クロスメディアマーケティング戦略とは?成功事例からわかる5つの効果

クロスメディアマーケティング戦略とは?成功事例からわかる5つの効果
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「クロスメディアマーケティング戦略」とはいったい、どのようなものなのでしょうか。

ここでは、さまざまなメディアを組み合わせて展開するクロスメディアマーケティング戦略の基礎知識や成功事例を紹介していきます。

クロスメディアマーケティング戦略で得られる5つの効果についても解説していますので、広告戦略の見直しに迫られている方や、効果的な広告手法をお探しの方は、参考になさってください。

クロスメディアマーケティング戦略とは?

クロスメディアマーケティング戦略とは、新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・Webサイトなど、複数のメディアを組み合わせて展開するマーケティング戦略のことです。

特徴は、各メディアの広告を連動させてプロモーションを展開し、マーケティング効果を高めていく手法である、という点です。

例えば15秒間のテレビCMで商品イメージを伝えて、詳しい商品情報を掲載したWebサイトへ誘導するなどが考えられます。

幅広い層へ情報を伝えられるマスメディアと詳細な情報を伝えられるWebメディアを組み合わせることで、マーケティングの相乗効果を狙います。

クロスメディアマーケティング戦略の最終的な目的は、顧客を商品やサービスの購買へと導くことです。顧客を次のメディアへ誘導しながら興味関心を高め、顧客の背中を押すような情報を提供して購買へと導きます。

したがってメディアごとにターゲットを設定して、コンテンツの内容も変更しなければなりません。比較されることが多いメディアミックスマーケティング戦略とはここが大きく異なります。

メディアミックスマーケティング戦略は、複数のメディアで同じコンテンツを展開するマーケティング戦略です。特徴の異なるメディアを組み合わせる点は共通していますが、コンテンツの連動は重視しません。

メディアミックスマーケティング戦略は、ひとつのメッセージを効率よく伝えることを主な目的とする手法。クロスメディアマーケティングはシーンごとに異なる設定が必要、ということになります。

クロスメディアマーケティング戦略に期待できる5つの効果

クロスメディアマーケティング戦略に期待できる効果
クロスメディアマーケティング戦略には、さまざまな効果が期待できます。以下に代表的な効果を5つ、ピックアップしてみました。

1.幅広い顧客層にアピールできる

クロスメディアマーケティング戦略には、幅広い顧客層にメッセージを伝えられるという特徴があります。

利用者層が異なる複数のメディアを組み合わせて活用するからです。例えばSNSの主な利用者層は若年層、新聞の主な利用者層は高年層と一般的にいわれています。

SNSと新聞を組み合わせれば、若年層と高年層に効率よく情報を伝えられる可能性があります。あるいは年収や学歴など、属性の異なる顧客へメッセージを伝えられる可能性もあるでしょう。

もちろん、ターゲットから外れる層へ情報を伝えるケースもありますが、商品やサービスを知ることで態度が変更するケースは少なくありません。いずれにせよ幅広い顧客層へ情報を伝えられる点は、クロスメディアマーケティング戦略の魅力です。

2.各メディアの短所を補い合える

新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・Webサイトなどの各メディアには、長所と短所があります。例えば雑誌は詳しい情報を伝えられますが、幅広い層へ情報を伝えることはできません。

反対にテレビは幅広い層に情報を伝えられますが、1つの商品やサービスを扱える時間が限られるため詳しい情報まで伝えることはできません。クロスメディアマーケティング戦略を活用すれば、あるメディアの短所を別のメディアの長所で補えます。

雑誌とテレビであれば、幅広い層に情報を伝えられない雑誌の短所をテレビの長所で、詳しい情報を伝えられないテレビの短所を雑誌の長所で補うことが可能です。

3.顧客の購買意欲を高められる

クロスメディアマーケティング戦略は、ひとつのメディアだけを活用するマーケティング施策よりも顧客の購買意欲を高めやすい傾向があります。利用する各メディアに役割をもたせられるからです。

具体的には「商品やサービスを知ってもらう」「商品やサービスに興味をもってもらう」「商品やサービスについて詳しく理解してもらう」などの役割が考えられます。

顧客に合わせて段階的に刺激を加えられるため、ひとつのメディアだけを活用するマーケティング施策よりも購買意欲を高めやすいといえるのです。

4.より詳しく情報を伝えられる

商品やサービスの情報を、より深く伝えられる点もクロスメディアマーケティング戦略の魅力といるでしょう。複数のメディアで役割が異なる別々のコンテンツを展開するため、商品やサービスについて多角的に理解してもらえます。

例えば15秒間のテレビCMで伝えられる情報は限られますが、詳しい情報を掲載したWebサイトへ誘導すれば商品の使い方やサービスを利用した後に期待できる変化まで伝えることができます。

商品やサービスについて深く理解してほしいときに活用したいマーケティング戦略といえます。

5.顧客とのタッチポイント(接点)が増やせる

タクシーに乗ってタクシーサイネージを目にする人もいれば、展示会でたまたまサービス名を知る人もいる。顧客との接点は多ければ多いほど、見込み客になってくれる可能性が高まります。

テレビ通販を1回見ただけでは購入に至らず、何度も目にしたうえでネットで口コミなどを見てから、やっと購入に至ります。さまざまなシーンでの露出が購買行動を後押しして、チャンスを広げます。

テレビや雑誌だけでなく、Webメディアやニュースサイト、プレスリリース、Web広告などを活用すれば、タッチポイントの波状攻撃ともいえるマーケティングが実践できるようになります。

クロスメディアマーケティング戦略のポイント

クロスメディアマーケティング戦略のポイント
ここからは、クロスメディアマーケティング戦略を実践するうえでおさえておきたいポイントを紹介します。

カスタマージャーニーを設計する

クロスメディアマーケティング戦略の精度を高めるため活用したいのがカスタマージャーニーマップです。カスタマージャーニーマップは、顧客が商品やサービスを認知する段階から購買に至るまでのプロセスを可視化したものといえるでしょう。

カスタマージャーニーマップを設計するメリットは、購買プロセスの各段階で顧客が製品やサービスに抱いている期待や疑問などを理解しやすくなることです。

例えば顧客が「無関心」「興味」「情報収集」「比較・検討」「行動」「共有」などのプロセスを踏むことがわかれば、各段階でどのような思考をしているか、どのような感情を抱いているかが理解しやすくなります。

したがって購買プロセスに応じたメディアを選択しやすくなるほか、顧客のニーズに応じたコンテンツを制作しやすくなります。

ユーザーファーストのコンテンツを制作する

顧客にとって利便性の高いコンテンツを制作することも重要です。クロスメディアマーケティング戦略の主な目標は購買へとつなげることですが、購買意欲が高まっていない段階で購入を強く促すと、顧客にとって利便性の低いコンテンツになってしまいかねません。

したがって顧客の購買意欲が高まった段階で、購入方法を示すなどの配慮が必要になります。

利便性の高いコンテンツは、顧客を深く理解しなければ制作できないため、まずは顧客データを分析して顧客像を明確にしましょう。

顧客像を明確にしてから顧客視点で購買までのシナリオを設定すれば、意図しないタイミングで購買方法を示すなどのミスは防げます。

ユーザーファーストで購買までの流れを設計してからコンテンツを制作することが重要です。

PDCAサイクルを回す

カスタマージャーニーマップの設計、ユーザーファーストのコンテンツ制作とも難易度の高い取り組みです。手間をかけてカスタマージャーニーマップを設計しても、想定通りに顧客が行動してくれないケースは少なくありません。

コンテンツもユーザーのニーズを捉え切れていないと感じるケースも多々あります。したがって最初から完璧を求めると、挫折する恐れがあります。PDCAサイクルを回しつつ、少しずつ精度を高めていくことが重要です。

PDCAサイクルを回すコツは、計測できる指標を設定しておくことです。例えば雑誌広告からWebサイトへ訪れた顧客の人数などが考えられます。

指標を設定することで、実施した施策の効果を測定できるようになります。

クロスメディアマーケティング戦略の成功事例

クロスメディアマーケティング戦略の成功事例
最後にクロスメディアマーケティング戦略の成功事例を紹介します。

SHARP

SHARPキャプチャ画像画像引用元:SHARP 公式サイト (https://jp.sharp/)

大手家電メーカーのSHARPは、テレビCM、YOUTUBE 、Webサイト、Twitterなどを組み合わせたクロスメディアマーケティング戦略を展開しています。

例えば公式サイトの商品カタログページには、詳しい商品情報を動画で紹介している動画ライブラリー(YOUTUBE)へのリンクが貼られています。

またTwitterを活用した広告戦略も巧みです。大手家電メーカーとは思えないユニークな投稿で、顧客と良好な関係を築くことに成功しています。2022年3月23日時点のフォロワー数は82.6万人です。Twitterの投稿から商品に興味をもった顧客も多いでしょう。

サントリー

サントリーキャプチャ画像
画像引用元:サントリー 公式サイト (https://www.suntory.co.jp/)

サントリーは、テレビCM、店頭(飲食店)ポスターなどの既存メディアにYOUTUBEやSNSをはじめとする新興メディアを組み合わせて、ハイボールの購買層を若者世代まで拡大することに成功しています。

ポイントは、テレビCMやYOUTUBEなどで若者であっても楽しめる飲み方を提案するとともに、実際に体験できる場(飲食店)を作ったことといえるでしょう。SNSを活用して、話題を拡散させている点も見逃せません。参考にできる取り組みが多い成功例です。

妖怪ウォッチ

妖怪ウォッチキャプチャ画像
画像引用元:妖怪ウォッチ シリーズ 公式サイト (https://www.youkai-watch.jp/)L

妖怪ウォッチも、クロスメディアマーケティング戦略で定着を図ったコンテンツとして知られています。漫画、テレビゲーム、テレビアニメ、玩具など、さまざまなメディアを活用して一大ブームを巻き起こしました。

ポイントは、各施策が計画的に実施されていたことです。例えば玩具のDX妖怪ウォッチは、アニメの第1話が放送された日(2014年1月8日)の3日後(2014年1月11日)に発売されています。ブームの背景には、巧みなメディア戦略が隠れていたといえるでしょう。

JR西日本

JR西日本キャプチャ画像
画像引用元:JR西日本 公式サイト (https://www.westjr.co.jp/)

JR西日本は、電車の中吊広告とスマホアプリを連動させたクロスメディアマーケティング戦略で話題を集めました。具体的にはスマホアプリで中吊広告を撮影すると、特設サイトへ移動してキャンペーンに参加できるイベントを実施しました。

紙媒体とWebサイトを連動させることで、中吊広告の価値を高めたと評価されています。

GU


画像引用元:GU 公式サイト (https://www.gu-global.com/jp/ja/)

GUもクロスメディアマーケティング戦略を活用して売上を伸ばしています。具体的には有名タレントを起用したテレビCMで幅広い顧客層へアピールするとともにSNSを活用して主な顧客層である20~40代女性にアプローチしています。

SNSの特徴は、今日から真似できるコーディネートを紹介していることです。ECサイトへリンクを貼っている点も見逃せません。

クロスメディアマーケティング戦略に悩んだら…

クロスメディアマーケティング戦略はZenkenへお問い合わせください
テレビ・雑誌・Webサイトなど、複数のメディアを組み合わせて展開するクロスメディアマーケティング戦略について解説してきました。

各メディアのコンテンツを連動させて、マーケティング効果を高める点が効果があるとわかっていただけたと思いますが、どこから着手すればいいのかわからない、というのが本音かもしれません。

実際にすべてを社内で対応するケースはあまりないと思いますが、Webマーケティングのことであれば、Zenkenがサポートさせていただきます。

効果的な運用には、専門的なマーケティング知識が欠かせません。カスタマージャーニーマップの設計や中長期のマーケティングプランなど、やるべきことが山のようにあります。

ZenkenはコンテンツマーケティングやWebブランディングで10数年の実績がある会社です。クロスメディアマーケティング戦略を含む、マーケティング全般について、下記フォームよりご相談ください。

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