ブランディングを成功させるためのフレームワークを解説!

ブランディングを成功させるためのフレームワークを解説!
Facebook Twitter LINE はてなブックマーク Pocket RSS

ブランディングを成功させるためのフレームワークと、ブランディングのメリットを企業側とユーザー側の視点からご紹介します。ブランディングは商品・サービスのブランド力を高めるために欠かせません。より効果を高めるために、ご紹介するフレームワークを活用してください。

ブランディングとは?

ブランディングとはどのようなものなのか、基本的な知識をご紹介します。

ブランディングの概要

「ブランディング」とは企業や商品の魅力を明確にし、ユーザーに浸透させていくことです。企業や商品は一種のブランドですが、ユーザーが抱くブランドのイメージが、企業が「こうありたい」と思っているブランドアイデンティティが必ずしも一致しているものではありません。

ユーザーが抱くブランドへのイメージと、企業が抱くブランドアイデンティティとの差を埋めるためにブランディングを行います。

企業はロゴマークやキャッチコピー、広告、Webサイトのデザイン、お客様対応などを通してブランドアイデンティティを表現し、ユーザーに正しいブランドイメージを認識させます。ユーザーが抱いているブランドイメージが自身のニーズと合っていると感じていると、購買時に自社の商品・サービスを選ぶ可能性が大きくなります。このように、ブランディングはマーケティングの一環となります。

ブランディングではPDCAサイクルが重要

ブランディングは一朝一夕で完成されるわけではなく、継続的に行われていくものです。PDCAサイクルを回し、常に軌道修正を行っていくことが大切です。

Plan:ブランディングのためのアイデアを練る
Do:ブランディングを実行する
Check:行動に対して結果・効果が現れる
Action:結果・効果を分析し改善する

PDCAサイクルによってブランディング活動の精度を高めていけば、ユーザーに正しいブランドイメージを持ってもらえるようになります。

ブランディングの実施手順

ブランディングの実施手順
ブランディングは具体的にどのように行うのか、実施手順を見ていきましょう。

  1. 市場の調査と環境の分析
  2. ターゲティングとポジショニング
  3. ブランドアイデンティティの明確化
  4. コードとスタイルへの落とし込み
  5. ブランディングの実践
  6. 結果の検証と分析
  7. 改善策の提示

ブランディングを行うためには、まず市場調査や環境分析を行います。企業・商品の現在の立ち位置を確認した後に、狙うべきターゲットを定めます。ターゲティングによりポジショニングも決まるので、自社がとるべきポジショニング(ターゲット市場での自社の立ち位置と競合他社との差別化・差異化の手法)も同時に決めましょう。

ターゲティングとポジショニングが決まったら、次はブランドアイデンティティを明確にしていきます。ブランドアイデンティティはブランディングの基礎となるので、企業や商品に抱いてもらいたいブランドイメージを考えてください。

そして決定されたブランドアイデンティティにしたがって、コードとスタイルへの落とし込みを行います。コードとはキャッチコピーや文章の口調など、スタイルとは広告やWebサイトのデザインのことで、どちらもブランドアイデンティティを具現化させるものです。ユーザーはコードとスタイルを総合的に見て、ブランドへのイメージを判断するのでブランディングにおいて重要なステップとなります。

コードとスタイルを通じてブランディングイメージをメディア露出などでユーザーに伝えてから、実践した結果の検証と分析を行いましょう。改善点や評価点などを見つけて、より効果の高いブランディングが実践できるようPCDAサイクルを回します。

ブランディングにより得られるメリット

ブランディングにより得られるメリット
ブランディングによりどのようなメリットが得られるのか、企業側のメリットとユーザー側のメリットの両面から解説していきます。

企業のメリット

ブランディングで企業が得られるメリットとは、主に次の5つです。

  • ユーザーのブランドロイヤリティが高まる
  • 認知度と競争力が高まる
  • 他企業と連携する機会が増える
  • 企業の信頼性が高まる
  • 低価格化の回避により安定的な利益が得られる

企業・商品・サービスのブランド力が高まると社会的な認知度が上がり、愛着心を抱くユーザーと他の企業と連携できる機会が増えてきます。また、認知度が上がると企業の信頼性も高まるので、資金や人材の調達がしやすくなることもメリットの一つです。

さらに愛着心を抱くユーザーが増えれば、商品やサービスの価格を下げなくても一定の売上が維持できるようになり、安定的な利益が得られるようになります。ブランディングは企業・商品・サービスのブランドとしても価値を高める方法です。

ユーザーのメリット

次にブランディングでユーザーが得られるメリットについて見ていきましょう。

  • 商品やサービスを選びやすくなる
  • 自己表現の手段として役立つ
  • 商品やサービスに対して安心感を抱ける

ブランディングは企業・商品・サービスをイメージ付けることなので、ユーザーにとっては数ある商品・サービスの中から好みや目的に合うものを見つけやすくなることがメリットです。

また、ユーザーが企業・商品・サービスのブランドイメージを借りて、自己表現の手段とします。「おしゃれ」「クール」「ナチュラル」などのイメージを持つ商品やサービスを使うことで、自分を同じようにイメージ付けるのです。

最後に、企業のブランドアイデンティティと発信内容がしっかりしていると信頼性が増し、ユーザーの商品やサービスへの安心感が高まります。このようにブランドは、不安や選択肢に溢れている世の中で信頼できる人・ものに対するニーズを満たす一つの要素となります。

ブランディングに有効なフレームワーク理論とその例

ブランディングに有効なフレームワーク事例と理論
それではブランディングに有効なフレームワークの事例と、それぞれの理論について解説していきます。

ライフサイクル理論

「ライフサイクル理論」とは、商品やサービスの現在地を分析してブランディングを行うフレームワークです。すべての商品とサービスにはライフサイクルがあり、それが「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」と4つの段階に分けられるという理論に基づいてます。商品・サービスがどのステージに位置しているのかを分析してから、それに合った戦略を練ります。

  • 導入期:商品・サービスが登場したばかりで、認知度を高めていく必要があるとき
  • 成長期:商品・サービスの認知度が上がり、市場の拡大を狙えるとき
  • 成熟期:商品・サービスに認知度はあるが成長は鈍化してきていて、次の戦略が必要なとき
  • 衰退期:商品・サービスの売上が下がり、別の市場を獲得するか新規事業を立ち上げたいとき

ライフサイクル理論に基づいた分析の例として、古くは有名な温泉地だったものの、最近では利用客が少なくなった老舗温泉旅館があったとしましょう。温泉旅館は「衰退期」にあると判断して、今までとは違う新たな戦略を打ち出す必要性があると判断しました。そこで打ち出せるブランディング戦略としては、若女将を打ち出し、温泉地全体を活気づけるものが考えられます。

商品・サービスがどのステージにいるかにより、実施したいブランディングの方向性も変わります。

アンゾフの成長マトリクス

「アンゾフの成長マトリクス」とは、4つのマスを使うマトリクスを用いてブランディングを行うフレームワークです。「商品・サービス」「市場・ユーザー」という2つの側面を、「既存」「新規」に分けて合計4つのマスを作ります。

アンゾフの成長マトリクスでできた4つのマスのうち、まずはどの戦略を選ぶかを決めると、今後のブランディングの方向性や実施するべきマーケティングが明確になります。

衰退した温泉地で利用客の減少に悩む、老舗温泉旅館の場合は、下記のような施策が考えられます。

  • 新規サービス × 新規ユーザー:挙式できる神社やブライダル雑誌と提携し、結婚式プランを打ち出し
  • 新規サービス × 既存ユーザー:新規の宿泊サービス・プレゼント・貸出品を用意
  • 既存サービス × 新規ユーザー:新たに外国人・カップル・一人旅行者向けをターゲットにする
  • 既存サービス × 既存ユーザー:今まで通りの宿泊プランやサービスをさらにアピール

アンゾフの成長マトリクスを用いると、それぞれのマスで自社の商品・サービスにどのような弱点があり、どのような要素を取り入れていくべきかわかってきます。

PEST分析

「PEST分析」とは、社会や経済など外的な要素からの影響を分析するフレームワークです。「PEST」は「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」の4つの頭文字のことです。

  • Politics:政権交代や法律の改正、増税・減税など政治による影響
  • Economy:景気の動向や物価・株価・金融指標の変動、GNP成長率など経済による影響
  • Society:人口動態の変化、流行・価値観・ライフスタイルの変化など社会による影響
  • Technology:IT・工業・産業での新技術の登場、イノベーションなど技術力による影響

PEST分析を実施すると、外的な要素に対してどのような対応をするべきか分析できます。衰退しつつある老舗温泉旅館を例に挙げてPEST分析を確認してみましょう。

  • Politics:増税により外泊が減少する
  • Economy:北陸新幹線開通で北陸からの観光客増加・北陸への観光客の流出
  • Society:大河ドラマの舞台になったことで観光客が増加するものの一時的な影響
  • Technology:スマホの普及でオンライン予約の需要が高まる

老舗温泉旅館でPEST分析をすると、外的要因からどのような影響を受けるか、良い面も悪い面も明確になってきます。将来的な予測も立てやすいので、長期的なブランディングを考えられるフレームワークです。

3C分析

「3C分析」とは、自社の強みを見つけるための方法です。3Cとは「競合(Competitor)」「自社(Company)」「顧客(Customer)」の3つのCを指し、自社と競合の強みと弱みを「ヒト・モノ・コト」の3つの側面から考え、顧客のニーズに合致する部分を見つけます。

利用客の減少に悩む老舗温泉旅館の例では、3C分析を行った結果、自社の強みが「安心して宿泊できる」であることにたどり着くことがあり得るでしょう。

  • 自社の強み:心配りが行き届いていて、館内には段差がなく畳敷きで裸足でも歩ける安心感がある
  • 競合の弱み:サービスの質が低く、館内に階段や段差が多い
  • 顧客のニーズ:高齢者や子供でも転倒の危険がなく安心して、ゆっくりと観光したい

3C分析をすると、顧客にアピールしたい自社の強みが見えてくるので、ブランディングのためのフレームワークとして非常に有効です。

ポジショニングマップ

「ポジショニングマップ」とは、市場で自社がどのような立ち位置にいるか判断するためのフレームワークです。「デザイン性・機能性」「自然派・高機能」「高級・低価格」「スタイリッシュ・温かみ」「シンプル・多機能」など、対象的な要素を2組選んでマトリクスにして自社がどの位置にいるか判断します。

ポジショニングマップの事例として、強みをさらに活かしていきたいと考えている園芸店を例に挙げてご紹介します。ポジショニングマップでは「低価格・高級」「花・観葉植物」の2組の要素で分析。その結果、近隣の競合と比べて「高級な観葉植物」が多いことが判明すると、経営方針をその特徴に合わせて変更することができます。

  • 安価な花の販売量を減らす
  • 日本で取り扱い数の少ない輸入観葉植物を新たに仕入れる
  • ターゲットを高齢者やファミリー層から植物好きの若い単身者に変更する
  • 店内の内装を都会的でスタイリッシュな雰囲気にする
  • 観葉植物をインテリアとして飾るための参考になるディスプレイに変更する

ポジショニングマップのフレームワークで市場での自社の立ち位置がわかれば、どのようにブランディングしていくべきかが明確になり、競合との差別化もしやすくなります。

ブランドの扇

「ブランドの扇」とは、5段階でブランドが提供する価値を決めるフレームワークです。「具体的な事実と特徴」「機能的価値」「心理的価値」「ブランドパーソナリティ」「ブランドエッセンス」の5つからブランドの価値を決めると、どのようなユーザーに対して何を提供するべきか明確になり、ブランドアイデンティティを決めるために役立ちます。

たとえば、珍しくおしゃれな輸入観葉植物を取り扱う園芸店を例に挙げてみましょう。

  • 具体的な事実と特徴:日本で取り扱い数の少ない珍しく、おしゃれな観葉植物を販売する
  • 機能的価値:他店では見られない観葉植物が見られる、購入できる
  • 心理的価値:他の人が持っていない珍しい植物を購入して満足感を得られる
  • ブランドパーソナリティ:おしゃれで都会的な特別感のある逸品を提供する
  • ブランドエッセンス:オリジナリティのあるガーデニングを楽しみたい方が、見たことのない植物との出会いを楽しめる「あなただけの新たな癒しと出会える場所」

ブランドの扇は5つの面からブランドを検証することができる、的確なブランディングを行うための基礎を見つけやすくするためのフレームワークです。

的確なブランディングのためにはフレームワークを使い分けて

的確なブランディングのためにはフレームワークを使い分けて

的確なブランディングを行うためには、「ライフサイクル理論」「アンゾフの成長マトリクス」「PEST分析」「3C分析」「STP分析」「ポジショニングマップ」「ブランドの扇」などのフレームワークを使い分けて分析を進めていくことが大切です。

ブランディングが成功すれば、企業・ユーザーの双方が多くのメリットを享受できます。ブランドの知名度と信頼性を高め、長期的に安定した利益を得ていくためにはブランディングは重要です。

もし今後ブランディングによって商品・サービスの価値を高めていきたいとお考えなら、豊富な実績を持つ全研本社が、より効果の高いブランディングを実現するためのサポートをさせていただきます。
全研に問い合わせ

ページトップへ