、学生が大学を選ぶべき理由をわかりやすく伝えることができます。
また上述したような、学生ニーズの分析・競合分析を通じて、自校が勝てる市場が見つかればしめたもの。その市場ではNo.1の大学であることを学生に伝えられるようにしましょう。
逆に、どういったニーズや市場なら自校がNo.1になれるかという見方で差別化ポイントを考えることもできます。
学生ニーズや市場を細分化(セグメント)したり、複数のニーズを組み合わせたりすることで、自校が勝ちやすい市場を見つけましょう。
ターゲットの学生に届くマーケティング施策とは
自身の大学におけるバリュープロポジションが明確になったら、その魅力を求める学生のニーズを徹底的に分析しましょう。
- どういったことに興味があるのか
- どういった情報を検索しているのか
- どんな悩みや課題があるのか
これらの思考を可能な限り分析し、それに応える強みを発信することができれば、自身の大学に魅力を感じてくれる学生を集めることができ、入学してくれる可能性も高くなります。
大学の価値は入学前に伝わりにくいため、オープンキャンパスや説明会以外のコミュニケーションの場を用意することもマーケティング戦略の一環になるでしょう。
例えば、大学に在籍しているカウンセラーとの悩み相談をオンライン上で可能にしたり、講師の実績や講義風景が伝わる動画を用意したりなど、自校の強みが伝わり、さらに補強するようなコンテンツを考えてみましょう。
SNSによる発信
自身の大学における魅力や価値をアピールしていくためには、SNSの活用が有効です。
SNSによる発信事例を見ながら、ヒントを見つけていきましょう。
Instagramの活用事例
画像引用元:立教大学公式Instagram(https://www.instagram.com/rikkyouniv/)
まずは立教大学が運用しているInstagramの活用事例をご紹介しましょう。
「自由の学府」としても知られる立教大学は、歴史の長いミッションスクールで、キリスト教に基づく教育を基板としています。
Instagramには、チャペルや季節の木々、草花、校舎などの写真が投稿されており、ビジュアル面での訴求が印象的です。
説明会やオープンキャンパスなどでは、学校の様子をじっくり眺める余裕がないこと、季節によって景色も変わることなどに重きを置いており、各投稿には500~1,000件の「いいね!」や「コメント」がついています。
また、このアカウントはフォロワー数1.2万人を誇っており(2021年3月現在)、多くの学生にアプローチする手段になっています。
Twitterの活用事例
画像引用元:近畿大学公式Twitter(https://twitter.com/kinkidaigakuPR)
次に、近畿大学が運営しているTwitterの活用事例をご紹介します。
近畿大学は、大阪府東大阪市に本部を置く大学で、学部数・学科数が豊富なマンモス校としても有名です。
近畿大学が運用するTwitterでは、近畿大学とコラボした商品のプレゼントキャンペーンや、近大通りなど大学周辺のカフェの紹介、「近大マグロ」の養殖情報など、さまざまな情報が発信されています。
ほかにも、近畿大学を卒業した著名人へのインタビュー記事や、近畿大学理工学部教授らが開発した「近大マスク」などの情報も拡散されており、48,000人のフォロワー数を誇っています(20213月現在)。
社会との距離が近いことをアピールし、独自のブランディングに成功している事例として挙げられるでしょう。
オウンドメディアによる情報発信
次に、オウンドメディアによる情報発信について解説します。オウンドメディアとは、自校で運営しているメデイア全般のことを指します。
大学ホームページでのブログ記事やSNSなども広い意味では含まれますが、ホームページ以外で運用しているWebメディアを指すことが一般的です。
オウンドメディアの活用は、すでに大学に興味がある学生に対して魅力を伝え続けることが可能なだけではありません。
まだ自校を知らない学生に対しても、ニーズや興味をきっかけにオウンドメディアを見てもらうことで認知してもらえます。
自身の大学のオウンドメディアの質を高めることで得られるメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 大学の知名度を向上させる
- 在学生や卒業生の声などを掲載することで、リアルな魅力を伝えられる
- 大学の特色をアピールできる
効果的なマーケティング施策のひとつとして、オウンドメディアも有効な手段となっています。
ポジショニングメディアによる差別化ポイントの発信
大学のバリュープロポジションを伝えるためには、ポジショニングメディアの存在も欠かせません。
ポジショニングメディア事例 詳細はお問い合わせください
ポジショニングメディアとは、競合大学と自身の大学を比較して見せることで、市場内での立ち位置をわかりやすく示したWebメディアです。
例えばあるニーズを持つ学生に対してはA大学がベスト、だが別のニーズなら自校がベストといった形で自校の強みや価値を見せることで、自校に強く魅力を感じてくれる相性の良い学生を狙って集めることができます。
多くの学生は情報過多に陥っており、インターネット上の情報だけでは十分な比較検討ができません。
そこで様々な基準で大学の強みを比較しているポジショニングメディアがあったらどうでしょうか。
「どの大学が自分に合っているだろう」などと考えている学生に、大学の強みをわかりやすく伝えるポジショニングメディアは非常に有用であり、大学選びの参考にしてくれるはずでです。
ポジショニングメディアに興味を持ち、より詳しく知りたい方はポジショニングメディアについてまとめた資料も別途ご用意しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。
大学のホームページでも強みを分かりやすく
様々な広告・プロモーション・マーケティング施策を通じて、大学を知ってくれた学生は必ずホームページも確認します。
その際にWebで知った大学の強みについての情報が記載されていなかったり、目立たないデザインになっていると、興味を持ってくれた学生の熱量を下げてしまいます。
広告などで見せている内容と、ホームページの内容に一貫性があるかどうかは、マーケティング戦略として非常に重要です。
バリュープロポジションを軸におきマーケティング戦略に統一性があることで、学生にどういう大学と認知してほしいのか明確になる、つまりはブランディングにつながります。
大学のWebマーケティング戦略のことなら全研本社へ
大学でもマーケティング戦略を考え実施することの重要性を感じていたとしても、
「マーケティングって何から始めたら…」「ホームぺージのどこが悪いのかわからない」「そもそもバリュープロポジションが明確化できない」などの課題が生じることもあるでしょう。
マーケティング戦略を考えるにあたって必要な分析やノウハウなどが多岐にわたり、ゼロから実行するには時間がかかってしまうリスクも。
全研本社では、業界や業種を問わず7,000件以上の集客支援実績があり、バリュープロポジションの分析に基づくマーケティング戦略の立案や、Webサイトのデザイン・制作、公開後の運用まですべてワンストップで対応しています。
大学のマーケティング戦略でお悩みの際は、まずはお気軽にご相談ください。
※オンライン面談システムを活用して、非接触でのご相談も可能です。
また、当社のWebマーケティング戦略のひとつである「ポジショニングメディア」について、大学向けの資料もご用意しています。すでに導入されたお客様の声や、一般的なWeb集客手法の課題もまとめています。必要に応じてご活用ください。